« デジモンセイバーズ#46 | トップページ | 古代王者恐竜キング#7 »

2007年3月終了アニメ雑感・1

ちょっと早すぎる桜咲く3月は別れの季節というわけで,今週はこれまで楽しんできたアニメの最終回が目白押し! 一度に書き上げるにはあまりに数が多いので,いつものように,ときどき最終回感想集としてまとめて短評を出していきたいと思います.
このサイトではすっかりおなじみの3面評価.自分自身がどこまで楽しめたかを<私見>,この作品をどの程度他人に薦められるかを<一般>,作品中の電波濃度がどの程度濃いかを<電波>としてそれぞれ5点満点で点をつけてきたんですが,今回から5点区切りに加え,それぞれ+-もつけるようにしてみました.
自分としては<一般>で3以上の作品は大抵の人が楽しめる作品じゃないかと思っていますんで,作品選びの参考にしてみてくれるとうれしいです.逆に3-以下の作品はかなり人を選ぶだろうと考えてつけているので,ネット世論と自分の意見が食い違ってもあんまりくじけなくていいと思うんだ(笑).

今回短評を出した作品は以下の通り.

---
[終了短評] ※私見:一般:電波で各5点ずつ

3:3-:1 パンプキンシザーズ
キャラは見た目も内面も魅力的,ストーリーも原作由来か興味深い…なのになんであんなに全体的にダレるのか(苦笑).物語を詰め込みすぎてわけわからなくなるのとどっちがいいかと聞かれると悩むんだけど,終盤は言うに及ばず,各話レベルでもテンポの悪さの目立つ回が多かったのが大きな難点.これは原作を映像に落とすときの演出の翻訳能力の問題だろうなぁ….伍長の萌えっぷり,少尉のヒーローっぷり,そしてコメディっぷりはかなりいい感じだっただけに,本来ならもっと呼び込めるはずのファンを集め切れなかったことが凄く勿体無かった.

3:2+:1+ 月面兎兵器ミーナ
女子高生にキャスターに正義の味方,最初から要素詰め込みすぎの本作だったけど,その詰め込みすぎを作品のテーマにした上でお約束も上手に使っていい着地を見せた佳作.短期シリーズなので一般がやや低めの点になっていますが,短期間で語れる範囲のことをきっちり選んで専念したのは偉い.終盤の展開は詰め込みすぎも間延びもあまりなくて,同期同制作会社の作品中では一番ちょうどいい終わり方をしたような気がします.
実写ドラマからのスピンアウトということでより一般を意識した作品に仕上げてくるのかと思ったら,実際は可愛い女性(年齢はいろいろ)一杯の普通の深夜アニメに.ドラマだからスカしたことをやってくるんじゃないかと警戒していたオタからすれば拍子抜けだけど,この作品にとっての本当の勝負の時はこの先のDVD販売時でしょう.ドラマのファンでDVDを手に取った薄い連中をどこまで満足させられるかは未知数だけど,うまく受け入れられるといいな.

4+:3-:3 デジモンセイバーズ
喧嘩番長が殴り合いという特殊な対話方法でひたすら後始末をする話.召還獣に代理バトルをやらせずに生身&素手で戦ってしまう爽快感やハラハラ感は本作独自.10年前からの過去が次第に明らかになっていく謎解きものとしての面白みもあります.感情は理論を圧倒し,殴り合いは話し合いと等価であり,才能は努力に,個人は組織に勝てない.良くも悪くもそういう話になっているので,組み合わせのどれか1つでも受け入れられないと話が進むほど納得できなくなるという困った構造です(笑).
異文化の衝突によって生まれ,簡単には止まれない悲しい争いは現実の戦争を映し出したよう.過去の罪や行き違いによる状況の悪化は,常に後手に回らされる主役たちだけで止められるような生易しいものではなく,悪を倒し世界を守るキッズ向けの王道からはかなりずれてしまっています.大きな事を成し遂げても本来なら得られるはずのカタルシスがちっとも来ないというじれったい構造は…もっと単純な快感を求める子どもにはやっぱし敷居が高すぎると思う(苦笑).
じっくり描けば2年分くらいになる内容を無理に1年に詰め込んだため,視聴者側で積極的に作品と真正面から殴りあう本気と根性がなければ味わいきれないものが山ほど.東映らしく時折作画も息切れするため(笑)視聴を継続することが難しい作品であるのは間違いなく,この作品でなければ味わえない面白さや作り手の高い志を最後まで上手く伝え切れなかったことがすごく勿体無かったなぁ….
2つの世界の狭間で苦悩する少年の救いと決意とか番長と救世主と神の序列問題とか,完璧に見えた奴の嫉妬とか本来はラスボスであるべき奴が途中退場!とか,序盤の穏やかな展開からは想像もつかない,お約束からはちょっと外れた面白いものが実は満載で詰まっているので,感動というよりは二転三転する物語にびっくりしたい奴にぜひ見てもらいたい.中盤の展開の熱さなんか本当に凄まじいぞ! とりあえず番長最強.面白かったです!

4-:4:4 おねがいマイメロディ くるくるシャッフル!
さすが2年目,いろいろグダグダ! しかし本作に限ってはそのグダグダっぷりも異様な魅力に変わってしまう,あまりにも度量の広すぎる怪作はまだまだ元気! 見る側も慣れてしまったため1年目ほどのインパクトは感じなくなってしまいましたが,大体同じメンバーで更なる1年を展開したことからキャラの奥行きはより深まったかと思います.特にヘタレを返上する小暮と,自分の思い違いを訂正するタイミングを逃して負け犬に墜ちた柊兄のコントラストは見事でした!
登場当初は本当にいらない子であった柊弟も最終的にはそれなりの立ち位置を見つけたし,「負け犬」自体が力を持つようになったことで全ての底辺に置かれていたバクも復権を果たしたし,本当によくこなれたコント集団と化したこのメンバーでの「マイメロ」をもっと見続けていたいと思ったんだけど…柊兄弟が海外行きってことは,次期シリーズは彼らは出てこないってことなんだろうか? 折角兄弟で負け犬になったのに勿体無いなぁ….1年目より確実に敷居は上がっていますが,このグダグダな超展開は他作では決して味わえない珍味(笑).面白かったです!

3:3+:1 金色のコルダ
ターゲットは間違いなく女性向けだけど,それ以外の層でも十分楽しめる音楽と恋の物語.頻繁に恋が描かれながらもよくある女性向け作品のような甘ったるさが薄いのは,主役が時折恋に反応しつつも最終的には音楽の方に重きを置いているからでしょう.主役が恋どころではない辛い状況に追い込まれることで,周囲の異性たちが必死に道を探す主役を好ましく思い憧れはじめるってのは,性別を逆転すればそのまま少年マンガの常道ですからね.
後半から終盤にかけてのヒロインの目覚め,全体的に崩れの少ない端正な画面,演奏シーンの頑張りぶり,そして柚木様など見所も多いですが,何よりも出てくるキャラが性別を問わずしっかりと作品世界の中に立っている,希有な良作だと思います.面白かったです!

3-:3-:1 まなびストレート!
やりたいこと描きたいことと売るためにやらねばならないことを至極強引に繋げてしまった,実に最近のufotableらしい大変にバランスの悪い作品.でもそういう不完全さや未熟さは全て否定されるものではなくて,そのまま作品の独自性とか芸術性に繋がっていくので評価が凄く厄介(苦笑).作画は定評のある会社だけあって見事! 特に髪とか頬とか,よくあんな手の込んだことを最後までやったもんです.そこは見る価値が確実にあると思います.
ロリっぽいキャラと一時代以上前の青春闘争劇はミンティアとするめレベルで食い合わせが悪く,せめてキャラだけでも高校生に見えたらこんな違和感を感じることもなかったはずだけど,そうなると本作でなくなる気がするので仕方なく横に置くことにして(苦笑)どうしても気になったのは言葉や描写のつたなさ.大人たちの台詞の説明口調&言い訳がましさや,作り手の主張を体現しすぎて中の人が見えちゃってる少女たちはなぁ….キャラの顔を借りて作り手のおっさんが主張するのではなくて,魅力的なキャラたちが心から語る言葉や行動を聞きたかったし見たかった.脚本レベルの未熟さが凄く勿体なかったです.

---
最終回短評はまだまだ続きます.

|

« デジモンセイバーズ#46 | トップページ | 古代王者恐竜キング#7 »

「アニメ終了雑感」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/5112/14421233

この記事へのトラックバック一覧です: 2007年3月終了アニメ雑感・1:

« デジモンセイバーズ#46 | トップページ | 古代王者恐竜キング#7 »