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美少女戦麗舞パンシャーヌ#7

食い物を粗末にすんなよお前らも!

モルディブに行きたがっていた理沙が急にそれを言わなくなった.そのかわりスイムスイムスイームと泳ぐ真似を繰り返しているのが凄く不審だ.一体何があったのかを調べるために娘の後をつけた由美子が見つけたのはダイビングスクール.セーラー服と眼鏡で変装した上で侵入したその中では,太ったインストラクターが海の危険を集まった生徒たちに叩き込んでいた.
黒いウェットスーツもはちきれそうな講師・丘ダイバーが教えるのは,魅力的だが危険な海で安全に過ごすための各種の技術.水など一滴もない道場の中でスイムスイムスイームを泳ぐふりを繰り返し,甲羅干しやらシンクロやらビーチバレーやらを教える彼に,なかなか筋がいいと褒められる由美子.娘の異変は丘ダイバーの指導を受けたせいだったのだ.

短期シリーズを快調に高品質に突っ走る「パンシャーヌ」.へっぽこドラマ愛好家ならば絶対見逃せない素晴らしい出来が続いていて,この調子で1年くらい続けばいいのに,惜しいなぁと思うことしきりです.毎度ではないもののゲストが豪華なのも本作の大きな魅力の1つで,今回は踊れるデブ,パパイヤ鈴木が謎のダンスで大暴れ(笑)! 普通なら相当お寒い状況をその個性と熱量で強引に押し切っていきます.
そして今回のパパイヤ以上の見所はやはり脚本の大和屋暁! ギャグ・コメディ系の脚本では定評があり,その軽快かつ豪快なノリと天高い投げっぱなしを可能にする展開の妙が魅力.ごく普通の状況が転がるように変質し異常になっていく面白さは,比較的最初から異常な状況からはじまる浦沢脚本とは種類が異なります.食べ物を大切にしようという教訓を語るためには食べ物をおもちゃにすることを恐れない本末転倒ぶりをお楽しみください!

前半.何事もなくはじまるのが投げっぱなしをやる場合の大切なお約束.まったりとお茶を飲む健介と由美子の2人のところに「パパぁー? ママぁー?」と露骨な猫撫で声がやってきた(苦笑).娘は今度の連休,海に行きたい! しかも近所の海じゃなくて「モールーディーブっ!」 いきなり海外リゾートとは随分大きく出たもんだ(笑).…南海の優雅な休日妄想は一体どこで学習したのやら.変な上流階級志向は母譲りなんですかね理沙さんは.
父にしなだれかかって「おーねーがーいっ!」とねだり迫る娘に「…近いっ」と顔を背ける健介.申し訳ないですがパパの年収では気軽に海外は無理! ビジネスクラスで我慢すると言われても無理って言うかそれ我慢じゃないし.しかし理沙の友達恐るべし.皆が行くのだから自分も行きたいと娘は強く強く主張.ストレスに晒された子どもを癒すのが親の務め…なのかはよくわからないけど,友達と違うことでいじめられる可能性を排除するのは務め…なのか?
しかしいくら娘を守るったって限度があるもんで.「オーッホッホッホ,そう来ると思ったわ!」と由美子さん,娘にこの言葉を送ります…「他所は他所,うちはうち!」 この季節の日本海並みに冷たい母の言葉に娘はふてくされ,外へと飛び出してしまいます.…中途半端な季節の贅沢はどうやら望み薄.「常夏の海で,海の遊びを満喫してみたいのよー!」と望みを空へと叫んだら,すこー,すこーと息が来た.
「どうやら,お困りのようですね!」と謎の男が看板の後ろに登場.「そういうことなら,相談に乗れると思いますよ,すこー!」とひとりぼっちの幼女に声をかける不審なデブ.看板の後ろにいるこいつは一体どちら様? …看板の後ろから姿を現す,デブな上に黒のウェットスーツのパパイヤ鈴木.どっからか突き出された集音マイクに向かって叫ぶ「私の名前は,丘ダイバー!」…とりあえず幼女にいたずらとかさえしなければもうなんでもいいや(笑).
そんな邂逅から1週間.あれからぱったり何も言わなくなった理沙がおかしい.急にスイムスイムスイームと家の中で泳ぐふりして壁にタッチ…なんて,結構リアリストな理沙さんが夢想の中で遊ぶのはおかしい.これはモルジブに連れていかない嫌がらせなのかと思ったら,「何言ってんのママ」とすっかりそれはどうでもいいらしい理沙さん.逆にその吹っ切れぶりが母の由美子には凄く不思議.ゆえに泳いでいく娘の後を着けてみるのです.
出かけた娘の後を追っていった先にあったのは「丘ダイビングスクール」で,「入会希望の方ですか?」と赤ジャケットのお姉さんも登場.無料の入会案内を勧められるんだけど,このままじゃ母が追ってきたことが娘にばれてしまうのはよろしくない…と,お姉さんを置き去りにして考える由美子さん.「そうか,だったら!」と早速セーラー服を着込み変装っていうか仮装って言うか…特殊なプレイ(笑)? やはりコスパでちょいと調達してきたのかなぁ.
水のない道場の中では生徒の皆様が体育座り.そこに理沙さんも混じっておりますね.出てきたのが理沙さんに声をかけた不審者こと講師の丘ダイバー.横には黒ウェットスーツに赤ジャケットのさっきのお姉さん.挨拶もそこそこにして場の全員でいきなりスイムスイムスイームとやりはじめ,完璧に置いていかれる初心者の由美子さん.…あれ,理沙さんの横にいつもダメな清志までいるぞ?
はじめての方もいるのでと,基礎からおさらいをやる丘ダイバー.ダイビングスクールのはずなのに,彼の背後に掲げられた額に「海は危険だ」と大書されているのがとっても不思議.「海は危険だ! すこー!」「海は危険だ! すこー!」「なぜなら,海は魔物が住んでるから,すこー!」「魔物がすんでるぞ,すこー!」講師と生徒の掛け合いぶりは,新興宗教や催眠商法染みてます.
舟板一枚下は地獄,一見華やかに見えても海に危機が待ち受けるのは間違いなく,遊んでいても「常に,死の危険が伴うのである,すこー!」…でもこの程度で怖いようと泣き出す現役警察官の清志はやっぱりまずいだろ(苦笑).海を訪れればある者はおぼれ波にさらわれ「そしてまたある者は,海上保安庁のお世話になる」…それでも行く人間が後を絶たないのは「海が魅力的だから!」…講師のカリスマ性になんとなく由美子さんも釣られそう.
魅力的な海で怖い想いをしたくないなら「ちゃんと準備をしていけばいいんです!」 生徒たちもこくりこくりと頷きます.レクチャーを受けて海の技術を身につければ海など恐れるに足らず!というわけで海の技術を習得するための実践練習開始.まずは泳ぎということで,指示された由美子さんは道場でなんとなくクロールのふりをして見せるんだけど,講師が求めるのは徹底的なリアル.本当の海があるかのようにやれと言うのです.
丘ダイバーは講師を名乗るだけありパントマイムが本格的.飛込みから熱心に水泳のふりを演じます.…ぬーばっ!とかザブリメンコ!とかアブラカターブラ!とか擬音を凝ればいいってもんじゃないだろうけど(苦笑).その背後では生徒の皆さんが赤ジャケット娘とともに講習をやっているようですが,そっちの様子も結構わけがわからない.皆で一体何を習っているんだろうなぁ(苦笑).
何の洗脳もされてない普通の頭の由美子さんでは,この狂信団体のセレモニーについていくのは難しい.海のイメージができない由美子が示されたのは,娘の応援を受けて床を泳ぐ清志の雄姿(笑).…その出来の悪い宴会芸ぶりにこれはダメだろと呆れる由美子さん,さすがスーパーヒロインだけのことはあり,正義の味方はそう簡単に洗脳されたりはしないのです.
床に寝転がる生徒たちの合間で赤ジャケットがザルに入った大豆を揺らして甲羅干しの練習.…紫外線のイメージができないどころか,むしろ肌寒さを感じてしまう.娘と清志の凄く楽しそうなシンクロの練習だって「海じゃないじゃん!」とツッコめてしまうくらいに正気.そして練習のビーチバレー! …ビーチでやらないバレーのどこがビーチバレーなのかわからない由美子さんに向かって「ビーチバレーです!」と丘ダイバーは無理やり押し切る!
一応普通のバレーとはルールが違うんだけど,練習を道場でやっちゃ「それはただの…!」「ビーチ! バレーです…」…本当に無理やりだ(苦笑).「最初は戸惑うかもしれませんが,慣れればすぐに,うまくなりますよ!」とすこーっとやる講師.いくら丘ダイバーに褒められてもちっともうれしくない由美子さん.見送る不審な講師は,何かを含んだにやり笑いで彼女のことを見送るのだ.

後半.タダより高いものはなく,丘ダイバーの無料セミナーに染まってしまった理沙さんを異変が襲ったのは夜のこと.息が苦しいと苦しむ娘の顔の横には魚のヒレが生えてきた! 同じセミナーに夢中だった清志も外で苦しんでいて,こちらもエラが生えてきている.お医者に見てもらったら魚になりかけているとの宣告.このままでは完全エラ呼吸化,空気中では窒息してしまう大ピンチ!
原因不明の魚関係の病と来れば,怪しいのはどう考えてもあの男しかいない.きっとあの丘ダイバーが海の危険を伝えるふりをしながらこの病を招きやがったのだ! 大事な娘を酷い目に遭わせるような男を母は決して放っておかない.幼女に手を出すような外道のことを,正義の味方・パンシャーヌは許さない! がっつり変身した上でダイビングスクールに乱入,咳き込みつつ高笑いする丘ダイバーを急襲だ!
「丘ダイバー!」と鋭い声に「誰だ!」と見当違いの方向を指差す丘を「こっちですわ」と誘導するのは「いい女!」…もちろん相手は悪だけど,それでも女としてはうれしいパンシャーヌがいつもの口上をノリノリで「…参上!」まで宣言.けれどもちろん「美少女?」「はぁい!」「少女?」「はい!」「…ホントに?」「はいって毎週言ってるでしょう!」…いい女と少女は違うというシビアな現実をまたも示されて,やっぱり腹を立てるのです.
めぐりあひて見しやそれともわかぬまに雲がくれにし夜半の月かな.この紫式部の句と悪巧みなんかお見通し!の関連性がまったくわからないわけですが(笑)自分自身を月にでも喩えているのだろうか…ナルシストさんだもんなぁ.正義の味方は自意識過剰,敵も負けず劣らずの意味不明ぶり.道場に置いてあるタイの置物とマグロの頭に国旗が刺さった奴2つというシュールなインテリアも謎…まさかまともな意味があろうとは!
呼吸困難な人たちを元に戻せと要求するパンシャーヌに正体を示す丘ダイバー.この太った中年男性の正体は乱獲されすぎたマグロたちの怨霊! …これまでも人間の亡霊やらゾンビやらは出てきたけれど今回は魚.無駄に社会派ネタを織り込んでくる作り手の根性が面白い.少しでも多くの人間に釣り上げられた苦しみを伝えるためにこんなことをするなんて効率悪すぎだと思うけど,魚の頭じゃ難しいことは考えられないよなぁ(苦笑).
互いに互いを許せないパンシャーヌと丘ダイバー.「誰がなんと言おうと,やり通してみせる!」とパンシャーヌの振り付けをパクる丘の言葉に「でしたら,私と勝負なさい!」とパンシャーヌ.勝ったら人間を元に戻して海へと帰れ.そして負けたら…「セレブな夕食にご招待いたしますわ!」 その条件は随分甘いし,そもそも相手はマグロの亡霊なのになぁと思ったら「…よしいいだろう!」って中の人の食欲が勝ちましたか(苦笑)?
勝負の方法は「水球です!」 しかも一発勝負で受け止められなかったら負け!「…それはいわゆる,ドッチボー…」「水球です!」と逆手に取って超強引に押し切るパンシャーヌ.さっきの由美子と同じようにそれドッチボールじゃね?と主張したい丘に「水・球・です!」と一本気に貫くスーパーヒロイン.水さえイメージすれば水球に違いないと,強制的にそういう気分にさせちゃったところで対決開始!
…睨み合う二人.球を投げるパンシャーヌにそれを受ける丘! でもパンシャーヌが適当に投げつけたらいきなり落として敗北確定(笑)! その素晴らしい負けっぷりは拍子抜け以外の何者でもない.パンシャーヌさんのご好意でもう1回の勝負が決まるも,面白いように当てられて落とし敗北する丘.さらにもう1回,今度は「こい!」とポーズを決めた手に向かって無造作に当てるパンシャーヌ(笑)! たぶんどこに向かって投げても今なら勝てる!
必死でもう一回を求めた割に,結局は指が指がと苦しむことになった丘ダイバー哀れ.そんな彼に最初から勝負は見えていたと今更の真実を告げるパンシャーヌ.だって動きにくいウエットスーツに重たいボンベなんか背負ってちゃ,ドッチボールには絶対向いてないもんな(苦笑).水中ではなく陸上のスポーツをやることになった時点で敗北は決まっていたのです.…1億1千5百万って偉く高いなぁその丘ボンベ!
パンシャーヌの言葉で押し切られたところでマグロの怨霊の負け.別にいんちきってわけじゃない…けれど怒る丘ダイバーはマスクドバイク乗りの変身ポーズをやりつつ必殺技の舟盛りサンダーを放つ! ワイヤーで誘導された舟盛りがパンシャーヌに衝突(苦笑)! そいやそいやと送られたお刺身の盛り合わせの威力はなぜか甚大で,きゃーっと吹っ飛ばされるパンシャーヌ.攻撃は一流と豪語する丘相手にどうなるどうする,スーパーヒロイン!
もう時間も残ってないってのに丘ダイバーはとどめの大技,背中に釣竿どもを背負って釣り針にマグロの赤身をくっつけて目の前にぶらさげ,お刺身宇宙とムーンライトセレナーデという技としてパンシャーヌを襲う(苦笑)! いい大人がお刺身を振り回してコスプレした美少女?をいじめるという倒錯した状況は混沌を極めていますが,食い物を使っている以上倒し方は1つしかないでしょう.「次の一撃で,あなたを,倒します!」と主役は宣言だ.
要するにマグロの赤身が目の前をぶらぶらしているだけ.赤身に当たるとダメージが来るなら,食っちまえば問題ないわけですよ! 予告どおりにムーンライトセレナーデのお刺身をパクパクと食うパンシャーヌ.食い物を粗末にするわけにはいかないのでお腹のなかに片付けて(笑)トドメはシロガネーゼアタック! そして追い討ちピュアウェーブ!

放映時間は残り僅か.丘ダイバーを倒しその性根を浄化したパンシャーヌ.娘やついでに清志のヒレもきれいに取れて一件落着.マグロの怨霊はすいませんでした!とパンシャーヌに手をついて謝ります.真面目な魚介類として生きていきます,ほんとすいませんでしたとスイムスイムで去っていく丘.…それを見送るパンシャーヌは,「これからまぐろを食べるときは,あなたたちのために必ずこの言葉を送ります」…そしてそのまま夕食光景.いただきます!と家族3人のラストカットが残り5秒でぴしっと決まる!
…終盤に入ってからの圧倒的なナンセンスの畳み掛けと,なのに最後の最後をベタに軽く流しちゃう作り手のセンスが素晴らしい! さっぱりと後にひかないキレの良さは,結構ずるんずるんで終わっていくいつもとは違うなぁ.…さて予告.正体バレイベントだけでなく母娘変身までもう来たか! 予想通りの大サービスに思い切り期待しつつ,次回に続きます!

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