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Shining Tears X Wind#1

自分がやらなきゃならないと思った

街で頻発していた神隠し事件.聖ルミナス学園でもその被害が出たため,学園の生徒会ではその対応について話し合っていた.一体誰の仕業かはわからないが,差し当たってできることは掲示板などで生徒たちに注意を呼びかけることだけだろう.そんなことを決めた直後に,生徒会長がもう一人の女生徒とともに行方不明となる.
行方不明事件と,その夜街に響いた狼の声には関係があるに違いない.生徒会役員たちは次の休日を利用して調査に出ることを決めたが,約束の時間に姿を見せたのはソウマとクレハの2人だけ.そして少し遅れて突如やってきたのは,狼のような獣人とマオと名乗る少女だった.

今期の作品中では別の意味であまりにも面白すぎる「シャイニングティアーズ」.そもそもこの作品,ゲームとのタイアップや銀髪浅黒肌の主人公からはどうしたって「.hack//Roots」やその主役であるハセヲが思い浮かぶわけですが,保志声の主役はそのハセヲと「セイバーズ」のマサルを混ぜてレッドブルで割ったような珍妙な奴でありました.こいつ脳みそに翼でも生えてんじゃねえかと心配になる壮絶にノリの良すぎるこの主役…放っておくのはやっぱり勿体無い!
短絡的かつ思い込みの激しい主役・ソウマ君と,そのソウマ君の周囲で実に都合よく回る作品世界が奏でるハーモニーは…あまりにも単純すぎて長文使いとしては逆に形容し難いレベルで面白く(苦笑),さすがに今回ばかりはこの面白さをうまく文章化できるかどうか自信が持てません.でも,そこで尻込みしていては自分の表現の幅を広げることはできないと,ある種の義務感でもって大きな壁に果敢に挑んでみる次第です.…やっぱりダメだったら途中でも諦めます(笑).

前半.謎のナレーションからはじまるこの物語の最初の舞台は人間界…でもこの人間界は,たぶんこの世界より随分とファンタジーに近く,また都合のいい世界でもあるようです.ここでは神隠し事件が頻発しているらしく,その被害はついに主役の通う聖ルミナス学園まで…あまりにベタすぎて検索したら危険な感じの校名でした(苦笑).用具置き場で突如行方不明になったらしいバスケット部の1年生は,未だにその足取りも掴めていないようです.
この緊急事態をどうしたろ,と討議しているのが,この聖ルミナス学園の生徒会.…役員じゃない奴も混じってますが.行方不明になった奴は消えたとしか思えないという論調に,「そんなこと,ありえねえ!」と反旗を翻すのが本作の主役である副会長のソウマ.現実離れした事態を安易に受け入れないことには好感が持てるんですが…そういうのは笑ってするような話じゃねえだろ(苦笑).
そんなリアリストに眼鏡の生徒会長は妙に不敵な態度.ソウマとは逆にあると思っているらしい彼もまた「さあね」とか言いつつにや笑い.…行方不明の1年生がなんだか気の毒でたまりません(苦笑).常識としては人間が忽然と消えることなんてありえない.けれどこれはその常識をはるかに超えた事件なのかもしれないわと主張するのが赤い髪のシーナで,「俺たちは首を突っ込まないほうがいいかも」と偉く消極的なのが薄茶の髪のキリヤ.このキリヤはゲーム側の主役なんですね.
どうやらキリヤは剣道,シーナはフェンシングに覚えがあるらしい.相当の腕前らしいシーナがやっつけて!と頼るあたり,この自信なしのキリヤ君の実力は相当のものらしく.…フェンシングと剣道の異種戦は果たして成立するのかどうかという疑問はさておき,実に胡散臭いのが「キリヤが本気を出したら,誰も叶うものはいないさ」と馴れ馴れしく彼の肩に手を置いてくる生徒会長.…ええっと,あなたホモですか?
ゲーム版主役が眼鏡野郎に異様に狙われている様を,自分の横に座る長髪美少女のクレハがじっと見つめているのがソウマは大変面白くなくて「ちっ」と舌打ち.…決して容姿がキリヤに比べて劣っているわけじゃないけれど,軽くチンピラ入った言動が主役としての品位に欠けるのがこいつの最大の弱点じゃないかと思います.…まあ,当のクレハ嬢はキリヤ君に夢中で隣なんか目に入っちゃいないのが最高に切ないわけですが(苦笑).
生徒会ができそうなのは掲示板や校内放送で皆に注意を呼びかけることくらい.適当に役割分担した上で解散,という状況で部屋に入ってきたのが,第3の女ヒルダさん.三つ編み眼鏡の彼女は怪しい眼鏡先輩に気があるようで,図書室にあった異世界のことを詳しく書いた本を差し出し,そしてこの本に異様に食いつく先輩.…そんないかにも危なげな本が普通に図書室に置かれているこの世界は,やっぱしどうかしています.
眼鏡2人を部屋に残して解散する生徒会.窓が不自然に震えた後,携帯を忘れたことに気づいたソーマだけが部屋に戻るんだけど,そこにはもう生徒会長もヒルダもいない.…風で開く窓.部屋に残るのはさっきの異世界のことを書いた本だけ.不思議な文字で無限大陸と書かれた本のタイトルを眺めるソウマのことを,窓の外の木から,実はソウマと同じ声の黒と白の羽の少年がじっと見守っております.
その日の夕方,あの瞬間に生徒会長がヒルダごと行方不明になっていたことがあっさり判明.西園寺コンツェルンの継承者という仰々しい肩書きの眼鏡が姿を消したことは,報道こそされていないけれど学内の生徒たちにとっては大事です.…でもこの状況でやれることが「無事でありますように」と祈ることだけとは思えないんだ(苦笑).いなくなってすぐなんだし,もうちょっと真面目に探せばいいのに….
その夜,公園には光とともに誰かがどこかの世界から来訪.野良デジタルゲートからは異世界の怪物がやってくるもんだけど,本作では運動能力が凄い少女がやってくるんだな.帽子を被り軽々と電柱の上に飛び上がり「ゼロ」を探しに行く彼女.…見た目でいくら人間のふりをしても,人間離れした動きで街を飛び回っては正体を隠す意味はまったくないと思うのだが(苦笑).そして彼女を追うようにしてモンスターも出現.ええっと,ゲートはちゃんと閉じないとダメだ!
翌日の一番の話題は行方不明になった生徒会長…ではなくてキリヤの夢の話? 「世界と連なる木,咲き誇りしとき,蜃気楼の大陸への扉は開かれん.鏡のごとき泉に映りし,蒼天の赤き月,其は異界への門なり」とか女の人が言っていて,これが事件に関係あるのではないかと主張するキリヤの思い込みがおかしい.ただの夢だろというソウマの現実主義なコメントが勝って当然だよなぁ….でもクレハはキリヤの夢の話に食いついてますね.
今は変わった耳をしてた夢の中の人の話はさて置いて,昨日聞こえたという狼の声を当然調査するべきという状況の中.クレハの気持ちがすっかり空回っているのに気づいているのは…彼女のことを熱心に見ているソウマだけ.「いいかげん気づけよなぁ」という嘆きは彼女の気持ちに気づかないキリヤに向けてのものなのか,あるいは自分の気持ちに気づかないクレハに向けてのものなのか.品性でも恋愛でもゲーム主人公にアニメ主人公はボロ負けです.
かくして翌日の休日朝,武器持参の上で狼声探索を行うことになったソウマたち4人.…そのターゲットは相変わらずあの少女に追っかけまわされていたようですが….当日,校門の前で待ち合わせしていたはずなのに,先についていたのはソウマとクレハだけ.恋敵のキリヤも邪魔なシーナも不在ということで,唐突にグッドモーニング告白をぶちかます主人公(笑)! てっきり独白なのかと思ったら,思い切り口に出していやがって視聴者もクレハ以上にびっくりです!
クレハが誰を好きなのかわかっているけど,相手は気づいていないから…「だから俺が!」 この先グループ行動する予定すらたぶん忘れて「俺,クレハのことが好きだ!」と特攻をかけるソウマ.その上「お前は!」と早急に返事を求める拙速ぶりが…面白いやら痛々しいやら.いきなり言われてぶっちゃけ困ったクレハ.とぼけてみせるんですがアホは本気です.自分から告白したのはお前だけと必死のソウマと困惑するクレハの間に…唐突に獣人登場.吼えて,跳んで,学校の中へ!
面白い早朝告白をぶっ壊し,さらに校舎も破壊しに行く獣人.「ひどい,おじいさまの作った学園を…」と己の家柄をクレハさんが披露したりしてますが,直後に出てきた女の子が場の空気を全部持っていきます.唐突に登場し獣人にラッシュをかけるも,結局殴り返されたのをソウマにキャッチされるという,強いのか弱いのかよくわからん異世界の少女.「大丈夫か!」とソウマが声をかけた彼女の帽子が取れて…なぜか出てくるのは猫耳.
いきなり出てきた謎の物体をじっと見つめるソウマ.見つめられることに少女は変に照れて,そのことにソウマの方も照れる.「ご,ごめん」「き,気にしないで」…なんでこの状況でこの雰囲気になるのかがまったくわからねえ(苦笑)! さっき横にいる女の子に告白したばっかりで,獣人だって健在なんだからいい雰囲気になってる余裕なんかないだろ(笑)? …発情する2人の背後で獣人がベンチをかじってるのも意味がわからんな….
どうやらすぐ側のクレハさんよりも魅力的であったらしいベンチを執拗に襲う獣人に,「調子に乗っちゃって!」と猫耳少女は普通の服を脱ぎ捨てて戦闘モード! …すぐ着替えるなら本当に変装の意味が…(笑).彼女はマオ.そして狼獣人は彼女の開いたゲートからやって来た! …そんなことしてたら次元の壁が崩壊するぞ(苦笑).現実主義者のソウマがこの珍奇な状況で何を言い出すのかと思ったら,「俺たちも手伝うぜ」と来たもんだ.現実離れしたありえねえ展開を否定することも戸惑うこともなく,いきなり首突っ込もうとするノリの良すぎる主人公! …お前リアリストじゃないのか! 「無理かどうかは,結果を見て言ってくれ!」

後半.てっきりまともな現実主義者なのかと思ったら,獣人とのバトルを物凄く安易に受け入れる,良く言えば度量の大きな男であったソウマ君.さっき告白されたばかりのクレハさんもいつの間にか建物2階に上がって矢を射ているので,こっちも度胸が座っていらっしゃる.矢で狼獣人を誘導した先にはソウマが「いらっしゃーい」とお待ち兼ね.そのままぶん殴るわ蹴るわと喧嘩番長よろしく散々痛めつけた後で「後は任せた!」…お前十分強いんだから,トドメは十分差せるんじゃねえか(苦笑)?
最後にはマオの手が燃えてるパンチでトドメを差されるかわいそうな狼獣人.…2つの世界を繋ぐ穴から間違って落ちて驚いて,錯乱状態でベンチとか学校をついついぶっ壊してしまっただけだったとしたら,3人がかりで痛め付けられるこの状況が本当に気の毒でたまりません(苦笑).その頃のゲーム主人公君は家をようやく出たところで,非道なリンチに参加してないのがとても要領いいと思います.
縛り上げた狼獣人をじろじろと観察する,獣人登場以来急激に柄が悪くなっているソウマ.…変なスイッチでも入ってしまったんだろうか(苦笑).獣人を追いかけ回していたマオが本当に探しているのは,白と黒の翼を持ち両手に指輪をつけたゼロ.彼はマオの昔の仲間であるらしく,どうしても聞かなきゃいけないことがあるために,このエルデまで探しに来たのだと言うのです.
ソウマたちのこの世界はエルデ,マオが来たもう1つの世界は無限大陸エンディアス.この作品の世界設定がマオの口から語られますが,ソウマは「無限大陸」に聞き覚えがある…んだけど思い出せない.つい前半のことなのに(苦笑).キリヤの夢にも似たような言葉が出ていたから,この猫耳少女が夢の中の人かと思ったら「違う」とマオさん即答.…まあ実際違うんだけど,見ず知らずの他人の夢の内容がよくわかるなぁ(笑).
ここで縛られていた狼獣人が突如復活.綱の拘束を切ってマオの胸にその爪を向け,そこにしまってあった結界の鏡にヒビを入れた! …光って暴走を開始する鏡.この場にいる全ての者が飛ばされる! 「どこに!」「…無限…大陸…」…暴走の光に包まれていく3人と狼獣人.しかしそのうち2人が飛ばされたのは,たぶん正確には無限大陸ではありませんでした.
何かのかけらが宙に浮かぶ暗いどこかに送られてきたソウマとクレハ.目の前に浮いているのはラスボスのクリスタル…ではなくて白と黒の翼のゼロ.「世界を見守る者」である彼は,「君には期待している」とソウマと同じ声で言う.「僕のかわりに,世界を…」と言いつつ発光する彼の真意はわからないまま.ソウマに守れというのか,導けというのか…あるいは壊せというのか.
そして,ちょいと横道に逸れながらも無限大陸のサバンナに送られた二人.ここまであんだけ展開にノってた癖に,無限大陸に来たことについては「そんなのありえねえ!」と否定するソウマがわからねえ(苦笑).とりあえずここが日本だとは思えないので,どうにかして帰らなきゃならないんだけど…「でも,どうやって?」
肝心のマオは側にはいない.だったらマオの鏡はどこだ.とりあえず周囲を探してみる案外逞しい2人のところに,空間が裂けて化け物登場! いかにもRPGのゴブリンっぽい奴がやってきてクレハを襲おうとするもんだから,「どうしてこうありえないことばっか!」とソウマは長い足で脳天に蹴りを食らわせる(笑).2つの世界の不思議以前に,主役の言ってることとやってることがまったく噛み合っていないことが凄く不思議です(苦笑)!
「夢なら夢だって言え!」などと常識はずれの現状に迷う口調でありながら,やってることは化け物の上に馬乗りになって苦しめるという素晴らしい喧嘩番長(苦笑)! 首絞めでモンスターをオトしてクレハに「ありがとう!」と言われて照れるソウマ.得物なしの素手でここまでやれるんだから,腕っ節は普通じゃないんだなぁ….けれど単体がどんだけ強くても数で押されると追いつかなくなるのが,世界が変わっても変わらない条理というものです.
敵は山盛り! 一杯出てきた! これはまずいと青ざめたソーマはクレハの手を掴み,すたこらさっさだぜぃに方針変更! …けれど逃げるときに足手まといになるのがヒロインの大切な仕事であることもまた条理.ソウマはすっ転ぶクレハさんを勘弁な!と抱き上げてしばらく逃げてみるんだけれど,このままじゃ速度も落ちるし後ろから攻撃されても反撃できない.割と早めに逃げ切るのは無理と悟って,クレハさんに「俺が奴らを食い止める! その間に逃げるんだ!」と宣告だ!
敵は俺が全て引き受ける!モードに入った主人公.彼の背後でヒロインはしばし悩んだ後…「わかったわ」と本当に置き去りに(笑)! …確かにそれが正しい行動なんだけどそれでも粘らないと,正しいヒロイン像から随分と外れてしまうぞ? お前たちの相手は俺だ!と素晴らしい暴力を発揮するソウマ.けれど組みつかれて噛まれ殴られて,さらに逃げたはずのクレハもびりびりに! …だったら無理に逃げないでその場でびりびりでよかったんじゃないかな(苦笑)!
足を引っ張るという大切なヒロインの仕事に戻ってきたクレハのために,モンスターを馬鹿力でぶん投げて撃退しちゃうソウマ.で,服が破れて胸元が大変なことになっているのに目が行って照れて…る場合じゃないだろう! でかい化け物がこちらに向かって巨大な剣を振り下ろしてくるので,ソウマは庇って横っ飛び! さらに2撃目は白羽取り…けれど胸の中央から第3の手が伸びてきて,首を絞められ吊り上げられる!
化け物に宙に吊り上げられて息ができない.自分がここでクレハを守らなきゃならないのに手が出せないどころか,向かってくる一つ目の剣を止めたのは守りたかったクレハ自身だ! しかもその胸からはピンクの光が放たれている….助けてもらった癖に「どうして逃げなかった!」と怒るソウマに,ヒロインの仕事をちゃんとやっているクレハは「ごめん,なさい」と謝って…そんな彼女の胸の中央からは,剣の柄が生えている.
好きな子を守りきれずビリビリにされただけでなく,胸から柄まで生やしてしまった.「俺のせいで,俺のせいで!」と自分を責めるソウマの頭に聞こえてくるのは,柄を抜くことを促すクレハの声.それに従いヒロインの胸の剣を握って抜き払ったソウマの中に伝わってくるのは…モノクロームの冬の光景.その中で手袋とマフラーだけが赤いクレハの姿.凍える手で雪を受け止めたクレハは,「受け取って,私の,心」と差し出して….

「わかった」と覚悟したソーマの手の中に握られているのは,美しい雪散らす氷の刃.この剣は…「クレハの心だ」.ヒロインの心の剣を持ち,華麗にずんばらりとモンスターどもを切り捨てはじめるソウマ! 腐っても主役,その格に相応しい得物さえ手にすれば,そこらの雑魚など話にならない! …好きな娘の心というのは,鷲づかみにして調子に乗って化け物を切り捨てるために使ってはいかんような気もするのですが(苦笑)「この剣があれば,負ける気がしねえ!」
異世界でも異様にノリの良すぎる主人公と,そんな主人公に想いを寄せられるも…たぶん脈はなさそうなヒロインの物語がここからスタート! 既に行方不明の生徒会長たちと,時を同じくして異界への門を潜ったキリヤたちと繰り広げる三つ巴の戦いは,どこまでもツッコミどころ満載の予感. …こういうのは誰かがちゃんとツッコんであげないと可愛そうだよなぁとか思いつつ,次回に続きます.

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