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Shining Tears X Wind#5

異世界の中ではバカになれ!

異世界で再会した生徒会長は,第3勢力ベイルガルドの皇帝トライハルトとなっていた.彼らはベイルガルドで一体何を画策しているのか.変装したソウマたちはその領地内へと侵入する.元は美しいエルフの森であったはずの森は既に闇に汚染されており,高潔なはずのエルフも闇の存在へと堕ち,まるで妖魔のようだった.
そんな闇の森で出会った一人の女エルフは,その矢の力でソウマたちの危機を救った.彼女の名はエルウィン.マオと同じくゼロを追うエルウィンは,ゼロが間違った方向に力を向けたときには彼を殺すつもりだった.そんな彼女と森の中を歩むうち,ソウマはこの森でも闇に堕ちない男エルフの姿を見つける.彼はトライハルトの側近の一人,キルレインだった.

様々な意味で大変なことになってしまっている「シャイニングティアーズ」.これで作画までどうしようもなかったらたぶん皆から完璧にスルーされるんだろうけれど,たとえ要所で棒立ちでも画が整っていることによって本来なら視聴を諦める人たちをも引きずり,作品独自の特殊な魅力で強制的に洗脳している感じです(苦笑).…ただしダメな部分を認めつつ愛でるならまだしも,盲目的に作品を愛してしまうのは問題があると思います.そんな単純ぶりではアレみたいにシュマリにあっさり騙されるぞ?
一般視聴者に比べると明らかに馬鹿をこじらせているソウマ.その喧嘩番長ぶりは回を重ねるごとに悪化しているわけですが,今回はついにこの男,そんな自分自身を思い切り認めてしまいます.「バカはいいぞ!」という台詞1つで,ここまでとこれからのソウマがらみのツッコミどころ全てについて,「あれはバカだから仕方ない」と視聴者を諦めさせるんだから恐ろしい(笑)!

前半.前回は,死んだかなーと思ったらよくわからんことを言う同じ声の男に命を救われて,世界の監視者になってくれと頼まれて指輪を嵌められて仲間ができて生徒会長と再会して敵対してリュウナさんの心剣で撃退してちょっと自信を取り戻したたソウマ.…たった1話でよくこんだけいろいろ起こるもんですが,実はキリヤ側のエピソードが上には含まれていないのが凄まじい.さすがに慣れてはきましたが明らかに詰め込みすぎです.
てなわけで新たにリュウナたちとトリオを組むことになったソウマは,本日は変装の上でベイルガルドに楽々侵入.いろんなものがザルであるこの世界では,検問破りだって楽勝.…一体どこから車やら衣装やらを調達したのやら.まあアレのやることだし,近くまで来た車を追いはぎ同然に襲って奪ったんだろうなぁ.
しかし,あらゆる意味でザルであるこの世界では,敵だけがとぼけるなんて不公平な状態は許されません.見た目だけで侵入者とバレてしまうことが頭から飛んでいるのか,国境破り直後から素顔をさらしまくるソウマたち.まさに敵に喧嘩を売るがごときの無謀っぷりで,直後にモンスターに襲われるのも当然だ(苦笑).
化け物の群れに襲われてせっかくのトラックをひっくり返すソウマたち.これはまずいとソウマは早速一つ覚えのセイリュウ剣を借りて暴れようとするものの…「ちょっとちょっと,やめてよ!」と女の声.そのモンスターは汚染されているけれど元は普通のエルフなんだからと主役の活躍に水を指す,見た目は麗しいエルフのお嬢さん.
敵地で誰だかわかんないのに攻撃を止められて,「どうすりゃいいってんだー!」と困るソウマに「…そうねぇ」と女.結構な大ピンチなのに偉く余裕たっぷりの彼女に「早くしろー!」と叫ぶソウマが大変気の毒.自分だけ必死で,後ろ3人がのんきに同窓会なんかやってんだから本当に困るよな(笑).…一度死にかかって以来ソウマが状況に流されまくっているのは,彼の自信が未だ戻りきってはいないことを示しているのかな.
アニメの主役がずーるずる状況に流されていた頃,ゲームの主役は快調にエピソードを積み重ねております.ベイルガルドの侵攻を受けたフィリアスの王室はキリヤたちルミナスナイツごとセイランにその身を寄せておりますが,そこに前線から苦戦の知らせ.…相手は因縁浅からぬ生徒会長ことトライハルトか.ゆえになしくずしにセイランのためにも働くことになったルミナスナイツも出陣します.
「トライハルトは俺に任せろ」と自信たっぷりのキリヤ君.けれど前線に向かった彼が相手することになったのは,黒髪エルフのお嬢さん一人…さっきの自信はすっかり空振り(苦笑).彼女は皇帝親衛隊の隊長のゼクティさん.この作品の他のキャラと同じように,彼女もまたまったく他人の話を聞かない自己中です.いかにも生徒会長に騙されていそうな彼女とは正直戦いたくないけれど,殺されるわけにもいかないのでキリヤは斬り合います.
そのすぐ脇で二人の戦いをぼさっと見ているのが生徒会長.相変わらず空気読んでないクレハさんは戦いを止めるよう彼に頼むけど,過度のキリヤ好きの彼でもなぜかこの戦いを止めるつもりはなさそう.それに対してゼクティはキリヤを明らかに殺す気満々.風の精を使って塵にするつもりなのに…その激しい戦いをぶった切って地割れ発生! なぜかその中に飲み込まれるゼクティとキリヤ!
キリヤが謎の地割れに飲み込まれていた頃,エルウィンさんの光る矢によって救われたソウマは彼女との親交を早速深めております.ゼロに選ばれたことについては「こっちとしちゃ大迷惑だよ」と大変に正直な感想を漏らすソウマ(笑).そんな立場を試用期間にあっさり喩えるエルウィンさんは,高潔で孤高なエルフの割に,随分とくだけてフランクでかつ相当タフな性格であるようです.
あのマオと知り合いであったエルウィンは,マオと同じくゼロに用がありました.「もしゼロが間違った方向に力を向けたときに,殺すため」…と相当物騒な感じで! でも直後に目の前の焚き火を気にしはじめたり,リュウナたち遅いねーとか言い出すマイペースぶりに「もしかして俺,からかわれてる?」と不安になるソウマ(笑).流されたら負けなこの異世界では,エルウィンのマイペースはゼロのマイペースといい勝負かもしれない(苦笑).
そんな彼らがこの穢れた森で見つけたのは,輝く樹…あの人間界の桜とよく似たイメージの樹から姿を現す男エルフ.この森では並のエルフでは正気を保てないはずなのに平気で活動する彼の正体は一体.そして同じくこの森が平気なエルウィンも結局何者なのか? …恐らくはセレスティアという娘の兄であるらしいあの男エルフ.そのセレスティアと現在地割れに飲み込まれ中のゼクティの関係もわからない.エルフ族は謎が多すぎです.
キリヤとともに地割れに飲み込まれたゼクティ.一緒に遭難してしまった二人は,あっさり地の底で休戦するつもりのようです.外に出る道はなく精霊の力も使えないここで,待つしかないとキリヤは余裕.ゼクティは敵の助けを待つつもりなどなく…けれど色んな意味で頭の痛くなる本作らしく,頭を怪我しちゃっています.それをキリヤが手当てすることで,なんとなく会話らしきものがはじまりました.
彼女の頭についているのは闇の力を吸収するダークマター.これをつけてないとエルフは魂まで汚染されてしまうということで,ヒルダレイヤ博士が作ってくれたらしい.…敵側で闇にその身を染めてはいるものの,魂までは闇に染まっていないんですね.…確かに心まで闇に染めたら,ソウマたちを襲ったあのダークエルフたちのようにまともな思考をすることすら難しくなるから,こういう冷静な会話もできなくなるでしょう.
生徒会長の現状について情けないと憤るキリヤに「お前の認識は甘い」とゼクティ.闇の汚染でエルフの国は壊滅寸前.そんな危機をあの生徒会長が全世界ごと救おうとしているのだと彼女は信じ込んでいます.「陛下だけが,この世界の希望なのだ!」と頑張る様はなんだか狂信的…でも何とかしてここから出ないと,世界の希望を信じるどころじゃないよなぁ(苦笑).

後半.敵地で素顔晒してうろうろ中のソウマ側は,ベイルガルドの兵隊がダークエルフを捕まえてテントに連れ込んでいるのを発見.一体何をしているのかと思ったら,テントの中からは悲鳴! 汚染されていてもエルフはエルフ.エルフの味方のエルウィンがソウマのお株を奪って特攻をかけたその先にいたのは…実験しているヒルダレイアさん.異世界に来て人格まで変わってしまったらしい彼女は,「恐怖こそが闇の力を打ち負かす」とか言いつつエルフ体実験に励んでいたのです.
捕まえてきたダークエルフに一体何をしてやがるのか.とりあえず絶対に治してるわけではなさそうな彼女の研究室にやってきたソウマたち.ソウマは形相も服の趣味も変わったヒルダに見覚えがあるんだけれど,彼女はこっちを知らないと言う.なんとヒルダレイアは二重人格.闇の力から自分の心を守るため,もう1つの本来の人格は中で眠っているらしい….
どうやら闇はエルフだけでなく人間をも蝕むらしく,その結果として内気な少女は毒々しい花に変わってしまった.…キリヤへの執着を抜きにすれば,生徒会長があんなことになっちゃってるのも闇のせいだといいんだけど(苦笑).闇バージョンのヒルダレイアはエルフ体実験を平気で行うほどに無情で過激.汚染されて死んだも同然の体も兵士になれば生きる価値もあるだなんて,思い切り改造手術をやらかしてやがるのです.
改造後とはいえ同族を攻撃できないエルウィンと,心剣で反撃しようにも既にリュウナを人質に取られているソウマ.生徒会長の側近である男エルフは「人間や獣人のやり方を真似てみただけです」と余裕の笑み.…シュマリの陰謀によって完璧に貧乏クジを引かされたエルフ族には,人間と獣人の両方を攻撃する大義名分があります.確かにシュマリが全ての元凶なんだけど,その元凶を倒せば何とかなるほど世界は甘いものではないのです.
シュマリは例外で多くの者は善良.「そうだ!」と強く信じるソウマに向かって「とんだお人よしです」とそのまんまな言葉を返す男エルフ.なんせ彼はエルフの女王殺しの被害者側関係者.シュマリに操られてフィリアス王が手を下し,よりによって彼の妹を斬っちまったってんだから恨みも後悔もどうしようもないくらい深い.…恨んで復讐して妹が戻ってくるわけもないのだけれど,そんな理性的な理由で憎しみが抑えられるわけもないんだよなぁ.
深い恨みで行動するキルレインに対し,鼻の頭をかくソウマはお人よしという言葉を否定もしない.「だって,その通りだから.シュマリもいいカモだと思っていたに違いねえ!」…おお,自分で言い切った(笑).これまでのソウマのバカっぷりはもはや誰にもフォローできないレベルに達していましたが(苦笑)それを自ら認めてしまうことで,彼は凄い弱味を強味に変えていきます.
2度とそうならないようにとは思うけれど「どうだろうなぁ,またコロリと騙されちまいそうだ!」と明るいソウマ.…妹が殺された暗い話に,同じペースで対抗しても勝てるはずがない.ゆえに,空気を読めないバカの特質を存分に発揮して場の空気をかき回す…「逢う人逢う人疑ってちゃ,疲れるだろう.濡れ衣でもかけようもんなら,イヤーな気分になる.それなら,騙された方が,まだマシかも」…騙されて妹を殺された奴にこれを言うのは凄い冒険だ!
話の焦点を復讐から心構えの問題に一気に変えたソウマの言葉.「それじゃバカよ,ただのバカよ!」とすっかり呆れるエルウィンに,「…バカが悪いのかな」とソウマ.バカは騙されて,バカは信じて,バカは復讐なんかしないから…「バカはいいぞ! お前もバカになれ!」ととんでもないことを断言(苦笑).その上でゼロのことも信じてやれとエルウィンを諭し,「そっちの方が,気分いいぜ!」とウインク.…ああ,バカってなんだかかっこいい!
もちろんこんなバカ論でこの場が丸く収まるわけもない.キルレインの憎しみが止まるわけがないし,周囲を敵に取り囲まれた状況だってむしろ悪化.心剣だって出せてない…けれどバカは「出せるさ」と言い放ち,「俺のことも,信じてくれるか」と自分の隣にいる奴に唐突に頼むのだ(笑).バカ論は敵を変えなかったけれど,味方の心にはちゃんと届いて変えていた,「いいわよ」とエルウィンはバカに心を預けてくれたのだ.
エルウィンから取り出された電光の心剣で,ソウマは男エルフを見事退けます.ヒルダレイアはあっさり逃亡.勝ち負け問わず偉そうな生徒会長の部下らしく(苦笑)男エルフも裏切られて絶望するだけと嫌事を言い残し撤退.エルウィンは囚われていたエルフたちを解放.…別にわざわざ言われなくても,ソウマだって信じる危険はシュマリの件で身に染みている.だから「絶望はするかもな」と認め…でもバカだから「絶望の後には,きっと希望がある!」と明るい未来も信じてる.

ソウマが救世主失格改めバカとして再起を果たした頃,未だ地底のキリヤたちの状況も変わり始めていました.結構待っても助けがこない.それでも希望を捨てちゃだめだ!となんかバカと似たようなことをやっているキリヤ.死んだらゼクティの希望も叶わない…「エルフの国を救いたいんだろう!」.闇に染まった森を元の姿に戻す.「それは,叶うものだろうか」「叶うさ,叶うことを信じよう」…彼女にとって,信じることは強さなのか,弱さなのか?
やがて上から助けがやってくる! シーナさんとクレハさんはいいとして,どうやら生徒会長も救出を手伝ったらしい.…彼が抱えていったのはゼクティだけど,あの執着ぶりを考えると,実はキリヤのために頑張ってたのかもしれないぞ(笑)? しばらくの間2人っきりだったキリヤとゼクティの間には何もないわとクレハさん.「私,キリヤ君を信じてる」…彼女もまた,裏切られることをまったく恐れず一本気に信じるバカのようです(苦笑).
ただでも混乱した状況の中に混ざりこんだ素性不明のエルフたち.中でもキルレインとゼクティの間には相当深い繋がりがあるようですが,弱気になったところを希望と過去に毒されたゼクティは心配するキルレインを拒否.彼女もマインドコントロールっぽいのものが施されている感じだ.ベイルガルド側にとって信じることは最悪の毒のようなので,バカがそれを武器にして振り回すのは凄く正しい…のかも知れない.次回に続きます.

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