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Shining Tears X Wind#10

男は何かを守ろうとするとき,底力って奴を発揮することができる

マオとキリヤたちはソウマたちの待つ光風館へとたどり着いた.これまでゼクティの死を悲しむばかりだったキリヤを館で待っていたのは,一度は粒子に分解されたものの,トライハルトとヒルダがそれを再構成し復活させたゼクティ本人だった.ソウマが預かった希望を目にして,悲しみに沈んでいたキリヤも笑顔を取り戻し,その様に仲間たちも安堵するのだった.
ゼロに逢うためにリーベリアまでやってきたマオだが,彼女の前に姿を見せたのはゼロに殺されたはずのリュウナたちだった.ゼロボロスに乗っ取られたシオンがリュウナたちを殺し,その後彼自身がリュウナたちを復活させたことをマオは知る.光と闇の狭間で心を揺らすゼロをこれ以上苦しめないため,辛いだろうがマオに逢うなとゼロに言ったとソウマは嘘をつき,マオはゼロのために泣いて再会を諦める.

DVDの映像特典の内容によって,この作品はツッコみを入れつつ視聴するのが当然であるという実も蓋もない事実が判明してしまった「シャイニングティアーズ」.主人公は自分で自分をバカ呼ばわりしてくれるし,ツッコミについてもオフィシャルに認めてくれる本作のサービス精神はどうかしていて(笑)これはやっぱしシリーズ構成のまさきひろの手柄…なのかなぁ? とりあえずDVDが凄く欲しくなったので,この狂った方針は正解です(苦笑).
すっかりコント集団と化した登場人物たちの中でも,視聴者を大変複雑な気分にさせるのがキリヤ.これまでのくじけっぷりも同情できないものでしたが,復活したゼクティにすっかりかまけて想いを寄せる女の子たちを完璧無視って…本当に酷すぎて泣けてくる(苦笑).それに比べるとやたら自分に執着するゼロと戦闘シーンが偉く面白いマオさんの両方を気遣って,汚れ役を勝手に引き受けるソウマは本当にいい奴だ!

前半.恐らくはこのリーベリアを救うために人間界から連れてこられた心剣士3人のはずだけど,前回もまともに行動しているのは内2人だけ.ソウマは穴熊っていた生徒会長たちと再会し,いかにも黒髪エルフ娘が入っていそうなカプセルを館に持ち帰っています.また,クララクラン姫の覚悟によって機能停止していた塔が1本回復し,残るは所在もわからぬ1本のみ.…でもキリヤは全然ダメ.いい加減真面目に仕事してほしいところですが….
ゼロ逢いたさで危険なリーベリアまで乗り込んできたマオさんですが,再会目前となると逆に落ち着きを失っています.ブランネージュの後ろでうろうろしながらも目的の館についに到着してしまい,「ゼロがいたらどうしよう…」と根性を失いかけるマオさん.これまで散々逃げられてきているから積極的になれないんだろうけれど,ゼロがいるかどうか見てきてとあのブランネージュに頼むのは当然無駄だと思うんだ(苦笑).
訪問者たちの館への接近を最初に感づいたのは,ソウマとエルウィンを吹雪の中から救ってくれた謎のふおふお生物.昨日のゴーレム戦の疲れも癒えぬまま,ソファーから転がり落ちても爆睡していたソウマを起こしてくれました.窓の外,マオたちがやって来たのに気づいてソウマは大慌て.ふおふおに仲間を起こすことを頼み,自分は生徒会長に託された希望のカプセルを操作して準備.
マオたちのところに未だ暗い顔のキリヤやそれを見守るシーナさんクレハさんも合流.到着した館の前では「よう,おはよう!」とソウマが迎えに出ています.…あの時ソウマの言葉通りに生徒会長と手打ちしていれば,ゼクティが死んでしまうこともなかったんだよなぁ.けれど恐らくこの場の誰よりも心が広くなってしまったソウマは,自分をこの世界に巻き込んでくれたマオにも軽ーく挨拶しております.
見ず知らずの獣人娘に異世界に連れて来られたことを怒るどころか,逆に来てよかったと恨み言1つ言わないのは…どうせマオさんが連れてこなくてもゼロがいたら同じだという諦めのせいだと思うけれど(苦笑)未だ周囲の気遣いにも気づかず,ぶすったれたままのキリヤに比べたらずっと爽やかでずっと正しい(笑).しかもそのキリヤに,彼は生徒会長たちからの預かりものをちゃんと受け渡してあげるのです.
「希望…だそうだ」とソウマが問題児を案内したのは桜の木の下.そこにはやっぱりあの黒髪のエルフの姿が! 「…ゼクティ!」と驚愕するキリヤのことを彼女も覚えていて,「夢じゃない!」 他の女の子たちの目も気にせずにゼクティさんに抱きついて大喜びのキリヤ.…風になったはずの彼女はナノ分子まで分解されていたのを再構成されたらしいけど,体はともかく記憶すら飛ばさず元に戻したヒルダさんの技術はさすがフィクション,凄まじいなぁ!
キルレインに渡したらダメとか以前に,ゼクティゼクティ言いながら彼女にがっしり抱きつくキリヤ.その夢中っぷりは空腹の犬の前に骨付き肉でも置いたくらいの勢いで,あまりにラブが行き過ぎているので他の連中は全員館の2階に避難(笑).…「よかった」「元気になるね」なんて言ってるクレハさんたちは,もうあんなキリヤのことはすっぱり呆れて諦めたと解釈してもいいのかなぁ(苦笑)?
キリヤは勝手に片付いて,残るはマオさんの問題のみ.困りながらもやっぱしゼロには逢いたいらしいマオさんと面会したのは…期待していたゼロではなく,目の前で死んだはずのリュウナたち! もちろんあの時ゼロ…シオンが二人を殺したことは間違いないんだけれど,あのときの彼はゼロボロスに乗っ取られていたことも知らされます.…ここでファインプレーを繰り出したのがソウマ! ゼロの言えないことを推測し代弁するのです.
扉の外まで来るくらい,ゼロは本当はマオに逢いたい.けれどこれまでそれをしなかった…できなかったのには理由があるとソウマにはわかる.どうしても一緒にいたい相手と離れた以前の経験が,ゼロの行動を理解する助けとなっています.逢いたいのに逢えないのは自分にその資格がないと思うから.そしてそのほうが彼女の幸せだと思うから…部屋に入れないゼロのため,泣くマオのため,ソウマは勝手に嘘をつくのです.
「俺が言ったんだよ.ゼロに,マオに逢うなってな」とソウマ.直接マオに謝りたい気持ちと,逢うことで動揺してゼロボロスに乗っ取られることを防ぎたい使命の狭間でゼロは揺れている.それは傍から見ていられないほどの葛藤で…だからソウマは,辛いだろうが逢うなと言ったと勝手に言う.その上で「恨むなら,ゼロじゃなく,俺を恨んでくれ!」と頭まで下げて,命の恩人の汚れ役を勝手に引き受けてしまうのです.
ソウマの優しい嘘を聞き泣き出すマオ.ここまでの過激な旅路は無駄になってしまったけれど,これ以上追うべきでないはっきりとした理由を教えてくれたのがソウマの優しさ.「わかってくれるよな,マオは,ヴァイスリッター団長だもんなぁ」とソウマはマオの頭を撫で,マオはソウマに抱きついて泣く.「偉いぞ,マオ!」と慰めるソウマの声を聞きながら,ゼロから解放されたマオは泣き,マオから解放されたゼロも窓から遠く飛び立っていく….

後半.ゼクティの復活とゼロの旅立ちをきっかけに物語は再び動き出します.夕暮れにロウエン王の陣へとやってきたソウマやキリヤたちは,あと1本残る塔の復活について相談.3本の塔が復活すればこの闇に汚染された状況も改善され,エルフの森だって元に戻るはず.残るはアストライヤの塔のみなんだけど…皆その塔がどこにあるのかを知らない.その場所はエルフの一部の王族のみに秘匿されていたのです.
いくら古代戦闘兵器と女王セレスティアのハイブリッドのゼクティでも,さすがに塔の情報はわからない.これはどうにもならないか…と思われたところで急にスポットライトが当たったのが,いつでも眠く会議中の今ですらすっかり寝ているエルウィンさん.どうやら半分寝てるところをここまで連れてこられたのか,今自分がいる場所すらよくわかってないほど寝とぼけております(笑).
けれど彼女は役に立った! エルウィン自身は塔の場所は知らないけれど,「あんた知ってるよね」とふおふお飛んでる生物に唐突に話を振りやがります.しかもフィリアスの北の森から入れるらしいなんて翻訳までして,あまりの都合良さに信じていいのか!ととりあえず疑う団長代理(笑).「信じてよー,団長代理ー」と変なしなを作るエルフ娘に辟易しながらもぞんざいに信じることを決めたソウマだけれど…結局あのふおふおは一体何者?
てなわけで行き先のわかった混成軍は早速出陣.塔を起動させる巫女役はとりあえず半分女王のゼクティに任されて…塔の場所よかクレハさんの存在価値が本当にわかんなくなってきた(苦笑).巫女の遺伝子を持つなら可能性はあるってゼクティも一応仮扱いではあるけれど….そんな塔探索部隊の中にはソウマたちの姿も.マオ団長が戻ってきたんだから団長代理はお役御免なのかと思ったら,他の連中にはソウマを解任するつもりなんか欠片もないんだな(笑).
世界に3人きりの心剣士で腕っ節も強く,あのゼロにも認められていて,誰よりも友達や仲間のために懸命に動く.これまでの着実な積み上げに相当する人望を手にしたソウマの周囲は美少女満載のハーレム状況.シリーズ序盤の暴走ぶりに比べ大層出世した友人のことを暖かく見守るシーナさんと…クレハさん(苦笑).ここまでソウマが男を上げたきっかけはクレハさんとの別れ.クレハさんの役目はあの時に終わってしまったのかな….
ゼクティの復活で完璧に割食ってしまったシーナとクレハのところにやってきたのがヒョウウン.確か幽閉されてたホウメイを逃がしたのがこいつだったっけ.唐突に人間族の女を見直したとか言い出す彼は,「お,俺,お前たちに,メロメロだぜ!」と痛々しいことを言い出した(笑).ホウメイに「馬鹿者!」と怒られ,慣れないことはやめた方がいいとまで言われ,泣きながら森に向かって歩いていく五獣将…あんなのを抱えてるセイランという国に絶望した(苦笑)!
夜.リーベリアの愉快な仲間たちには完全に馴染みきれないマオ.ソウマによってゼロの存在から解放されたマオだけれど,当然ながら心は晴れない.そんなマオを心配したソウマは,嫌でもゼロの存在を思い出させる例の指輪が唐突かつ都合よく抜けたのでいらないかと聞いてみる.…ここで唐突に出てくるのが,指輪がないと心剣が出せないという話.あのそれ初耳というか.そもそもクレハさんからは指輪なしで心剣を抜いていたと思うんですが(笑)!
指輪を欲しがらずにマオは呆然…悲しみに頭が一杯なわけではなくて,すぐ側に死体の山が築かれていた上,ジードが乗っていたから! ジードに襲い掛かられて逃げようとするソウマは,大事な?指輪を川に落とす.例の手から火の出る技でジードのことをマオが引き受けようとするんだけれど,十分に強い彼女でもちゃんと護ろうとするのがソウマの男らしさ.普通の剣でマオを庇ってくれるのです.
ゼロを追いかける理由を失ったため,生きる目的や己の存在意義を失っている今のマオ.ゆえに「どうなってもいいのにあたしなんか!」と自暴自棄の言葉を叫んだら「よくねえっ!」と即座にソウマが全否定.ゼロはマオが大事だから逢わないのだ.ゼロだってソウマだって,大切な仲間じゃなければ必死にはならないはず.…ここでマオがジードの背後に回って炎の蹴りを食らわせてんだけど,緊迫した状況で映像を面白くするのはやめようよ(笑).
結局ジードにソウマは剣を折られてしまい,マオさんも捕まえられて地面に転がされ絶体絶命.このままじゃ絶対死ぬという状況でマオが叫び呼んだのは…もう戻ってこないシオンではなくすぐ側にいるソウマの名.土壇場でソウマを頼ったマオはゼロの呪縛から完全に解き放たれて,そんな彼女の信頼,炎の心の剣がソウマの手の中へ.ゼロの指輪なんか必要ない.「大事なのは,お互いの,心」…マオと離れず,心通じ合わせるソウマの目は優しい.
互いの信頼のみで心剣を引き抜いた…っていうかそもそも指輪が必要かどうかが根本的に怪しいんだけどともかく(笑)!ここぞという見せ場でマオを護るための底力を見せたソウマは炎の剣を握って激戦! 剣と言うより爆発物に近い心剣の攻撃でジードの剣は砕けて,ジードの姿もほんの一瞬だけ,理想高き若きフィリアスの青年の姿に戻った上で…そのまま宙へと消えて風になる.

こうして夜に残されたのは,視聴者的には指輪に関しては最後まで引っかかるんだけど(笑)心剣引き抜ける仲になったマオとソウマ.なんだかいい雰囲気の中で,マオはソウマに指輪を返します.絵になるねとか褒められてもソウマに自覚はあんまりなし.今は一人で戦っているゼロのためにもソウマと同じ方を向き,前に明日に進むことを決めたらしいマオさんもこうして見事に陥落し…次にソウマが心通じ合わせて落とすのは一体誰だろう? 次回に続きます.

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