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Shining Tears X Wind#12

力は借りたり与えたりするもんじゃない.力は,合わせるもんだ

闇を払う3本の塔は全て機能を取り戻したが,キルレインが復活させようとしている神器の作用で塔の処理能力以上の闇がこの世界に生み出されている.神器を止めトライハルトを救うために黒き塔の内部へと転送されたソウマたちは二手に分かれた.人間界から来た仲間たちとゼクティは,塔の玉座で闇の集積装置に組み込まれてしまったトライハルトを見つける.
集積装置が動き続ければ神器が発動しこの世界は滅ぶ.しかし集積装置から切り離せばトライハルトは無事ではいられない.トライハルトは皆の犠牲となり死ぬつもりだが,仲間たちはどちらの選択肢も選ぶことができず,ソウマはこの重要な決断をキリヤに託した.キリヤは結局仲間を見捨てない道を選び,トライハルトを救うためにソウマとともにあがき続けるのだった.

今更どうしようもない原作由来のダメさ軽さを芸の域まで見事に高め,たった1クールで壮大な物語をざっくり撫でた「シャイニングティアーズ」もついにクライマックスへ.運命の悪戯でこの世界へと呼び込まれた3人の少年たちは,押し寄せる闇を払うためにそれぞれ最上のパートナーから最強の武器を引き出すんですが…明らかに選択を間違っている奴が(笑)! こんな大切なところだからこそ,全力で笑いを取りにくるソウマとキリヤの芸人根性が立派過ぎる!
舞台が大げさで事態が深刻であればあるほど,笑いが投入された際の爆発力は凄まじい.今回後半はそういう場.ただし普通のギャグ・コメディ作品であってもここで笑いを持ち込むのは難しいのに,キリヤなんか真面目に悶えてますからね(苦笑).このソウマとキリヤのとんでもない友情表現こそ,本作は常識的な枠などに決して囚われないという愉快な宣言.男なら,性別なんて小さなことにはこだわらない!…のはやっぱしどう考えてもおかしいと思うんだ(笑).

前半.ふおふおに気に入られたゼクティさんは塔の巫女としての資格を得て,ついに3本目の塔が復活したんだけれど闇は止まらない.せっかく手間かけて復活させたのに結局あんまり役に立たないなんて,なんて贅沢な伏線の消化(笑)! それもこれも全てあのシスコンの大暴走の結果.キルレインが復活させようとしている神器はそのまま世界の終わりに直結するヤバいブツなので,ソウマたちはそれを止めるべく黒き塔へと向かいます.
ヒルダさんの手引きで黒き塔内へと転送されてきたソウマたち一団は,またも2つに分かれて行動.結界壊す組と生徒会長助ける組に分かれるのは割と理に適ってはいるかな.ただしマオさんの計いでソウマはまたルミナスナイツ側にレンタル.俺は物かとソウマがこぼすのはあくまでもポーズで,「わかってるって」とマオの頭を撫でるソウマといちいち頭に手を乗せないでと照れるマオはすっかりいい雰囲気.…これがまずかったのかなぁ….
生徒会長は塔の上,結界発生装置は地下.ルミナスナイツとソウマ以外のヴァイスリッターはそれぞれ出陣し…ナチュラルにソウマだけ呼んでもらえてねえ(笑).この世界に来てからすっかりモテ道を歩んでいるソウマですが,クレハさんに玉砕してからゼロに延々とつきまとわれて,女の子には八方美人を通すしかなかったツケが…あんなことになろうとは(笑).
塔の中にはゾンビみたいなのが一杯.これをざくざく切り捨てて進む人間界メンバー+ゼクティ.とはいえそう高くはなかった塔の上部,扉の奥には目標の玉座がある…というところで登場したのがケルベロス! ソウマとキリヤが果敢に普通の剣で攻め込むこのシーン,二人でずざざと滑って戻ったりとか,映像の質もテンポも凄くかっこいい!
相手は堅くてなかなか剣が通らない.攻めあぐねるここでも導き役を務めるのはソウマ.「キリヤ,胸だ!」と2人してケルベロスの無防備な胸に剣をぶん投げ突き立てて,あっさりケルベルス消去…さすが主役たち,強いなぁ.ついに到着した部屋の中には,青く光る玉のくっついた装置と,その装置に繋げられ玉座に囚われた生徒会長.ソウマたちは当然生徒会長を助けようとするんだけれど,周囲にはお約束のバリアが張られていて近づけない.
青い玉は闇のエネルギーを神器に注ぐ集積装置.原理はよくわからないものの,生徒会長の心剣士としての力が装置に利用されているらしい…きっと寝返ってたヒルダレイアさんが嬉々として繋いだんだろうなぁ(苦笑).ソウマのバリアへの突進で目覚めた生徒会長.捕まって逃げられない奴にどうすればいいと聞くのもなんだか間抜けだけれど,今にはじまった話でもないか(笑).
生徒会長の返事は自分と装置を繋ぐケーブルを切れというもの.頭の中が至極単純にできているソウマとキリヤは言われた通りにしようとするけれど,致命的な事態に陥る前に切ったらどうなるのかとゼクティが尋ねて救ってくれました.もちろん切れば神器への闇の供給は止まる.けれど機械と完全に融合している生徒会長の身が大変なことになるのではあるまいか!
どうやらゼクティさんの推測は図星.構わん切れと生徒会長が促してくるあたり,やったらこの負けても偉そうな男は死んでしまうに違いない.もちろん仲間を殺したくなんかないソウマやキリヤは葛藤開始.しかも救ってやりたい生徒会長は狼狽も命乞いもせず,「切れないのか.相変わらず甘い奴らだ」とか嫌事ばっかり言いやがってまったく可愛くないのです(苦笑).
自分は何もできない癖に,はやく覚悟を決めろとこんなときですら偉そうな生徒会長.そんなんを話し合いに入れたらこじれるばかりと考えたのか,彼を置き去りに円陣組んで相談しているソウマたちの冷静な態度が面白い(苦笑).叶うならば世界と生徒会長のどっちも救いたいソウマたち.けれど状況的にはどっちかしか救えないのなら…「キリヤ,お前が決めろ!」と唐突に全権をキリヤに預けてしまうソウマ!
多数決なら全員棄権.しかし誰かが決めるしかない.だから「キリヤなら,トライハルトだって納得するんじゃないかと思ってさ」…これまでの経験から導き出されるソウマの判断はいつだって正しい.ここまでのキリヤに対する生徒会長の異様な執着を彼なりに観察していたからこそ「…お前なら」とすっかり自暴自棄な生徒会長すら納得させるこの決断が導かれたわけです.
ここまで重要な決断を散々丸投げされてきたソウマから,丸投げされたキリヤ君,生徒会長を含め自分以外の全員がその決断に納得しているので,いくら辛くても「わかった」と言うしかない.…そしてキリヤがあ色んな意味でいろいろとダメででもどうしても思い出さずにはいられない.自分たちの過ちでゼクティを失った悲しみと虚脱感を…「大事な友達を失うわけにはいかない.たとえそれが世界を救うためであっても!」
キリヤがどういう人間かをよく知っていれば,結果を待たずこういう返事が戻ってくると推測できるけど,大切なのはキリヤに決断を言わせたことで,「それが,俺たちの結論だ!」ってことになれば生徒会長もいつまでもぐだぐだ言えない(笑).…世界と生徒会長の両方を救う.キリヤもソウマも諦めず,その理想目がけて突進を続けるわけですが….
さてその頃,塔を包む結界装置を壊しに行ったマオたち.敵に襲われながらもブランネージュが結界装置を破壊して外部からの侵入経路を確保.…外で待ってた援軍の中には,いつの間にかヒルダさんの姿まであるなぁ.塔外で待っていた仲間たちがヒルダさんの手引きで秘密の入り口から侵入した頃,塔が大きく鳴動開始.これは闇の神器・妖魔王エルファーレンの目覚めの兆候です.
結界装置の下に神器はある.一刻を争う事態ということでマオたちはソウマたちの合流を待たずに神器を封じる巨大な扉のところまで移動.塔の上の装置から闇が注ぎ込まれている巨大な地の扉を守るために姿を現したのは…もちろんキルレイン! 正気のときはあんなに奥ゆかしく賢そうだったのに,「来たか虫けらどもー!」というアホ丸出しのお出迎えの言葉がびっくりするほどちゃちだなぁ.

後半.なんとか生徒会長を助けてやろうと懸命なキリヤとソウマ.手を伸ばせ!と2人がかりで必死で手を差し伸べても生徒会長がそれに応じずに失敗.さっきキリヤの決定に従うと決めたはずなのに,自分なんか置いて生き延びろと今更言い出す生徒会長は本当に往生際が良すぎるよなぁ….でももっと厄介なのはそれに説得されるキリヤ.彼には自分というものがないんでしょうか(苦笑).自分でさっき決めたはずなのに,共倒れよりは自分一人が犠牲になり,残る連中はソウマに連れ出してもらいたいとか言い出すのです.
世界を救うには心剣士が1人は必要だろう…けれど心剣士は一人でも多い方がいいと生徒会長.きっとあんだけこだわっていた可愛いキリヤを巻き添えにするくらいなら(苦笑)「死ぬのは俺一人でいい」んでしょうね.けれどここでそれを「おかしいです!」と否定しつつヒルダさん再登場! 弱音を吐いたりあきらめたり,彼女の大好きな先輩がそんなことするわけがない…普通折れるのが当然だろうに,ヒルダは理想の男性像を弱った生徒会長に押しつけてくるのです.
トライハルト様なら絶対諦めない.トライハルト様ならきっとなんとかしてくれる! だからヒルダさんは自分からバリアに向かって特攻.苦しみながらも生徒会長に近づき激しく悲鳴を上げて…ここで彼女を救うべく玉座からケーブルを自分で引きちぎりつつ手を差し伸べる生徒会長!ヒルダとトライハルトは一緒になって緑に光り,最終強化の扉を開きます!
…ヒルダさんなら装置を穏便に解除できたんじゃないかとか,自分でケーブルちぎれるなら他人に任せずに自分でやればよかったのにこのチキンめとか思うところはありますが(笑)恐らくは愛の奇跡が発生.光の中でヒルダさんから抜けるのは,全体が強く輝く心剣.彼女の心こそ純粋な心の結晶,聖杯であり,そこから抜かれたのは心剣士最強の武器,伝説の究極心剣だったのです!
ここまでかなり負けっぱなしの生徒会長の最強の力は,弱いはずのヒルダさんの心に秘められていました.ソウマたちがヒルダレイアの心を粉砕したことで露になった聖杯は,「心配で心配で」仕方ない(笑)頼りない生徒会長を支えるための究極心剣へと変わったのです.いつまでもどこまでも偉そうな生徒会長だけど「すまなかった…」と今回ばかりはさすがに謝罪.この一言でヒルダさんは報われたのだろうか?
ヒルダさんとの心の絆によって救われた生徒会長.そしてあんまり役に立たなかったソウマたち.そしてまったく役に立たなかったシーナさんたちですが(笑)地下には怠ける余裕などありません.キルレイン一人が神器へと続く扉を守ってるんだけど異様に強い! どうやら散開して四方八方から仕掛ければいいとかいうレベルではないほど強い上に,普通の感性の持ち主ならあんなにキレまくる敵は怖いから近づきたくないよなぁ(苦笑).
もちろん別の意味でそれぞれイッちゃってる心剣士たちはキルレインなんか怖くない.早速ソウマは面白いポーズでマオの心剣を借り,あっという間に間近に接近.首元に剣を突き付けて目を覚ませと説教まがいの脅迫開始! 愛するものが住むこの世界をこれ以上壊す必要があるのかといいこと言ってみるけれど…ラスボスがこの程度で心を変えたら逆の意味で凄いと思います(笑).
命の危機にも笑うばかりのキルレイン.ゼクティさんが壊れてぶち切れたあのときから,怒りと憎しみで人格すらも変わってしまったのかと思ったら,「キルレインではない!」と彼の妹の遺伝子と役目を受け継いだゼクティさんが言い出した! …彼の背後には闇の柱が立ち禁断の扉が開く.そして「わが望みは破壊のみ!」とキルレインではないらしい彼は闇へと飛び込んだ!
それを追って神器の眠る扉の中に飛び込む心剣士たち.植物様の内部で待っていたのは,不気味な生物と融合し,キルレインの姿すら失いつつある破壊の化身・妖魔王エルファーレン! キルレインは強い憎悪を餌とされ,妖魔王の一部となり下ってしまったのです.目覚めを邪魔する奴には相応の罰を与えてやると宣言した後,不気味なさなぎに食われる可愛そうなエルフ…妹の死に苦しんだ者の末路としてはあまりにも悲惨!
キルレインを食ったさなぎは凶悪なビームを発射! マオさんの心剣など一撃でぶっ壊すほど強力で,さっき生徒会長が入手していた究極真剣でないと対抗できないこともすぐにわかって生徒会長特攻!…もちろんこれまでの戦績を考えれば,彼に任せたらそのうち負けるのは間違いなく(苦笑)案の定究極心剣で斬られても,一度散って再び集まり羽化して蛾?となる妖魔王! その中にはあらゆるものを吸い取られて残ったキルレインの残骸が残るのみ….
悪の意思の苗床にされた気の毒なキルレイン.彼を悲しみの渦から救うのがセレスティアの意思でゼクティの定め…そしてゼクティを大切に思うキリヤの願いともなった今!同じ目的がきっかけとなったか,金色に輝き出すゼクティさん! 彼女の心から抜き出されるのは2本目の究極心剣.ゼクティさんは「ありがとうキリヤ,私を選んでくれて」と満足気.シーナさんよりもクレハさんよりも生徒会長よりも(笑)キリヤの心をがっちり掴んだ…はずだったのに(苦笑)!
これで3人の心剣士のうち2人まで究極心剣を手にしたわけですが,残されたソウマときたら「俺の聖杯はどこだ!」と叫んだって女の子たちぽかーん(笑).…現在一番仲良しのマオさんの心剣はさっき砕かれたばかりだし,クレハさんとは離れた時間が長すぎて今更どうしようもない.シーナたちではこなしたイベントやフラグが足りない.関係の深さはゼロがトップだろうけど(笑)ゼロ相手ではソウマが心剣を出しそうなんだよな.
究極心剣が今すぐ欲しいのに相手が見つからないソウマ.キリヤと生徒会長だけでは妖魔王の相手は難しく,吹っ飛ばされて落とされそうになったキリヤをソウマはあわてて回収に向かう.奈落の淵に捕まるキリヤを助けつつ役に立てなくてすまないと謝ったら,そんなことはない随分助けられてきたとキリヤが言い出します…このあたりから凄まじく悪い予感がひしひしとするな(苦笑)!
今更思い返すまでもなくソウマに迷惑ばかりかけてきたキリヤ.ゼクティに夢中になりすぎて,ヒルダを斬ろうとしたり和睦の席で折れなかったり生徒会長と戦ったり.どれほど迷惑をかけたか今更気づいたらしく,「お前がいなかったら俺はどうなっていたか!」とか言ってみる…ここで「俺は」と言うあたりが自分勝手な彼らしい.「俺」より先にヒルダや生徒会長がどうなっていたかを考えるべきと思うんだけど,細かいことはすぐどうでもよくなりました.だってキリヤの胸が光り出しやがったんだもの(苦笑)!

悪い予感は見事的中.ラストバトルの真っ只中でパワーアップを果たすという本作最大の見せ場で選んだ相手は男.あんだけ見目麗しいお嬢さん方を山ほど揃えておきながら男を選ぶという贅沢で面白すぎる展開に,本人たちもお嬢さん方も視聴者もびっくり(笑)! …困っている頼りない心剣士を助けてやりたい,同じ目的のために力を合わせてやりたいと願う純粋な心が聖杯の条件ならば諦めるしかないのかもしれないけれど,男同士で剣の熱さを感じたりとか抜かれて悶えたりとか明らかに無駄なことをやってるあたり,こいつら本気で笑いを取りにきてますよ(苦笑)!
悶える男から抜かれたのは当然究極心剣.ソウマと笑顔で見つめあい,他のお嬢さん方全員を差し置いて見事ヒロインの座までゲットするキリヤはとことん自分勝手だ.おかげでクレハさんの存在意義が完璧に消えた…(苦笑).ここでキリヤの究極心剣を消さなかったゼクティさんは本当に心が強いと思う.考えてみればキリヤとソウマで拳と拳の男の会話が成立しなかったことすらも,この展開のための伏線…のわけがねえ.単に面白かったからこうなっただけだ(笑).
一番笑いを取れるからこそ抜いてはいかん心剣士から抜いちゃったソウマ.しかし愉快な衝撃にぼうっとしている場合じゃない! いくら面白くてもここはラスボスの目前.「トライハルト一人に戦わせていいの!」「いいわけねえだろ!」…既にここまでの展開自体が奇跡のようですが(笑)「皆に奇跡を見せてやるぜ!」と気合を入れるソウマには,そして彼の愉快な仲間たちには一体どんな笑いの神が降りてくるのか.次回,最終回に続きます!

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