2007年10月開始アニメ雑感・1
10月期の改編も一段落,そろそろ継続と切りを分けられそうな昨今,皆様いかがお過ごしですか? 全体的な本数が減ったことが大きいようで,自分も今期は全体的な視聴総量は減り気味…ただし長期前提のジャンプ原作ものを押さえているので,大きく総量が変わったりはしないんだけどね.
これまでの地獄のような改編期に比べると,実写ドラマ系増量のせいか比較的アニメは小物揃いの今回の改編.その中でも本命は「ガンダム」…じゃなくて「もやしもん」だと信じて疑わないわけですが(笑)「ガチャガチャもやしもん」はいいね! すごくいい!
フジテレビの「もやしもん」公式サイトで遊べるゲームと,それに連動しているデスクトップアクセサリ.毎日ランダム5種ずつ菌を集めることができて,そのうち特定の5種のみ,デスクトップのシャーレで飼うことができます.デスクトップアクセサリにはスクリーンセーバーがついているのも楽しい.…毎日公式サイトに通いたくなる,インタラクティブ要素の強いアイテムは,ファンの忠誠度を上げる気がするよ!
---
今回短評を出した作品は以下の通り.
---
[開始短評] ※事前の期待→1話視聴後の印象
△→○ BAMBOO BLADE
原作未読.でも「マテリアルパズル」は読んでいるので,原作者由来と思われる独特の低いハイテンポはわかる.ファンタジーのないごく普通の高校部活を舞台にしているため,今期開始の作品の中ではかなり広いターゲットを狙える作品で,正直局と時間帯がちょっと勿体ないくらい.本当はこういう素直な作品こそ,キー局ゴールデンタイム向きと思うんだけどなぁ….
表面ではごく軽快に成り行きまかせで結成されていくように見える女子剣道部.しかし原作者が原作者であるため,いつどんな過去が出てきてもおかしくはありません(笑).基本はまったり,しかしいいことも悪いことも容赦なく描く原作者が高校部活をどう料理していたのかが一番気になるところ.作画も良好,声もかなりいい感じなので広くお進めです.
○→○ 逆境無頼カイジ
原作途中まで既読.そこら中針の逆立つ落とし穴だらけ,ちょっとでもバランス崩せば死ぬよりヤバような命がけのギャンブルの上を必死で這って進むカイジの逆境のスリルを楽しむ作品.有名なのは「ざわ…」を代表とするネタ作品の面かもしれないけれど,本当の面白さは迫り来る逆境にあっさりと面白いように流され,しかしどこかで身を翻すカイジの思考を読むことだと思います.
見た目は特徴満載ながらも動きはそれほどでもなく,しかし見せるべきところではいいハッタリの効いた映像を見せていかねばならない本作の不安要素は…やはり主役声優か.「アカギ」はどこまでもぼそぼそ喋りだったのでうまくハマった部分があったけど,カイジはあっさり動揺しながらもここぞという時にはちゃんと主役をやる奴なので,この先展開的に盛り上がった時に声が及ばない可能性がありそう.動きが少ないからこそ声が重要になるはずです.
○→○ 魔人探偵脳噛ネウロ
原作既読.原作はもっとおどろおどろしいムード満点なんだけど,アニメ化にあたってキャラの線をかなり綺麗に整理してきましたね…なんか師匠のアニメ化の時と似ているな,主役声優も一緒だな(笑).原作では,トリックを暴くことよりはそういう行動を取るに至った犯人の心の動きやその本性を楽しむ作品だったんだけど,アニメではかなりコミカルな方向でやっていくつもりみたいですね.
ネウロがドSで弥子さんが一杯食べてさえいれば本作の最低限の形は整ってしまうんだけど,この作品も肝になるのは基本はどうにも滑稽で,けれどたまにどこか切なかったりする犯人たちの物語.そのじんわりとくる悲しさがこのテンションでうまく出せるのかどうかが少し不安….原作の構成力は抜群で,1話完結で無駄遣いせずに2話使って丁寧に描いた方がよさそうな気がするくらいなんだけど,それをやるには全体の話数が足りないのかなぁ….
-→○ もっけ
原作未読.事前にはまったくマークしてなかったんだけどこれは面白い! 見えたり憑かれたりする2人の姉妹が穏やかな田舎の学校生活の中で妖怪と密接に関わっていく作品.雰囲気的には同じ「アフタヌーン」の「蟲師」に似てますね.もちろんあの作品ほど映像の質が高いわけではないから,圧倒的な傑作としては評価されないはずだけど,それでも大人一般の視聴に耐えます.マニアックすぎる方向に決して舵を切らないのは西田監督の方針なんだろうなぁ….
本格妖怪アニメと標榜し,一般の大人が好きそうな穏やかで暖かいこの作品の不安要素は,その一般向けとしての穏やかさが地味さとして捉えられてしまいそうなこと.数が多いU局の深夜アニメは,優れる点でも劣る点でも,どこか2箇所くらい鋭く尖った部分を持っていないと間違いなく埋もれてしまうはず.もしこの作品の雰囲気を一変させるような尖った部分をまだ隠し持っているなら,序盤のうちに片鱗だけでも見せておかないと客が逃げる気がするなぁ.
○→○ レンタルマギカ
原作既読.古今の「魔術」が雰囲気や名前以上のものとして作中の展開,あるいはキャラクターの個性に深く関わる当代きっての魔術小説が案の定のアニメ化!…でもやっぱし詠唱は原作通りにはならないか(笑).題材,内容ともにアニメ化の際に質を上げようと思えばどこまでも上げられる部類の作品なんだけど,必要以上の高品質と難解を避けたのは正しいような,でもちょっと勿体無いような….
福山潤以外に考えられないほどのハマり役である社長以下,声優は結構良い感じ.黒幕が明らかになり大きく物語が動き出すまでは淡々と話が進み,けれどそこで主役が主役らしさを出したりするのが原作の良さだったりもするんだけど,全体的にアクション中心に再編成されてるアニメでその淡々とした良さが出るかどうかはちと不安.…あとOPとEDの×はこう,もうちょっとなんとかならなかったものか,透過処理とかで(苦笑).とはいえ原作を初版で買ってるくらいには好きな作品だし,監督も脚本も気に入ってる人たちなので,この先も期待して見ていきたい.
○→○ もやしもん
原作既読.今期一般向けとしては最強の作品という判断は間違っていないはず! 事前に不安だったのは制作会社で,テレコムはともかく「白組」がわからなかったんですが…この品質なら文句なくOKでしょう! 序盤で余裕もあるんだろうけれど,やりようによってはもっとしょぼくても同じものが表現できるところでも贅沢に動かしてくる攻めの姿勢は,シリーズ全体で佳作以上の作品を作り上げようとするならば絶対に必要な資質です.
大学で中高大学生,菌の愛らしさで女性,菌のウンチクで知識層,酒で大人の心を鷲づかみにするという原作の強さはアニメでも十二分に生かされそう.不安なのは作画の崩れだけれど,テレコムがついていれば大丈夫じゃないかな.でもここまで完成度が高いと,1クールしかないことが凄く勿体無い.菌フィギュア系の特典をつければDVDは確実に売れると思うので(笑)ノイタミナ枠で伝説を作るくらいの凄い作品になっちゃえばいいと思います.頑張れ!
---
iPod Touchに時間食われすぎです…(苦笑).
| 固定リンク
「アニメ開始短評」カテゴリの記事
- 2008年10月開始アニメ雑感・2(2008.11.16)
- 2008年10月開始アニメ雑感・1(2008.10.29)
- 2008年7月開始アニメ雑感(2008.08.07)
- 2008年4月開始アニメ雑感・2(2008.04.26)
- 2008年4月開始アニメ雑感・1(2008.04.19)