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古代王者恐竜キング 翼竜伝説#12

尊き志高きヘタレ様

口ばかりの体力なしの癖に無謀な行動に出がちな三蔵法師のお供となったリュウタたち.飢えた子どもたちに自分たちの食料を与え,飼い主に鞭打たれるロバを助けるために自ら荷車を押す三蔵は,いくら正しくても付き合わされる方は大変だ.ひょんなことからサンバイザーを壊したリュウタは頭の痛みに苦しみ,その様子から三蔵法師のお供3人の名を名乗ることにしたリュウタたち.ただし猪八戒役に当てられたマルムだけは嫌がる.
三蔵一行と身分を偽り,ある村で歓待されていたウサラパたち.ソーノイダが三蔵でウサラパたちが孫悟空たちだと名乗ってみるものの反応が悪く,ソーノイダは高僧の癖にご馳走を意地汚く食いまくり大酒に酔って潰れてしまう.不老長寿の桃について村人から聞き出そうとしたウサラパたちの前に現れたのはグーネンコ.三蔵法師を探しに来た彼はソーノイダを本物の三蔵と勘違いして連れ去ってしまう.

ノリと勢いでフィクションとノンフィクションの合間を行き来する「恐竜キング」.玄奘三蔵法師は実在の人物なんですが,孫悟空などの存在はもちろん「西遊記」中のフィクション.ただし三蔵があんな暴走ヘタレであったという記録は残っていないのでそこんとこはフィクションというか,「西遊記」の三蔵の性格に結構近いかも(笑).もちろんこの作品そのものがフィクションなので全てが虚構なのは当然…でも,ヘタレ三蔵の行いが真っ直ぐであることくらいは正しい.こういうのも色即是空? 夜の夢こそ真? …放映は早朝なんだけど(笑).
脚本丸尾みほ,作画監督高橋晃・和田喜彰,絵コンテ演出河村智之のダブ回で,前回に引き続き作画は安定しています.特に画面内でちび恐竜たちがちょろちょろ遊んでいたり,ウサラパ様たちの衣装やら肉体やらに気合が入っているのも見所.でも一番の見所は前回のヒキの処理っぷりかも(苦笑).ちなみにエンディングにはサイカが前転,ティラノがピース,サイカ尻尾立ち,スピノ逆立ち…と大サービス.恐竜図鑑ではアケロウサウルスが紹介されてます.

前半! 前回のヒキで旅立つリュウタたちの後ろから牛が押し寄せてきたけれど!単にお弁当を持ってきてくれただけで他には何もなかったぜ!…ひでえ(苦笑)! これまで色々な脱力なヒキがありましたが,これはキスから逃げて故障という展開よりも酷いかもしれない.まだキスのときには別原因でも故障は起きていたことを考えると,今回はまったく危機でもなんでもないため,あまりの意味のなさに呆然.…こういうヒキって,各話間で脚本家さんたちはどう打ち合わせして決めてるんだろう?
とりあえずヒキの飛ばしっぷりは横に置くことにして,三蔵とともに荒野を旅することになったリュウタたち.もちろん求道者にとっては疲労も乾きも悟りへと至るための試練であり,水も食べ物も我慢して当然…なんてことはリュウタたちは思いもしない(笑).疲れれば休みたい,喉が渇けば水を飲み,腹が減れば弁当を食いたいということで休憩を取ることにするんだけれど,三蔵は自分たちの弁当を食べたそうにしている少女を発見.仏の御心に従うべく喜んでおにぎりを差し出したら…食いたい子たちが他にも山ほど出てきてさあ困った(苦笑).
自分たちも食いたいのは間違いなくて,けれど子どもたちの方が圧倒的に飢えていそうで.ここは我慢のしどころと三蔵は弁当を残らず譲る…リュウタたちの分もひっくるめて(苦笑).おかげで完全に食べそびれてしまったリュウタたちは空腹のままで荒野を進むことに.…三蔵はさすが高僧だけあって善人なのは間違いないのだけれど,それほど人間ができてないリュウタたちはたまったもんじゃありません.ほどほどにしてくれとリュウタが愚痴りたくなるのも無理はない.
しかし三蔵,ちっともほどほどにしてくれません(苦笑).次に発見したのは大きな荷物を無理に引かされているロバ.ばしばし鞭打つ飼い主にやめてくださいと言い出す三蔵.自分がロバの分も押すからと,荷車の後ろから必死に押し始めます…自分だって飯抜き水抜きで疲れてる癖に.もちろんリュウタたちはそんな酔狂につきあうつもりなんかないけれど…ダメひ弱が必死に押す様子がどうしようもなくリュウタの胸を打ってしまい(笑)見てられないと結局皆で手伝うことになりましたとさ.
ロバを救って先に進ませても,三蔵には何の見返りもない.巻き込まれっぱなしのリュウタたちには本当にいい迷惑で,ごめんなさいと三蔵が謝ったって許さないほうがいいと思う.どうせ口だけ謝ったって,あいつはまたやらかすぞ(苦笑).ここでリュウタが強く三蔵に怒鳴ったのをレックスが咎めます.巻き込むなとか言ってた癖に最初に手伝いに行ったのはリュウタじゃないかと茶化されて,2人では力がないからだとリュウタが意地で反論したことでレックスとリュウタは喧嘩を開始.…久しぶりにも思えるけれど,リュウタたちの時間ではまだ2週間くらいしか経過してないはずだからいつものペースかな?
キッズ向けヒーロー物の割には主役たちが友情に依存していないことでおなじみの本作ですが,今回のリュウタたちの喧嘩はなかなか本格的.荒っぽいつかみ合いど突き合いの喧嘩の末に,リュウタのサンバイザーが狙ったように壊れて痛い痛い!と苦しむリュウタ.…いくら見た目が地味でも頭を感電してるんだろうから,レックスたちは早く助けてやってください.そして争いはいけませんとかしたり顔で言うなよ三蔵.それはお前の唱えてた念仏の効果じゃないぞ(苦笑).
リュウタが苦しんでいた様子は三蔵の経で緊箍の輪が締め付けられて苦しむ孫悟空のようだった.もしリュウタが孫悟空ならレックスが河童の沙悟浄? そしてマルムさんは…豚扱いは女性には不本意でしょう(苦笑). とはいえその役付けが妙に気にいってしまったリュウタたちはすっかり喧嘩のことも忘れ,ここでは「孫悟空」などが「本当の名前なんです!」ということで決定!…マルムさんは当然嫌がっておりますが,残り2人がすっかり乗っているからなぁ.こういう本当に子どもじみた遊びに,レックスがつきあってるのが珍しいかもしれない.
リュウタたちが偽名を名乗りはじめた頃,水辺の村にやってきたソーノイダ一行もまた偽名を騙っております.三蔵役のソーノイダは髭が神々しいらしいのでまあいいとして,ウサラパたちの孫悟空キャスティングは現地の人にはわからない…そりゃフィクションだからなぁ.ただしウサラパ様はともかく,ノラッティ~とエドは沙悟浄と猪八戒にぴったりなのですが(笑).とりあえず三蔵のネームバリューだけでご馳走を振舞ってもらえたからよしとするべきでしょう.
けれどこの偽三蔵は髭は立派でも素行が悪い.高僧の癖に酔っ払って食いまくって…村人はあまりにも安い偽三蔵に疑問を抱き,ウサラパたちは場を盛り上げるためにわざとやっているのだと苦しいフォロー…をしたのに泥酔してコケて倒れる三蔵はもう台無しだ(苦笑).これ以上傷口を広げないよう,ウサラパたちは若返りの桃を求めて桃源郷を在処を聞くことにします.…このあたり,ウサラパ様の作画が大変肉感的でいいなぁ.村人があっちにあるはずと方向を示したところで,その方向の壁を破りグーネンコ乱入!
ミハサに代わって三蔵を探しにやってきたグーネンコですが,どうにも鈍そうな見かけの通りに,三蔵を偽物と間違えるという間抜けぶりを発揮しやがりました(笑).連れ去られる泥酔ソーノイダを取り戻すためエドとノラッティ~が必死にしがみつき,村人たちも地上から必死に物を投げて守ろうとするんだけれど…面倒くさいんだなとグーネンコはアケロウサウルスを出して上空へ.ウサラパがスピノを召還するもののアケロウの小さな体に吹っ飛ばされてあっさり敗北.結局ドクター以外は振り落とされて,グーネンコは悠々とソーノイダを持ち去ったのでありました…偽物だとも気づかずに.

後半.ディノライザーの反応を頼りにやってきたリュウタたちが見たのは崩壊した家.さっき騙されていた村人に,ザンジャークが三蔵法師を持っていったと聞かされます.しかもそいつは「ぞいぞい」言っていたらしいから,偽三蔵はきっとソーノイダに違いない.確かに間違って持っていかれたのは間違いないですが,現地の人々に迷惑をかけなかっただけマシかなぁ(苦笑).ちなみに薄情なウサラパたちはソーノイダを放置して若返りの桃を探しに行きました!薄情ですねあのケバいおばさんたちは(笑).
もちろんソーノイダは偽物でこちらの三蔵師匠が本物.ひょろひょろした身体の癖に壊れた家の片付けを手伝おうとしてみたりお経を唱えてみたり,有り難いんだかエキセントリックなんだか(苦笑).その態度は偽物と大違い.騙されたばかりの村人たちは,再度本物たちに食事を御馳走してくれた上に三蔵には白馬までくれたのでありました.…馬の前足の下を駆け回るガブとエースが地味にややこしいことをしていて可愛い.
いい人たち…というか,ちょっとお人よし過ぎ(笑)な人々に出会えた三蔵たちはかなりついてる…はずなんだけど,三蔵師匠は暗い顔.自分の身代わりになったソーノイダがザンジャークに両界山へ連れていかれたことに心を痛めているらしい.宇宙海賊たちが探すものと言えばコスモストーン.きっと両界山にコスモストーンがあって,三蔵に探させようとしているに違いない.ならばザンジャークは絶対そこにいる.彼らは両親たちの手がかりを握っているから行く価値はある! …そんなこんなで両界山に行くことを決めるリュウタたちですが,三蔵まで連れていってくださいと願い出てきちゃって面倒だ.
本来リュウタたちと別れて弟子たちに合流するべき三蔵さん.けれど両界山に行けば自分の身代わりのソーナンダさんは助けてもらえると,またも自ら犠牲になることを願い出てこられても…なぁ(苦笑).名前を間違えられたおかげでソーノイダが遠くで目覚めておりますね(笑).ザンザークの狙いは自分だからと,自己犠牲の塊のような三蔵の提案はリュウタたちにとって大変困ります.重要人物が進んで敵の人質とか犠牲になろうとするってのは,真正面から戦いたいリュウタたちにとって大変に迷惑,お荷物以外の何者でもないのです.
ゆえにリュウタたちは三蔵におとなしくこの村で待っていてもらいたい.このヘタレ様を危険な目に逢わせたくはないし,両親を探すためには…「はっきりいって足手まといなんだ!」とずばっとリュウタが言い切った! 成り行きの一番弟子から非常に厳しい言葉をぶつけられてショックを受けた三蔵を,リュウタたちはさくさく置き去りにして出発.…確かにはっきり言わないと,曲解したり変な気の回し方をしてついてきちゃうんだろうけど…結局村に置き去りにしたはずなのについて来やがりましたんで,三蔵には何を言っても無駄だったことが後に明らかに(苦笑).
さて,ついさっき間違った呼ばれ方で目覚めたソーノイダがいるのは大岩の前,ザンジャークのグーネンコがすぐ近くにいる上に,ウサラパたちが傍にいなくて一人きり…あいつらはソーノイダを見捨てて桃を探しに行きましたよ(苦笑)! ここでグーネンコ,若者のはずの三蔵が偉く老けていることに気づきます…襲う前に気づけばよかったのに….三蔵でないとバレたら火で焼かれ鍋で煮られ食べられたり…されたら嫌なソーノイダ,背中に羽根なんか生えた奴は何するかわからないということで必死にフォロー.旅の疲れでちょっとだけ老けて見えるのだとごまかすつもりなんだけど,もちろんそれは無理なのです.
グーネンコは偽三蔵に岩戸を開けるんだなと命令.自分の目の前にある巨大な岩戸を開けろだなんて「びっくりしたなぁもう!」…古い(苦笑).絶対無理でも三蔵ならできるはずだと言われたら…岩を殴ったり蹴ったりして頑張ってみるしかない.そう簡単には開くわけないとグーネンコを誤魔化そうとしても,既に疑い始めている彼の疑念は消せそうにもない…というか,グーネンコは本来襲った時点で気づくべきだったんだ(笑).そして,どうもおかしい自称三蔵に向かって,「三蔵なら,3連続バク転宙返りができるはず,なんだかな」とグーネンコは明らかなカマをかけてきやがったのです.
前シリーズではしばらく寝込んだくらい良くない腰を痛めながらも頑張るソーノイダ…けれど失敗.腹痛で調子が悪いと言い訳をしたら,三蔵なら岩が食えるはずだとさらに被せてくるグーネンコは意地が悪いぞ.すぐにわかって翻弄するならば,最初から気づいてさらったりすんなよ(苦笑).最後には本物は羽根がなくても宙に受けるはずと無理を言われ,もちろん飛べずてへへへとごまかし笑いする偽者に「…冗談も通じないニセモノなんだな」とはっきり言い切るグーネンコ.偽物ソーノイダについては,僧侶の衣装を剥いで高い岩の間に吊るして置き去り.もう一度本物の三蔵を探しに行くことにします.
山を降りて本物の三蔵探しに出たグーネンコが見つけたのは,いつも自分たちに戦いを挑んできて面倒くさいがきんちょたち…の後ろから白馬で追いかけてくる青年僧侶! リュウタたちの態度からこっちが本物と判断したグーネンコは早速回収に迎い,それを防ぐためにリュウタはガブをでかくする.グーネンコは小型の角竜,アケロンサウルスを召還.早速激突したら…体格差に勝るガブの方が吹っ飛ばされた! 激突の衝撃で三蔵が吹っ飛ばされたのをグーネンコが確保.アケロンにジャアクアーマーをつけて逃げ切り体勢に入ったので,リュウタたちもディノテクト・オン!
アタックバーストを発動し,突進してガブを跳ね上げられたところに雷撃,そこにさらに上下から2撃を加える大技は,同属性だとしてもかなり痛い! さらに技の土煙で周囲が見えなくなるというおまけまでついてしまいました.相手は俊敏.ガブの速さでは対応しきれない…けれどここで慎重に見極めたガブが頭ではなく尾で払うことでアケロンの体勢を崩すことに成功! すかさずアルティメットサンダーを放ち,雷撃の力を推進力に変えた突進でアケロンを一撃でカードに戻し大逆転! …けれどカードをグーネンコがしっかり回収してしまったのが残念な上,三蔵と白馬も消えてしまった!

戦いの最中に白馬に起こされた三蔵は,恐竜たちが争うことになってしまったのは自分のせいだとひどく悔やみ,濃い土煙の中を白馬とともに既に去ってしまったのでありました…本当に困った人だなぁ(苦笑).リュウタたちもザンジャークも見失ってしまった三蔵の行方はどこに? そして周囲を探すマルムがあっさり崖から足を滑らせて落下した今回のヒキは,次回冒頭でどう解決される? でもそのヒキは木に登って落ちたのと結構かぶってないか?とか思いつつ,次回,西遊記編最終回に続きます!

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