古代王者恐竜キング 翼竜伝説#11
あんたは何もやってない!
リュウタたちに三蔵を取られてしまったザンジャーク.三蔵を取り戻すためにやってきたミハサが火炎山の近くの木の上で待ち伏せしながら昼寝していると,それを知らぬ村人たちに木を切り倒されてしまった.怒ったミハサはマプサウルスを召還して脅かし,村人たちは封印されていた羅刹女と牛鬼が復活したと勘違いして怯える.妖怪の襲来に備えてバリケードを張る村に三蔵法師を取り戻したリュウタたちが到着したのは,その日の夕方のことだった.
きっとザンジャークが取り戻しにくると考えたリュウタたちは三蔵とともに旅を続けていたが,羅刹女と牛魔の様子を聞いてザンジャークではないかと考える.リュウタたちはもちろんザンジャークらしき妖怪を倒そうと考えるのだが,三蔵は明日妖怪を説得すると言って早速眠り込む.そして翌朝リュウタたちが目覚めた頃には三蔵の姿は宿にない.たった一人で既に火炎山に向かってしまったのだ.
前回は久しぶりに作画が崩れてしまったものの,すぐさま最上の形で立て直してくる「恐竜キング」! なんせ今回は脚本神戸一彦,作画監督石川てつや,絵コンテ演出菱田正和で原画にすたじお牙鳴が入るという強すぎる布陣! 神戸氏の奔放な脚本を菱田監督の絵コンテ・演出が遊び心満点に飾りまくって素晴らしいことになっております.2Dでも3Dでも細部まで映像的な遊びがふんだんに盛り込まれていてとんでもなく面白い.やはり菱田監督にハズレはありません!
ミハサと三蔵の目立つ今回は後半での技の応酬っぷりが凄い.テンポよくバンクが画面に出てくるけれど,おなじみのものだけでなく新作バンクも含まれているのでかなり贅沢.映像的にも美しく,細かい2Dの面白さは石川氏とスタジオ牙鳴の力だろうなぁ….冒頭に「テレビから離れて見よう」が追加.エンディングではサイカ前転,ティラノがピース,スピノが逆立ち,サイカ尻尾立ちと無駄に大サービス(笑).そして恐竜図鑑は「化石ができるまで」で恐竜そのものの紹介はお休み.前回のヒキからラストまで,本作らしいサービス精神に満ち溢れた回です!
前半.三蔵が落とした数珠を拾いにリュウタが木に登ったはいいものの枝が折れて落下…といういつも以上にしょぼい危機(笑).とはいえ今回は演出の力が違います.マルムさんがパラパラを出して,尻尾から背を滑らせることでリュウタの落下の勢いを殺してその身を救ったものの…最終的には尖った頭にケツから落ちて真っ青になるリュウタが辛そうです(苦笑).痛いながらも数珠を三蔵に返すけれど,もちろんこれはコスモストーン独特の光は発していない.
ザンジャークの狙いは妖気を鎮めるべくお経を唸る三蔵さん本人? ザッパーはどこかの山で三蔵にさせたいことがあったらしいけれど真相はやはりわからず…ここでリュウタたち,ひどい決断を下します.三蔵が必要ならばきっとまたさらいに来るだろうから,その時に意図を聞き出せばいいのだ.一刻も早く妖怪との縁を切り弟子のところに戻りたい三蔵に「俺たちもお伴しますよ!」と満面の笑みで宣告するリュウタたちがひどい…三蔵も自分がエサにされてることくらいわかっているはずだからなぁ.
ザッパーに代わり本日来ているのはミハサ.毎度コスモストーンを抜け目なく持って行く彼女だけれど,今日は随分眠そうです.三蔵が弟子と合流するには絶対通る道の木の上で待ち伏せするのは賢いけれど,あまりに眠くて居眠り開始.けれどその木を村人が切ってしまったもんでパニックに! 火山が噴火したかと狼狽するミハサの寝ていた木は牛魔と羅刹女を祀った祠を破壊.折角の居眠りを妨害されたミハサは怒ってマプサウルスを召還! 樵たちを脅かしたら…そりゃ牛魔と羅刹女が蘇ったと勘違いされても当然なわけで(笑).
さてその頃,本筋から完全に逸れて若返りの桃を探し桃源郷を目指すソーノイダたちは桃の木発見! けれど桃は全て緑で,当然ながら食えるようなもんじゃありません.とはいえ熟してなくても桃は桃.桃畑の持ち主たちに桃泥棒呼ばわりされるのもまた当然.…この場を乗り切るためなんとかごまかしたいわけですが,一応前回誤解された仙人のふりをするか,お地蔵さんでいくか…そもそもお地蔵さんは中国にあるのか?
結局ろくな対処法もなく,4人揃って必死に何事かを念じていたら…この桃泥棒な不審者たちを三蔵法師一行と勘違いする村人たちの目は節穴だった(笑).特にウサラパ様を若い僧こと三蔵だと思い込み,残りの3人はその従者…なんて見間違えるなんて腐っているとしか思えない(苦笑).その演技で押し切ることにしたウサラパたちは,三蔵の高名によってすっかり歓待されることになります.
久しぶりの御馳走に特にソーノイダは卑しく爆食い.その様に「欲を出してはいけませんよ」と諌める三蔵法師役のウサラパ.プライドの高いドクターは当然付人扱いに怒るけれど…腹ごしらえのためには我慢しろと静かに恫喝するウサラパ様がおっかない(笑).菱田監督,絶対ウサラパとかミハサとか好きだよな(苦笑).そして村人たちは歓待の代償として三蔵様にお願い.水不足で干上がるこの村に雨を!…騙って食ってしまった手前,ウサラパ様はなんとかすると答えるしかないわけですが.
脇役たちが勝手に活躍している一方,主役グループは砂漠に近い荒野を移動.歩いて移動していたものの三蔵がすっかりグロッキーで,ミハサが木を切られて怒ってるあたりでついにぶっ倒れております…手のかかる同行者だなぁ.結局ガブに乗って三蔵を運び,自分たちの状況を三蔵に説明しつつ火炎山へと移動.ザンジャークに両親たちを奪われたと聞いた三蔵は,両親を返すように宇宙海賊を説得してあげましょうと見事な浮世離れぶり.宇宙海賊に親を思う子の気持ちが通じるならばここまで苦労はしないんだけど(苦笑).
言ってることは正しいものの,腹が減って動けないとか平気で言いだすひ弱な三蔵を連れたリュウタたちが火炎山の麓の村に到着したのはその日の夕暮れ.バリケードを張る村で早速リュウタたちの格好が不審がられるわけですが,唐突にすっくと立った三蔵がリュウタたちは異国の者だととりなして…さっきまで肩貸されていた癖に妙に元気だな(笑)? 日暮れの今から山を越えた宿場町まで行くことは無理.三蔵が身分バレしたことですっかり歓待ムードとなった村に,リュウタたちは一泊することになります.
三蔵一行をもてなす料理はなかなか豪華.リュウタたちは三蔵の弟子という名目でご相伴…弟子じゃないけどまあいっか!とリュウタが割り切ってバカ食いしてるのがおかしい.こういういいかげんさ,こだわりのなさは凄く本作らしいよなぁ.もちろんこの宴にもやっぱり理由があるわけで,火炎山の祠に封印されていた翼の羅刹女と巨大な牛魔が復活した話をして「もう一度封印してください!」と村人はお願いしてくる…見返りを求めない純粋な善意なんか,この世界には存在しないんだ(笑).
とんでもないことを頼まれたヘタレの三蔵は泣きながらどろどろ崩れていきますが,リュウタたちはどうもそれがザンジャークっぽいと気づいて倒しに行くことに決定!…のはずが,ヘタレの癖に三蔵が妖怪を説得すると意地を張りはじめます.火炎山には明日行こうと勝手に決めた三蔵はリュウタたちを置いてさっそく就寝,眠りこけ…翌朝になったらもういない.ザンジャークに狙われている本人の癖に,わざわざリュウタたち3人を置いて一人で火炎山に向かってしまったのだ!
後半.朝,リュウタたちを宿に置いてふらふらと火炎山に向かった三蔵は,あっさり羅刹女ことミハサと対面.もちろん彼女は宇宙海賊で妖怪なんかじゃないけれど,三蔵はせっせとお経を読んで祠に戻ってもらおうとして…当然ながら効くわけもない.ミハサにマプサウルスを召喚されて,あっさりひっくり返るヘタレ三蔵…本当に何をしに来たんでしょうかこいつは(苦笑).ミハサがマプサウルスに三蔵を咥えさせて持っていくところでリュウタたちが到着! ちなみに捕らわれの三蔵はまた気絶しており…余計なことを言い出さない分むしろリュウタたちには好都合です(笑)!
当然ミハサは三蔵を返す気などなし.ゆえに「一番弟子の俺様が相手してやるぜ!」と都合よく落ちてた棒を振り回して頭にぶつけて倒れるリュウタ!…素晴らしい作画で何をやってるんだ(苦笑).ノリで勝手に三蔵の一番弟子になってるリュウタには仲間もヒイてますよ? 棒では役に立たないのでリュウタはガブを召喚,それに対抗するべくマプサウルスが口に咥えさせられた邪魔なものを投げ捨てて戦闘モードに…おかげで気絶中の三蔵は火炎山の火口へ落下! それをレックスが召喚したエースが拾う! サイクロンで加速して黒焦げにならぬうちに保護.これにはうっかりしちゃったミハサすらほっとしています.
ガブ対マプサウルスは体格有利なガブが優勢.三蔵も無事にレックスたちが保護.劣勢のミハサは当然ながら容赦なくジャアクアーマーを装着するので,リュウタもディノテクト・オンでガブを武装! 双方プロテクターを装着した状態での激しいどつきあい! …この状況で戦いをやめさせようと割って入りにいく三蔵は無茶過ぎで,邪魔だから端っこでお経でも唱えてろ.とはいえあんだけヘタレで怖がりの癖に前進をやめないあたりは偉いのかもしれない.この場では正直迷惑だとしても(苦笑).
エースも本格的に援護に入る構えを見せて,追い詰められたミハサは技で火山を噴火させる! 「一気に吹き飛ばしてしまうかもね!」…でもあまりにも噴火の規模がでかすぎて,火山弾やら溶岩やら噴石やらにミハサ自身がやられまくり.朝早いのがまずかったのか,今日のミハサにはいつもの用意周到さがまったくありません.予想を越えた噴火状況にミハサは即座に出直しを決意して撤退.後始末を放棄する無責任さが悪党らしい(笑)!
流れ出る溶岩の間に取り残されたリュウタたちは,役にも立たない経を唱える三蔵とともにガブたちに乗ってすぐに撤退.麓の村まで戻ってきて,これ以上溶岩が進んでこないように頑張ってみるつもりです.三蔵は「私もお手伝いします!」ときらんと輝いておりますが,今の彼にできるのは再襲来のミハサに奪回されることくらい(苦笑).…ここでかっさらうミハサが重くて辛いのを一瞬で描いてる映像が素晴らしい! 持った直後に重くて沈み,そこから持ち上げていく一瞬はコマ送りで確認して頂きたい!
マプサウルスとともに押し寄せて三蔵をさらうミハサを止めるため,今度はマルムがディノスラッシュ! パラパラの声を使ってミハサに三蔵を落とさせて妨害.落としたミハサはビッグファイアーボムを発動! カウンターとしてリュウタがライトニングスラストを発動! 真正面から当たってマプは力負け.リュウタは容赦なくガトリングスパークを追い打ちし,角で連突きされたマプサウルスはついにはカードに戻ります.…クライマックスは3Dの技の連打が豪華! 素晴らしい!
マプサウルスはリュウタが回収.ミハサはまた来るかもね!と捨て台詞を残して撤退.場に残るのは火炎山の噴火.3頭の力を合わせ,押し寄せる溶岩をくい止めます.ギガライディーンとカマイタチで溶岩の接近を止め,エメラルドガーデンの威力で荒れ狂う炎の山を一瞬にして緑に変える! …まさか火山の噴火が技で鎮まってしまうとは思わなかったぞ.…もちろん現地人たちにこれが恐竜の技の力だなんてわかるはずもなく,ありがたい三蔵様の法力って解釈になりまして…「仏の御心です」と悟った風の三蔵様にリュウタたちはすっかりがっくり.
本物の三蔵が技の効果を仏の御心と言い切っていた頃,偽のウサラパ三蔵様はサイカに掘らせて地下水を導くことにしましたが,笑いの神に愛される彼らが水なんか呼べるはずもありません.…地中から凄い勢いで逃げ戻ってくるサイカの3Dがはっちゃけてて素晴らしい(笑).追って噴出するのはもちろんマグマ! 溶岩に畑も家も潰される現地の人々が,ウサラパたちを悪魔と呼ぶのも無理はない…こんなとこまで映像が豪華すぎるなぁ.
三蔵法師の力によって緑の山に変わった火炎山では,早速村人が壊してしまった祠を再建…像がすっかりミハサとマプになっちゃってる(苦笑).最後まで何もしてない癖に,よく精進しましたと偉そうな三蔵法師を誰かなんとかしてください.そしてノリとはいえこんな奴の一番弟子と名乗ってしまったリュウタは正直かなりの失敗だと思います.で,それ以上の大失敗は今回のヒキ.ラストで旅立つリュウタたちになぜか押し寄せる牛の群れ!…って,そのヒキはいくらなんでもさすがにダメだろとツッコむことになる次回に続きます(笑)!
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