« 【感想4コマ】夏目友人帳#4 | トップページ | ひよこ短評 8/25-8/30 »

古代王者恐竜キング 翼竜伝説#29

父子の別れはVサインという宇宙の法則

ザンジャークを裏切ったノーピスはバックランド号に乗り込んで全てのコスモストーンを持ち出そうとするが,ジャークベースからの攻撃の影響で失敗した.ノーピスはかろうじてブラックコスモストーンだけを持ち出し,緊急用の脱出カプセルに乗ってバックランド号を脱出する.バックランド号には6つのコスモストーンが残されたが,そのコスモストーンとリュウタたちの両親を交換したいと,ザンジャークが交渉を持ちかけてきた.
ノーピスが1つ持ち去っているならば渡しても大丈夫だと考えた子どもたちは交換に応じ,互いの船を繋いでコスモストーンと両親を交換することになった.連れてこられたのは本物の両親たちだったが,その両親たち自身が交換されることを突然拒否する.コスモストーンの危険性を知った両親たちは,6つのコスモストーンをザンジャークの手に渡さないために強制的に交渉を打ち切らせてしまう.それは両親を取り戻すために戦ってきたリュウタたちにとっては思ってもみなかった決断だった.

1年の冒険の後ではじまった2クール半の旅路もついに終了直前で,最後の危機をなんとかしたい「恐竜キング」.最終ステージはコスモストーンの取り合いが激化,勝手に行動しはじめたノーピスも加えてダイナミックな展開が連続するわけですが…このシリアスな状況でもキメ切らない連中ばかりで緊迫感がありません(笑).特にコケてコスモストーンをまき散らすノーピスと紙飛行機でオリジナルレシピを伝える両親には色々な意味で愕然としました.そこはそうじゃないだろう,笑いを取ってどうすんだ(苦笑)!
どっかで見たようなシーンも出てくる今回は脚本平野靖士,演出工藤寛顕,絵コンテ藤原良二,作画監督和田喜彰・高橋晃のダブ回.このシリーズでは努めて抑えられてきた工藤演出が結構冴えているのも本当は見どころのはずなんですが…正直展開がダイナミック過ぎて,作画どころではありません(苦笑).ここまでやらかすノーピスが次回の最終回でなぜああなっちまうのかもよくわからないという事態の混迷っぷりをぜひお楽しみください.恐竜図鑑最終回は,恐竜と他の爬虫類の違いについて.

前半は前回のヒキからスタート.まんまとバックランド号に乗り込んでコスモストーンを手に入れようとするノーピス,リュウタは当然のようにガブをけしかけ,一応船の中だってのにアルティメットサンダーなんか放たせてしまうわけですが(笑)逆にクリオロフォサウルスの先制を受けて吹っ飛ばされるガブ.逆襲のスノークリスタルに当たる直前にリュウタはガブをカードに戻して保護.どさくさに紛れてノーピスはクリオとブラックコスモストーンとともに逃走…こうしてノーピスは危機を脱出してるので,前回のヒキはあの解釈で正しかった気もしてくるな.
しかし本当のヒキの解決はここから先,塩に弱いというゲルジャークの弱点は既に露呈しており,自由になったレックスたちがリュウタを追ってやってくる.クリオロフォサウルスがいくら強くてもパラパラとエースに牽制されては簡単に押し切ることもできず,さらにアクト団やら追いついてきたリュウタたちやらも来ちゃってノーピスは絶体絶命.そして追い詰められたノーピスを襲う唐突な衝撃! ジャークベースがバックランド号に体当たりを仕掛けてきたわけですが,まさかその衝撃でコケてコスモストーンをばらまくとは思いませんでした(笑)!
最終回まであと1話という状況でこのうっかりぶり,さすが前シリーズでチビ恐竜にやられた彼らしい面白展開.…恐らく彼はこのあたりでラスボスの資格も落っことしたんじゃないかなぁ(苦笑).ロトとロアが転がったコスモストーンを確保.1つだけ別方向に転がったブラックコスモストーンはリュウタのディノライザーに当たって飛ばされ,クライマックス補正で観察力の向上しているリュウタは何かを感じています.
その後すぐに体勢を取り戻したノーピスはクリオロフォサウルスにブリザードスマッシュを命令.あっという間にガブ以外は片づけられてしまうくらいクリオの動きはやっぱり抜群.けれどここでソーノイダがとっておきの技カード・ファイナルサンダーをリュウタに補給.他はともかく技の開発には定評のあるソーノイダの作った新技は,素早く相手の動きを止めて宙に釣り,動けないところに光弾を撃ち込むという強い技でさすがのクリオもカードに戻り…けれど笑ってる場合じゃなかった.もうノーピスがいない!
コスモストーンはブラック以外の全てを確保したリュウタたち.しかしブラックコスモストーンに加え,さっき倒したクリオのカードも見当たらない.その上さっき逃げるノーピスがタルボーンヌとすれ違っていたようで…そこはちゃんと止めてくれようタルボーンヌ(苦笑)! まんまと逃げ延びたノーピスはバックランド号に設置されている休眠カプセルに黒コスモストーンを持り,リュウタたちは見つけ出せないうちに格納庫から射出! コスモストーンを持っていれば絶対リュウタたちは追ってくるという計算の上に加え,自分を有利にすることを考えて動いています,
取り残されたバックランド号にはザンジャークから通信が.ノーピス抜きで6つのコスモストーンと両親を交換しようという申し出で…いくらなんでもウサラパ様とタルボーンヌを同列で扱うのは可哀そう過ぎる(苦笑).一度騙し合いとなったザンジャークはノーピスと同じくらい信じられないけれど,向こうもリュウタたちに同じ不信感を抱いてるはずなのでさすがに今回は小細工しては来ないか,なんせリュウタたちは知らないけれど,さっきの激突でジャークベースは操縦制御装置が故障中.修理できそうなノーピスもいないので小回りが効かないのです.
ジャークベース内の囚われの古代家では両親たちが食事の支度をしながら子どものことを思ったりしております.栗食えば…(笑).古代家の家庭の味はカレーで,醤油と味噌が隠し味.リュウタもレックスもこれが好物で…食べさせてあげたいとかのんきに考えてる余裕はなかった! 唐突に古代家にミハサたちが乱入.折角のカレーをひっくり返しつつ,コスモストーンと交換する人質たちを無理やり集めます.…けれど交換がよくないことだと両親たちはよくよく把握しており,その結果前半のラストが訪れるのです.
バックランド号ではやはりコスモストーンと両親たちを交換することに決定.6個なら挽回できるという楽観主義と,2クール半も引き離されっぱなしの両親たちが恋しくて仕方がないための決断,本当はその決断がもたらすであろうマイナスを冷静に判断できる大人が必要なんですが,バックランド号にはまともな大人が一人もいないからなぁ…(苦笑).逆に言えばもしまともな大人が乗っていればここまでコスモストーンを取られまくることにはなっていなかったはずで,冒険のスリルは大幅に削られていたはずだから…物語の都合上仕方ないのか,
ジャークベースとドッキングしたバックランド号.2隻を隔てるハッチの向こうにはボスとミハサたち,そして本物の両親たちがお待ちかね! まだ捕われたままの両親たちを救うため,リュウタがコスモストーンを持っていこうとする…のを古代博士が止めた! まともな大人である彼は,助けようとしてくれただけで十分と,宇宙を破壊してしまうかもしれないコスモストーンは渡すんじゃないと交換拒否! …ここまで両親たちを救うための大冒険を繰り広げてきたリュウタたちにとっては手痛い裏切りにすら感じられるはずだけれど,古代博士は言葉を曲げません,
「未来はお前たちのものだ,コスモストーンを渡せば,その未来を失ってしまうんだぞ!」…そう言われたって両親のことを諦めることなんかできない子どもたち.けれど子どもたちの未来の危機を前にして,まともな大人である親たちは自己犠牲を迷わず選んだのです,クリテイシア博士は紙飛行機を子どもたちに飛ばし,それだけで今日はお別れ.エンシェント博士がジュラさんにバックランド号の離脱を命令.再び切り離された子どもの目に映るのは父のピースサイン! …ギャグじゃないのにやっぱり来やがったと笑えてしまう駄目な視聴者でごめんなさい(苦笑)!

後半! 父子と世界の危機と別れには自己犠牲とピースサインがつきものであるわけですが(笑),そんな宇宙の原則を知っているわけもないザンジャークは大変に困ってしまいます.ジャークベースは故障のおかげでバックランド号を簡単には追えないのです.「さっさと修理せんかい!」と狼狽するボスだけれど,こんな時に凄く役立つであろうノーピスにも裏切られてしまったし…古代博士たちの唐突な行動に今更怒っておしおきしようとするくらいなら,コスモストーンレーダーが完成した時点で全員どこかの時代に置き去りにしてしまえばよかったのに.
エンシェント博士の命令で離脱してしまったバックランド号の中でリュウタはがっかり.両親たちの意思なので我慢するしかないものの,その真意がよくわかっていないリュウタには結構辛い状況.そんな心を癒すのがクリテイシア博士の飛ばした紙飛行機…子どもたちに向けた手紙だったのですが,まさか家庭の味レシピ集だとは思いませんでした(笑)! カレーの作り方もクッキーの作り方も肉野菜炒めストロベリー味の作り方も伝えたいものには違いないとは思うんですが,お前ら博士とか医者なんだからもうちょっと役に立つ情報を伝達しようよ(苦笑)!
コスモストーン無力化の方法とかジャークベースの位置特定の方法とかコスモストーンレーダーの仕組みとか,これからでも役立ちそうな情報は色々あるはずなのに両親たちが伝えたのはアレ! その衝撃にリュウタたちが動じなかったのは,蛙の子は蛙でこの世界の博士はどうしようもないからなんでしょう(苦笑).ロトたちの両親はオレンジ風味が得意らしいので,未来では肉野菜炒めはデザートの一種?なんて謎が増えてもなぁ….母の味がウサラパたちには相当うらやましいようですが,ソーノイダのねこまんまレシピで代替は無理だよなぁ.
さて,バックランド号とDラボはとりあえず連絡を取り合うことに.時空間通信を繋げようとしているリアスさんが頑張ってるところに出現したのがクリオロフォサウルス! そして「こんにちは」とノーピスも! さっきバックランド号から逃げ出したばかりの奴が自分たちの基地にやってきたことにリュウタたちは狼狽.カプセル射出の際に到着地をDラボに設定したんだろうけれど,これは実に効果的な奇襲です.戦闘要員でないリアスさんたちをクリオを使って人質に取り,助けたかったらコスモストーンを持ってこいと言われ…しかもこっちの人質は当然ながら助けられることを拒否しません.
Dラボに戻るしかないバックランド号のところにやってきたのが光の翼竜は,「行かないでください!」と妨害するように飛びます.コスモストーンが1つになると宇宙が元に戻ってしまうと必死で警告するけれど…正直,役立ってない翼竜に言われても(笑).危険は承知でDラボに戻るしかなかったんだから,翼竜もバックランド号に激突して消えたりする前にノーピスを自分でなんとかすればいいと思うのです.ついさっき脱出カプセルがこのあたりを通っていったよね(苦笑)?
翼竜に激突しつつもDラボへと戻ったバックランド号.ジュラさん以外の全員がバックランド号から降りてノーピスを止めようとしてますが…これはノーピスの思う壷.クリオに食われそうな仲間が心配な気持ちはわかるけど,船とコスモストーンをまとめて奪われるリスクがでかすぎるってことに…先に気づくような奴らならば今こうなってはいないのか(苦笑).仲間と引き換えにコスモストーンと渡せと言うノーピスは生粋の進化マニア.コスモストーンによる宇宙の終わりも「新たな宇宙ができるのだ」と変にポジティブに捉えています.
新しい進化のためならば方法を選ばないノーピスは,莫大な力を持つコスモストーンは進化の推進剤だと信じている.けれどコスモストーンはこの世界と未来を破壊する物質に違いない.「みんなの未来がかかってる! それをお前なんかに渡せるか!」…この状況で恐竜王国の野望とかもうどうでもいいな(笑).リュウタたちの抵抗もノーピスは予測済み.さっきの脱出間際にバックランド号に置いてきたゲルジャークを元に戻して,ジュラサンしかいないバックランド号を乗っ取った! ロボットなので強いはずのジュラさんだけれど,首の後ろが弱点ってのは前シリーズで明らかになっていたしなぁ.
操縦者が気絶してコントロール不能のバックランド号は墜落.ノーピスはクリオにスノークリスタルを命令し,ガブたちを吹っ飛ばした隙にDラボへ! それをソーノイダを肩車するタルボーンヌが追いかけ,さらに空にはザンジャークの母艦が到着! ジャーク技でリュウタたちの恐竜を次々にカードに戻し,さらにノーピスがいるはずのDラボまで技に巻き込んで破壊してしまう始末.ジャークどもはコスモストーンをビームで回収し…宇宙を制するコスモストーン7つを最終的に手に入れたのはザンジャーク.回収中に7つは1つに!

7つが1つになった影響か,ジャークベースの真下に紫の電撃をはらむ黒い翼竜が出現.その凄まじい力でジャークは強化恐竜をさらに強化.可愛がっているアパトサウルスにもエネルギーを注入! ここまでは完璧に制御できているザンジャークはさらに黒の翼竜のエネルギーをジャークベースに格納しようとするんだけれど…案の定やっぱり御しきれない! 吸収するどころか黒い翼竜にジャークベースが飲み込まれ…残るはあと1話なのでこの翼竜をなんとかしなきゃいけないんだけれど…どこまでも裏切り続ける彼の勇姿に期待しつつ(笑)次回,最終回に続きます!

|

« 【感想4コマ】夏目友人帳#4 | トップページ | ひよこ短評 8/25-8/30 »

レビュー◆恐竜キング 翼竜伝説」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 古代王者恐竜キング 翼竜伝説#29:

« 【感想4コマ】夏目友人帳#4 | トップページ | ひよこ短評 8/25-8/30 »