2008年10月開始アニメ雑感・1
相変わらずの遅れっぷりですが,10月ももう終わってしまうので今期の開始短評をはじめてみたいと思います.大型改変期のため作品数が多いんだけど,特に今期はダークで癖の強い作品が多いのが珍しいかもしれない.ここまで見た作品の中では「キャシャーン」が群を抜いて良い感じ.短評内にまで書いてますが(笑)特にPSのゲーム「BAROQUE」のファンにはぜひとも勧めたい素晴らしい出来になっていると思います!
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今回短評を出した作品は以下の通り.
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[開始短評] ※事前の期待→数話視聴後の印象
○→△ 少年突破バシン
本当に長らく付き合った「恐竜キング」の後番組.サンライズで男玩販促とくれば基本的には大好物のはずなんですが…やっぱりスタジオが違うと食指が伸びません(苦笑).特にルール説明に徹さなければならない序盤は世界観やらキャラ説明やらまで同時にやらねばならないのでテンポが厳しい.回を重ねれば解消される問題ではあるけれど,果たして子どもたちはちゃんとついてこれるのだろうか.最近の実績を考えるとスロースターターな本郷監督がかなりの博打だと思うので,うまく世界の危機をおもちゃで救う構図に持っていければいいんですが.
○→○ ガンダム00(第2期)
前シリーズ視聴済.前シリーズから数年後の世界でソレスタルビーイングが再起動.あんだけ頑張って命をかけてもまだ変わらなかった世界の落とし前をつけるため! ここまで伏線ばかりを撒きまくった本作の場合,素晴らしい収穫は全てこれから.シリーズ構成も中盤以降で真価が発揮されるタイプなのでこのシリーズは相当期待できるはずです.…ついでに主役の顔と声がここでやっと一致したような気も.前シリーズでは顔の割に声だけ老けていたからなぁ(苦笑).
力で力による正義を否定するという矛盾した理念はそれぞれの中で昇華する途中.マイスターズがそれぞれどんな風に己の理念を確立していくか,それによって世界が本当に変革できるのか,そして変革の代償としてマイスターズはどのように罰せられ殉じていくのか.さらに終盤に近づけば「ガンダム」という大きな物語の正史にも組み込まれていきそうなのも見逃せない.前シリーズで大きな失敗をしていない分,ここからの仕上げ次第で傑作になれる可能性がある作品.頑張れ!
△→△ のらみみ2
原作未読.前シリーズ視聴済.見た目に反してやっていることは相当アナーキー.ニクニクしくてかわいらしい彼らが戻って参りました! なぜかTBSではなくU局で(笑)…キー局夕方でいいはずなのに….たとえ放映局が変わってもやることも品質も妥協はしないであろう作品なので,前シリーズの後半のような冒険的な演出もどこかできっと見せてくれるはず.この調子で局を変えながらのらくらと長期シリーズに化けるのも面白いんじゃないかと思います.
○→○ まかでみ・WAっしょい!
原作未読.世界に誇るべき日本アニメの確固たる1ジャンルであるハーレムものの最新作.尻乱舞のOPのインパクトは今期中でもずば抜けているなぁ(笑).主人公たちが日常と非日常の2つの世界を日常的に行き来するのは「うる星やつら」の昔からの定形だけれど,まだわかりやすい宇宙ならともかく更に濃くて設定説明に時間のかかる幻想世界でやるのはやや難易度が高そう.特に短期シリーズだと,大きな物語を動かすのは時間的に不可能というか,やったら作品的に失敗しそうだなぁ.
キャラデザインは今時で愛らしく,ハーレムの主である主人公も気弱でまともで才能があるというネギ先生タイプ.原作からして女の子の攻略よりは事件の解決に重きを置いてくるはずですが,そこで中心となってくるのは…やはり謎の出生の彼女? それとも話せない彼女の方? どちらかを選べと言われることになるのかもしれないけれど,あんまり深刻にすると恐らく失敗するので(笑)ラストまで軽快さを失わないでほしい.
△→△ スキップ・ビート!
原作未読.最近原作供給元として台頭中の白泉社からやってきた新作.侠気溢れる女性を描くことでは定評のある原作者の作品なので,キョーコのど根性ぶりを純粋に楽しめばよさそうな作品で…本当は実写ドラマの方が向いている気もするんだけど(笑).実写ではよく当たっている高年齢向けの女性キャリアものはまだ十分に開拓されたジャンルではないので,今後に繋がる新しい視点がこの作品によって導入されると面白いかもしれません.
-→△ かんなぎ
原作未読.作画は安定しそうだけれど,監督がペース配分に失敗しやすいタイプなので(笑)最後まで維持できるかは微妙.これもハーレムものっぽいけれど,平面ではないリアル寄りの質感で主人公が真剣に神様の痴態に右往左往する姿がリアルに恥ずかしいのが「まかでみ」との大きな違いでしょう.単にキャラの魅力を押し出すだけでなく物語の面白さを味合わせてくれたなら,ただの佳作ではなく傑作まで行けるかもしれないけれど…このペースで世界を描いていくならば,時間がやっぱり足りないだろうな.
△→◎ キャシャーン Sins
前作視聴済のはずなんだけど記憶が….滅び行く暗い世界と己を知らぬ主人公,彼の前に現れるのは思わせぶりで哀しいモノたち.あまりにも他のアニメとは質が違ってどう見ればいいのかわからず相当に戸惑ったんですが,2話目くらいで気づきました.これはゲームの「BAROQUE」だ! 暗い世界で事実と感情の断片を思わせぶりに示されて,そこから自分自身とこの世界の真実を推測していくというあのゲームに非常に雰囲気が似ており,しかも自分はそのゲームが大好きだったのです(笑).
パッと見で非常にわかりにくいため,恐らく現状でも作品の物語面での楽しみ方に戸惑っている視聴者が多そうな作品ではありますが,ちょっとした手掛かりさえあれば確実に楽しめる点からカルト的な人気が出そうな予感.確かに作画的な面白さは大きいですが,本作の本当の良さは世界観と雰囲気にあるはず.単に見て楽しむのではなく,映像の奥に示されているものを視聴者側で積極的に推測していく方が楽しめる部類の作品だと思うのでぜひ前のめりに視聴していきたい.楽しみにしています!
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続きはまた後日!
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