魁!!クロマティ高校 THE MOVIE+メカ沢くんの日曜日

以前より楽しみにしていた「クロ高」映画を暑い中見てきたので感想を.ついでにローソン限定でリリースされた「メカ沢くんの日曜日」もセットにしちゃおう.内容的には「日曜日」を映画の前に見ておくといいですよ.

魁!!クロマティ高校 THE MOVIE
原作既読,アニメ視聴済.皆様にはクロマティ氏関連の報道のほうでも既におなじみではないかと思います.映画はなんとかなったけどDVDがどうなるかはわからないってなわけで視聴機会のあるうちに見てきたわけですが,一言でまとめると「キャスティングの勝利」でいいんじゃないかな(笑).
原作から抜け出てきたような神山をはじめ,出てきた瞬間に笑えるメンツがあまりにも揃い過ぎ.出オチの連続となる序盤から中盤にかけてはついつい溢れる笑いを止めることができません.並の不良ではないクロ高の3奇人?の中では特にフレディが凄くて予想以上に出番も多く,なんだってこんな役を引き受けたんだろうなぁこの人は,と複雑な気分になること間違いなし.
ストーリーは原作譲りの小ネタ積み上げ型.出オチと相俟って展開する中盤の地球防衛軍の活動のノリはなかなか.言ってしまったのが悪いとはいえ,巻き込まれた北斗が気の毒で気の毒で・・・(笑).ただし終盤まで小ネタ祭りは継続してしまうので,劇的なクライマックスとかカタルシスとかはあんまりなし.もちろん原作と監督の個性だから許容すべきとは思うんだけど,特段の結論もなく,なんとなく腰砕けのままで終わって行くのがやっぱり勿体ない.ラストまで来ると意外と女性の多かったお客さんたちもかなり暖まっていたのは間違いなかったので,もっと大きくぶん投げるネタをぶつけたほうが,変に満足して映画館を出られたんじゃないだろうか….とはいえそんなシナリオ面での問題はささいなこと.キャラがあまりにはまりすぎているため,原作好きなら間違いなく一見の価値はあるはずです.
さらに新要素としての宇宙猿人とか阿藤快(笑)などに関しては豪快な出オチぶりを見せながらも原作キャラとの違和感がどこまでも残り,しかしその違和感がどうにも変にくすぐったいという不思議な笑いを醸しだしてくれます.フィクションなのはクロ高側なのに,なぜか阿藤さんのほうがフィクションに見えてくる.もちろん,普通の映画だったら神山たちが現実なんだからそう感じるのが正解なんだけど,本作に限ってはあんな現実そもそもありえないわけで.でも阿藤さんはどうにもフィクションに見えて…と堂々巡りを繰り返す感覚はなかなか面白かった.

メカ沢くんの日曜日
ローソン限定販売の特別編というか予告編というかDVD紙芝居というかそんなもの.映画では描かれないメカ沢の家庭生活を垣間見せる内容で,まさかあの両親から生まれるわけじゃないだろうから家族揃って工場で作られたパターンなんだろうかとか難しいことを考えるような内容じゃない(笑).何も知らない純真なメカ沢の日常には,映画に繋がる伏線とか映画には繋がらないけど将来的にいろいろ問題になりそうな出来事が散見されるのでありました.…まあ,ちょっぴり大人向けの内容なのかもしれないけどさ,メカとはいえ高校生なんだからちゃんと気づけよメカ沢(苦笑)! 登場人物紹介や予告編も入っているので,映画を見に行く前にはぜひ.
ちなみにDVDケースには映画のパンフレットがぴったり収納できますんで,両方手に入れた方はぜひお試しください.…本編もちゃんとDVDでリリースされるといいな,買うんだけどな(苦笑).

最後に.「クロ高」本編で,たった1人その出演が笑えなかった男がいます.その出オチなシーンだけは妙に観客も静かになってしまったり.結構好きだったんで強いキャラを持ちながらも状況的に笑いが取れないというふがいなさに切ない気分にさせられてしまいました.ああ,本当に状況が悪すぎるよ,橋本.

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マッスルボディは傷つかない#2

「全体的にもっさりと進む展開が微妙すぎの巻」

元ボディビル部の部室にやってきた安原と仲音.お前も鍛えているんだし,自分たちもボディビルをやってみないかと仲音は提案する.しかしそのふんぎりがつかない安原は,「やる気になったら協力するよ」と答えるに留まる.学校からの帰り際,不良3人に囲まれて金を奪われた安原.鍛えた体はあるのに抵抗もできない自分に泣いている安原の前に,素晴らしい体のマッチョマンが突如登場.ポージングの迫力だけで不良を追い払い財布を取り戻してくれた.思わず彼を追いかける安原は真夜中の学校へ再び戻ることに.学校の廊下に点々と落ちているキラメキンXを拾っていく安原の前には用務員室が.そしてその中にいたのは貧相な用務員だった.

脱力具合満点の「マッスル」.ちなみにこういうDVDなんですけども.ネットショップでも買えるようになってめでたい限りなのですが,内容は本格的にダメなのでまともなドラマを見たい方には絶対お勧めできませんのでご注意(苦笑).万が一気に入ってしまった場合は自分が終盤まで書いてしまわないうちに購入するのがお勧め.

というわけで2話目.1話目の話の進みと同様2話目もやはり遅く.全体を通して見ればそれなりに見られるのですが15分番組の構成としては落第もいいところ.しかしそのどうにもならない情けなさがひとつの味になってるあたりが異常です.今回の見所は何も知らない主人公安原を罠に落としていく真池龍の暗躍と謎の用務員なわけですが…いい年した割と普通の兄さん方が無理して学生やら製薬会社の社長の息子やらをやっているのでどうにもこうにも全てにツラい雰囲気が漂っているのがマニアにはたまらないのではないかと.実は真池が不良3人とグルだったりとか,廊下に一定間隔でキラメキンXが落ちている様子とか,シナリオから演技まで全てがどうにも…もっさり(笑).
用務員室にいた謎の用務員.彼の言葉によって,真池から安原に投げ渡されたキラメキンXが1粒飲めば1食分の栄養になるすごい栄養剤であることが判明します.会ったばかりの用務員に対し,いきなりさっきのすごい筋肉の男に憧れる気持ちと自分の情けなさをぶっちゃける主役安原.「自分は虫けらだ」と嘆く彼に「脱いで見ろ」とこちらもいきなり言い出す用務員.「虫けらだが悪くない.そして熱い血潮が流れている」と貧相な体を否定せず,ボディビルダーへの道を歩めとけしかける用務員.そして薬は大切に.
用務員のけしかけにまんまと乗ってしまった安原はボディビル部をつくるわけですが,実はあの用務員もまた真池の手の内にいたのでした…とは言っても驚く要素も惹きつけられる要素も皆無.その皆無さがまた味に…つくづく変な味ですよ(苦笑).何はともあれ主役が本格的にボディビルを開始して,次回に続きます.

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マッスルボディは傷つかない#1

「笑いどころがわからないときには副音声をONに!の巻」

蜘蛛の巣だらけの学校の一室にやってきた気弱な顔の青年.埃をかぶった表彰台の写真の入った額を取り上げてそっと払う.考えるのは自分が好きだったあの人のこと.まだ高校の全日部に通っていた頃,いじめに遭っていた安原は学校から逃げ出そうとしていた.それを引き止めようとしてくれたのは彼女だけだったが,安原の弱さにあきれ見捨てられてしまう.彼女は言った.「私はたくましい男が好きなの!」
札幌朝焼け高校(全日)をやめ,今は昼はきらめきバイオパワー製薬の清掃員として働き,夜は同じ高校の夜間部に通っている安田.廊下の掃除をしていると,この製薬会社の社長の息子であり,安原とは知り合いだが友達ではない(歌より)真池龍がサルのタカユキとともに姿を現した.彼は安原になぜか,「キラメキンX」という謎の薬を与える.

HTB北海道テレビの深夜番組『ドラバラ鈴井の巣』で放送されていた短期ドラマシリーズ(1話10分程度・全6話).企画・脚本・主演は安田顕(北海道だけでは有名).彼が中心となって作り出した世界は…巻き込まれて参加させられた周囲の人間が心底気の毒になるような,イカレた映像と展開満載のものでした(笑).おかげで視聴率はまったく振るわず,ディープなファンだけがつくという状態に.現在DVDとして(買いにくいですが)販売されていますので,これを1話づつ追ってみたいと思います.
全話通しての最大の問題としては,テレビシリーズの脚本経験のある人間が書いたわけではないので,ボリュームの配分もヒキもへったくれもあったもんじゃないというところでしょう.特に1話は前編なのですが,客を掴まなければいけない初回なのに後編への強いヒキもなく終了してしまい,そりゃこれだけ次週の予測が立たなければ視聴率もどん底になるだろうと納得.話がまともに動き出すのは4話以降で,それまではじっと我慢で珍奇な設定を追っていくしかありません.ただし,実はDVDでまとめて見ると,間の1週間がないので(笑)そんなに辛くないんですけども.

さて1話.演者はよく動くのですが話が動きません(苦笑).主役の安原はださく情けなく,教育実習にやってきたかつて好きだった小百合に会わせる顔もありません.「ちっちゃなころからミスターロンリー」のような台詞がマドンナの口から普通の台詞として出てくる時点で間違ったドラマですよもう.そして1話の見所と言えば廊下で踊りだすマイケルジャクソンコスプレの真池龍のダンスシーン!その踊りで設定の一部が説明されるわけですが,踊る意味はもちろんまったくありません.そしていい年の事務所社長が横でサル役で暴れる意味だってありません.でも,思った以上に集団ダンスとしてはよく踊れているのでとてもお気に入り.
夜間高校では,安原とその友達仲音の前で発生する喧嘩.しかし弱い安原にはそれを止めることができません.先生の「悲しみを知っている分人に優しくなれるんだー」程度のコメントでも止まりはしません.スケ番のアッキーが一喝しても,すぐいなくなったので結局喧嘩は止まらず.ただし自分の思ったことをそのまま言いそのままやるアッキーは安原や仲音よりはずっとマシ.しかし安原は思うのです,「かっこいいってなんだろう」.かっこいいのは,体を鍛えて強くなることなのか,アッキーのように精神的に強くなることなのか.考える安原を見る学校の用務員.という全然話が進まないわヒキも弱すぎるわというところで次回に続きます.

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プリズナーNo.6#2

「男,彫刻をつくるの巻」

村では大展覧会が開催されることになった.また,ヘリで新しい女が運ばれてきた.彼女にはナンバー8の番号が振られ,男の隣家に暮らすことに.男がここに連れてこられたときのようなふるまいを見せるナンバー8.ナンバー8は男に尋ね,男はこう答える.「ここはどこですか」「村です」「あの人たちは誰」「あなたは誰だ」.いかにも村に慣れた風の受け答えをする男.ナンバー8はそれに苛立つ様子を見せる.
浜辺.ナンバー8の様子を見ながら,ナンバー2と男は夢の話をする.村を世界に広げるというナンバー2の夢.男の夢は月へいくこと.ナンバー8は遥か沖へと泳いでいく.やがてオレンジ警報が発令.白い風船が彼女を村に連れ戻し,気絶した彼女は病院へ運ばれる.男はナンバー2に呼び出され病院へ.そこではナンバー8が拷問を受けていた.男は大展覧会への出品と引き換えにナンバー8の身柄を引き取り,面倒を見ることに.

今回は海からの脱出と脱出先についての問題がネタになっています.序盤は表面はほのぼの.男は新しいナンバー8と仲良くなっていくわけですが,先週のあの状況を見ていると,村だけでなく男もナンバー8も見た目とはまったく別のことを腹に抱えているんではないかと視聴者ですら勘ぐりたくなるわけで.これが「プリズナー」の面白さ.何もかも信用できない状態で画面を眺めるしかないため,推理の楽しみが存分に味わえます.
男がつくった彫刻こと船の材料.作品の意味は「見たとおり」でタイトルが「脱出」ってのににやにや.閉じ込められた村を示していると思われる彫刻の中心部の空洞から,ナンバー2の肖像が見えているのが芸が細かい.大賞の賞金で購入した大きなタペストリーにもナンバー2の絵が.このタペストリーは帆になるのですが,船で海に出たとしてもそこにはやはりナンバー2の目があるって暗喩なんだろうなぁやっぱり.

最後,ナンバー8がビックベンにこだわらなかったら男はトリックに気がつかなかったはずなので,あの話は案外ナンバー8の本心だったのかもしれず.最後の歩みだす男の姿が皮肉でかっこいい.「でもあの人はまたやるわよ」って台詞にもぞくぞくします.両手両足を縛りつけるような状態では男は秘密を決して語らないから.男がいかにも介入できそうな隙をつくっておいて,その行動を監視し,分析し,情報を引き出そうとしているのが今回のナンバー2の方向性.しかし失敗してしまったので,次回は薬物で攻撃です.

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プリズナーNo.6#1

「自由を求める男,不思議な村にとらわれるの巻」

議論し決裂する男2人.片方は辞表を叩きつけ車で帰宅.荷物をまとめ旅立とうとするとき,鍵穴から白いガスが吹き込まれ,男は意識を失い,そして見知らぬ部屋で目覚めた.男は不信気に家を,外を眺め,見知らぬ村へ出る.住人に「ここはどこだ」と尋ねても「村」という返事しか戻ってこない.警察はない.電話も外へは通じない.タクシーは村の外へは行けない.地図には具体的な地名がない.男の必要とするものが何もない村.目覚めた部屋に戻ると,「新しいおうちへようこそ」というカード.そこに電話が.男は電話の向こうの相手,ナンバー2からナンバー6と呼ばれ,食事に誘われる.
ナンバー2の家の奥には機械仕掛けの不思議な部屋があった.ナンバー2は男に対し,男の組織からの辞職を防ぎ留めるために,この村に送られたことと,男が「なぜやめたのか」「何を知っているのか」を知りたいと話す.
海岸に近い,美しいが周囲から孤立した村.謎の白い巨大な風船が巡回し,何かを犯した住人を飲み込む.沈黙こそが愛される規則づくめの村.しかし男は規則の1つであるに違いない職業適性検査を拒否する.

表面的には一見安定して見えるもののひどく不条理な「村」,しかも,そこに隠れている様々なギミックや策略もまったく不条理.ただし,その不条理ばかりの世界のなかで,人物の持つ感情と行動の動機のみすっきりと筋が通っている.こんな野心的な物語はそう滅多にあるものではありません.眺めているうちに,まんまと引きずりこまれるはずです.
この回は初回なので,男が連れてこられて物語がはじまったあとは,村の仕組みと彼に対する策略についての概略が実例でもって示されます.止まらないラジオやらオレンジ警報やら巨大白風船(ローヴァー)の巡回やら,ものすごく静かにイカれていて,それがたまりません.にぎやかにイカれるのは単純に楽しいもんなんですが,この作品は楽しいなどと言っていられる状態ではまったくなく,恐怖のほうに見事に振れています.そしてその不条理な世界を笑わせないようにがっちり支える素晴らしい美術と映像の美しさにも感嘆しておきましょう.
舞台となる「村」の各所を飾る美しい文字の看板は,恐らく日本だと極太明朝な感じでいい効果.あのたくさんの文字は,案内するためのものってよりはむしろ「村」の事物に対する定義そのもの.中の人間の精神を絶対損なってるピンクの部屋,陽気な葬列,そしてとんでもなく陰険な罠.全てがつくりもののため,何も信用できないこの「村」からどうやって男が脱出するのか.たった17話ですが,じっくりと再度鑑賞していきたいと思います.

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マンハッタンラブストーリー#11

「どこまでもごろごろと回転する人間関係の巻」

 今週で最終回.予告で事故が臭わされていたあかばねちゃんは無事だったのですが,それ以上に大変なことに.実はリアル軽井沢(でも九州)婦人(劇中劇)だったあかばねちゃん.20年の愛人暦があることをばれ,元旦那の鈴木様がマンハッタンに来客.あかばねちゃんは実は過去のトラウマでコーヒーが飲めなくなっていたのが店長のおかげでなおっていたという重たい過去が発覚し,さらに正月に鈴木においしいコーヒーを入れるはめになった店長.でも,あまりの状況の重さにスランプにおちる店長.それを全員が,全員のやりかたで応援(というかいやがらせ)するのに,耐え切れなくなってしまったとき,大好きだったコロンボの幻影を見る店長.己の気持ちに気づき,心静かにコーヒーを入れ・・・そして,2人とも負けてしまうのでした.
 こっから先はいつものように,ウエハースを買いにいってハッピーエンド・・・のはずなのですが,ED途中からさらに状況がごろごろ変わってるのがいかにもマンハッタン.1話から最終話まで,考えられる恋愛のパターンをとことん盛り込みまくったんですが,毎回状況が好転したかなーと思うと次回の冒頭には暗転しという1話内でのパターンはきっちり最後まで守ってくれたとこが,番組全体の統一感にもつながってたのではないかと.
 もちろん,ここから何かを学ぼうったってそんなもんは小指の先すらもない「くだらない」番組なんですが,ただ,その小指の先以下のものと,それ以外の,学ぶ必要のない楽しさが大好きだった.うーん,終わってしまったなぁ.

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マンハッタンラブストーリー#10

マンハッタンラブストーリー#10 「店長寝言を言うの巻」

 あかばねちゃんは2又かけることに決定.で,べっしーは自殺未遂狂言失敗.マスターはピンクの正体を誤解.あかばねちゃんがべっしーとちくら先生がつきあってたのをはじめて知ってびっくり&号泣.いやぁ,なんで前半20分でここまで情報が詰め込めるのかびっくりですよ.
 自分のなかだけで必死で考え,行動するがゆえに,他人の立場や考え方に頭の回らない可愛そうなマスター.でもべっしーのほうがもっと可哀想だよなぁ.
 いよいよ来週は最終回.何がどう変わるのか,あるいは変わらないのか.それからあかばねちゃんは無事なのか.元々ドラマはそう見ないんですが,マンハッタンは見てよかったなぁと思います.

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