ボボボーボ・ボーボボ#77
「そのまま真っ直ぐ突き抜けろ!の巻」
ハイドレート率いる裏マルガリータの魔手は,封印からの解放を求めて地上の真拳使いをかき集めようとしている.ボーボボと戦う3ぶくろは闇皇帝の力を受けてパワーアップ.3ぶくろ2へと姿を変えた.その適当な見た目に反して3ぶくろ2の闇の力はなかなか強く,しかも先に城に入った裏マルガリータの連中が生贄盤に真拳使いを次々埋め込んでいるから時間もない.一気に勝負を決めようとしたボーボボは結果的に田楽と融合.マジカルガール・スーパー田ボが登場する.
むしろ別番組の方が似合いなほどにキュートな田ボ.しかしその半分は極悪非道のボーボボだ.ドリーム絵本パラダイスに3ぶくろ2とついでに首領パッチと天の助を招いた彼女は,次々に難題を繰り出して3人を苦しめる.最終問題は似顔絵ロジック.これは田ボに新たなる力を与えるための試練だった.手にいれた新超絶奥義で3ぶくろ2を倒す田ボ.さすが半分はボーボボだけのことはあり,敵にも味方にもまったく容赦がない.
長い長いバカ騒ぎもついに終着点…なんだけど最後までオーバーランしちゃう暴走機関車「ボーボボ」.理解できるものだけに開かれた笑いの殿堂もついにお開き.あの原作をここまで愉快にアニメ化したその力量は,ギャグアニメの歴史に何か凄いものをを残したはずなんですが,実際に何を残したのかについては後世の評価を待ちたいし,実際に待つ価値のある快作ではないかと思います.
最終回くらいは,どうしようもなくハジケたサブキャラと毎週のように登場する濃すぎる敵を相手にしてもかろうじて(笑)埋もれなかった主役・ボーボボの万能相方ぶりを称えたい.全員のボケるきっかけを作りつつ自身もボケるというテンションだけではできない難しい役柄を見事に演じた子安氏がいなければ,本作はここまでの完成度を得る前に力つきていたに違いない! ボーボボ,これまで本当にありがとう! 好きなのは天の助だけれど!(笑)
最終回のアバンは世界中のラブコールに答えて帰ってきた僕たちの天使…かと思ったら実際は田ボのふりした首領パッチ.あまりの無理ぶりに「誰だよ」とツッコむビュティさんの可憐な職人ぶりも今回限りと思うと寂しい限り.
田ボのふりした首領パッチは急激に落ちるナックルカーブシンカースライドフォークという魔球であったために田楽のバットを逃れるものの,下でホームベースになっていた天の助には吹っ飛ばされる.でも人も死なないし血も出ないからいいや(笑).そして続けて登場する真のアイドル…サービスマン.この下品な芸も今回で見納めと思ってもやっぱり腹立たしいのですがどうしたらいいですか?
前半.12人の真拳使いを生贄に,闇の世界から解き放たれることを狙うハイドレート率いる裏マルガリータ.とはいえその闇の手先を順調に片付けているのが我らがボーボボ.3ぶくろはついに残り1つ,西村知道ことタコチュー袋のみ.そんなボーボボ大活躍な状況を台無し画で妨害するのが首領パッチ.たぶんこの先主役になれないゆえの嫌がらせだと思いますが,最終回くらい我慢しとけよ(苦笑).
ハロンオニに続いて闇拳を差し出し,闇皇帝の力を分けてもらう3ぶくろ.田楽や天の助がまぜっ返しているけどそれはまあどうでもいいとして,闇継承の儀は見事に成って3ぶくろは3ぶくろ2に変身!…これまたずいぶんとシンプルなお姿に(笑).原作の荒れた絵だと確かに手抜きだったけど,アニメは下手に絵が整っているから,普通にシンプルなデザインに見えかねないのがもったいないなぁ.
そしてただの手抜きに対し異様なプレッシャーを受けるボーボボたち.3ぶくろ2のフォルムは全人類に長期戦を予感させる.そう,作者に物語を紡ぐ力があるならば,たとえ鉛筆書きだったとしても!背景が真っ白だったとしてもコミケ休載したとしても連載は続くんだ.恐ろしいことに!
お前時間ないんだろ的な適当デザインの口から来るのは,コネクティック・タイプS-308改ディストラクションA,という仰々しいけど要するにビーム.コケ脅しとしてスルーすることも可能なんですが,笑いとして盛り上がらないので強いということにしてみるボーボボたち.例えるならば…というダメージランキングでさらに笑いを取るつもり.例えるならばTVのリモコン権剥奪とかぬはぬ波の間くらいに,あるいはこんにゃくくらいにと一応順序のあるボーボボたちに比べると,首領パッチの比喩はレベルが違う.ともかく喉笛の「天ぷら」…ってさすがはおやびんでレベル高すぎ.ボーボボたちの回答をフリとして扱う手慣れたテクニックはさすがは弟子持ちのベテラン.素晴らしい.
そんなわけで折角のネタ披露の機会ではありますが,いつまでも3ぶくろ2と遊んでいるわけにもいきません.なんせ他の真拳使いはあっという間に闇のとりこに.文字盤は4時まで埋まってしまいます.このままではいいところが見せられないと悟った主役は魅惑のフュージョンで己の凄さを見せつけることを決意.この素敵な見せ場を攻撃側としてご一緒できるのはたったの一人.今回は変な化粧に魚を添えた田楽が出陣し,お久しぶりの田ボさん登場!
マジカルガール・スーパー田ボさんは本作中でも最強キャラの一人.別番組に行ったほうが良さそうな素敵なキュートさと,他人の言うことをまるで聞かない傍若無人唯我独尊ぶりでおなじみです.そんな彼女の放つ鼻毛真拳超絶マル秘奥義・田ボのドリーム絵本パラダイスは絵本の世界を体験できるということで実に彼女のらしいファンシーな技なわけですが…田ボの半分はやっぱりボーボボなので,例えばボーボボに人の一生とか1週間とかすごろくとかに巻き込まれたのと一緒.巻き込まれたものは味方だろうと誰であろうと,フィニッシュまで好きなように嬲られます(苦笑).
田ボの絵本,「ものおもう田ボちゃんの傷心旅行」は最初から子供を置いて行くアダルトなコンセプト.そんな悲しい夢世界の水先案内人を首領パッチと天の助が強制参加で務めます.芸人に特定テーマの面白コーナーを連続でぶつけるわけだから当然ボーボボチームからの参加者も必要なんだけど…他人事ながら,あんなドSの企画に巻き込まれるなんて大変に気の毒(苦笑).
早速絵本の中で旅に出た田ボの前にはややこしい迷路が.これは絵本というよりゲームブック.実際に原作もゲームブックになっていて,掲載紙がとても楽しいことになってたんだよな(笑).しかも制限時間は2秒で強制的に罰ゲーム発動.デフォルメ変形して愛らしいとはいえ凶悪極まりない田ボがアタックをかけてくるから参加者はやりきれない.下手に可愛いから反抗だってしにくいし…..
本の中の探索者の苦境はまだまだ続く.今度は森の中で迷子になった田ボを救うための迷路登場.熊に会わないように出なきゃいけないけれどむしろ熊のほうがマシというベタな展開.邪神とかルシファーとか魔人ブーとか,東映的にも精一杯の大冒険が展開しております(笑).しかも折角ゴールしたって田ボさんのやりたい放題は止まらない!
次の難関はお弁当を取ったわんちゃん探し.…あの田ボさんから弁当を取り上げるなど並の犬には絶対無理なわけだから,実際に犬が木の幹で隠行してても仕方ないよね(笑)! 回答者のふがいなさに泣きたい田ボさんですが,むしろ回答者の方が一杯一杯にも見えるけど…でも,あの程度の裏が読めなかったんだから仕方がないよね(笑)!
このままでは殺されると察した3ぶくろ2と首領パッチと天の助の間には呉越同舟のチームワークが成立.大変に前衛的なスタイルの田ボさんを使った間違い探しは3人がかりで見事にクリア! そして,生き延びることに必死な人外たちの必死の努力に「ちっ」と舌打ちする田ボ.ここはちゃんと失敗してもらわなきゃ,折角与えてやっている生と死の間を漂う仕打ちに対するリアクションを取る機会がなくなるじゃないですか(笑).
見た目はともかく,確かに半分はボーボボでできているからその責めには容赦のない田ボ女王様.3人の下僕の悪戦苦闘の末にたどり着いた彼女が出会ったのは誰!という最終難関の大きな似顔絵ロジック! 原作でも丸々1ページ使ってやらかしたわけですが,アニメでもそのまんまやっちゃった(笑).最後の責苦を避けるべく,ドンパッチと天の助のバカ2人がこれを必死で解くものの,横からずるい3ぶくろ2が回答を奪って田ボに提出.しかしそんなズルが認められるわけないというか,そもそも田ボさんのプレイから逃れることができるわけないというか….
ここまでの絵本こそが封印の鍵,それを下僕どもに解かせたことにより,田ボ女王様はご褒美として新たなる力をいただきます.新必殺技・鼻毛真拳新超絶奥義,エメラルド・ハートは当然のように功労者のはずの3ぶくろ2を倒す.下僕にとって綺麗な女王様にいたぶられるのは最高の悦楽のはずなので,彼もきっと満足に違いありません.たとえその女王様の半分が男で半分は犬であったとしても(笑)!
後半.悶絶プレイで3ぶくろ2を仕留めたボーボボたち.しかし闇の魔の手は勤勉であり,例の真拳集めの時計は既に6時へ.瞬く間に侵攻する裏の魔手にはとんでもない追い風が吹いてます.天の助とハンペンの食バトルとかはもうどうでもよく,あっという間に文字盤が埋まっていく方が大変だ.ついに時計は11時となり,封印を解くにはあと1人という大ピンチ.ボーボボたちは最終決戦の舞台となる城内に入ります…ピザ屋として! キザとして! 出張ホストとして(笑)! 何というか,こんなときまで本当によくやる奴らです(苦笑).
必要な真拳使いはあと1人…というところで大ピンチなのが軍艦.本作の初期のボスであった彼もまた真拳使いなわけですが,現在の存在感の薄さ軽さを示すかのごとくその声は聞こえぬほどのささやきに.真拳使いどもを血祭りに上げまくったのはもちろん闇マルガリータ四天王の残る2人なので,一番悪いのはあのときマニア心に負けてバッチをやってしまった首領パッチと確定(笑).
封印解除の残る1人として持っていかれそうになる軍艦.それを防ぐべく投入された身代わりがブタの花子で,ボーボボのおかげで入替成功.しかしこのブタは予想外の実力者であり,「使え!俺のオーラ!」とかっこよくその秘められた力を解放しちゃったもんだから封印の文字盤がここに完成!
地の底より…つくし召還! 天の助召還! そして,真打である巨大なる浮遊城・ヤミキング召還! 折角のボーボボたちのここまでの努力もすごいスピードで無駄になりつつ闇皇帝再来.状況は転がるように…どころか崖から落ちるように悪化していきますが,声だって凄い超豪華なラスボスの登場からこの先の凄いバトルを思えば誰だって心が躍るはず! ちなみに「△○□-!」は横書きだと大変説明がしずらいです(笑).
時を経て表の舞台に戻ってきた闇皇帝とその僕と居城.しかもこの城は生きているからハイドレートと動く城.不気味と言われれば花を差し出す程度の自意識まであるわけですが,相手は自分の姿におびえる少女ではなくボーボボさんなので(笑)返答にバズーカを食らいましたとさ.本作にとって友情なんてものは前フリでありトッピングに過ぎない.ふざけながらもギャグ以外の全てをダシにして切り捨てる本作の本質は,どこまでもクールでドライです.
封印を解くために囚われた真拳持ちの12人はエネルギーをほぼ吸い取られたダシガラ状態.キャラそのものが大変にゆるーい感じとなっております(苦笑).あまりにほわほわで誰だかわからんダシガラはうっとうしいだけだし,本来のラスボスであるツルリーナ4世に至っては既に逃亡しているわけですが(笑)何はともあれ,自分たちより目立って暴れているハイドレートたちを主役は許すことができません!
ハイドレートの復活を祝う曇天に上るアドバルーン.その上には3バカ見参! 世界を闇から守ろうとする彼らの主張は「ぎょうざ食え」.…それは今わざわざここで訴えるようなメッセージか(苦笑)? もちろんこの薄っぺらい主張は大失敗で,早速ラスボスに握りつぶされるかと思ったら,彼はバナナだったのでつるりと滑って逃げました! なんでバナナがぎょうざ食えを訴えたのかはよくわかりませんが,流行の食物ネタに乗りたかったという説が有望です.
ラスボスが好き勝手に暴れたことにボーボボの中のアレキサンダーさんはかんかんで,そしてアレキサンダーさんの怒りはボーボボの怒り! アレキサンダーさんの存在価値は不明! ボーボボは天の助の中から奇跡の大脱出を遂げ,とりあえずハイドレートぶっ潰すと改めて宣言.そして,そんな主役のところに集まってくる頼もしい仲間とかつてのライバルたち.…まあ,中には頼りにならなさそうなのも混じっているものの,たとえどんな格下でも生きている使い捨ての盾としては使えるんだからそんなに露骨に嫌がっちゃだめですよボーボボさん(笑).
なぜかカンピョーさんをリーダーとして結成される闇対抗組織.ここまでボーボボたちの前に立ちふさがってきた最強の男たちも同じ敵を前にしてついにあっさり手を結ぶ! 軍艦のリーゼントを架け橋に,最強の敵,ハイドレートの待つ浮遊城へ.そこで彼らを待つものとは…最終回!
西暦300X年.人類の毛の自由と平和を守るために立ち上がったボボボーボ・ボーボボ.実に長い間マルガリータ帝国最強軍団を散々もて遊んできた彼の冒険も,アニメではここでおしまいです.最初の頃はどうなることかと思いましたが(笑),素晴らしい底力を見せた制作スタッフの皆様方の尽力により,視聴者,特に幼児と小学生を熱狂させる素敵な作品に化けてくれました.結局やれるだけやりっぱなしで終わってしまうんだけど,「ボーボボ」なんだから別にいいよね.彼らはこれからもアニメ終了という枠すらもぶち破り,どこまでも人類の毛の自由と平和を守るべく前進していってくれるに違いない.世界をその手で救うまで,そのまま突っ走れ! 天の助(笑)!
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