ボボボーボ・ボーボボ#77

「そのまま真っ直ぐ突き抜けろ!の巻」

ハイドレート率いる裏マルガリータの魔手は,封印からの解放を求めて地上の真拳使いをかき集めようとしている.ボーボボと戦う3ぶくろは闇皇帝の力を受けてパワーアップ.3ぶくろ2へと姿を変えた.その適当な見た目に反して3ぶくろ2の闇の力はなかなか強く,しかも先に城に入った裏マルガリータの連中が生贄盤に真拳使いを次々埋め込んでいるから時間もない.一気に勝負を決めようとしたボーボボは結果的に田楽と融合.マジカルガール・スーパー田ボが登場する.
むしろ別番組の方が似合いなほどにキュートな田ボ.しかしその半分は極悪非道のボーボボだ.ドリーム絵本パラダイスに3ぶくろ2とついでに首領パッチと天の助を招いた彼女は,次々に難題を繰り出して3人を苦しめる.最終問題は似顔絵ロジック.これは田ボに新たなる力を与えるための試練だった.手にいれた新超絶奥義で3ぶくろ2を倒す田ボ.さすが半分はボーボボだけのことはあり,敵にも味方にもまったく容赦がない.

長い長いバカ騒ぎもついに終着点…なんだけど最後までオーバーランしちゃう暴走機関車「ボーボボ」.理解できるものだけに開かれた笑いの殿堂もついにお開き.あの原作をここまで愉快にアニメ化したその力量は,ギャグアニメの歴史に何か凄いものをを残したはずなんですが,実際に何を残したのかについては後世の評価を待ちたいし,実際に待つ価値のある快作ではないかと思います.
最終回くらいは,どうしようもなくハジケたサブキャラと毎週のように登場する濃すぎる敵を相手にしてもかろうじて(笑)埋もれなかった主役・ボーボボの万能相方ぶりを称えたい.全員のボケるきっかけを作りつつ自身もボケるというテンションだけではできない難しい役柄を見事に演じた子安氏がいなければ,本作はここまでの完成度を得る前に力つきていたに違いない! ボーボボ,これまで本当にありがとう! 好きなのは天の助だけれど!(笑)

最終回のアバンは世界中のラブコールに答えて帰ってきた僕たちの天使…かと思ったら実際は田ボのふりした首領パッチ.あまりの無理ぶりに「誰だよ」とツッコむビュティさんの可憐な職人ぶりも今回限りと思うと寂しい限り.
田ボのふりした首領パッチは急激に落ちるナックルカーブシンカースライドフォークという魔球であったために田楽のバットを逃れるものの,下でホームベースになっていた天の助には吹っ飛ばされる.でも人も死なないし血も出ないからいいや(笑).そして続けて登場する真のアイドル…サービスマン.この下品な芸も今回で見納めと思ってもやっぱり腹立たしいのですがどうしたらいいですか?

前半.12人の真拳使いを生贄に,闇の世界から解き放たれることを狙うハイドレート率いる裏マルガリータ.とはいえその闇の手先を順調に片付けているのが我らがボーボボ.3ぶくろはついに残り1つ,西村知道ことタコチュー袋のみ.そんなボーボボ大活躍な状況を台無し画で妨害するのが首領パッチ.たぶんこの先主役になれないゆえの嫌がらせだと思いますが,最終回くらい我慢しとけよ(苦笑).
ハロンオニに続いて闇拳を差し出し,闇皇帝の力を分けてもらう3ぶくろ.田楽や天の助がまぜっ返しているけどそれはまあどうでもいいとして,闇継承の儀は見事に成って3ぶくろは3ぶくろ2に変身!…これまたずいぶんとシンプルなお姿に(笑).原作の荒れた絵だと確かに手抜きだったけど,アニメは下手に絵が整っているから,普通にシンプルなデザインに見えかねないのがもったいないなぁ.
そしてただの手抜きに対し異様なプレッシャーを受けるボーボボたち.3ぶくろ2のフォルムは全人類に長期戦を予感させる.そう,作者に物語を紡ぐ力があるならば,たとえ鉛筆書きだったとしても!背景が真っ白だったとしてもコミケ休載したとしても連載は続くんだ.恐ろしいことに!
お前時間ないんだろ的な適当デザインの口から来るのは,コネクティック・タイプS-308改ディストラクションA,という仰々しいけど要するにビーム.コケ脅しとしてスルーすることも可能なんですが,笑いとして盛り上がらないので強いということにしてみるボーボボたち.例えるならば…というダメージランキングでさらに笑いを取るつもり.例えるならばTVのリモコン権剥奪とかぬはぬ波の間くらいに,あるいはこんにゃくくらいにと一応順序のあるボーボボたちに比べると,首領パッチの比喩はレベルが違う.ともかく喉笛の「天ぷら」…ってさすがはおやびんでレベル高すぎ.ボーボボたちの回答をフリとして扱う手慣れたテクニックはさすがは弟子持ちのベテラン.素晴らしい.
そんなわけで折角のネタ披露の機会ではありますが,いつまでも3ぶくろ2と遊んでいるわけにもいきません.なんせ他の真拳使いはあっという間に闇のとりこに.文字盤は4時まで埋まってしまいます.このままではいいところが見せられないと悟った主役は魅惑のフュージョンで己の凄さを見せつけることを決意.この素敵な見せ場を攻撃側としてご一緒できるのはたったの一人.今回は変な化粧に魚を添えた田楽が出陣し,お久しぶりの田ボさん登場!

マジカルガール・スーパー田ボさんは本作中でも最強キャラの一人.別番組に行ったほうが良さそうな素敵なキュートさと,他人の言うことをまるで聞かない傍若無人唯我独尊ぶりでおなじみです.そんな彼女の放つ鼻毛真拳超絶マル秘奥義・田ボのドリーム絵本パラダイスは絵本の世界を体験できるということで実に彼女のらしいファンシーな技なわけですが…田ボの半分はやっぱりボーボボなので,例えばボーボボに人の一生とか1週間とかすごろくとかに巻き込まれたのと一緒.巻き込まれたものは味方だろうと誰であろうと,フィニッシュまで好きなように嬲られます(苦笑).
田ボの絵本,「ものおもう田ボちゃんの傷心旅行」は最初から子供を置いて行くアダルトなコンセプト.そんな悲しい夢世界の水先案内人を首領パッチと天の助が強制参加で務めます.芸人に特定テーマの面白コーナーを連続でぶつけるわけだから当然ボーボボチームからの参加者も必要なんだけど…他人事ながら,あんなドSの企画に巻き込まれるなんて大変に気の毒(苦笑).
早速絵本の中で旅に出た田ボの前にはややこしい迷路が.これは絵本というよりゲームブック.実際に原作もゲームブックになっていて,掲載紙がとても楽しいことになってたんだよな(笑).しかも制限時間は2秒で強制的に罰ゲーム発動.デフォルメ変形して愛らしいとはいえ凶悪極まりない田ボがアタックをかけてくるから参加者はやりきれない.下手に可愛いから反抗だってしにくいし…..
本の中の探索者の苦境はまだまだ続く.今度は森の中で迷子になった田ボを救うための迷路登場.熊に会わないように出なきゃいけないけれどむしろ熊のほうがマシというベタな展開.邪神とかルシファーとか魔人ブーとか,東映的にも精一杯の大冒険が展開しております(笑).しかも折角ゴールしたって田ボさんのやりたい放題は止まらない!
次の難関はお弁当を取ったわんちゃん探し.…あの田ボさんから弁当を取り上げるなど並の犬には絶対無理なわけだから,実際に犬が木の幹で隠行してても仕方ないよね(笑)! 回答者のふがいなさに泣きたい田ボさんですが,むしろ回答者の方が一杯一杯にも見えるけど…でも,あの程度の裏が読めなかったんだから仕方がないよね(笑)!
このままでは殺されると察した3ぶくろ2と首領パッチと天の助の間には呉越同舟のチームワークが成立.大変に前衛的なスタイルの田ボさんを使った間違い探しは3人がかりで見事にクリア! そして,生き延びることに必死な人外たちの必死の努力に「ちっ」と舌打ちする田ボ.ここはちゃんと失敗してもらわなきゃ,折角与えてやっている生と死の間を漂う仕打ちに対するリアクションを取る機会がなくなるじゃないですか(笑).
見た目はともかく,確かに半分はボーボボでできているからその責めには容赦のない田ボ女王様.3人の下僕の悪戦苦闘の末にたどり着いた彼女が出会ったのは誰!という最終難関の大きな似顔絵ロジック! 原作でも丸々1ページ使ってやらかしたわけですが,アニメでもそのまんまやっちゃった(笑).最後の責苦を避けるべく,ドンパッチと天の助のバカ2人がこれを必死で解くものの,横からずるい3ぶくろ2が回答を奪って田ボに提出.しかしそんなズルが認められるわけないというか,そもそも田ボさんのプレイから逃れることができるわけないというか….
ここまでの絵本こそが封印の鍵,それを下僕どもに解かせたことにより,田ボ女王様はご褒美として新たなる力をいただきます.新必殺技・鼻毛真拳新超絶奥義,エメラルド・ハートは当然のように功労者のはずの3ぶくろ2を倒す.下僕にとって綺麗な女王様にいたぶられるのは最高の悦楽のはずなので,彼もきっと満足に違いありません.たとえその女王様の半分が男で半分は犬であったとしても(笑)!

後半.悶絶プレイで3ぶくろ2を仕留めたボーボボたち.しかし闇の魔の手は勤勉であり,例の真拳集めの時計は既に6時へ.瞬く間に侵攻する裏の魔手にはとんでもない追い風が吹いてます.天の助とハンペンの食バトルとかはもうどうでもよく,あっという間に文字盤が埋まっていく方が大変だ.ついに時計は11時となり,封印を解くにはあと1人という大ピンチ.ボーボボたちは最終決戦の舞台となる城内に入ります…ピザ屋として! キザとして! 出張ホストとして(笑)! 何というか,こんなときまで本当によくやる奴らです(苦笑).
必要な真拳使いはあと1人…というところで大ピンチなのが軍艦.本作の初期のボスであった彼もまた真拳使いなわけですが,現在の存在感の薄さ軽さを示すかのごとくその声は聞こえぬほどのささやきに.真拳使いどもを血祭りに上げまくったのはもちろん闇マルガリータ四天王の残る2人なので,一番悪いのはあのときマニア心に負けてバッチをやってしまった首領パッチと確定(笑).
封印解除の残る1人として持っていかれそうになる軍艦.それを防ぐべく投入された身代わりがブタの花子で,ボーボボのおかげで入替成功.しかしこのブタは予想外の実力者であり,「使え!俺のオーラ!」とかっこよくその秘められた力を解放しちゃったもんだから封印の文字盤がここに完成!
地の底より…つくし召還! 天の助召還! そして,真打である巨大なる浮遊城・ヤミキング召還! 折角のボーボボたちのここまでの努力もすごいスピードで無駄になりつつ闇皇帝再来.状況は転がるように…どころか崖から落ちるように悪化していきますが,声だって凄い超豪華なラスボスの登場からこの先の凄いバトルを思えば誰だって心が躍るはず! ちなみに「△○□-!」は横書きだと大変説明がしずらいです(笑).
時を経て表の舞台に戻ってきた闇皇帝とその僕と居城.しかもこの城は生きているからハイドレートと動く城.不気味と言われれば花を差し出す程度の自意識まであるわけですが,相手は自分の姿におびえる少女ではなくボーボボさんなので(笑)返答にバズーカを食らいましたとさ.本作にとって友情なんてものは前フリでありトッピングに過ぎない.ふざけながらもギャグ以外の全てをダシにして切り捨てる本作の本質は,どこまでもクールでドライです.
封印を解くために囚われた真拳持ちの12人はエネルギーをほぼ吸い取られたダシガラ状態.キャラそのものが大変にゆるーい感じとなっております(苦笑).あまりにほわほわで誰だかわからんダシガラはうっとうしいだけだし,本来のラスボスであるツルリーナ4世に至っては既に逃亡しているわけですが(笑)何はともあれ,自分たちより目立って暴れているハイドレートたちを主役は許すことができません!
ハイドレートの復活を祝う曇天に上るアドバルーン.その上には3バカ見参! 世界を闇から守ろうとする彼らの主張は「ぎょうざ食え」.…それは今わざわざここで訴えるようなメッセージか(苦笑)? もちろんこの薄っぺらい主張は大失敗で,早速ラスボスに握りつぶされるかと思ったら,彼はバナナだったのでつるりと滑って逃げました! なんでバナナがぎょうざ食えを訴えたのかはよくわかりませんが,流行の食物ネタに乗りたかったという説が有望です.
ラスボスが好き勝手に暴れたことにボーボボの中のアレキサンダーさんはかんかんで,そしてアレキサンダーさんの怒りはボーボボの怒り! アレキサンダーさんの存在価値は不明! ボーボボは天の助の中から奇跡の大脱出を遂げ,とりあえずハイドレートぶっ潰すと改めて宣言.そして,そんな主役のところに集まってくる頼もしい仲間とかつてのライバルたち.…まあ,中には頼りにならなさそうなのも混じっているものの,たとえどんな格下でも生きている使い捨ての盾としては使えるんだからそんなに露骨に嫌がっちゃだめですよボーボボさん(笑).
なぜかカンピョーさんをリーダーとして結成される闇対抗組織.ここまでボーボボたちの前に立ちふさがってきた最強の男たちも同じ敵を前にしてついにあっさり手を結ぶ! 軍艦のリーゼントを架け橋に,最強の敵,ハイドレートの待つ浮遊城へ.そこで彼らを待つものとは…最終回!

西暦300X年.人類の毛の自由と平和を守るために立ち上がったボボボーボ・ボーボボ.実に長い間マルガリータ帝国最強軍団を散々もて遊んできた彼の冒険も,アニメではここでおしまいです.最初の頃はどうなることかと思いましたが(笑),素晴らしい底力を見せた制作スタッフの皆様方の尽力により,視聴者,特に幼児と小学生を熱狂させる素敵な作品に化けてくれました.結局やれるだけやりっぱなしで終わってしまうんだけど,「ボーボボ」なんだから別にいいよね.彼らはこれからもアニメ終了という枠すらもぶち破り,どこまでも人類の毛の自由と平和を守るべく前進していってくれるに違いない.世界をその手で救うまで,そのまま突っ走れ! 天の助(笑)!

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ボボボーボ・ボーボボ#76

「こんなときでもいつもの調子での巻」

マルガリータ帝国の新皇帝決定戦にもぐりこんだボーボボたちは,決戦会場・風雲マルガリータ城を目指してひた走る.なぜかハンペンに懐かれたりもしながらも,一同はついに城の入り口へと到着.首尾よくバッチを集めてきたボーボボたちにとっては通過できて当然の関門だが,バッチのないハンペンや別途入場を禁じられている天の助と田楽が通るのはなかなか難しい.
時は既に夕刻.日没には閉じられる門の前にレムが逃げてきた.遥か地底の裏マルガリータ帝国から逃げてきた彼女は,ボーボボに裏マルガリータ帝国の野望を打ち砕いてくださいと頼む.確かに裏マルガリータ四天王が強いのは間違いないけれど,勝負はやってみなければわからない!

キャラも物語も何もかも全て笑いのため.そんな原作由来の美点を最大限に生かしてきた「ボーボボ」.普通のギャグアニメがいくら野放図でもコント集の領域に留まるのに対し,本作はバラエティ番組どころか業界そのものまで飲み込んで,その上に物語を適当にかぶせたあたりが非凡.ゆえに比較するのはアニメではなくバラエティの方が相応しく,そういう意味で最終決戦会場が「風雲マルガリータ城」なのは…思いつきじゃなく,作ってる側も重々承知の上ってことだよな.
てなわけで今回は最終決戦の舞台の門前でいざこざ.この期に及んで次々顔見せする裏マルガリータの面々もひどく贅沢でナンセンスなんだけど,西村知道氏がタコチュー袋として参加されているのが大変に勿体無い(笑).画や物語は言うに及ばず,声優や音効も本当に素晴らしかったから…惜しいなぁ.
今回のアバンはボーボボと首領パッチの西部劇風決闘.3数えないでいきなりビームを撃ったり投げ縄でひっくくって馬で引きずったりぶん投げてサボテンに落としたり牛アタックしたりビームで撃ち合いしたりと,今日もボーボボと首領パッチはとっても仲良し(笑).「私のために争わないでー」と顔を突っ込んできた天の助に対する態度も双方クールで,最後には仲良く夕日の果てへと旅立つ2人.カムバックと叫んでも,もうあの日々は戻らない.

前半! ハロンオニの登場と敗北で裏マルガリータの介入が明らかになった新皇帝決定戦.とはいえボーボボたちはどうしようもなく強く.前回に至っては主役を差し置いて真の主役こと首領パッチがハロンオニを倒しちゃってますからね.無茶を承知で重ねた日々が,彼らをここまで強くしてます.一応ラスボス…になるはずのツルリーナ4世は玉座でマコちゃんに宇宙エネルギーを注入してもらってるけど,正直,焼け石に水だと思う(苦笑).
このシリーズのラスボスとしてふさわしいのは遥か地中の裏マルガリータ帝国.その精鋭の一人であったはずのハロンオニがいきなり首領パッチに負けているあたりは大変よろしくないわけですが,それでも強そうなのはまだまだ残ってます.今こんなに出してどうするのかと呆れるくらいに…(笑).
裏マルガリータの連中は決定戦に潜り込んで生け贄集め中.既にレムとランバダが囚われているのはまあいいとして,相変わらず下品な一発芸だけで生き延びているサービスマンがおまけについてきているのが迷惑.ボスのハイドレートを初めとした裏マルガリータの構成と彼らの目指すものについてそこそこ説明してるんだけど,サービスが入るから集中できない….ちなみに生贄候補にボーボボやハレクラニが入るのはまあいいとして,その実力を疑問視したい面子がいくつか混じっておりますね.
裏マルガリータ帝国の構成は,闇皇帝のハイドレートとトップとして,もういないハロンオニに,クリムゾン,3ぶくろ,LOVEを合わせた四天王と,皇帝の右腕・白凶に左腕のベーべべというシンプルな構成.この強そうな面子が求めるのは封印の解放と闇の楽園建設.…見るからに悪そうな連中なので,実はいい奴で運命に巻き込まれていたとかいう可能性をまったく考慮しなくていい単純設計が正直今はありがたい(笑).そしてサービスマン,邪魔.
待ち受ける強敵をぶっ飛ばすべくボーボボたちは首領パッチと天の助の2頭立てで前進.非戦闘員とか未熟者も混じっているボーボボ一味にとって,各自金バッチ10枚というノルマは結構きついかと思ったんですが,既に山盛りになっているあたり,巻いてます.風雲マルガリータ城でツルリーナ4世との決着がつくかどうかはまあ別の話として,DVDを見直してみるのはいいことだと思います.あまりの素材の凄さに作り手が明らかに迷走している序盤とか,今ならば別の意味で面白く見られますからね(笑).
2頭立てで爆走するも日暮れは近い.このままでは優秀なバカ動力でも間に合わないかと思われたそのとき,荷車の裏からひょっこり顔を出したのは…ハンペン.プライド高き強者の割に,こっそりボーボボたちについてきているのがサービスマン並にうざい(苦笑).確かにガチンコなら実力者だけど,笑いの面では食品と偉そうという面しか売りがなく,しかも食品芸は天の助とかぶっちゃってるのが厳しい.それでも余程仲間に入れてほしいのかわざわざ動力に加わってみたりと必死.ボーボボも加わって4頭立ての4バカになるものの,仲間として認められるほどの合体芸にはなりきっていない.
動力が倍になったことで日没前に城にたどり着いたボーボボたち.走りすぎた獣がバターになるのはお約束なんだけど,それは溶けたバターであって固形のバターではなく,ついでにネタ元が現代ではちょいとばかり微妙な事情があってあからさまに示すのも難しい.そんな事情を田楽の微妙な格好から鋭敏に察して戴きたいなどという作り手の主張は,大人でなければわかんないよなぁ(苦笑).
バッチを10個集めれば通れる城への入り口.ボーボボたちはやたらに大量のバッチを持ち込んでいるのでまったく問題なし.ただし勝手に同行していたハンペンの分のバッチはなく,ボーボボは気弱にすがってくる仲間を突き放すのが大好きときている(笑).あの強者がつぶらな目線で訴えるのがそこそこ面白いからこそ!その情けなさをさらに生かすには突き放すのが効果的なんですよビュティさん.そしてそんな情けないハンペンをまったく笑っていられない,無条件立ち入り禁止の天の助と田楽,虐げられて初めて輝く2人です(苦笑).
日は沈もうとしているから城に入ろうとするのん気なお城ツアー一行の前に逃げてきたのは,ぼろぼろのレム.さっきまで裏マルガリータにとっ捕まっていたところから必死に逃げてきた彼女ですが,そこに追っかけで裏マルガリータの3人もやって来たからたまらない.
このシリアスな状況で,土の中から出てきた裏四天王たちにやたらと興奮しているミミズマニアが取り返しがつかないことをやらかします.バッチまで気前良くクリムゾンとLOVEに与えて入城させて,ボーボボのミミズ折檻を受ける首領パッチ.…今の戦力で四天王の残り3人と戦うのはやや厳しいから,事を荒立てず戦力を分断したという見方に関しては絶対気のせい(笑).何はともあれ,ボーボボたちの前に立つのは3ぶくろのみとなりました.
ハロンオニと同じ四天王の一人である3ぶくろ.彼らが呼び出した巨大な時計型の生贄盤には,1時の位置にランバダが埋まっている….可愛い部下を傷つけられたハンペンは当然怒るけれど,元来が練り物なので肝心なところでめくれている(苦笑).ボーボボの仲間になるには面白さが絶対に必要だから頑張る気持ちはわかるけど.笑いに関しては明らかに格上の3バカ+田楽は勝手に生贄盤の4時から7時をさっさと占領.結構前の話だけれど,土曜7時台を占領していた時代があったことを,君はまだ覚えているかい?
捕えられ実状を見てきたレムには,地球上の全ての人間を抹殺しようとする裏マルガリータが洒落にならないことがよくわかる.だからこそ,恥を承知でボーボボに「奴らの野望を打ち砕いてください!」と頼み込みます.レムがマジなので「無理無理!」と軽く答えて笑いにつなげようとするボーボボだけど,こいつほど言ってることに一貫性のないヒーローはそうはいないはず.3ぶくろの一番上のおやじ袋に茶化されたなら,「やってみねえとわかんねえだろうがー!」と不意打ちの声量だけで袋を破る! 主役失格レベルの節操のなさと卑怯ぶりこそボーボボが強い本当の理由…ってのがどうにもやるせないけれど,曲がりなりにも主役なので残る2袋とも闘う決意を固めます.

後半は敵と脇と主役が頑張る.入城期限は日没まで.遅刻したら内申書に響くし観客が自分の歌を待っているのだと天の助や首領パッチは訴えるけれど(笑)喧嘩を売られた上に前回の見せ場を怒んパッチに持っていかれた主役は闘いから逃げることはできません.しかし生憎敵である3ぶくろはボーボボの不意打ちに殺られちゃったおやじ袋の葬儀中.弔問にはいろいろな袋が訪れてバーコードの香典を置いていき,出棺の最中には運んでいる奴が驚いて死体が棺から転げ出る(苦笑).葬式という茶化しにくいテーマであっても,何の気負いもなくただ面白い光景に描き変えてしまうさりげなさが恐ろしい.
ボーボボたちが既にハロンオニを倒したことを知った3ぶくろの下2つ,ぶりっこ袋とタコチュー袋はさすがに警戒…って,ここに至って人外のキャラにあの西村氏を起用する意味がどこにあるのかを教えてくれ(苦笑).もちろんハロンオニに止めを刺したのは首領パッチ.「倒したのは,オ・レ!」って言いぶりが余裕で小粋です.
本気の3ぶくろ-1は3袋闇真拳奥義・おたのしみ袋を発動.所詮不良在庫整理でいらないものばかり入っているのだとわかっていてもなお,福袋には大人の小さな射幸心を煽る魔力があります.で,実際に煽られた大人は正月からデパートや電気屋の前に並んでいますんで,社会勉強として一度眺めにいくのもいいんじゃないかな(笑)? もちろん3バカも大人なので袋の中身が気になって仕方がなく,ついに誘惑に負けたパンドラことパチ美が袋を開いてしまって地上には不幸こと隕石が飛び出したのでありました.芸人としては目の前に袋を出されたらたとえ罠でも開けなければならないことはわかってやりたい.でも,そこでビュティのふりをしたって開けた責任はやっぱりお前のもんだぞ首領パッチ(苦笑).
隕石が飛び出すぶりっこ袋.それを妨害しようとヘッポコ丸が走るものの,もう1つのタコチュー袋の当たり棒で腹を突かれる.闇真拳は伊達ではなく修行中の若手にはあまりにも荷が重い.けれど鬼先輩である首領パッチはビュティのふりして「負けないでへっくん!」と傷ついた後輩に愛のボストンクラブ.そんな体罰教育は今時どうかと思う(苦笑).
適当極まりない見た目に反して3ぶくろの実力は確かなもの.ボーボボを狙う闇真拳奥義・カッポンさんは絶対こっちに向けて欲しくないトイレの最終兵器をぶつけてくる大技で,食らったボーボボは自身の手足を噴射機関に変形させて自分から空遠くへと飛んでいく.あまりの自演ぶりにビュティさんが突っ込んでますが,自分から飛んでしまうことによってカッポンさんの正確な威力がうやむやになるという利点があるから許してあげてください(笑).
ふくろが狙っているのは今のところ生贄になるボーボボとレムの2人のみ.自分と世界を天秤にかけたレムは当然自分の身を捧げようとするものの,その前にいきなり立って妨害するのが大恩あるハンペン様…って,お前がレムに女装するのは違うだろ! そこをスルーするふくろもおかしいだろ(苦笑)! 確かに女装は笑いの基本技で,強面がやるほど面白いものではあるけれど,絶賛急降下中の自分の格をさらに自分の手で地の底まで落とすのは,今後の芸能活動に支障が出そうな気がするんだがいいのか(笑)?
ハンペンはあんな調子だし首領パッチも天の助もビュティコスプレで静観で,もはや頼りになるのはボーボボのみ.そこに登場するスーパーヒーローは!大帝ロボ王・ゴーカイザー! …ロゴにはもうちょっと金をかけたほうが…(笑).これまでの実に長い歴史を考えればボーボボのこの程度の変貌はいつもの通り.むしろハンペンの正体が口紅でバレるほうに意外性を感じてしまうあたり,無茶のインフレーションも限界に来てますね.
ふくろの奥義・怒袋DXに立ち向かうゴーカイザーが大変に二枚目な声で口走るのは「68」.これはさっきの隕石でふくろが壊したスーパーの数.無慈悲な暴挙に踏みにじられたスーパーマーケットたちの魂が,今ここに集結.全日本5634店舗の無限の力を借りたスーパーボーボボ,ここに降臨! 左腕格納で確変決定.でも子どもにはたぶん確変がわかんねえ(笑)!
パワーアップという概念に対するふざけぶりではトップレベルなスーパーボーボボ.これまで手こずっていたふくろたちもでかい鼻毛で囲んで中からクマさんでビーム乱射という気持ちのいい超展開.ラストはボーボボがぶりっこ袋を一刀両断し,残るはタコチュー袋のみ.この先どうするどうなる西村知道?

迫る闇の魔手にライバルとの決着,さらに本作の大目標の1つでもある4世打倒に,ついでに言うなら新登場キャラにとんでもない因縁のある相手が含まれていたり…と今後の激しい展開を期待させるものが盛り沢山.けれど急遽復活したジャンケンが指し示すとおり,次回でアニメの「ボーボボ」は終わり! お別れするのは辛いけど,こんなに愉快なアニメにしてくれた上に,これだけ長いロスタイムを楽しめたんだからまあいいや(笑).次回,最終回に続きます!

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ボボボーボ・ボーボボ#75

「ついにあいつまでパワーアップ!の巻」

皇帝決定戦に見事乱入し快進撃を続けるボーボボたちだが,次の戦場では早速敵によってヘッポコ丸がバトルステージにされてしまった.巨大化し身動きできないヘッポコ丸を心配しているのはビュティだけ.敵も味方もヘッポコ丸の上で自分勝手なハジケバトルを繰り広げる.口の中に練りカラシを入れられたりくすぐられたりハンペンに鼻の穴に勝手に侵入されていたり髪型を妙な具合にされる気の毒なステージことヘッポコ丸.けれど首領パッチが首輪をとってしまい,ビュティ以外の全員を襲う恐るべき強敵,巨大赤ちゃんへっくんが誕生する.

奇跡に次ぐ奇跡の末にここまで話数を重ねちゃった「ボーボボ」.これまで長らく見てきた者にとってはおなじみの通り,本作の歴史は特番との戦いの歴史でもあるわけですが,まさか土曜午前なんて一番特番から縁遠そうな場所ですらこれほど苦しめられることになるとは…(苦笑).圧縮展開のおかげでアバンも軽く,ついにジャンケンも消えました.で,元々慣れてないと把握できないほどに内容が詰まっていてテンポも速いのに,さらに巻きが入るもんだがら凄いことに.時間がないのはわかるけど,なんでこの短時間にこうもいろいろなことが起きるんだろう(笑).
アバンは次のステージに向けて珍妙な3バカ+田楽の乗った山車だかリヤカーだかを引くツッコミのお2人.風鈴や浴衣や花火から醸しだされる季節感…って,さすがにもう笑いとは無関係に寒い.敵よりも特番のほうが洒落にならない強敵です.

前半から巻いていくぞ! 金バッチを手に入れながら進んだ次のステージはいきなり大崩壊.実際はステージなんかなくたってなんとかなるのがハジケバトルなわけですが,ここで最近のバトルで解説役が板についてしまった後輩に,バトルステージという大舞台を経験させる首領パッチの配慮が素晴らしい(笑).敵の攻撃で巨大にされたヘッポコ丸は,例えるならば膨らむ巨大風船の前にくくりつけられた芸人.彼自身の芸はできないけれど,ともかく要所でカメラがいくので大変においしい役回り.
で,後輩に役をやった先輩たちはよリ一層の努力を展開.ヘッポコ丸をいじってみたり対抗して小さくなってみたり勝手に原因を捏造してみたりとやりたい放題.特にボーボボにとっては真に大事な仲間はビュティさんのみ.ヘッポコ丸の都合とか健康とか人権なんて,ぶっちゃけどうでもいいわけです.
ボーボボたちは早速ヘッポコ丸の顔面でスリムとのバトルを開始.ヘッポコ丸をより美味しい立場に追い込んでくれる鬼先輩どもは,後輩を面白い目に遭わせる気満々(苦笑).こんなとき心配してくれるのはお優しいビュティさんのみってのが切ない….スリムは体内に飼っている巨人の腕を使って攻撃してくるわけですが,危険な先輩が使うのは既に巨人と化した後輩の口.練りカラシぶっこんで大火山噴火!はもちろん真似すんな.しかし折角の熱も意外と強いスリムには効かない.
かくなる上はとぬ大明神にお願いするのは天の助.ヘッポコ丸の頭の上に変な仏壇勝手に設置って…神なのに神棚じゃなくていいのか(笑)? そして神の啓示は自作自演で役立たず.リアクションも絶好調のボケを頭上で披露する先輩の雄姿に,後輩なす術なし.
もちろん天の助だけが目立っていられるわけもない.ボーボボや首領パッチは鼻毛真拳超奥義・くすぐり大地震で巨大へっくんをいじる.これは舞台が激しく鳴動するしなんか楽しいし攻撃力もあるんだけれど,肝心のビュティさんが危険な技なので避けるべき.こんなときもビュティさんを上昇気流で守ろうとするヘッポコ丸はやっぱり優しい.
もちろん敵はちっとも優しくなくて,その無情な強さを示すのが彼の持つ大量のバッチ.一体相手をどれほど傷つけ,これだけのバッチを集めたのやら.…そんな強さに誘われたのが,変わり者の求道者,食物連鎖の頂点にして超実力派のハンペン! ヘッポコ丸の鼻の穴から本人の承諾なしに勝手に登場(笑)! ボーボボはハンペンを格納できたヘッポコ丸を珍しく誉めてます.誉められた当人は納得できてないようですが,何もないはずの場所にセットではなくゲストを仕込むのはなかなかの高等技術なので,彼の成長ぶりを示しているようなそうでもないような.
登場したハンペンはいきなり強い.カウンターではんぺん稲妻落としをお見舞いしたりするもんだから敵もこの予想外の強さを認め,ついにその名を教えます.少年の彼は闇の使者,裏マルガリータ4天王の一人・ハロンオニ.見た目はヘッポコ丸とあんまり変わらないものの強さは本物.で,そんなのと闘うのが嫌な首領パッチたちバカどもは,ヘッポコ丸の口の中でおみやげやさんを開いたりノドチンコでスパーリングしたりと適当休憩.お前らはいっそ飲まれて消化されちまえ(笑).
巨人を格納したスリムとやっと名前が出たハロンオニに対抗する,ボーボボとハンペンのコンビネーション皆無のコンビ.ハンペンがかなり丈夫なので,自分の仲間をおとりにしてソード闇拳奥義・ナパームを食らわせようとするハロンオニは非情.ボーボボたちの見せる暴力ボケツッコミの間には,例えば信頼とか美味しくする配慮とか修行的な意味合いが実はあったりするんですが,ハロンオニにはそんな魂の連携がない!
ただ強いだけで面白くないハロンオニたちを,ボーボボたちは総出で攻撃開始.ヘッポコ丸のうねる髪に乗って強襲の一番乗りを競うハンペン…と天の助の食バトル再び.そもそも切れないハンペンと,どうしようもなく見事に細切れの上にテープで補修可能の天の助は結果的には等価(笑).「ああキレますよそりゃー」って叫びが最高だ.敵も含めて全員とりあえず自分が目立ちたいためにヘッポコ丸という戦場は大混乱.いつものようにボーボボは唯一の真の敵であるわけですが.
ハンペンと争うボーボボと闘うハロンオニ.ハンペンが柔術?のハンペンチョップで敵を牽制すれば,ボーボボも同じ技で追従.最強戦士2人の攻撃を食らいながらも元気なハロンオニは偉いんだけど,即興で弱点を突くコンボ攻撃をかますボーボボたちはもっと偉いぞ.ハンペン柔術・ハンペンゲンコが頭部を打ち,ボーボボの足ピンが足元を襲う.折角のガードを見事に避ける奥義の連携,天と地の合わせ技一本が見事にハロンオニを苦しめる.
ヘッポコ丸という舞台の上で激しく輝くボーボボとハンペン.その横で時折瞬く天の助はまあいいとして(笑)問題はここまで全然目立てていない首領パッチ.衆目を集めるためにとびきりのバカがやったのは,巨大ヘッポコ丸の首輪を取ること! …後先考えてねえなぁ(苦笑).封印を解かれたヘッポコ丸は巨大なままで赤ちゃん返り.芸人殺しの幼児と化した赤ちゃんへっくんは,先輩方を早速苦しめる大活躍! 喰うわ潰すわミニカー扱いだわと幼児の狼藉は限度を知らず,しかしなぜかビュティさんにだけはおもちゃをあげる優しさを見せる.幼い男児って,綺麗な女の人にはすぐなつくらしいですよ?

後半は赤ちゃんへっくん大暴れ…と思ったらおやびんが残らず持っていって主役の立場は? 赤ん坊の馬鹿力でステージというよりはコントロール不能の巨大兵器に化けた赤ちゃんへっくん.パワーだけでなく幼児ゆえの愛らしさまで備えた完璧超人になす術のない諸先輩方.つぶらで無垢な眼力でハンペンを魅了し,拾って温もりを与えてそのまま遠くにぶん投げる!…幼児ゆえに最強(苦笑).赤ちゃんへっくんの唯一の弱点は未だに埋まっている足ですが,ハロンオニの攻撃を避けさせるべく3先輩が急いで掘って移動力復活! 今場の雰囲気を掴んでいるのは間違いなく幼児.ボーボボたちはその勢いをさらに加速させます.
ビュティさんを頭に乗せて発進した巨大赤ちゃんへっくん.体のでかさがそのままスピードとパワーに変わり,敵よりはむしろ味方を傷つけていく(笑).正直,今のヘッポコ丸相手ではボーボボですら手に余るほど.しかしこのインフレーションに即座に対応したのがハロンオニ.己の中のソード闇拳を代償に,闇と1つになることでハロンオニ2へとかっこよく変身! …もちろん幼児とその仲間達は敵の見せ場に協力する気まるでなし.確かにこれまで変形する敵は沢山いたわけで,「かわってる」程度のリアクションにおさまっても仕方はないかな.
とはいえ曲がりなりにもパワーアップしているためその剣圧もハンペンを切り裂くほどに上昇! でも,斬られたシルエットをカニにしたのは,たぶんハンペンの土壇場の場面でのお茶目だと思います(笑).どの食べ物よりハンペンを好いている(はずなのにシラタキのほうが好きな)首領パッチを見殺しにできず,その身を投げ打ったハンペンの漢気に首領パッチ号泣.「俺って奴はー!」と絶叫し,ついに単独でパワーアップ! 今回ようやく場の風を掴んだ首領パッチは,怒りのままに場を蹂躙!
己のふがいなさを力の源として,より黄色く,激しく,怒りに満ちた姿に変わった首領パッチ.あの戦力にならない首領パッチにまともな攻撃力が備わっただけでも驚くべきなんですが,それより浮いてるのが正確の変化.「お喋りは後だ」とか真顔で言い出すクールぶりはまるで別人.彼の名は「怒んパッチ」.真剣モードゆえに,ふざけたい仲間にとっては大変からみにくい芸潰しぶり!
ヘッポコ丸の幼児攻撃をいなし,ハロンオニ2の剣圧も適当にはじく怒んパッチ.とはいえちゃんと周囲の仲間に損害を与えているのは,普段ボーボボに同じようなことを散々されてきたのを復讐しているんじゃないかと.天の助はやられたほうがおいしいし(笑).あまりの絡みにくさにボーボボはバックドロップやビンタで変身を解こうとするものの,己の世界に入ってしまった怒んパッチはもはや元には戻らない.その上子パッチたちまで大挙して登場.普段はともかく,この瞬間,間違いなく主役はおやびんだ!
仲間のため,そしてカニ左衛門のために闘おうとする怒んパッチは…思った以上に弱い.しかしこれも先の展開のためのフリ.怒りを溜めれば強くなる!という設定で,珍妙なエピソードを展開します.バーガーキャプテンに心を揺らした己の過去と,ともに修行した友と再会して内心びびった過去の自分に怒るおやびんの攻撃力はうなぎのぼり.ビュティさんは必死で言い訳しなくても,それが真実だと思う視聴者はいないから大丈夫だ(笑).一応ボーボボもネコに国語を教わった怒りを怒んパッチにぶつけてみるんだけど,今日くらいは脇役で我慢しとけ(苦笑).

「微妙に違う仲間たちを背負ってしまう記憶力のない自分に対する怒り」までも背負う怒んパッチに更なる力を与える怒りの翼! 些細な怒りも吸収する翼は,隊列を組んで怒りを供給するコパッチロードを進めばなおさら強くなる! もはや主役の立場を超え,ヒーローはおやびんラッシュでハロンオニ2で撃破! そして新たな子分誕生.少なくとも人望に関してはぶっちぎりでボーボボを上回る首領パッチの晴れ姿でありました.…あれ? ヘッポコ丸はでかいまま?
ボーボボたちの侵攻を待ち受けるのは千葉繁の魔の手.しかし!今や最大の敵は闇の魔の手よりも時間.この先バカどもは一体どこまでハジケていけるのか? 何はともあれベストを尽くせ! 急展開の次回に続きます.

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ボボボーボ・ボーボボ#74

「ともかくそれは夜叉じゃねえの巻」

伝説の皇帝決定戦に乱入したボーボボたちは,早速ねんちゃくを倒して金バッチをゲット.現皇帝である4世から大会参加を許されて,ボーボボたちも次のステージに進むためバッチを一人10枚集めることになる.下克上の最高の機会を狙っている者たちの中には,これまでに倒した強敵の姿もあるのだが,ボーボボは金バッチを持つ者以外は相手にしないと決めている.
早速踏み込んだブラックマウンテンで,ボーボボの前に立ちはだかるのは金バッチ持ちの闇夜叉.早速仕掛けた3バカの協力奥義にドクロ真拳で対抗する闇夜叉は強い.

ここまでの総決算として豪華極まりないバトルロイヤルが展開される「ボーボボ」.なんせこれまでのラスボスですら下手すりゃ雑魚扱いされるってんだからインフレもここまで来れば立派なもの.ついでに居並ばなければならなくなった声優陣も分不相応に立派だ.今回のメインの相手は金バッチの闇夜叉.さすがは金バッチだけのことはあり,シリアスとバカの両方をこなせる逸材なわけですが,これまで実に長い戦いを潜り抜けてきたボーボボたちはさらにその上を行きます.若手を死地に向かわせるベテランとか妙に高尚なネタも愉快なんですが,ノリは異常なのはやっぱり夜叉三人衆か(笑).毎度ながら気分のいい反則ぶりだ….
今回のアバンは遅れてきた夏休み…ってもう秋なんだけど夏休み.たぶんこれ作ってた頃は,あれほど特番に苦しめられるとは予測してなかったんだろう(苦笑).スタジオセットで沖縄気分も,天の助の乱入で台無しに.で,殴られた天の助だけは沖縄で乾いていくという,そんなまったりとしたオープニング…このレベルを見慣れてしまうと他の作品を見たときに物足りなくなってしまう,そんな切ない最近です.

前半.次期皇帝を決めるバトルロイヤルに乱入し,早速ねんちゃくを倒して金バッチを1つゲットしたボーボボたち.毛狩り隊にとってはもちろん宿敵のボーボボだけれど,あれほどまでの実力を見せつけられてはこの段階では手が出しにくい.望ましいのは強敵同士で潰しあいをしてもらい,弱ったところをやっつけるってのが定石だからね.
4世が示す次の舞台はブラックマウンテンで,その頂にある城にバッチ10個を持って入った奴が1次予選クリア.3バカ以下闘える奴らはまあいいとして,ビュティさんの分はやっぱりボーボボが稼ぐのか? 提督の武勲も意味はないのでボーボボは毛狩り隊に八つ当たり.でも,そっちよりはむしろ鉄バッチを無視された天の助たちのほうが気の毒な気が.
この先の激闘を前にして,いきなり顔見せして軽く暴れてみるのが詩人・ハレクラニ・ランバダ・覇王・ギガ.難敵であるボーボボを早速潰しに動くセンスはさすがボスクラス.ただし正統派の力で戦うタイプばかりを揃えても,ボーボボにふざけられると対応できないのが難点.そこを理解しているボーボボが手を組んだのはチューの助,スーパーラビット,ザ・湯のみ,絶望君,モーデルといずれ劣らぬブレイク前のボケばかり.若手を引き連れたボーボボたちは,強面のベテラン芸人に正面から彼らをぶつけます(笑).
「無理無理」と泣きを入れるボケたちの退路を絶つ我らがヒーロー,ボーボボさん.追い詰められた絶望君が自暴自棄で突っ込んでいく姿がもう悲しくてたまらない(笑).売れるまで芸人の人権はないようなもの.協力奥義・馴れあいのバカダンス98もやけくそ技で,素人芸以下のものを見せつけられた先輩芸人は当然怒り,折角の場面でふがいないボケたちにボーボボも怒る.…芸の道って厳しいなぁ.
軽く若手をぶつけて遊んだあとは銀バッチどもをいきなり置き去りにするボーボボ.彼は主役のプライドとして金バッチ以外には手を出さずに進み,現段階でも相当のパワーインフレをさらに進めるつもりのようです.てなわけでモグラのバッチホルダー売りからホルダーを強奪して先に進むボーボボ一行.敵が悪人グループの一味だから,強盗してもいいという理屈はOKなのか?
ブラックマウンテンの最初の闘技場は巨大なペットボトルの立ち並ぶステージ.不安定な足場の上で闘う毛狩り隊をとりあえず吹っ飛ばすボーボボはまあいいとして,そのペットボトルの中身を飲む天の助たちの行動の意味がわからない.しかも塩水だし.そんな絶好調の彼らの前に姿を見せたのは,金バッチ,帝国最高幹部の闇夜叉とその他1名.金バッチ狙いのボーボボにとっては,まさに絶好のカモのご登場.
ドクロ真拳を使う闇夜叉は刀で押してくる正統派の強敵.で,このタイプをやっつけるにはボケに巻き込んでまともな行動を取らせないってのがお約束なので,ボーボボは早速手近な武器こと首領パッチを使って敵の武器をちゃかしはじめます.パンチ連打でコブをつくってタンコブ刀! しかもそのたんこぶを使わず首領パッチの顔で刀を受ける! さすがはボーボボ,自分とビュティ以外の全員の敵(笑).
本気の闇夜叉の奥義・蛇骨食に対抗するボーボボの奥義・ガリガリBOYは肉を食え! …闇夜叉は剣技なのに「真拳」はおかしいなと一瞬思ったんですが,敵の剣に肉食わせるボーボボのほうが余程滅茶苦茶(笑).さらに3バカ揃っての協力奥義,めざせタンコブ大リーガーに至っては,もはや拳じゃなくてバットでタンコブでダンゴ.あくまでも戦いのペースはボーボボ側が握っています.
そのペースを奪うべく闇夜叉が放つ奥義・骨眼! なんかどっかで似たようなものを見た気がするけれど気にしてはいけない.その眼で招かれたのは3人の死神.ボーボボは仲間という尊い盾でそれをしのぎ,奥義・毛眼で反撃する…と見せかけてフェイク! まさに頭脳と頭脳のぶつかりあい.死神を巡る鬼気迫るサイコサスペンス.嘘!

後半.まだまだ続く闇夜叉戦なんだけど,CMの間で首領パッチと天の助はペットボトルの塩水に溺れました.ただでも賞味期限切れてるのに,塩水漬けじゃ食えねえなぁ,天の助….ボーボボはそのペットを奥義・根性バットとして振り上げるも,相手の夜叉変化があまりに怖くて急停止.夜叉をひたすらヤマンバ扱いするのは,夜叉を認めると相手のペースに引き込まれるからでしょう.で,ボーボボにペットごと置き去りにされた首領パッチたちを襲う奥義・骨波.「塩とドクロまみれの2005年夏ー」って,特番が入らなきゃ夏だったんだろうなぁ…(苦笑).
怖い顔の夜叉ことヤマンバを買収しようとするも失敗する3バカ.しかし内装のアラビア仕立てから無理やり繋げたハジケによって,闇夜叉を塩水の中に引き込むことに成功! 塩水の中のボボボ剣道場で,状況を把握しきれない闇夜叉の頭を奥義・道場破り撃退BOY’Sで竹刀でぺしぺし滅多打ち.敵ながら大変に気の毒です!
もはや余裕なしの闇夜叉が放つ奥義・紋骨承.3バカの胸には骨を吸い取るというドクロのマークが浮かび,ボーボボたちの体にそもそも骨はあるのかという視聴者の疑問があっさりと明らかに.首領パッチの中にあった魚の骨はネコちゃんが捕獲.ところてんである天の助にはもちろん骨はなく,ボーボボの骨は結構強いロボット.ハジケリストの体に常識を期待するほうが間違いです.
とはいえここまで3バカがつきあってやっているのは,闇夜叉の実力が並みのものではないという良い証拠.闇夜叉にくっついてきたおまけことカツときたら,「あの」天の助に挑んで奥義・超ところ弾でいきなり敗北という情けなさ.これまで醜態を見せてきた敵は数あれど,ここまで情けない奴はいなかったはずだ(苦笑).
一人きりの闇夜叉はドクロ汁による更なるパワーアップを計り,それを首領パッチがいきなりすがりついて妨害.貫一お宮で金色夜叉っていきなり子どもにはわからないくらいに高尚で,この豪快な笑いの振幅もまた本作の魅力.首尾よく敵のドクロ汁を手に入れちゃった3バカは,今回の見所である夜叉三人衆に変身! 大地の果実メロン,自然の恵みナシ.そしてピザ屋! 言うまでもなく夜叉じゃねえ!
もう全然夜叉じゃない上に大自然じゃない奴まで混じってる自称夜叉どもが集めるのは,太陽と大地のパワーと水と草木のエナジーとドリンク200円引きクーポン! まあ,人間も自然の一部ってのはラスボス戦でおなじみの主張なんだけど,何はともあれピザ屋最高(笑).で,その力で招かれた超奥義・猛る大自然の息吹こと鉄球が闇夜叉に炸裂.…性質悪い主役だなぁ(苦笑).

ボーボボたちの悪ふざけぶりがあまりにも酷いため,闇夜叉はついに真の姿を晒すことを決意! もうどうしようもなく適当なデザインのサンバマン登場.シリアスとこの変なのの両方をこなした上に,いきなりミュージカルシーンまでやらされる竹本氏の素晴らしい演技力(笑).ボケのサンバマンはサンバのリズムを魅惑のサンバホーンでボーボボたちの体に叩き込んで,サンバを刻む体に変えようとするところを,ボーボボたちは文字1文字でかわします.…ウー,サンマ!
しょうもないぎりぎりのダジャレで敵の意図を回避したボーボボたちは,そのままサンマ帝国をつくってみるとサンバマンに来襲されて帝国壊滅で吹き飛ぶサンマが実にシュール.サンバのリズムに乗ってしまっていることで,ハジケも敵の予測の範囲に留まってしまうところが致命的.しかもサンバマンときたら自爆芸で空気をどこまでも掴んで離さない.そりゃボーボボだって空気を少しでも奪うには苦手な肉体芸を披露するしかないわけで,確かにヘッポコ丸が言うとおり,凄い戦いだ!
しかし己の得意な芸をあえて捨てて挑んだボーボボに,場の空気は味方しはじめます.ペットボトルの底でサンバマンが出会ったのは,なぜかゴブリンでなぜかFAXで送られる(笑).電信されて首領パッチたちのところへ送られて洗濯機に入れられる…あたりまでは間違いなくボーボボ側のリズムなのに,その後がいけない.サンバマンのエキスのおかげで洗濯物が全部アロハに変えられた!
骨の髄までサンバにやられてしまったボーボボたち.なんせ人類の進化の途上までいじられちゃったもんだから始末におえない.ここはあえて真正面から打ち崩すしかないというわけで,いかにも相手が得意そうなカラオケボックス盛り上げ対決に持ち込んでみるボーボボたち.こんな賭けに出なければ勝てないほどに,サンバマンは強い!
あまりにもぐだぐだなカラオケボックス.サンバマンは頑張ってみるものの,失敗.それに変わって出座するのが黒板首領パッチ.ラベンダーは広がるわ野生生物は大喜びするわとまた子どもを置いていってるぞ(笑)! しかも自慢の歌は首領パッチグランブルー.とてもじゃないけど並みの芸人ではこのテンションについていけない…というわけで誇りを折られたサンバマン,敗北.金バッチは必要だけど弱い仲間は必要ないのでそのまま遠くに飛ばして終了!

溢れんばかりの圧縮展開でネタをやって敵を倒しまくるボーボボご一行.そのレベルは表マルガリータ相手ならもはや敵なし.ただし…そんな無敵の一行を監視する裏マルガリータは一筋縄ではいかないはず.大会に侵入したという裏の刺客は一体誰? さらに過去からの刺客もまだまだ控えているのか? 何はともあれ走れるうちは,全力全開で駆け抜けろ! 次回に続きます.

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ボボボーボ・ボーボボ#73

「まだ序盤なのにレベル高!の巻」

新皇帝決定戦に潜り込み決戦会場に到着したボーボボとヘッポコ丸.もちろん周囲は毛狩り隊だらけだが,仲間たちもそれぞれに通路を通って再集結することに成功した.第5回決定戦の初戦は,この場にいる全員でバッチを取り合うバッチ争奪バトルロイヤル.バッチの種類は強さに応じて異なり,この場ではあのOVERたちすらも銀バッチであることが判明する.
ボーボボたちに早速挑むのは金バッチ,テープを飛ばして全てを止めるSTOP真拳のねんちゃく.決定戦への参加資格を手に入れるため,ボーボボたち3バカはねんちゃくのテープに挑む.技が飛び交う3対1の激戦の果て,ねんちゃくのネバーエンドデスディナーを食らった3バカの体はどろどろに溶けてしまった.

これまで登場したキャラも交えての頂上決戦がついに開始.これまで以上のテンションとボリュームでお送りされる「ボーボボ」.あたかも生き急ぐかのような高圧縮されたハジケが手堅く楽しい作画で炸裂だ! どうしようもなくバカだからこそ,それを描くプロの芸の完成度は驚くほどに高い.特に後半の超奥義なんて,いつもならクライマックスに食らわされるシリーズ芸だからとっても豪華! その道が尽きるまで,突っ走れ!
アバンは新皇帝になったらどうするかについての会見.基地再建や友達づくりや映画のヒロインや監督は,無理に皇帝にならなくてもできそうな気が….ソフトンの「バビロンの名の下に罪深きものに夢と希望を」ってのはどうだろう? 結局何がしたいのかよくわからんぞ.ビュティさんとヘッポコ丸の「即解散」は無難で当たり前.そして肝心のボーボボは,当然のように毛の自由と平和を取り戻すと口では言っているけれど!後の看板が「めざせ新皇帝!大宇宙の支配者」だからなぁ…(苦笑).

前半! 敵の新皇帝決定戦に混ざることにした節操なしのボーボボたち.一応は敵の本拠地に乗り込んで皇帝もろとも強敵を壊滅させるという計画ではあるけれど,実質は権力狙いだよなぁ特に3バカは(笑).通路には番人もいたけれど強い奴についていけばヒロインだってなんとか通過.ましてや強いボーボボならば,自力で番人を倒して会場に見事に御到着.
とはいえここは敵地.入場すれば悪役だから周囲からのぶっつぶせコールがお出迎え.普通の精神だと耐え難そうな場面だって,自分からコールに混ざるくらいの面の厚さがなきゃ主役は務められないってもんですよ(笑).他の通路からは一度別れた仲間たちも続々と集結.ヒロインビュティさんと1円に変形した首領パッチはまあ前回の成り行きなのでいいとして,音楽とともに入場してきたセンターのソフトンとその一行が凄すぎる.田楽と絶望くんと6とスーパーラビット…そんな色モノ祭りに巻き込まれた生真面目なソフトンは一体どんな目に遭わされたのやら.
どん底に落ちたはずの天の助は巨大なゼリー馬で登場.偉そうに登場することで,この先の展開を際立たせようとする天然の計算がさすがはベテラン.そして,もうちょっと短い時間で笑いを回収しようとする破天荒は「遅かったな」とかっこいいものの,顔は別人に…たぶんおやびんとおそろいのネタを気取ってみたんでしょうが,お前誰(笑)?
ここで通路突破者の上に今回のホストである4世が登場し,第5回決定戦の開幕を告げます.田楽も首領パッチも偉そうな天の助も皇帝の座を本気で狙う中,ボーボボは…いつの間に4世のファンになったんですか? さすがにボーボボ一党の登場には4世もびっくり.そしてファンのボーボボはくねくねとくねりつつも「全員叩き潰す!」と全力で敵を煽る.首領パッチの歌もあわせてこれは4世と周囲に対する徹底的な挑発行為.芸人が敵地で一番恐ろしいのは観客でもある敵から無視されること.ゆえにボーボボたちは決して無視されないようにリスクを覚悟できっちりアピールするわけです.
このフィールドで最初に開催されるのは,バッチ争奪バトルロイヤル.タコ掲示板にはバッチ取得者の名がずらりと並びます.金のライオンバッチはメトロ・闇夜叉・アシュタロフ・ジェットK….銀のブタさんバッチはワイルドチャレンジャー・ルイジアーナ・烈火丸・もず君・シェル・OVER・ハレクラニ・ランバダ・サイレント山田.銅の納豆バッチにはゴルバルスキー・METARUMAN・詩人・ミックニック….
4天王のハレクラニたちすらも銀だってのは要チェック.結構大変だったボスすらも金バッチではないってことは,実際の金バッチはどれほど強いのやら.ちなみに鉄のクズバッチには天の助と田楽がノミネート.おめでとう(笑)! ビュティが見渡す視界の中にも,常人ならぬオーラを放つ者の姿が見受けられるんですが,これを妨害するように出てきたのが,今回の犠牲者・ねんちゃく!
一応金バッチの暗殺部隊総隊長・ねんちゃく.リアルな強敵らしいギザギザデザインの中でも,なぜかその後ろ髪にやたらと怒るボーボボのなけなしの後ろ髪.ねんちゃくはその名と手に持ったテープが示すとおり,STOP真拳奥義でボーボボたちを止めると宣言! 挨拶代わりの奥義・テーピングストップが炸裂し,ボーボボたちは絡めとられて宙吊りに.
とはいえハジケバトルは序盤は相手の出方を見るのが定石.いきなり本気出して倒してしまったら,正直びっくりはするだろうけど笑えないですからね.3バカは奥義・生命の誕生で脱皮してテープを脱出.その強さを認めた証として,アフロから例のジャンパーを取り出して装着・スーパーボーボボ! …無駄に作画がキレている上にジャンパー後ろ前.しかも天の助と首領パッチもおそろいの後ろ前.ツッコンでくれと言わんばかりのハジケっぷりは,迷惑なほどに絶好調の証.
4世にねんちゃくに勝てば正式に争奪戦への参加OKという言質をもらい,3バカVSねんちゃくのバトルが本格的にスタート! 粘着テープを放つねんちゃくをホコリを巻き上げることで防御するボーボボたち.接着するときには接着面をきれいにしておきましょう.しかしホコリを回避する布テープをねんちゃくが持ち出そうとするので,3バカはホコリにまみれて1パッケージに(笑).確かに全身ガードではあるけれど,動作が取れない棺桶に近いかもなぁ(苦笑).
もちろんホコリは角砂糖ではないので紅茶には溶けず,そのまま転がっていってもねんちゃくは強く,仕方なくホコリらしく押入れに退避する3バカ.そして押入れ第3基地から奥義・誇りあるホコリ砲を発射! 効能は喉が悪くなるだけ! …このレベルのシュールさも本作では普通.これに慣れてしまうと,他作の超展開は正直緩い.最終的にはねんちゃくによって3人は解放されるものの,お約束なので天の助だけ切れてます,
厳しい攻撃ものらくら逃れる3バカ.その3バカの動きを止めることを優先するねんちゃくはテープにからめとろうとするもののおふざけと学んだドライビングテクニックで回避してしまう3バカ.操縦桿になった首領パッチの目が痛そうだ….ねんちゃくのダメ押しは奥義・ネバーエンドデスディナー! 口の中にそうめんならぬ溶けるテープを突っ込まれ,ねばねばになって解けていくボーボボたち.…特番で中断されたせいで,もう夏じゃない(苦笑).溶けた3人は姿を失い,3色のスライムに.

後半.他作のキャラなら溶けたら大事なんですが,ボーボボたちの場合は節操無く融合したり変形したりはお手の物.まずは3体合体! 体型はボーボボで天の助の形をベースにボーボボの服と首領パッチの尖りを装着して,幻のチェーンソー真拳で攻撃! 一応チェーンソーが首領パッチになっているという無駄なこだわりを見せてくれるものの,あまりに技が直接的すぎて笑いに繋がりにくいところが微妙.しかし本領発揮はねんちゃくの攻撃で再び3分割されてから!
3バカは体のパーツがシャッフルされちゃって誰が誰やらわからないけれど,そのままでまずは超協力奥義・トライアングルハイテンションを食らわせ,ねんちゃくのテープの力を吸収した上に再融合.百倍返しの超巨大3バカバズーカによってねんちゃくをぶっ飛ばす! これまでもシュールな戦いは多々ありましたが,序盤からここまで変形する戦いははじめてかもしれない.そしてスライムはバケツを見るとつい入りたくなるものなのかもしれない.
ねんちゃくの大技をフルコースで受け,それを全ておふざけと変形でいなしてしまった3バカの勢いはもはや止まらない.さっきまでは3バカの動きを止められたテーピングも,ミイラに見立ててエジプトスティックナイル川パワーとか入院とかわかりやすい方向にふざけて翻弄しはじめた3バカ.その強さをねんちゃくに教えるために,究極奥義・ボボボテレビ局アワーがスタート!
いつもはラスボスを痛めつけるために使われるシリーズ技がこの段階で発揮されていることからも,ねんちゃくの強さがよくわかる.とてもそうは見えないけれど,たぶんボーボボたちも必死のはず.朝6時は「ジャングル目覚ましニュース」で軽くくすぐり.ねんちゃくの髪型はジャングルっぽいかもしれないけれど,それでジャングル予報とかジャングル占いとかやるのはあんまり関係ないだろ.9時からの「できるっ毛?」は折り紙で工作のミサイルをねんちゃくに発射,12時からの「笑っちゃダメっ毛?ショー」は昼の看板なのに笑い禁止という厳しすぎる構成.笑いを禁じられたお笑いに帯の情報番組は荷が重いよ…(苦笑).
このハジケシリーズの見所は2時の昼ドラ「ところて夫人」.ビジュアルがパーフェクトすぎて涙が出そうですよ夫人.慕われるのかと思ったら婦人会から追放されてるし.さすが昼ドラ,ヒロインには逆境を! 4時の料理番組と5時のアニメはセット.そもそも料理になってないわ作画がどうとか言う以前にパラパラマンガだわと強烈なぐだぐだぶり.確かに文句はあるだろうけど,画と声がついて毎週ちゃんと動いてるだけで結構凄いんですよ?
そのぐだぐだはゴールデンタイムでも収まらず.7時の犯罪スペシャル,「暴走列島24時大警察操作網暴走車を追え」は捕まえる奴が暴走というマッチポンプというかむしろ不祥事.そしてラストの11時,「侍ニュース」も武士ニュースキャスターがスタジオで暴れてまたも不祥事.ついには「しばらくお待ちください」からありあわせの番組放送という大惨事に.…でも,こんな局があったら絶対見るなぁ…(笑).

ねんちゃくは小突かれつつも耐え抜いたものの,放送を止めることはついにできず.一応番組の視聴率が力に変わる!という技の特質もあったんだけど,全部0%だったのでなかったことにしてあげたい(笑).芸人にとっては大きな仕事場の1つであるテレビを使って大暴れしてみせた3バカは,見事にねんちゃくを敗北させて金バッチゲット.そしてそのまま,毛狩り隊をぶっつぶすと宣言!
こんな序盤からここまでの大技が炸裂するとは! それだけ金バッチの敵が強いってことなんだろうけど,この先のステージでどこまでハジケのインフレが進むかを考えると少々怖い.しかし,ここに来て変な手加減は興ざめするもの.後の事など考えずにどんと行け! 次回に続きます.

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ボボボーボ・ボーボボ#72

「本格的に始まっちゃったよ新展開の巻」

新皇帝決定戦に乱入することを決めたボーボボ一行.開催場所の入り口,地下に続く穴の周囲は既に死屍累々.穴に飛び込んだ一行は,ばらばらにされてそれぞれ別のコースを進むことになった.
ビュティと同じ魔の海底トンネルを進むことになったのは首領パッチ…というよりはパチ美.宇治金TOKIOも加わって3人で通路の番人を突破するはずが,パチ美は逃走し宇治金は役にたたない.しかしビュティは自分ひとりでも戦うとヒロインの意地を見せ,その意地がパチ美と宇治金のライバル心に火をつけた.

大きな山を越えて今度は穴へ.内容よりもむしろ改編期になっても新展開&特番で放映不能という状況に戸惑う「ボーボボ」.たしか今のお家にはそのうち新しい住人が来るはずなんだけど,お前ら一体どこに行くつもりだ(苦笑)? 今回はノリ重視でややツッコミが空回り気味.要所で入るのでギャグ自体はわかりやすいものの,バランスとしてはちょっとくどいかもしれない.そんな状況の中で豪華に使い捨てられていくのが私市淳と中原麻衣! 相変わらず声優に関しては無駄に総力戦.
アバンは突如ジャンケンで,その結果ミュージカルをやることに決定.無駄にノリノリな3バカ+田楽に対し,「おれは~バトルオタク~」と外すへっくん.…それが君のテーマなのか(笑).芸人たるもの芸事は,何でもそれなりにこなすか笑いを取るかのどちらかが出来なきゃダメですよ.まあ,たしかに気の毒ではあるけども(苦笑).

前半.マルガリータ新皇帝決定戦を知ったボーボボたちはもちろん乱入決定.毛狩り隊の中枢を叩けるからというよりは,うまいこと次の皇帝になることが狙いだ(苦笑).モグラを拷問?して聞き出した会場には「君も皇帝になっちゃえ」という惹き文句もキュートな看板がでかでかと.周囲にはちゃんと先の恐怖を暗示する惨状も用意されているので,気を引き締めろといきなり力を入れて演説をはじめるソフトン.もちろんそんな演説を真に受けるような間抜けは,ヘッポコ丸程度しかいないわけですが.
てなわけで大穴目がけて突撃するボーボボたちと,それに巻き込まれる者たち.縦穴の壁のカエルの彫刻の口に連れ込まれ,一同はそれぞれバラバラに….ビュティと首領パッチ,ボーボボとヘッポコ丸,ソフトンと田楽.破天荒は自分で道を選び,天の助はお約束なので一人で落下&リアクション.首領パッチとボーボボがちゃんとツッコミ役と同行しているところなんて,さすがハジケリスト,隙がない.
ビュティと首領パッチが到着したのは,コースナンバー26・魔の海底トンネル.到着直前からパンダに技をキめられてみたり,通路に噴き出す海水を食らってみたりとリアクションで視聴者の注目を集める首領パッチ.なんせパチ美さんはビュティとヒロインの座を巡って争う宿命のライバル.少しでも目立ちたいパチ美が決して味方ではないってことがビュティさんには辛い.
ツッコミであるビュティさんはどんなボケよりも強いものの戦闘力はほぼ0の上,ライバルは敵愾心剥き出しで頼りにならない.こんなときに仲間になるのが,旧Fブロック隊長の宇治金TOKIO.…もちろん首領パッチ以上に頼りにならねえっつうか意味ねえ(苦笑)! 敵のはずの宇治金がわざわざ接触してきたのはコースの番人を一緒に倒したいから.そんな宇治金を完食の上に壁に容器を投げつける首領パッチ.仲間として認めるための儀式なのかあるいは拒否なのか意味のない八つ当たりなのか.…やっぱり一番最後が正解か.
頼りないものの勝手に1人増えた仲間.しかし番人・火鎖清十郎を前に,いきなり怯えた仔犬ちゃんのようにビュティさんの陰に隠れる宇治金…と首領パッチ(笑)! 装備は布の服のみで棍棒すら持ってないビュティさんには辛い.そんな頼りなさ過ぎる3人に,火鎖はギャラクシーチェーンを放つ! 宇宙だしジャンプだし東映だし,なんとなくアレを思い浮かべてしまうなぁ.
一応宇治金が夏真拳奥義・真夏の太陽で反撃しようとするけれど,これは自爆技で昏倒.お前バカだろう.首領パッチは魚に変形して仲間を見捨てて広い海へとランナウェイ.そんなどうにも頼りにならない2人の身柄と,1人分の酸素ボンベの引き換えを火鎖に提案されるビュティさん.自分の命と2人の仲間?の命を天秤にかけることになったビュティさんは…きっぱりと選択.
ボーボボとともに歩んできたこれまでの驚くほどに長い旅.それはビュティにとって,常に仲間に助けられ庇われてきた旅でもありました.仲間の助けがなかったらたぶんビュティさんはここにはいない…今のビュティさんの命は仲間のものだから,「仲間を裏切るわけないでしょ! 私一人でも戦う!」と毅然と言い放つ! 戦闘力皆無でもその毅然たる態度はまさにヒロイン! 戦場の華!
凛と咲く華の姿にパチ美は愕然.王道を歩むビュティさんの姿に追い詰められて突撃だ.ビュティを襲うプラネティックチェーンを妨害する,大量の水とともにやってきたお魚をくわえた大バカ者.「ヒロインは俺じゃー!」って宇治金までいきなりヒロインを目指し始めたのは,たぶんノリだけだと思います(苦笑).とりあえず仲間たちに救われた格好となったビュティさんだけど,海底トンネルには新たな登場人物が…あの強敵,ハレクラニがやってきた!

後半.まずはビュティさんコースの行方なんですが,大量の金とともにゴージャス真拳の使い手ハレクラニ再臨.金の力で全ての無茶を通そうとした大ボスの一人です.もちろん首領パッチも宇治金もお金は大好きなのでハレクラニ大好き(笑).火鎖を奥義・デス100万$ウイングで宙に釣り上げ,金で固めて物言わぬ小さなコインに変える,強引極まりない技の冴えは健在.かくして門番は消滅.
そんなハレクラニはビュティに危害を加えることなく素通り.平凡な日常でボーボボに倒された彼が望むのは,ボーボボとの再戦と勝利のみ! そして宇治金はあっさりハレクラニに乗り換え.パチ美を捨てることに何の抵抗もないのは冷たい氷だから.なんとなく天の助と似たようなコースを辿りそうな気がするけれど,体に気をつけて頑張れ!
さて,ハレクラニが対戦を望むボーボボとおつきのツッコミヘッポコ丸は,屋台が立ち並ぶ死のラーメン街道で食事中.そんなにビュティさんが心配ならさっさと先に進めばいいのに,ブタのラーメンを食いきって器をブタに投げるボーボボ.彼なりの焦りの表現らしいけど,警察呼ばれても知らないぞ(苦笑).
このラーメン街道の番人はメンマ.既に「あの」Jを足蹴にすることで己の強敵ぶりを誇示! もちろんゲストに雰囲気を持って行かれるのは芸人としては我慢ならないところなので,ボーボボはひたすらにJとKを誤解.わかっていないへっくんが真面目に修正しているのが気の毒なような間抜けなような(笑).「いろんな意味で無念」ってJのダイイングメッセージも悲しいぞ.
この道の番人・メンマ.毎度ながらの無駄に豪華な声にびっくりだ.そんな強敵に話の都合上一緒に挑むことになるのは,懐かしい3バカ文明たち! 泣き声は「にんじゃ」ってどうなのか(苦笑).ボーボボとヘッポコ丸のコンビでは強烈なボケとリアクション芸人がいないので,寄ってくる3バカ文明に「甘えるなカスどもがー!」と早速その役を押し付けるボーボボ.とはいえ3文明も普通に喋れるので,こいつらも宇治金と同じく仲間を待っていた口なんでしょう.
そしてはじまるラーメンバトル! ラーメン作って食わせて美味いと言わせたら勝ち!という食バトル.でも天の助がいないので余計な脱線はなく,ボーボボが一応インスタント麺(ただし固形)を持ってきたのに対し,3バカ文明はカーメン,緑の謎の物体,自分…と最初から食い物でないものを揃えてくるという暴走ぶり.この場で一番賢いのは,ちゃっかりツッコミ役におさまって傍観するヘッポコ丸だと思います(笑).
食卓ルーレットで自分の前に止まったものは全部食えという強烈なルール.初回で地獄を見ることになったのはメソポタミア文明.なんせ全部がメソポタミアのところに寄ってます(苦笑).メンマ曰く,彼女のラーメンは食えば美味さに痺れて固まってダイイングメッセージを残す,奥義・美味硬直ラーメンであるわけですが,残されたメッセージには「ぶっちゃけカーメンが効いた」…そりゃそうだろう.
このように笑いを取るだけなら特段問題はないものの,「美味い」と言わせるものを作るのは少々難しい.ボーボボがラーメン老師となって特訓を行い,世界最高ラーメンを開発したとしても,究極のラーメンの割には当たり障りのないカップめんがコンビニに限定販売される程度なんですよコーナーの企画って.しかも実際に監修してるのは別人だったり,「この味は!普通だー!」だったり(笑).
こうなったらボーボボ側にできるのは「全部食え」というルールを逆手に取ること.とりあえずラーメンでないものも食わねばならないということはメソポタミアが身を持って示してくれたので,メンマが準備した特盛10ラーメンを奥義・マスター・あちらの娘たちに僕からサービスでまずは他人に押し付ける.非情なボーボボは展開によってはいつだって仲間を切捨て可能.もちろん文明たちだってばっさりと! そう,いつだって「真犯人はボーボボ」だ.さらに絶対食えないぎょうざをメンマにお届けし,食べ残したメンマを無理やり負けに追い詰めて,また一人,素敵な声が消えていく!

どんな状況であってもとりあえず自分だけは勝ち残っていきそうな悪辣な主役ボーボボさんと,それを呆れて見守るヘッポコ丸はついに出口へ.3バカ文明は,ここまでやられたんだからボーボボが油断も隙もない悪人であることをいいかげん認識するべきだと思います(笑).
舞台は次のフィールドへ.ボーボボ潰せコールで大歓迎されるボーボボたちの明日はどっちだ.ついでにこの作品自体,一体どうなってしまうんだろう…? まったく先の見えないバトルロイヤルの先に待つのは一体何か.次回に続きます!

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ボボボーボ・ボーボボ#71

「目指す高みはまだ遠くの巻」

ツルリーナ3世との死闘もついに終盤へ.確かに毛玉を奪おうとする3世は強大だが,自分以外をゴミ扱いするような奴にボーボボが負けるはずもない.人間の素晴らしさを見せ付けるべくボーボボが放った「鼻毛初人間超特急」は,人の一生に訪れる節目を利用したハジケで3世を苦しめる.誕生,命名,入学,卒業…常人にはありえない人生に強制的に巻き込まれ,苦しめられ,寿司を食わされる3世.ろくに抵抗もできず人間の作り出す無限のエネルギーを浴びた3世.しかもボーボボ曰く「こんな人生送ってる奴はいねえ!」理不尽極まる猛攻の末,ボーボボは人間の素晴らしさを3世にぶつけて撃破.ここに3世世代編は幕を閉じる.

大人の理解を拒否する滅茶苦茶なものを素晴らしい技術力で作品に仕上げている「ボーボボ」.3世世代編のクライマックス自体は前回分で終了しているので,今回は実質次回へのツナギ.このあたり,原作だとマンガならではのコマの広さを生かした大技が連発されるわけですが,その広さを狭いテレビの枠の中でどうやって表現するか,という演出点ではいつもよりちょいと劣るかも.原作をそのまま絵にしちゃっていてごちゃごちゃしてるんだよね.…でもまあ今回の最注目点はそこじゃない.新皇帝決定戦へと繋がるラストで出てきた最終兵器.元々男性声優に関しては豪華極まる本作にさらに加わる超強力声優! ついに来るべき人が来た(笑)!
今回のアバンは本編でいろいろあるので極力シンプル.ボーボボと首領パッチの荒野の決闘,しかし結局やられるのは見守っていたはずの田楽.いつもなら天の助の役割なんだけど,あまりに天の助だとお約束すぎてダメってことなんだろう.

前半は最終決戦.これまでボーボボから毛玉を取り上げるために2つの真拳を使って頑張ってきた3世.しかしボーボボには精神攻撃も丸呑みも効かないどころか余計タチの悪いハジケに繋がってしまうという悪循環ぶり.なんせ相手は最強の主役,勝敗は既にはっきり見えてるわけですが,高すぎるプライドが邪魔をして未だ地に倒れることのできない不憫な皇帝のためにも,ボーボボたちは最後のハジケで引導を渡してやるのです.
前回までであれほどひどい目に遭わされながらもまだボーボボたちをゴミ扱いしようとする3世.…田楽が「犬だよ」って言い張って場の空気の読めてないところが地味におかしい.首領パッチも天の助も人間じゃないのに(苦笑).しかし,ゴミ扱いする人間に翻弄される今の3世は,まさにボーボボの言うとおり「クズ以下」.その傲慢さへの罰として,ボーボボは3世に人間の素晴らしさを鼻毛真拳超絶奥義・鼻毛初人間超特急で知らしめることに.ラスボス戦でおなじみの同一テーマによるハジケコンボがスタートだ!
ボーボボの示す人間の人生では,どうやら歯科医院で赤ん坊が誕生するらしい.首領パッチの抜歯から勢い良く誕生したボーボボ.…首領パッチと天の助だけでなく,ボーボボが人間なのかどうかも相当怪しい(笑).生まれた子どもにもちろん命名.赤ちゃんがトランポリンで跳ねて3世の体に張られた名前を取っていく,というどの宗教のどの宗派でも実行できない珍妙な光景が炸裂.名は体を示す,というわけでアクロバティックだと武闘派な名前もついてくる.乳児段階であの体のキレならば,将来はさぞ素晴らしい戦士となるに違いない.
3世を巻き込みつつも続いていく人生.次は小学校に入学なんだけど,なぜか宇宙の小学校でランドセルから勉強ミサイルとか撃ってみるそんな児童たち.当然天の助は一緒にやられておいしくなってます! どうやら小学校という名の戦闘機関に所属させられた児童たちの巣立ちの日,卒業式では3世も宇宙人も倒れ伏す大惨事.小学校から宇宙戦争だなんて人生送っている奴はフィクションの中にしかいないわけですが,こうやって見ると子どもの人格を激しく曲げそうだ.
そんな殺伐とした小学校時代を通り過ぎて中学生は勉強.受験戦争ど真ん中は,サメの群れのど真ん中.あんな場所からどうやって試験会場に行くつもりなんだろう(苦笑).さらに人生も佳境の反抗期へ.3世にはんこー期なのではんこを押す不良ボーボボたち.痛い.そのベタすぎるダジャレが胸に痛いぞ(笑)! ここまでのハジケ中,ハジケの中に組み込まれてしまってろくに抵抗もできないかわいそうな3世….やられる声がひたすら悲痛です.
人生は新たな段階へ.不良は更正し就職面接に.しかし粗暴さが直りきっていないのか部屋の窓ぶち破って到着する不良上がりのボーボボを,元気1点買いで採用したダメ会社は当然2日後に倒産.…まあ,そりゃそうだろう.切れかかっている電球のように,この不条理な世界の中でときどきちゃんと繋がるまっとうな論理.ボーボボの再就職先は寿司屋さん.客の3世は強制的にたらふく食わされた上…「バトル中に寿司食う奴があるかー!」音楽とともに「…」の間が絶妙! この時折繋がって光るまともな論理がたまらない!
3世がいくらボーボボを脅しても,一度生まれてはじまった人生はもう止まらない.人は恋に落ちてそして別れ,首領パッチの目は相変わらず着ぐるみを見分けられない節穴であり,そんな節穴の傷心旅行に巻き込まれて電車の車窓から引きずられる気の毒な3世.さらに電車はトランスフォームで傷心ロボに変化「みんな,傷つけばいいんだ!」とどっかの主役みたいなことを言いながら首領パッチ地上に向けて乱射(笑).
ここまでの展開は全て,ヘッポコ丸の言うとおり3世を傷つけるためだけの「茶番劇」だから,どう頑張っても人間の素晴らしさとか力とか無限のエネルギーは伝わってくるはずもない.人の妄想の強さとか強引なこじつけの恐ろしさとかならまだわかるんだけど(苦笑).で,ここに来てここまでの長いハジケの大前提を豪快にぶっ壊すボーボボ.「こんな人生送ってる奴はいねえ!」…自分で投げた(笑)!
けれど普通なら1撃で戦闘不能になりそうな猛攻にも,高いプライドゆえに耐えてしまった不幸な3世.しかしボーボボは容赦なしに「決着をつけるとき」に突入.人は人と触れ合った数だけ強くなれるというお題目のもとにフィニッシュブロー,「人間って素晴らしい!」を放つボーボボ!…背景が全然人間じゃないのはお約束(苦笑).ある時点でどれだけ高い場所に到達しても,時が過ぎればその頂点はもっと高い場所への道の途中へと変わる.それこそが人の歴史であり,笑いの歴史.人は歩んできた道のりで強くなる…というわけで,ついに3世撃破!
2つの真拳を使いこなすとはいえ強いばかりで面白さの深みには欠けた3世はついに行動不能.青の世界に2人残留していたり,OVERが魚雷さんに戻らなかったりと問題もやや残っているものの,とりあえずこれで3世世代編も終了.天の助がOVERにやられてんのは,いつものことで特に問題にはならないよな(笑).

後半は新たなるステージへ! 3世を叩きのめしたボーボボたちは,その激闘の傷を癒すため,飛行機上に教習場・飛行機の上自動車学校をつくってみました,…勝負に無関係な軽いハジケでリラックスってことだろうけど,敵がいないハジケは無軌道すぎて妄想とか白昼夢に限りなく近いぞ.ボーボボ教官が教える不器用そうな天の助と,そもそもカルメンと仮免を勘違いしてコースで踊ってるバカ.「情熱進行」はまあいいとして「故郷オーライ」はわかってる奴にはたまらない.カルメンてめえは故郷に帰れ(苦笑)! 免許のための必死で踊り狂うカルメンこと首領パッチ,でもコースの上で天の助の車に突き飛ばされて落下.
そんなおふざけの真っ最中にやってきたのが新たな雑魚.謎の刺客・空ニャンが毛狩りした奴隷に自転車飛行機漕がせてやってきた! もちろん3世に比べればあまりにも小物なので,良いおもちゃとして復帰した首領パッチとともに一緒に遊び始めるボーボボと天の助.どうやらこの小物は何かの参加資格を得るためにわざわざこんな死地に踏み込んでしまったようでとてつもなくお気の毒.そんな空ニャンのパラシュート真拳で背中にパラシュートをつけられたことで,3人は飛行機の上には凄い風圧があることを思い出したらしく(笑)今さら飛ばされております.…そこはツッコミのビュティさんやヘッポコ丸ですら,今更のことなのでスルーしてたんだけどなぁ.ちなみに天の助のパラシュートはお約束のように他の2人よりも増量.飛行機の上をパラシュートつけたまま自転車で戻ってきてみたり噛んだガムで足を補強してみたりと適当すぎるボーボボたち.天の助もパラの増量でリアクションを満喫しているご様子です.
とはいえいつまでも小物で遊んでいても話は進まない.まずはパラシュートのお礼とばかりに奥義,強風・凧揚げ大会決行をお見舞いするボーボボ.飛んでいきそうな凧ボーボボに飛行機の上から引っ張られることになった空ニャン,さっきまで味方だった風は完璧に敵へと変わり,身動き取れなくなっているところに久々に己の真拳,神無月で介入してみようとするヘッポコ丸.…でも,未熟な彼の技は失敗して天の助のところへ(苦笑).とはいえ技を食らうのは天の助にとってもおいしいので,失敗したのに頭をなでられるヘッポコ丸.天の助師匠は後輩を誉めて伸ばすタイプなんだろうなぁ.
そして空ニャンに迫る退場の時間.ボーボボはアフロの中の田楽をぶつけて空ニャンの態勢を崩し,奥義によって強制的にスカイダイビング結婚式を敢行.新郎の手には鉄球,傍らにはオレンジでトゲトゲの新婦,全てが完璧に整っているはずのスカイダイビング結婚式なんだけど,パラシュートをつけわすれた2人はともに新たな人生へ急速落下! 毎度ながら,ボーボボが一番極悪だ….そして登場から退場まで15分かからなかった小物の狙いについて説明してくれるのは親切なモグラ.今,ボーボボの首はマルガリータ帝国,新皇帝決定戦のチケットとなっているのだ!

そんなわけで10月改編を乗り切っちゃいそうな新章突入! マルガリータ帝国で50年に一度行われるという頂上バトル.でもこの世界の50年って実際はどの程度の長さなのやら.参加資格は隊長幹部クラスということで,ボーボボ組にも該当者がいたようです(笑).もちろん自分の首がチケットなんだからボーボボも殴りこみする気満々.さらにこの好機に立ち上がるかつてのライバルたち.OVER,必殺5人衆,詩人,J,ギガ,獄殺3兄弟,絶望君,カツ,プルプー,ハレクラニ,宇治金TOKIO,レム,ランバダ,カンピョー君,そして新たなる敵…っていうか千葉繁!うわまた凄いのが来ちゃったぞ(笑).
この濃いアニメに果たして千葉氏の個性はなじむことができるのか? そして待つのは4世.さっきやられた3世よりも弱いはずなんだけど対抗策はあるのか? 高みを目指すボーボボのハジケ道はうれしいことにまだ途中,お楽しみはこれからだ! ビュティさんとパチ美のヒロイン頂上決戦にぼんやり期待しつつ,次回に続きます!

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ボボボーボ・ボーボボ#70

「ファイティング苦学生ってあんな声なんだの巻」

手品真拳を使うツルリーナ3世と互角に渡り合う我らがボーボボ.魚雷先生がOVERに戻るというハプニングは発生したものの,勝負はボーボボ側がやや優勢.けれど3世は大布の魔術を使ってもう1つの世界・幻想青魔界へと一同を強制転移させる.精神が剥き出しとなったこの世界で,シルクハッ虫に襲われて理性を失っていくボーボボたち.なけなしの理性をほとんど奪われてろくに動けなくなったはずのボーボボを服従の青箱で固定して体内から毛玉を取り出そうとする3世だが,ボーボボはハンガー大脱出ですりかわって無事だ.
そして3世がわずかに残ったボーボボの理性を消したことで炸裂する究極奥義・アフロ黄金境.むしられたアフロの欠片は無数のボーボボとなり,3世の頭の上に集結した上神降臨.さすがの猛攻に傷ついた3世の顔の下からは,機械のような目が覗く.

はっきり言って続いているだけで丸儲けであり,ファンならば一週でも長く続くこと以外余計な望みなんて抱きようもない現代の奇跡「ボーボボ」.ジャンプ本誌では海外進出が正式発表されてるあたりもまさに奇跡.作り手を含め,誰もこんな日が来るとは夢にも思っていなかったんじゃないかと思います.さて,今回は3世編クライマックスの続き.テンション高い原作のハジケっぷりを絶妙に再現した脚本と,それを見事に飾る映像と音響の調和が素晴らしい.特筆しておきたいのはやはりゲストの置鮎氏のプロの演技.本当にしょぼいぞ!
今回は本編が凄い分だけアバンは軽め.季節ネタとしてお約束の怪談話.本当にあった怖い話…子どものお受験面接のときに足元がトイレスリッパのままだった! ラーメン食ったら麺が1本! デパ地下でところてん祭り!そして実はこの部屋は…百段の階段の上にあるから,階段百物語! だから地口は外人には面白みが伝わらんと言うのに(笑)! 確かに今年の夏も暑いですからね,作り手の頭が変になっても仕方がないとは思います(苦笑).

前半.このステージでのラスボスたる3世なんですが,さすがはボーボボ,最初からかなりいい勝負をしています.とはいえ3世はボーボボの毛玉を取りたがっているので,攻撃に集中できていないような気も.ちなみに前回起きた出来事の中では,やはり魚雷先生がOVERに戻ってしまった影響が大きい.ボーボボとOVERの間にまったく友情が成立していないことよりも(笑)天の助とOVERの凶悪などつき漫才コンビが再結成されたのはリアクションマニアにとって喜ばしい限り!
前回ラストでボーボボはOVERのはさみを奪って3世を攻撃.しかも借り物を地面に投げつけちゃう御無体ぶりを早速発揮.怒った3世は布の魔術でボーボボを包むことを狙い,1度は奥義・てるてるボーボボへと発展させて逃げることに成功したものの,2度目の奥義・大布の魔術で全員が布の下に入ってしまいます.魔術によって送られた先は青藍の手品真拳奥義の生み出した幻想青魔界.いやにきちんと書いてある背景が,無駄によくできていて素晴らしい(笑).
この世界は精神世界…というわけで精神攻撃やり放題.3世の放ったシルクハッ虫に体を噛まれると,たとえボーボボであっても理性が消えます.もちろん驚くところは理性が消えるところではなく,あいつらに理性があったという意外すぎる事実のほうだったりするわけですが(苦笑)唯一ツッコミのビュティさんだけはヘッポコ丸のおかげで正気を保てたものの,残る全員,ものの見事にぶっ壊れ.…中にはいつもより賢くなる方向に壊れてみる天の助みたいな奴も.ハンガーと戯れる理性10%のボーボボよりも,見事に理性を吹っ飛ばした重症のへっくんのほうが深刻.ラスボスの後でひょこひょこと…(笑).
理性が消えたおかげでハンガーに固着しているボーボボ.そんな展開を当然狙っていた3世はボーボボを服従の青箱に縛りつけ,体内の毛玉を取ろうとするもボーボボがジタバタビームを発射したため,失敗.ZITAとBATA,田楽よりも可愛いな(笑).それでも粘る3世がボーボボの体内に手をつっこんだなら,なぜかボーボボがOVERにすりかわってる! ついでにボーボボはビュティさんのふりしてる! …これぞボーボボ流の大鼻毛手品・ハンガー大脱出.手品をテーマとする3世のお株と度肝を奪う見事な反撃で,しかも「ハンガー大脱出」の癖にハンガーは一応叫ぶだけで意味がねえ(苦笑).
さて,3世はボーボボの大魔術ぶりをわずかに残った理性の効果と判断したようで,残った理性を全て奪って行動不能を狙います.でも,理性がなくなったほうがボーボボたちの行動が生き生きしてる気がするんだけど…(笑).全ての理性を吸い取るという青虫手をアフロの中につっこまれ,わずかばかりのボーボボの理性は宇宙の果てへ打ち上げ成功.ついに理性0となったボーボボは,己のアフロをむしっては離しむしっては離し,「あげだま,あげだま…」と見事に人格崩壊.3世は当然勝ち誇るわけですが,ハジケリストにとって精神を開放するにはたぶん理性はむしろ邪魔.それが取り払われたことによって,とんでもない奥義が炸裂します.
千切られて宙に浮かぶボーボボのアフロの欠片.それは3世の周囲の空間をくまなく包み,膨らんで…大量の小さなボーボボに! これぞ究極奥義・アフロ黄金境.理性を奪われたために「個」という概念すらも宇宙の彼方に消えたのか,ボーボボはその断片にまで存在を遍在させてしまいます.上下左右東西南北,見渡す限りボーボボだらけ.しかも彼らは百倍返しとして3世の頭に大集合.3世の頭上には巨大なアフロ,聖鼻毛・増毛(ボーボボ・フサフサ)に占領されるだけでなく,割れた中から出てきたのは,給食の煮豆の神のボーボボ! …一体どの地方の土俗宗教なのかはよくわかんないんですけども(笑)実は枝豆のほうが好きという秘密を背負った神様です.
神の攻撃によってまたも3世を圧倒したボーボボ.人の理性を奪った罪を償えと,暴走するOVERとともにW黄金の一撃を3世にお見舞い! 傷ついた3世の顔の中からは,まるでメカのような真の顔が覗いております.

後半は弱いのかと思ったら結構強いもののやっぱりおもちゃにされる.前半のあらすじは戻ってきた…というか先にいた首領パッチおやびん・オンステージ.ヒップホッブな感じにあらすじを歌いきるわけですが,無駄に上手い.リズムに合わせてボーボボの台詞が入るところもぴったり.で,「これからオレッチ活躍の予感活躍の予感…」っておやびんが調子に乗ったらOVERからはさみでばっさり斬られ(笑)ついでに3世にまたも消されました.きっとうざかったんだろうね(苦笑).
ボーボボの煮豆の神にやられた3世はさすがに耐えられず通常空間へ.青の世界に入るまでは観客満載の立派なコロッセオだったはずが,アフロ黄金境の破壊力が現実に及んでしまったためにみじめな廃墟へと変化.ボーボボのハジケを誇るかのように巨大なアフロの石像があちこちに刺さり,石像の上に一足速くジュリアナな感じのおやびんが乗っております.
ボーボボの体から毛玉を取ることはあまりにも厳しいため,3世は今度はボーボボごと舌の魔術で丸呑み! 悪食にも程があると思うんですが,この体内旅行に無理やり首領パッチまで同行しちゃうもんだからもう大変.3世の腹の中すらも急なお泊り扱いのボーボボと首領パッチ.ろくに荷物も揃えないまま,でも写メだけは撮って(笑)吸収される2人.主役が食われるって結構大事のはずなんだけど,もう,悲壮感皆無(苦笑).
そんなお泊りさんたちを食ってしまった3世の体からは青いオーラが立ち上る.体内にボーボボごと毛玉を取り込んだことで溢れる,毛の力.この力で封印が解かれ忌まわしき人間の姿から開放される,っていかにもラスボスらしい変身を見せてくれるのかと思ったら,実際に封印を解き放って出てきた姿は…うわしょぼい(笑)! 例のお泊りコンビという不純物の効果があまりに大きすぎたようで,見た目はまさにファイティング苦学生.このあたり,変身直前までの緊迫感溢れる描写がシンプルながらも迫力満点.フリの部分をシリアスにやりきっているから,実際のオチのキレがより良いものになるんだよな.
3世は面白くなっちゃったんですが主役と真の主役が食われたことに変わりなく,ここですかさず調子に乗るのが横に暴力ツッコミのOVERが待ち構えている天の助.「あの二人は生きている」って言葉はもちろん口先のみ.邪魔者が消えたことによって天の助は新主人公をやる気満々.新番組,『テテテーテ・テーテテんの助』の主題歌はもちろんバカサバイバーでございます(笑).調子に乗りまくりの天の助は見た目のしょぼい3世に攻撃.でも3世はふつーに強くてあっさり返り討ち.…やっぱりリアクション芸人に番組の看板は荷が重い(苦笑)! 合間合間にちゃんとOVERとからんでいる天の助.彼の強みは増長とリアクション.狂戦士ゆえに呆れることがなくいつも律儀に攻撃してくれるOVERとのコンビネーションは,本人たちは認めたくないだろうけどやっぱり最高.
ファイティング苦学生は声も情けなくなっていて,置鮎氏の演技力もしっかり楽しめるわけですが,そんな楽しみを見出す余裕なんか絶対ないのがビュティさん.ここまで何度も目の前で超展開を見てきたものの,さすがに丸呑みはインパクトが凄かったようで大泣き.「お願い返事をして!」と必死で呼びかけたら…中にいた(笑).変形した3世の胸の窓から,カーテンに隠れて手を振っているボーボボと首領パッチ.本作ではこの展開こそお約束!
食われてしまって出られないボーボボたちは,仕方がないとそのまま3世の中で居住開始.他人の体内で,ボーボボママと首領パッチパパでベタなコントを開始するマイペースぶり.今日の夕食はかやく御飯ならぬロケット花火御飯.花火真拳奥義・星空キラめく晩ごはんが3世の腹の中で文字通り炸裂.火事とかパニックになるから,家の中で大量のロケット花火を打ち上げるのは絶対にやめよう(苦笑)!
いい感じに3世を内側から攻撃できたところで,ボーボボと首領パッチは本格的に脱出開始.首領パッチは巨大テーブルへと変形し,その上にボーボボが乗って大回転! 超強力奥義・トゲトゲ大車輪は巨大な竜巻を生み出して,その暴風は3世の口から噴出していきます.体内の竜巻の力でくるくると回転してしまう苦学生の3世.ろくに身動きが取れなくなった回転する3世のところに,どうしても目立ちたい天の助と倒したいOVERがやってきて完成,超極悪ハジケ奥義・青春のめくるめく輪舞!! …3世の口に入ってところてんの旗を掲げる天の助に.横から回転する3世を切り刻むOVER.内にはボーボボと首領パッチ,外には天の助とOVERという内憂外患を体現させられてしまった気の毒な3世は一人負け.で,残る4人の中で一番勝っているのは…たぶん天の助(笑).まさにやりたい放題だ!

ボーボボと首領パッチは脱出しがけの駄賃として鼻毛真拳超超超奥義・W歯医者を3世の口にお見舞い.今でこそ歯医者はそれほど痛くはなくなったものの,たぶんボーボボも首領パッチも麻酔は使ってくれないだろうから…怖い(苦笑)! 3世がどんな無茶な手を打ってきても,それを上回るハジケで退けてしまうボーボボは強い.毛玉を持つボーボボが口から出たことによって3世の変形もあっさり終了.「てめえに毛の力は荷が重い!」
さて予告,今回の時点で既に勝敗は見えているわけですが(笑)3世はまだ粘るつもり満々でなんだか気の毒.予告映像がいつもに増して滅茶苦茶なので,3世がどんな目に遭わされるのか大変楽しみ.そして!…し,新皇帝決定戦って…一体お前らどこまで行く気だ(笑)! 次回に続きます!

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ボボボーボ・ボーボボ#69

「お前が物理的にありえないとか言うなの巻」

ネオ毛狩りランドMAXでの最終決戦は,ついに起床したツルリーナ3世との激戦だ.尊大なる3世は次々に真紅の手品真拳で仕掛けてくるものの,ボーボボたちは攻撃を笑いで混ぜっ返した上に,奥義・百獣王拳で3世に反撃する.ボーボボが毛の王国の生き残りと知った3世は,ダーツの魔術で邪魔な連中を片づけにかかる.ボーボボたちの体についた数字は人気投票の順位であり,同時に3世が始末する順番だ.しかも6位になったボーボボが上位者の足を引っ張ってくれるから次々潰れていく1位から4位.しかし5位のビュティは戦場に咲く一輪の花.ボーボボはその身でビュティをかばい,仕掛けてきた3世に改めて怒る.首領パッチと破天荒を消してしまう魔術をつかいこなす3世だが,ボーボボは己のリミッターを外し,3世の奥義のネタを暴くために挑む!

長くてハジケた旅の中,また1つのクライマックスを迎えようとしている「ボーボボ」.ここまで様々な敵と対峙してきたボーボボたちですが,ラスボスには面白いタイプではなく怖いタイプが敵に回ることが多く,今回のツルリーナ3世も文句なしに怖いタイプ.しかも後半では怖い奴がもう1人増えやがる(苦笑).真の姿はセミレギュラーですが仮の姿は実にお久しぶりな狂戦士OVERが再び降臨! とはいえハジケバトルは力で勝つものではなく,場の空気をいかに奪うかが重要.どれほどの強敵であったとしても,ボーボボたちの繰り出すネタにノッてさらにツッコんだ瞬間に敗北が確定するのです.
さて,今回のアバンは3世が呼び出したインド象がらみの小ネタたち.首領パッチは曲芸ボールとなって踏まれ,天の助は「ほにゃかほにゃらほーい」と闘牛士コスプレで吹っ飛ばされる.最後のボーボボはレッド田楽マンを呼び出すもののそもそも使えないので漬物に.…アバンで話がまともに展開するわけないじゃないですか(笑).

前半.ついにはじまった雷鳴のラストバトル! 傍若無人なハジケの末に夏を届けたボーボボを笑う3世.「小さすぎて気付かなかったわ…」とかっこつけるシーンのはずがボーボボが本当に小さくなって混ぜっ返すから台無しだ(苦笑).おふざけに怒って杖を呼び出し「消えろ!」とボーボボに振りかぶる3世…と首領パッチと天の助! 主役ゆえにリアクションの得意でないボーボボが攻撃されるのは大変危険なので盟友である二人がフォローに入って面白くしたのか,あるいは真の敵であるボーボボにこの機に乗じて積年の恨みを晴らそうとしたのか…どう考えても後者だな.
しかしさすがは3世で,この程度のボケではリズムを崩すことはない.魔術の定番である鳩を使って上空から爆撃を仕掛ける3世.確かに鳩なんて今時ベタすぎるのは間違いないものの,実際は下品なネタとの融合になっているのが上手い.武器としての攻撃力の凄さ以上に,あんなもの絶対浴びたくはない.ただし3バカもものすごくマイペースなので(笑)3世の迫力にビビることなく3頭のライオンで反撃! リアルだかてきとーなんだかわからないライオンについて解説するビュティのふりした田楽の声の演技もなかなか素晴らしい.そして,シリアスとてきとーの合間を漂う奥義・百獣王拳の猛攻に「どっちだよ…」とツッコむビュティさんの孤独な呟きが最高だ!
ボーボボが毛の王国の生き残りだと知った3世はボーボボ以外の余計な面子を片付けると宣言.確かに仲間間で笑いを連携されちゃ3世だって攻撃の隙を掴みにくいので正しい判断.しかもそれを行うために人気投票を持ってくるところが侮れない.ダーツの魔術で一同に配布された数字は前回放送の人気投票の結果…ということにアニメではなっていて,「やってないよ」とビュティさんがツッコんでます(笑).原作では実際に人気投票をやって,その結果発表のときにこの話が描かれたんだよね.
まあ,そんなわけで主要メンバーに対する人気投票の結果にそれぞれに反応する一同.下位のソフトン・魚雷と主役の癖に6位のボーボボはがっくりしたり怒ったりとお約束リアクション.それに比べて破天荒やビュティやヘッポコ丸は無反応か驚くばかりで物足りない.3位の天の助や1位の首領パッチが見せるような尊大な態度もまたお約束どおりの良いリアクションだと思うんですが,「4」の不吉に怯える田楽は…リアクションとしては己の道を走りすぎじゃないか(苦笑).しかし!この順序は同時に3世が始末する順番だったもんだから立場がたちまち大逆転!
まずはダントツ1位であった首領パッチは,3世に襲われる危機が迫りながらも高慢.そこに乱入するボーボボが助け…るわけなんかない.順位のこともあるけれどそもそも「真の敵」なんだから.2位のヘッポコ丸も3位の天の助もボーボボの余計な助太刀にやられ,宿命を悟った田楽は勝手にご臨終.ああ,なんて華麗な3世とボーボボのコンビネーション! しかし5位はビュティさん.彼女は稀代のツッコミではありますがシリアスに攻撃してくる敵から身を守る術がない! あわててボーボボが飛び出すものの間に合わず…けれど絶対守る気合で奥義・アフターバーナーを発動! …見た目は確かにダサいけど,緊急事態の間に合わせなんだから勘弁してやってくれ(苦笑).3世のサービスに対しボーボボが盾となったおかげで戦場に咲く一輪の花(5位)は無事.確かに彼女がいなきゃ話がまともに回らないんだけど,やっぱり特別大切にされているよなぁ.
そんなわけでビュティさんに攻撃を仕掛けた3世に怒りを燃やすボーボボ…の前に,なぜか3世コスプレの上で真正面からぶつかりに行く首領パッチ! 人気投票は1位なのにおいしい部分はビュティさんとボーボボが持って行ってしまったので,本能的に目立つ場所に突進したんじゃないかと思うんですが(笑)「ドラ焼き拾えー!」と脅したら,奥義,布の魔術で助けに入った破天荒ごと消されてしまいましたとさ.ノリが良すぎるゆえに考えの足りない首領パッチ.最強の相棒を失ったボーボボは,みっともないリミッターを外して(苦笑)3世に挑みます.

後半は毛玉やはさみがいったりきたり.3世がわざわざボーボボ以外の者を先に片づけようとしたのは,毛の王国の者の中にあるという「毛玉」を狙ったため.さっきおやびんと一緒に消えたばかりの破天荒の中にも同じものがありそうなんですが気づかれなかったことは幸い.6位だけど一応主役だし,破天荒よりはボーボボの方が取りにくそうですからね.ボーボボは首領パッチたちを消した3世の技に対し「物理的にありえない」とか常識人ぽいことを言い出すわけですが,「お前が言うなよ」的なツッコミを食らう前に自主的に下半身から消えていくあたりが律儀だ(笑).その消えた足を補うのが天の助と田楽.「絶妙」な描写によってボーボボはケンタウルスに! …首領パッチたちが消えたのにもタネなんかないような気がしてくるため(苦笑)大変に不安です.
想像上の動物へと変化したボーボボに対し3世は急降下! そして神手(すりぬける手)で体内に手を潜りこませます! これは心霊治療は手品であるという原作者の密やかな主張なのだろうか(笑).3世の手が毛玉に届くかと思われたそのとき,ボーボボ改めケンタウルスはケンタウルスの矢を連発して防御.しかし3世も負けずに箱の魔術でボーボボを閉じ込めた上で剣で串刺し! …一見,互いに一歩も引かない激しい攻防に見えるものの,実は3世がややボーボボのノリに引きずられています.だって手品なら,串刺された箱の中身は無事に決まってるじゃないか(苦笑).案の定ボーボボは掃除道具入れとなってダメージ回避.奥義・悲しみの掃除当番によって掃除できない悲しみまでも醸し出します.しかし,さすがは3世で露骨にツッコンではこない.場の主導権の取り合いは,まだまだ続きます.
3世のワイヤーに縛られてまたも毛玉を取られそうになるボーボボ.しかし,そこで割ってはいるのが3バカの一角,盟友天の助! ついさっき3世と一緒にボーボボをやっつけかかったことでもおなじみ! そしてところてんなので,その体は盾にはなりません!…「てへ」じゃねえよ(苦笑).しかし毛玉は間一髪で体外へ自主的に避難.さすがはボーボボの一部だけのことはあり,常識ぶっ壊しまくりです.気になるのは戻ってきた毛玉が収納されたときにいかにも割れたっぽい音がしていることなんですが…まあ,ボーボボだから大丈夫だろ(笑).3世のシリアスな奥義・ナイフの魔術をボーボボは奥義・美尻ディフェンスでふざけて防ぐ.深刻な攻撃も面白くすることで見事にしのぐボーボボの雄姿に反応したのが魚雷さん(8位).「おふざけわん! 許さなーい!」といつもと違うアレンジが炸裂した上に,あのOVERに戻ってしまいます!
人気投票ではブービーにされた上に目の前で6位がふざけまくっているのが余程気に食わなかったのか,魚雷ガールはその真の姿から仮の姿のOVERへと久々に回帰.ボケ殺しの魚雷さんは敵がボケだと恐ろしい戦力となるわけですが,ボーボボがボケまくる現状だとむしろ同士討ちの可能性を高めるのみ.ゆえにシリアスな攻撃を得意とするOVERに変化したのかもしれませんが,根本的にOVERはボーボボの敵だからなぁ….OVER登場の傍らでエキサイトするのが実況のバトルマニアヘッポコ丸.わざわざ彼が知らないふりをするのは初見の観客にわかりやすく状況を伝えるためなので,解説のビュティさんはつっこまないであげてください(笑).
おっかない3世とOVERの間でサバイバルすることになったボーボボとリアクションの鉄人・天の助.魚雷さんの欠片もないOVERに対し必死で共闘を持ちかけるものの,非情なるOVERが一時でもボーボボたちと組むわけもない.しかし3世からすればOVERは余分なゴミであり,OVERも自分をゴミ扱いする3世を許せるはずがない! OVERを仲間に引き込むためのボーボボたちのコスプレ作戦は当然のように失敗し,戦いは激しい三つ巴に! …あのコスプレに騙されて一緒に戦うほど,OVERはハジケちゃいない.

ツルリーナ3世,OVER,そしてボーボボと急速に漢度と闘気が高まる戦場のはずが,若干1名レンタルビデオを返却し忘れたり毛を植えたり.肉体的な強さでは明らかに残る2人に劣るボーボボは,天の助のリアクションにノリつつ狂戦士どもの攻撃をひたすらに回避.「奥義!」「ギャー!」「奥義!」「ギャー!」と直接のダメージは天の助に引き受けてもらいつつ避けまくる中,ついにきっかけを掴みます.OVERの得物である巨大な鋏を勝手につかみ,直接攻撃の機会を手にしてしまうボーボボ.「奥義? 奥義? ギャー」とか一人でもだえてみたあとで,「いっちゃえー!」とOVERの鋏で3世攻撃にいっちゃったー!
主役ゆえに打たれ弱いボーボボにとっては敗北と紙一重のこの戦場.しかし当代のキングオブハジケリストは,OVERから譲り受けた友情の鋏(笑)でついに攻勢に出ます! この過酷な戦場で最終的に勝ち残るのは一体誰か.予告では3世がボーボボを食ってるんですが,それは悪食にも程があるぞ! まだまだハジケる次回に続きます!

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ボボボーボ・ボーボボ#68

「17巻の伏線ついに登場!の巻」

おでんデスマッチ,強敵・ハンペンとの戦いはついにクライマックスへ.食王の座をかけた勝負に執念を燃やす天の助とボーボボの合体から生まれた天ボボは,その美しい姿と平和を愛する物言いからは想像もつかないほどの超武闘派.争い事が嫌いと口では言っておきながら,ハンペンの顔を吹っ飛ばすわ体にぬを刻み込むわとやりたい放題.自分勝手に質問し,ハンペンの回答がどうであっても凶悪な攻撃を食らわせるその姿はまさに美しき凶獣.質問の中でハンペンの真意を引き出した上に容赦なく決め技をお見舞いし,どさくさにまぎれて天の助は食王の座を手にいれた.

3世世代編もついに佳境の「ボーボボ」.見た目のインパクトと溢れる迫力でここまでボーボボたちの猛攻に耐えてきたハンペンもついに敗北の時を迎えます.前回終盤まで食バトルでありながらも参加を許されなかった天の助とボーボボの融合が生み出した,実に激しい正義の味方(笑)が最高の見所.口では平和的に解決しようと言いながらも手には立派な武器を握り締めているヒーローというのは他作どころか現実の国際問題でも見受けられるわけですが,それってぶっちゃけどう?という深刻な問いを視聴者に問いかける問題作のようなそうでもないような.争いは言葉で解決するほうがいいよなぁと見る側にしみじみ感じさせる含蓄の深い回なのかもしれません.そして後半は,…声優という名の新たな挑戦者あるいは犠牲者が登場(苦笑)!
アバンは森を歩むビュティさんとヘッポコ丸.迷子にならないように天の助をまきながらここまで来たへっくんの友達扱いの乱暴さが豪快.首領パッチ鳥にはまずいとキレられるわボーボボネズミにはゴミ扱いされるわと今日の天の助はとびきり不幸.三つ巴の乱闘しながら池に落ちた3バカは,池の精霊である金色のウン…ソフトンによって金色の3バカに交換されるのでありました.

前半は最凶の男現る.おでんデスマッチは友情協力攻撃こそなかったものの(笑)次第にボーボボ組が押しはじめていたわけですが,ハンペンという強敵の退場を飾るためについに現れたボーボボと天の助の融合体こそが天ボボ.争いは嫌いだと訴えるこの少年,半分はボーボボで出来ているためにとんでもなく凶悪.電話帳を2つに破って「争いを好まないんだー!」って言ってることとやってることが…(苦笑).話し合いで解決すると言っておきながらハンペンの顔を吹っ飛ばす天ボボ.嫌な平和主義者だなぁおい.罪と罰(ゴッドスラッシャー)でハンペンの耳?をふっ飛ばしても練り物が欠けただけなので無編集で放映可能.さすがは食品.無謀なリアクション映えする肉体です.
争いが嫌いな割に行動に容赦の欠片もない天ボボ.口は天の助で行動はボーボボの担当だったりするのかな.平和主義者で人を傷つけることなんてできないよと言いながらも,ハンペンに凄まじい攻撃を加える凶悪なる天ボボ.その2面性はあっという間に場の空気を支配してしまいます.そんな天ボボを「気にいらね」と切り捨てるのが首領パッチおやびん.勢いで笑わせるベテランハジケリストからすれば,あまりにも陰惨な天ボボの暴力ネタは下品で好ましくないと考えているのだろうか.
とはいえ暴力ネタってのはわかりやすいがゆえに強力.しかも相手は最強レベルのハンペンなので弱いものいじめでもないってのが絶妙.「この1分間は,争いのない時間を過ごしたいな!」とにっこり微笑む地獄の使者に「無理だよあなたのせいで!」と律義にツッコむビュティさん(笑).「なぜ人を傷つけ戦うのか」と天ボボに聞かれ,「力を知らしめるために戦うのだ」と答える真面目なハンペン.もちろん天ボボはそんな回答を許さない! 相手が食物なのをいいことに剣で一閃,ちくわを一口サイズに切り捨てても練り物なので無修正でOK! ずるいなあ(笑).
敵のダメージに向かって「あなたの考えが傷つけた」と見事な責任転嫁ぶりを見せる天ボボ.彼の勝手に考えた平和願望7条約に反したんだから仕方がない,と自分勝手な理論の展開を止めない天ボボは.平和に関する残り6つの質問を勝手に進行.回答が適切でないときの罰があまりにも厳しすぎるのは,バラエティの1コーナーとしては至極適切.でも,回答はどこか真実だったりするので侮れない!
まずは「争いをなくすために何をするべきですか?」ここまでやられてまだ天ボボをなめていたハンペンは「争いなど起こるだけ起こればいい」と我を通してしまってもちろん不正解.確かに恐ろしい考えではあるんですが,行動自体がヤバいほうが絶対危険だと思うんですがどうか(笑).
あまりに強い天ボボを適当な回答でやりすごすことにしたハンペン.もちろんそんな迎合を選んだ時点で,彼は食物連鎖の頂点から転がり落ちていきます.「平和をもたらすのに一番大切なのは?」,「愛」はそれっぽく聞こえはするんですが,現実には愛で戦争が止まった例はない.「それだけじゃ解決しないんだー!」ってハンペンの顔をパンチでぶち抜いた天ボボの正解は「金」…笑い抜きにして実際そうだから現実って悲しいな(苦笑).「戦いを回避するには?」…ハンペンにとってはまさに今がその状況なんですが,考えがまとまる前に天ボボが元気玉風のものを準備してやがります.戦いを避けるには迅速な行動は必須.さらにどれだけ逃げようとしても逃げられない戦いがあるのだという厳しい現実!
続く問いは「………」天ボボの声が出ていない(苦笑)! 場を支配した天ボボにハンペンが聞き返す時間はなく,仕方なく「フロリダ?」と答えてみたら叱られるというこの不条理な世界.何を答えたとしても同じ結果が待っているのは間違いないわけですが,「愛」とは答えないハンペンの笑いに対する態度が素晴らしい(笑).そして「人を守る意義とは何か」.ハンペンの回答は「ひたすら愛!」…けれど,ハンペンの必死ぶりをナチュラルに無視したあげく「守る意義は人それぞれ!」とあんまりな模範解答.現実は確かにそうなんだけども,お前はフィクションじゃないのか(苦笑)?
そしてラスト.「あなたはなぜそんなに悲しい目をしているのですか?」たぶん主に天ボボにひどい目に遭わされたせいだと思うんですが(笑)ハンペンはなぜか過去語りへと突入.食われるべきハンペンを襲った流転の運命.偶然のいたずらによって弱肉強食の世界に揉まれること5年,彼は食物連鎖の頂点に君臨しいつの間にか体まで手に入れたのでありました.けれど,彼もまた一介の食物として,食われて消えることに対する憧憬は奥深く残っていたようです…偶然によって生かされたことは幸運だったのか,それとも不運だったのか.天ボボに鼻毛真拳奥義・ピースフル・レジェンド-争いのない世界-を食らっているので不運だったという結論でいいですか(苦笑)?
ついにハンペン完全敗北! その功績の半分を担った天の助は食王のベルトをどさくさにまぎれて手にできてよかったね.クライマックスでおいしいところのなかった首領パッチはすね,おでんがくは敵の領地でありながらも大人気.…残るはただ一人!

後半に入る前,いつもの占いを食王天の助がジャック.「番組の最後ぬ!」って意味わからん(苦笑).荒れ狂うハンペンを優しさで包み込んだ天ボボ…という嘘あらすじのおふざけに怒った魚雷が魚雷承で暴れるので,ソフトンを持ち出したら先生はなぜかしゃちほこに.やり直されたあらすじはやる気皆無のいたずら書きにナレーターの適当な説明で,首領パッチおやびん含めて全員やる気なし.「みんなやっつけ仕事だ!」というビュティさんの叫びだけが空しく響きます(笑).
天ボボの大暴れによって実に刺激的な展開を見せたハンペン戦を勝利で飾り,再び集うボーボボ組の面々.あの魚雷先生との補習授業から生きて戻ってくることができたヘッポコ丸.もちろん「なぜなら僕は魚雷だから!」って精神的には全然大丈夫じゃない(苦笑).熟女に毒されてぶっ壊れた彼を元に戻すべくビュティさんはビンタをかまし,その鮮烈な刺激によってへっくんは意識を回復したのでありました.ちなみに魚雷さんは大好きな人のために他の隊長どもを倒してまとめてプレゼント.彼女の強さは相変わらず反則レベルです.
最終決戦を前に集結したボーボボ組,組体操するにはかなり人数が足りないけども(苦笑)たった1人を倒すには十分すぎる戦力の次なるターゲットは…落雷とともに目覚めるはずのツルリーナ3世! ラスボス戦ということで否応なしに盛り上がるこの状況で,主役がいきなりやりだすことがさすがは本作.「目覚める前にぶっ潰す!」というボーボボの気持ちのいい卑怯ぶりが大好きだ(笑)! 敵が復活するのを呆然と眺めているような無能ぶりはハジケリストには相応しくない.魚雷さんやフラダンスで軽くウォーミングアップしたあと,ボーボボたちは集団で卑怯極まりない作戦を開始します.いやぁ本当に現実的だなぁこいつら(苦笑)!
3世が眠る棺から噴出する恐ろしいプレッシャー.眠る悪魔の扉が今まさに開かれる…って緊迫感溢れるシーンのはずがボーボボときたら開きかかった蓋を閉めた上,そのまま縛ってなかったことにしやがった(笑)! 中身が入ったままの棺を階段から蹴り落とす容赦のない非道ぶり.宣言の通りに目覚める前に殺る気満々! しかもここで誰もボーボボを止めないどころか全力で手を貸しにいく仲間達もやっぱり素敵に卑怯.ゾウ使いの首領パッチは上から棺を踏んでぶん投げて,破天荒・ソフトン・ヘッポコ丸の3人による攻撃ラッシュの滅殺が炸裂.さらに天の助は棺に犬の顔を書いて「散歩だコラいい天気だコラ!」と見事すぎる血迷いぶり(笑)! 魚雷先生のソフトンLOVE祈祷も一見血迷いに見えるわけですが,この思い届けとラストではきっちりぶん投げるあたりが素晴らしい.実に豪華な連携のラストを飾るのは,ボーボボと首領パッチのゴールデンコンビによる撞木アタック! 「全てが終わった!」 ラスボスを登場前に潰すというアニメ史上初の試みで勝利宣言を出すボーボボ…しかし,そもそも本作のラスボスがこの程度でやられるわけもないのです.
棺の中はがらんどう.空からは不思議なはてなの箱が鳩を出しつつ落下.箱の中から出てきたのは…無傷のツルリーナ3世! 技として手品を使いこなす彼にとって棺からの脱出など造作もないこと.目覚めて早速真紅の手品(レッド・マジック)真拳・トランプオーディエンスでトランプの姿の無数の僕を生み出し,そのまま自分の復活祭を開始.…簡単に町を消してみせる手品真拳の腕よりも,あれだけ暴れていたボーボボたちを完全無視できる精神のほうが恐ろしい!

ついに始まった3世世代編最終戦.冷静な王にボーボボがお届けするのはすいかと夏とそして笑い.一連のおふざけはあくまでも軽いくすぐり.たとえ敵がどれほどの力を持っていようとも,この世界を動かすのはあくまでも「笑い」.どんな凶悪な手品も笑いには決してかなわないはず.ちなみにあらかじめ敗北を約束されている3世の声は置鮎龍太郎氏…17巻のアレはやはりこの伏線か(笑)! この過酷な戦場で置鮎氏はその持ち味を出し切ることはできるのか.次回に続きます!

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