桜蘭高校ホスト部#26

「醒めないで華やかな夢の巻」

公開営業で保護者の皆様に楽しんでいただき,自分たちも最高に楽しむはずだった学園祭.しかし環は祖母が連れて来たエクレールのため,ホスト部に戻ることができなくなってしまった.環をホスト部から引き剥がすためならばあらゆる手段を取るエクレールは,ハルヒの借金を返し環の携帯を水槽に沈める.環自身も,自分の母を須王の家から許してもらうためならば,ただでも部員達に迷惑をかけているホスト部を続けるつもりもない.…けれど仲間たちは皆,このバカなホスト部とバカな環のことが好きだった.この部を続けるためならば,どんな妨害も越えて真っ直ぐに彼へと走っていく!

抜群の品質のままとうとう最後まで走りきり,文句なしに傑作としての評価を手にすることになった「ホスト部」.終わってみれば敷居が高かったのはタイトルだけで,それ以外は全ての面で万人受けする作品というのも深夜帯では滅多にないんじゃないかと思います.
もっと適当に手を抜くことも,あるいはもっと下品に暴走させることも可能だったこの作品を,ゴールデンタイムの放映にすら耐えられる健全な娯楽作品に仕上げてしまったのは,間違いなく生真面目な五十嵐監督神の節制の賜物.作品のオリジナリティを表面的な形式ではなく容赦ないまでの質の高さで示すというのは,そう滅多にできることじゃありません.…原作や原案が既についていて,あとはエピソードに集中すればいいときの五十嵐監督神は本当に最高だ!

前半.前夜祭の夕方,部に走った大激震で朝食が喉を通らなくなっても,それでも本祭はやってくる.エクレール嬢にいきなり殿を持っていかれながらも,午後3時の中央棟サロンでは一般公開営業が続けられておりますが…そこに再びやってきたのが雷鳴の如きエクレール嬢.オペラグラスの向こうから鏡夜に嫌みをぶつけてみたりと本日も敵意満載です.しかも彼女の今日の狙いは誰あろうハルヒさん.ホスト部の機密にすら通じている彼女は,環の執心の中心を除いてしまおうとするのです.
青い瞳の美しいエクレール嬢に指名されたハルヒ.演技が苦手な大根役者が,部を壊そうとするエクレールに愛想のよい接客などできるはずもなく,かわいがられてたみたいねと過去形で挑発されたら「焼きもちですか」と対抗.女性同士の鍔迫り合いは火花散り,「環は来ないわよ」とエクレールが宣言したって,ハルヒは怖じ気もなく大きな瞳で射すくめるように彼女を見るばかり.欠片だって納得も諦めもできないのです.
環が作ったホスト部が気に入っている仲間達にとっては,環の解散宣言や不在は到底納得できるものではなく,…けれどここに至ってもクールな鏡夜は,「ホスト部を楽しみに来てくれたお客様に,出来る限りのおもてなしをする.それが今一番大切なことだ」と一同を散らせます.実は今彼自身も相当大変なことになってるんですが,そこは一切表に出さないのがとても彼らしい.
そう.鏡夜のポーカーフェイスは本当に筋金入りで,エクレール嬢との激しい戦いを終えたハルヒに,今の接客で借金が消えたと宣言するときすら平静.彼女の支払いでノルマを達成したから借金なし.「もういつでもホストをやめていいんだぞ」と,よりによってこんなときに突き放す.ハルヒがこの部に席を置く意義は借金.その鎖は今断ち切られたわけですが…いきなり自由に歩けるようになっても,行くべき方向がわからない.
けれど,たとえ戸惑っても混乱しても彼女はやはり藤岡ハルヒで,真っすぐだから誤りを受け入れることはできません.またもやってきた鏡夜の父が「価値のないことで,時間を無駄にするんじゃない」と自分の息子をなじるのを見て,ハルヒは自分を思い出します.本来は勉学のために入ったこの学校.けれどあのくだらない日々は本当に無駄だったのか?
ざっくりとした彼女が考えた娯楽産業に対する1つの考察.それは同時に,作り手のエンターテイメントに対する真摯な意見そのもの.「皆を楽しませることによって,自分たちも豊かな気持ちになります.皆を楽しませることは,そんなに価値のないことなんですか」.…たとえ最初は強制的に引き込まれたのだとしても今はそう信じるに至り,だからこそ迷いもなく「鏡夜先輩は立派だと思います」と堂々とそれを宣言し,あのポーカーフェイスを驚かせるわけです.
さてその頃,娯楽の権化である環を愛する父は,自分の大事な孫に刺客を送り込んだ祖母と語り合っておりました.グラントネールとの姻戚関係は祖母の勝手なごり押しで,しかも「あの子は須王の家に逆らったりできない」と居丈高.けれど父が息子を見る限り,環は須王の家に興味なんかなかった.実際に中等部の頃から,須王の後継者の地位は環の前にある無数の選択肢の1つに過ぎず,何の強制力もなかったはず.
けれど環が今回祖母に従ったのは,エクレール嬢と婚約すれば母親と会わせてやってもいいと言ったから.自身の孫やその母を駒扱いするひどいことをさらりと言って,その上で「お前の人生の不始末を,お前の息子に償わせてるだけです」と間接的に,しかし手酷く息子に当たる祖母.彼女の行動はあまりにも大人気なくて…なぜ彼女はここまで曲がってしまったんだろう.
これまでの午後3時は,環が王でいられた素晴らしい夢の時間.けれど今日の午後3時はエクレール嬢こそが女王.哀れな王にピアノを弾かせて閉じ込めて,「未練が残るでしょ」と仲間と彼を繋ぐ携帯を水に沈める.そこまで徹底した上に事を急ぐのは,彼女を射抜くように見たハルヒに脅威を感じたからに違いない.「恋人じゃありませんが,関係ない人なんかじゃありません」と言い切ったハルヒ.恋人ならばまだ簡単.恋は互いの心が必要だから,環さえ切り離せばいずれは消えてしまう.けれど,片方からの一方的な思いで結ばれる関係を切ることはひどく難しい….
閉じ込める彼女と閉じ込められた彼のところに鏡夜の父がやってきたので,「鏡夜をホスト部に誘ったのは俺です」と早速謝罪し,閉じ込められても切り離されても依然ホスト部部長としての責任を果たす環.その心はちっともホスト部から離れていないので,エクレールは鏡夜の父の弱みを使ってもう一押しを画策します.グラントネールからの買収のの淵にある鳳の医療機器会社.それは鏡夜に譲られるかもしれなかった会社で…ってことは,鏡夜は既に中等部の頃欲しくてたまらなかった,後継者候補としての地位を手に入れていたのか.
物語が大きく動き出すのは午後3時をとうに過ぎた夕方.今日が最後の活動になるかもしれないけれど,ホスト部はパレードの準備に余念なし.中でもハルヒさんは豪華なドレスで…これは女装? それとも本来の姿? でもここまでやっちゃうとさすがにバレるんじゃないかなぁ(苦笑).環がやりたがっていたイベントだからこそ,鏡夜は彼の携帯に連絡するも返事なし.けれど諦めずに須王第二邸に電話をかけたのは素晴らしい判断!
環の味方であるシマさんは,彼が急にフランスに発つことになったことをすぐに教えてくれました.とことんバカで純真で,他人の幸せのために本気で動いてきた環.例に漏れず今回の行動も人を幸せにするための行動のつもりなんですが…これがもし母を幸せにするという理由だけなら,仲間は黙って見送るしかなかったかもしれない.けれどもう1つの理由が大間違い! 桜蘭にいても自分のわがままで仲間に迷惑をかけるだけという環の思い込みに「あのバカが!」と嘆じる鏡夜.奴は純真で心優しく楽しい奴なんですが…本当にバカだったのです.
このままでは環はフランスに行ってしまう.それは終わらないはずだったホスト部の夢の世界の終焉だから,全員が驚き悲しみ憤ります.しかもバカがフランスに行く理由の半分は勘違い.そして残りの半分についても,きっと彼の母はそれを喜ばないだろうと予測が可能.…これまでは皆と一緒にいたからすぐに誤りを直してもらえたものの,今のように一人きり切り離されたらやっぱり間違いまくるバカ.ホスト部に王が必要なのと同じくらい,バカにも賢い仲間は必要なのです.
夕暮れの午後5時半.桜蘭祭が終わるのと同時に旅立つという環.まさに今赤いオープンカーでフランスへと連れ去られる彼の姿が….このまま去られたら全ての夢の終わり.けれど,今ならばまだ追いつけるかもしれない! 「行くぞ!」という声にはっとするハルヒ.ホスト部の一員として,彼女には可愛らしい格好で呆然と座っている暇などないから…終わりへと向かう疾走がはじまります!

後半.時計は5時45分を過ぎて日没も間近.環に追いつくために鏡夜たちは駐車場の車に寄るわけですが,そこには既にエクレール嬢の手が回っておりました.これまでは鏡夜の手駒としておなじみだった鳳のプライベートポリスが今回は敵に回るわけですがしかし!ホスト部の人材の凄さを舐めちゃいけない(笑).軍すら壊滅させるという埴之塚とそれに付き従う実力者の銛之塚.反則レベルで強いこの二人をプライベートポリス程度が止められるはずがない!
3年生たちが時間を稼いでくれる間に,1年生たちは今日のパレード用の馬車で環を追いかけることに.急激に変わる状況に流されるままのハルヒを連れて,双子は環の残した馬車を駆ります.…「あのバカを頼む」と伝言してハルヒの背中を押した鏡夜.自分は同行せずに任せるあたり,ハルヒさんなら環のことをきっと連れ戻してくれると信頼しているんでしょうね.
大暴れの先輩方を置き去りにして飛び出していく馬車.「ちゃんと手加減しろよ!」と吼えるハニー先輩は大変に男らしく(笑)直後に武装したプライベートポリスをあっさり沈静化する凄い実力と合わせて,武門の名家である埴之塚の後継者に相応しい.一時はその立場と自分のキャラのギャップに苦しんだ彼ですが,自然体の日々の中で彼なりの男らしさが見えてきたようです.…「桜蘭ホスト部をなめるなよ,お前ら」と爽やかな鏡夜.この部を一番誇りに思っているのは,この部を知り尽くしている彼かもしれません.
環を追って日没の桜蘭を疾走する馬車.光は殿を取り戻すため,無茶を承知で飛ばします! 彼らにとって,殿は二人きりで孤独な世界の扉を開いてくれた大恩人.あのとき殿が意地悪で排他的な双子にとことん喰らいついてくれたからこそ,今の楽しい日々があるのです.もしホスト部がなかったら,自分たち以外の人間と触れ合うこともなかったし,二人を見分ける奇跡に出会うこともなかったはずで…「そのホスト部が,こんないきなり終わっちゃうなんて! 僕は絶対嫌だ!」…今やそれぞれ別の道を歩き始めた双子にとって,ホスト部は当初の役目を終えつつあるわけですが,それとこれとは話が別!
けれど逸る気持ちは行き過ぎて,馬を跳ねさせ御者を馬車から落としてしまう.夜の夢を走る馬車は魔法が解ければかぼちゃに戻る.かぼちゃ畑の真ん中で夢は破れかけで泥だらけ.けれど即席の御者が動けなくなってしまっては,もはや夢は追うこともできないのか? 「僕達,本当にこんな風に終わっちゃうのか? 殿…」…かけがえのない大切なものを見失ってもはや戻らない.そんな悲しみをハルヒはとてもよく知っている.
食事が喉を通らなくなるくらい,大切なものを失うことは辛い.今朝父に心配されたときから,喪失の苦しみにハルヒの体は正直に反応していました.母を失うのに似た痛みに静かにもがく娘のことを,父はこう言って励まします.世の中には,頑張ってもどうにもならないことは一杯あるけれど…「だからこそ,頑張らなきゃいけないときは,躊躇ったりしちゃだめなのよ」…頑張ってどうにかなるのなら,自分が何者だろうと頑張らねばならない時がある!
そもそも本作の主人公は,豪華な衣装を身に纏って状況に流されるようなヤワな奴じゃない.何でもできる腕とどこにでも行ける足を持つ真っ直ぐに自立した人間.己のやるべきことに気づいたハルヒは,吹いて来た風の中,厳しい顔で長髪のカツラを取り,動きにくいドレスも脱ぎ捨てます.短い髪の,飾り気のないシンプルなペチコートを着た,細い体の少女は馬車の手綱を握る.それがどれほど怖くても,求めて走らねばならない時が来た!
流れ出すエンディングテーマの「疾走」.その曲の勢いに乗って,双子を置き去りにして一人馬車を駆り爆走するハルヒ! ショートカットを駆け抜ける彼女の前には夕暮れの海と道.海岸沿いの道を走る車の中には,この状況でもなお「会ったばかりの男と婚約するだなんて,本当に平気なのか」とエクレール嬢を心配する凄いバカの姿が! ハルヒの馬車はさらにスピードを上げ,道へと飛び出しなおも追う.背後から凛々しく迫る彼女は何も恐れない.環に馬車を止めろと言われてももう止まらない! 「先輩,戻ってきてください!」
走る道は橋の上へ.美しい夕景や同乗者の存在などそっちのけにしてオープンカーと馬車の間で交わされるバカと彼女の会話.託されて走ってきた彼女が伝える仲間の気持ちは…「みんな先輩に行ってほしくないんです!」「けど,皆ホスト部で,迷惑してるって…」「先輩はほんとにバカです! 大馬鹿です! こんなに長く付き合っていて,冗談か本気かもわからないんですか!」
…バカは本当にバカだから,言われなければ気づかない.けれど彼を動かしてきた動機の半分が存在しないことは間違いないことがここでわかって,置いてきたはずの夢が急激に環を引き戻しはじめます.しかもハルヒまで「自分も,ホスト部が好きです!」と叫んで手を差し伸べる.…環が作ったホスト部は彼の分身のようなもの.それを好きと言われる誘惑にぐらつかない奴などいない.車には母の幸せがあり馬車には仲間との喜びがあって,引きずられる環は馬車へと手を伸ばし…その手をすがる目で止めるエクレール.その選択が一人の女性を不幸にすると彼女は強く信じていて…

手を伸ばしてくれていたハルヒはついにバランスを崩し,海へと落ちる.

環を手に入れるため全てを尽くしたわけですが,ハルヒに命までかけられてはもはやエクレールにも止めることはできない.彼女なりに彼とその母のためになると信じたからこそ,エクレールの目からこぼれる涙.環は笑って言い残し,選んだものに向かって飛ぶ! …ハルヒを呼ぶ彼の声はいつもと変わりなく,環を呼ぶ彼女の声は確かに少女のもの.赤い空の中,取り戻しに来た彼女は守るべき娘なんかよりずっと力強くて,けれど抱きしめたいもので…きっと環は,はじめて自分が恋に落ちていたことに気づくのだ.
白い二人は一緒になって海へと落下.そして,ずぶ濡れの1話に戻ります.ハルヒが環を認めたのは,困っていた自分を純粋な善意で助けてくれた1話のあの時なのです.無茶をした彼女を抱いて岸へと近づく環.けれどハルヒはびしょ濡れも気にせずに,「いいじゃないですか.水も滴るいい男って,言うでしょ?」とあの時の言葉をそのまま返す.結局夢は醒めずに続行決定.バカはバカのまま,仲間はいつも一緒で…彼女は誰よりも男前.
ハルヒたちが取り戻してしまったら,エクレールは去るしかありません.彼女がここまでえげつなかったのは,家政婦にピアノを弾いてくれた息子のことを聞かされていたから.確かに彼は話のとおりに優しくて,がんじがらめに縛りつけたエクレールに向かい「ありがとう」と言い残したバカな奴.…それでも彼女の身を案じて笑った環は,最後まで花咲くような最高のもてなしを貫いたのです.

桜蘭祭のラストを飾る夜のダンスパーティ.その裏側では,鳳家の買収問題の顛末が環の父と鏡夜の父の間で語られていました.突如別のファンドマネージャーが登場し鳳の会社を先に買収.その上で経営権を鳳家に譲ると提案してきたため,グラントネールは敵対的買収に失敗し手を引くことに.もちろんファンドマネージャーは彼の息子である鳳鏡夜! …ホスト部で儲けた分を投資で順調に増やしてやがったんですね(笑).
自分の親の会社を買収してしまうほどに優秀な鳳鏡夜と,そんな優秀な鏡夜の心を,一度手にした会社を親に突き返させるように変えてしまった須王環.幼い頃からちらつかされてきたエサをいらないと突き返したのは…「あいつは見つけたんですよ.それ以上に価値のあるものを…恐らくは,環君のおかげで」
ダンスパーティではハルヒさんがペチコート姿のまま,ホスト部の皆を相手にくるくると踊っております.もの凄くバレそうなんですが(笑)そこはフィクション,皆素晴らしい女装だと信じ込んでいるに違いない.環がダンスを求めたところ,なぜか鏡夜がひょいとさらっていって環はすっかりおかんむり.けれどしばらく踊ったあとで,きちんと鏡夜は環に渡します.…そしてはじまる主役二人の麗しいダンス.ホスト部の仲間たちを変えた環を変えたのは唯一ハルヒのみ.だから彼女は誰よりも凄いのです.
エクレールという雷すら越えた藤岡ハルヒ,須王家と鳳家の両家が認め,それぞれ自分の息子の妻にしたいと強く希望するほどの眩い才能.ごく普通のざっくりとした庶民だった彼女は26話の間に日本や世界を揺り動かすほどの存在へと化けたわけですが…この物語はあくまでも幸せで華やかな夢の話.夢の中ならこの程度の常識外れは可愛いものでしょう. …そして,人を喜ばせる華麗なる遊戯,終わらない夢は醒めることなく,どこまでも続いていくのです.

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桜蘭高校ホスト部#25

「夢覚ます現実の声の巻」

桜蘭祭は学校全体が浮き立つ年に1度の大イベント.将来のリーダー候補たちがふんだんに資金を投入し,設営の実作業は業者に行わせて生徒はその指示に専念するのだ.ホスト部は中央塔サロンで父兄や来賓の皆様に対し一般公開営業を行い.さらにフランスからはクラシック馬車を空輸して派手にパレードまで行う予定.普段以上に華々しくかつ値の張る環のわがままは,さすがの鏡夜も音を上げるほどだ.
ホスト部公開営業は,いつも以上にネコをかぶった接客によって大盛況.そんな客に混じって彼らの父兄もやってくる.この学校の理事長であり環の父である須王譲はハルヒを指名.鏡夜の父は私に恥をかかせるつもりかと息子の頬を叩く.そして,見慣れぬ令嬢を連れてきた環の祖母は,令嬢を学祭期間中エスコートするように環に命じ,環はそれを微笑んで受け入れた.

原作のポテンシャルを十二分に生かした素晴らしい映像と演出で,ここまで愉快なダンスを踊ってきた「ホスト部」もついにフィナーレへ! 物語をきっちりと閉じるため,最後はらしくないシリアスな雰囲気で彼らの現在を描きます.2年前にフランスからやってきた環のくだらない思いつきをそのくだらなさに惚れこんだ鏡夜が補佐し,これと見込んだ4人の仲間をさらに集めて誕生したホスト部.愉快な日々を1年ほど続けたところで入学してきたのが特待生のハルヒさん.少年に見えて実は少女であった彼女は割った壷の代金を支払うためにホスト部で男と偽って働くことになり,常識はずれで不本意な部活動の中で彼女は仲間たちの様々な顔を知っていき…そして現在.
本来は勉学に励まねばならないハルヒさんは,成り行きで嫌々ながらもこの部で活動することになったわけですが,やたらと良い彼女の目に映った同級生や先輩たちの姿は…問題は多々あるものの(笑)決して悪くはなくて,一見不可思議に見える行動の中にも稀にまともな理由が混ざっていることを知ったところではじまるのが,2話連続の最後のエピソード.過去にそれぞれイメージやら扉やら枠やらを意図して越えて集ったホスト部の中では,入部理由が成り行きなハルヒさんは異質.そんな彼女が等質であるかどうかを確認するのが,このエピソードの最終的な目的となります.

前半.歴史ある桜蘭の学校祭は実に豪勢.普段から十二分に常識離れしているこの学校ですが,祭りとなればレベルが違う.しかも金持ち学校ゆえに,業者使いまくって企画をやるあたりが凄まじい.そこに使われる金については…やっぱし各自で持ち出している上に,上限も存在しないんだろうなぁ(苦笑).将来のリーダー候補であるからこそ,学祭くらいは手作りで下っ端で努力で忍耐で協力で感動で…という普通の奴を体験させてやればいいのに(笑).
学内のみならずその父兄にまで,生徒たちの実力をアピールする場であるこの学祭.ホスト部の企画は公開営業とスペシャルパレードなので,素敵な馬車に乗って光や殿たちが麗しくご登場.…御者の練習している光と,業者に指示を与えて場をさばく馨.「双子だって趣味や特技は違ってくるさ!」とあっさり差異を表明するあたりが成長の証.そっくりであることが最大の個性でであった2人ですが,もはやそれに頼る必要もなくなってきているみたいですね.
明日は中世フランス風に着飾ってパレード.しかもハルヒには度派手な衣装も用意してあるとというお祭り騒ぎ! そのはじまりには,「学院の歴史に残る,桜蘭祭にするぞ!」といつも以上に無駄な気合を込めている環.その笑顔には一点の曇りもなく,ハルヒさんもつい同意してしまうほどに輝かしい.…オープニングセレモニーのダンスには過去のゲストたちが次々登場.ホスト部に関わって幸せになった人々の姿があちこちに.笠野田君もすっかり人気者になってんなぁ(笑).おもてなしによってこれだけの人達が幸せな時間を手にいれたってことは,ホスト部ってのはやっぱりいい部活なんだよな.
そんなホスト部が中央塔サロンに出張する一般公開営業.普段でも正気で考えれば相当恥ずかしい部活ですが,会期中は父兄や来賓の皆様方にまでさらすってんだから実に豪気.こんなときには正気に戻ったら負けなので(笑)いつも以上に華やかに,咲き誇るように接客! これまでに蓄積した接客ノウハウを惜しみなく投入し,全力でおもてなしいたします!
今回は普段の常連の保護者の皆様が主要な客となるわけですが,その中には部活が部活だけに眉をひそめる,至って正常な判断能力の方もいらっしゃるわけですがしかし!あらゆる意味で恥知らずである環にとっては彼女もお客様以外の何者でもない.「この部の本当の目的は,マダムのような美しい花とひと時を過ごしたいという,僕のわがままでしかないのですから」と素晴らしいマダムキラーぶりで見事に倒す! 天性の魅力にひたすらに磨きをかけた彼の接客には死角はないようです.
もちろん他の部員たちもその才能を如何なく発揮.ハニー先輩とモリ先輩のほのぼのセットは誤解混じりながらも(笑)見事に機能.性悪な本性を上手に隠す双子の薄幸演技ぶりも堂に入ったもの.そして社交的教養とか日々幅広く研究とか,いけしゃあしゃあと耳障りのいい大嘘をつく鏡夜の度胸,あるいは自己暗示ぶりも実に見事で.一同の全開ぶりにすっかりハルヒも呆れてしまいます.
露出の多いこの機会だからこそ,ホスト部の魅力をアピールするのだと張り切る環.しかし「今回は予算をかけすぎた」と珍しく鏡夜が音を上げてみせました.なんせパレードのためだけにフランスのクラシック馬車を空輸させやがりましたからね! そのわがままぶりはあの鏡夜すら困らせるレベルだってのに,「このホストキングのわがままこそ!皆を幸せにするわがままなのだ!」と自由すぎる環は反省の色なし! …そんなバカを,青い目に赤いドレスの女性がじっと睨んでいます.彼女はハルヒさんを見て電球をつけてみたり,なんだか怪しげ.
客足は途切れることなくついには大物たちが続々登場! まずは環の「お父さん!」,桜蘭の理事長である須王譲.冷静で貫禄のあるナイスミドルは息子そっちのけで鏡夜とにこやかに会話.さっくり無視されちゃてる息子が哀れだ(笑).しかも父の指名ときたら環の大事なハルヒさん! …そんな様子を,未だ例の彼女がじーっと見ています.
てなわけで,やたらにきらきらした理事長につくことになったハルヒさん.貫禄や落ち着きがあっていかにも軽い環とはあまり似ていない…ように一瞬見えますが,「私のことは…そう,お・じ・さ・ま,と,呼んでくれたまえっ」とちょっと喋れば「やっぱり環先輩のお父さんだ」とハルヒさんもすっかり納得.しかもハルヒさんのことを気にかけていたようで,いつでも遠慮なく言いなさいと異様に親しげで積極的なところもそっくり.そんな自分の父とハルヒさんを取り合う環.須王家の父子の仲は悪くないようですが….
突如響く頬を張る音.こんなところで,鏡夜が彼の父親に叩かれている! 「こんなふざけた部活動をやってたのか」「私に恥をかかせるつもりか!」と鏡夜の父が怒るのは…まあ,もっともなことですが(苦笑)公共の面前で家の事情を曝すだなんて,計算高い奴がやることじゃないですね.出来のいい子を4人も持ちながらもなお厳しい鏡夜の父に,あんたはやっぱり欲が深いよと環の父.そして…「マスコミが騒ぐのも時間の問題でしょうが…まさか八つ当たりではないでしょうな?」と大変に気がかりな話をしております.
父同士の丁々発止の横ではホスト部の仲間がやられた鏡夜を心配.眼鏡をかけた人を殴るなんて!とハニー先輩が微妙な観点から怒っております(笑).鏡夜が殴られたのがホスト部をやっているせいだと聞いて,まったく気づいていなかったらしく本気で驚く環と「予想はしていたことだ」とのみ答える鏡夜.どうやらアホの環はホスト部への入部は幸せしかもたらさないと信じ込んでいて,負の側面にはまったく気づいていなかった御様子です.
自分たちとお客様が楽しむための部活なのに,それで苦しむ人もいるのだと今更気づいた環.父も「わがままは高くつくものだ」とアホの息子に被せてお説教.責任ある立場と自由な行動は二律背反.どちらかしか選べない辛さは,立場ゆえに愛する者と別れることになった父は人よりもよく理解している.そして同じように責任ある立場を要求される環だって,同じ道を辿るかもしれなくて…「これからお前はどうしたい?」.人には,絶対に欲しくて手放せないものがある.須王の家の代償としてそれを差し出さねばならないとしたら….
贅を尽くしわがままを通すも,これまでその代償を支払ってこなかった幸せな王子様.しかし略奪者の登場で,本作を本作たらしめる華やかな明るさが消えていきます.やってきたのは環の祖母.環は無邪気に喜んでますが,環と彼の母と祖母の関係を知っている仲間たちからすると,彼女は環を傷つけた憎むべき存在.自分たちを枠の中から救ってくれた恩人であり仲間に対して,「…汚らわしい」と吐き捨てるような奴を許せるわけもない.
そんな祖母が環に命じるのは,さっきからオペラグラスでこちらをじっと観察していたエクレール嬢のエスコート.しかも学祭の期間中,部活そっちのけでやれってんだからひどい話で…けれどそんな無茶な要求に対しても環は微笑み,「彼女に喜んでいただけるよう,全力を尽くします」と答えてしまう.誰のどんな要求にも応えて,他を幸せにするのがホスト王ですが…彼自身の幸せは一体どこに.

後半.エクレール嬢のエスコートに専念し,部活を放り出すことになってしまった環.彼女の正体についてはフランスにいたれんげさんがよく知っておりました.エクレール・トネール嬢は名家トネール家の三女.現在日本市場を侵略中のグラントネールのオーナー家の令嬢ということで,環とは家柄的には似合いの相手.…ただし随分と高飛車な上にわがままで,あの環が考えたもてなしにも手厳しい評価しか返さず,学生の作品などお気に召さない彼女が求めたのはなぜか「環のピアノが聞きたいな」.
いきなりの乱入者に部の中心を持って行かれてしまい,さすがのハルヒも彼の様子が気になっていたところ,第3音楽室で偶然三者が再び接近することに.環がエクレール嬢にピアノを弾くのを,たまたま準備室で聞くことなったハルヒさん.聞く者を魅了する彼のピアノは美しく,なぜかエクレール嬢の脳裏には,自分ともう一人の女性の姿が浮かびます.…眼鏡以上にオペラグラスは遠くを見通すもの.それを持つエクレールは実に勘がいいようで,扉の影に誰かがいて聞いていることすら,鋭敏に気づいているようです.
環の作ったホスト部は,家族同然に仲がいい.…環自身は知りませんが,環を守ろうとする部員達の結束に関しては家族の域を超えてしまっているかもしれないほどに.しかしエクレール嬢は,家族でもないのに家族ごっことままごと呼ばわり.その上,環のわがままで皆辛い思いをしているんじゃないの?と,夢を壊すほどにキツい着つけ薬をかまします.
確かに鏡夜はさっき彼の父に殴られていた.これまで環は皆の幸せにするためにわがままを通して突進してきたけれど,もしかしたら皆はわがままの裏でいろんなものを犠牲にしているのかもと,今更気づかなくていいことに気づいてしまうのです.確かに環がハルヒさんの勉強時間を奪っているのは本当.…けれど,その代償にハルヒさんが得たものの大きさまでは,単純バカゆえに推測することができないのです.
環の夢を壊そうとするエクレール嬢の言葉に対し,理由はわからないものの腹を立てたハルヒさんが準備室から登場.そしてサロンをほったらかしてみんな怒ってますよと不機嫌に報告.…ここで自分が部活を放り出していることに今更気づく環が情けない(笑).環をままごとの夢の世界へとぶっきらぼうに引き戻そうとするハルヒの言葉に「焼きもちを焼いてるみたい」とエクレール嬢が言ったなら,まさか環が大喜びするとは(笑).そりゃこんだけバレバレならば,二人の関係に気づくのが普通です.
「違いますよ」とざっくり否定し,お邪魔して申し訳ありませんでした!と立ち去るハルヒ.環の大好きな夢の娘が立ち去ろうとするのを止めるエクレール.現実の中のエクレールには豆狸でも,夢の中の環には大事な娘.もちろん夢は幻で,醒めた現実から見れば「代用品」.夢の中で娘を追いかけようとする王に向かって,「環が一番欲しいものを,私はあげることができる」と現実が迫ります.
その頃,お色直しはしたものの,どうしても憂いが残ってしまうハルヒ.焼きもちっぽいと仲間にも言われて「だから違いますって!」とずばっと否定してるのがおかしい.けれど今日の環に一番腹を立てているのは他ならぬハルヒさんなので焼きもち扱いされるのは仕方ないところ.なんせ仲間たちはハルヒよりも環の事情をよく知っていて,どうしても怒りよりも心配や同情の方が先に立ってしまうのです.
今回の件の元凶は突然の環の祖母の命令.なぜ環があのように祖母に冷たく当たられているのか,ハルヒは未だその理由を知りません.けれどそこが分からなければこの件の正しい構図が理解できず,バカだけど決して悪くない…どころかむしろ凄い環に同情することもできないので,「要するに殿ってお妾さんの子なのよ」と仲間が暴露をはじめます.

二十数年前,須王家の先代は若くして他界.環の父が政略結婚の上で後を継ぐ.しかしその数年後,環の父はフランスで恋に落ちて環が生まれた.…熱狂の恋の結果として生まれたから,あんな珍妙な性格になってしまったんだろうか.もちろん祖母は不倫の恋など大反対で,父子は日本とフランスに分かたれて14年.環自身は病弱な母の傍でそれなりに幸せな少年時代を過ごしたと言うけれど,父はなく,母が心配で友達と自由に遊べない状況はどの程度の幸せなんだろう.…それでも自分を愛してくれる家族との暮らせる分だけ,今よりはまだマシだったのかもしれません.
やがて母の実家は事業の失敗で負債を抱え,それを機として須王の血をひく環を祖母が奪いに来ました.…不自由ない暮らしと引き換えに息子をよこせという横暴極まりない交換条件を受け入れるしかないほどに母は病弱.環は母のために日本にやってきて,その後,母は行方不明.…これは既に母を失っているハルヒまでへこませるほどに悲しい話.会えない辛さはよくわかるし,だからこそ今のあの明るさに驚きもする.そしてそこまでした相手を歓待し従う彼は本当に凄いと,今更ながらに気づくのです.
現実の家族を失い続けた環は,鏡夜と出会った後にこの学校で夢の家族を作りました.そしてその素っ頓狂な夢にここまで救われてきた仲間たちは,「全てを受け入れた上で,あいつは今ここにいるんだ」と,彼の苦く深い過去も含めて環のことを認めていたわけですが….
夢のサロンの扉を現実が開きます.エクレール嬢とともに突如登場した夢の中心は…「俺はこのエクレール・トネール嬢と婚約することにした」といきなりの宣言! さらに「ホスト部はこの桜蘭祭が終わり次第,解散する」…それはここまで仲間たちを救ってきた長い夜の夢を壊す鶏声.きらびやかな闇をつまらない現実に戻す無粋な光.それをもたらしたエクレール嬢は,一体何を言ったのか.そして本当に大切なものを奪われそうな一同は,果たして取り戻すことはできるのか.ぐっと押し込まれた物語がやがて大きく反発して飛ぶ,次回,最終回に続きます!

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桜蘭高校ホスト部#24

「悪い笑顔があなたの真実の巻」

ホスト部が現在の隆盛を極める2年前.中等部の鳳鏡夜は枠の中から世界を打算で眺め,姉以外には内心を吐露することもなく,三男という分を守って退屈な日々を過ごしていた.そんな硬直した日々に飛び込んできたのが須王環.須王財閥の後継者と目される彼に打算から近づく鏡夜だが,ハーフの御曹司の考えることは滅茶苦茶.その突拍子のなさは鏡夜の全能力を発揮しても追いつけないほどに,ひどかった.

基本は1話,ときどき2話完結で終盤まで走ってきた「ホスト部」.いいところで切って次回に視聴者を引っ張り,クライマックスでは数話かけて盛り上げまくることが可能な連続モノと違い,各話完結のスタイルは基本的にヒキが弱いし,クライマックスの持続も難しい.しかしそこらの問題を補えるくらいに内容が洗練されていれば,途中の1話を見せただけでもいきなり視聴者をファンにできる,そんな強力な作品へと化けます.例えば終盤のこの1話でも,初めて見た奴を強く魅了する可能性は十二分にあり.各話の完成度の高さこそが,本作の最大の武器なわけです.
てなわけで今回はデパート以来の鏡夜の当番回.絵コンテ・演出を京田氏が担当し,端正で暗喩に満ちた素晴らしい物語が展開します.午後3時に向けて進んで行く時計,収まり切らなくなっていく部屋など,それを匂わせる仕組みは満載なんですが一番はやはりあの絵! 文字どおり少年が父の枠を越えて行く,美しい叙情詩です.

前半.いつもの放課後の午後3時,ホスト部の本日のおもてなしはちょっと早いコタツサービス.上流階級の皆様には見慣れない家具なのが微妙に腹が立ちますが(笑)密着度はいつもよりも高くなるから大好評…だろうなぁ.ちなみにこの企画もやっぱり環の提案で,改めてハルヒが不思議に思うのは,この部での鏡夜の存在.なんでアホにつきあってホスト部なんかを立ち上げたのか? クールでまともな彼がここまで忠実に付き従うのは…「突拍子もないからさ」.
鏡夜と環が出会ったのは2年前.その頃の鏡夜は鳳家の三男という立場に縛られて,相当鬱屈しておりました.麗しい午後3時にはまだ速い午前8時半.言葉も,好意も,誘いも,鏡夜の世界では打算の塊に過ぎない.精神年齢相当高めの彼は,腹黒くしかし冷静に.誰にも底を見せないままに,うまく立ち回っているつもりでした.
鏡夜が赤裸々に内心を吐露できるのは,きっと姉の芙裕美さんの前だけでしょう.しかもギブアンドテイクなのだと露悪趣味に自分の不純さ根性の悪さを冷めた口調で自嘲するというヒネっぷり.天然らしい姉は純粋に星を眺めたいのかもしれないとか言ってますが,悲しいことに,賢すぎる鏡夜はそれが幻想に過ぎないことをよく知っている.…ちなみに引っ掻き回されるクローゼットは,そのまま鏡夜の抑圧した欲望.押し込めてはいるけれど,ちょっとしたきっかけでどんどん溢れてきてしまう.
厳格な父から与えられる,名家の三男らしい厳しいプレッシャー.姉から見れば折角の末っ子の癖に鏡夜はあまりに気負い過ぎで,「少しくらい気を抜いたっていいのよ」と言ってみたくもなるわけですが,それはヒネた末っ子にとっては厭味以外の何物でもない.自分が鳳を継ぐことはありえない.三男はややうつむいて己の報われぬ立場を語り…愚痴るだなんて,2年後の鏡夜からは考えられないなぁ(苦笑).
第1候補の長男と,そのスペアであり競争者の次男.後継者レースは上の2人の間で競われて,三男には入り込む余地などない.…どれだけ頑張っても報われる可能性はなさそうなのに,鏡夜は期待に応えようと努力してしまう.「かけられた期待には必ず答え,しかし必ず兄を立てる」…前には出過ぎず,自身の能力と欲望を押し込める努力.既に準備された額縁に合うように,美しく.端正に.はみ出さないように….
しかも才能溢れる鏡夜は,抑えることも上手にこなしてしまう.「でもそれで,楽しいの?」…もちろん楽しいわけがないけれど,「楽しいとか楽しくないなんて,関係ないですよ」.もっと才能が無ければ,もっと鈍ければ,もっと自制心が弱ければ,こんなつまらない状況にはならなかったはずなのに.
そんな退屈な日々を乱す原因となったのが,須王の後継者の編入.政略的に敵の子息と仲良くすることを貪欲で厳しい父に指示された三男.抜群の情報収集能力と優れた分析力・洞察力で本音を見透かし,姉以外にはたとえ肉親でも本音を見せない.誰であろうと自分の優位は揺らがないと自信もあったわけですが…本当に相手が悪かった(苦笑).会長の妾の子で後継者候補として引き取られた須王環.生まれつき後継者レースからは外されていると感じている鏡夜には,手に入れるべき立場で無いのに運良く手にしている彼が,うらやましくてたまらない.出会う前から印象は最悪!
そして9時.顔をあわせた須王環は,きらびやかな外見でいい笑顔.髪を心にたとえて褒めることで早速副委員長を魅了しておりますが実は…というのは,ここでは語られないまた別の話(笑).歯の浮く台詞を気負いもなく発する超自然体の環と,もはや爆発寸前のものを抱える鏡夜の握手.この学校を代表する強力なタッグの歴史は,ここからはじまったのです.
いきなり「君の家にこたつはあるか?」と聞きはじめる,やたらとコタツに魅了されてるライバル財閥の御曹司.家に洋間しかないから入れないとやたら熱心に語ります.鏡夜は日本文化憧れ系かと看破したまではよかったんですが…まさかうちにもないと答えたら,あんなバカでかいリアクションが戻ってくるとまでは予測してなかった(笑).恐らく出会って十数分で,いきなり奴は鏡夜の予測した世界から外れたのです.
こたつがないことになぜかしおしおの環.しかも無神経なことを言ったと「ゴメンよ鳳君」といきなり謝り出しました.こたつは家族団欒の象徴だからという理由で「君の家は,家族仲がうまくいっていないんだな!」…そっちの方がよっぽど無神経の上に,しかも当たっているから腹が立つ(笑).環の変なところでリアルなこたつ知識,一体どこで仕入れたんだろ.ちなみにこたつ=家族の信頼関係を構築する装置なので,ラストはああなるわけですね.
「…でもそっか,君ん家にはないのか」と憐憫の目でこちらを見る喜怒哀楽の激しい御曹司.鏡夜がいらつく心を抑えて用意しようかと言ったなら,手に持ったものを放棄して抱きついて大喜びするなんてなんだろうこいつ(笑)「君は親友だ! 大親友だ!」となつき倒して,勝手にファーストネームで呼ぶことも決定!「ブラーボー,キョーヤー,モナーミー!」と大喜び!
日本かぶれのテンション高いバカ.それが鏡夜の環に対する第一印象.そのあまりの壮絶ぶりを自宅で姉に話してみます.モナミモナミと連呼して親友の意味すら理解してなさそうなアホに主導権を奪われ,タンスのように閉じ込めたはずの感情をひっかきまわされて押さえ切れない.上手に詰め込みすぎで一度出したらもう収まらないから,「だから,出さないでください」
たった1日経過しただけだってのに,時はさらに進んで11時.午後3時まではあと4時間.環が真剣に申し出るお願いは京都旅行.日本かぶれらしく外国人観光スポットとして絶大なる人気を誇る京都に行きたい気持ちはわかる! わかる,けど…京都には奈良の大仏も五稜郭もシーサーもナマハゲもねえよ.つうか,少なくとも「奈良」の大仏な時点で気がつけよ(苦笑).
子どものように目を輝かせて間違った要求をしてくる環に対し,鏡夜はやんわりとダメを出し.それに衝撃を受けた環はまたもしおしおで体育座り.…この頃から癖だったのか.思った以上のバカに今週末の休みから順に各地を回ろうと提案したなら,またも抱きつかれなつかれる.昨日のモナミは神様やら大仏様へと一足飛びにランクアップ.神様の安さに,鏡夜は嘆じるしかないのです.

後半.モナミ改め神様となった鏡夜と,筋金入りのアホである環.2人のクラスメイトとしての日々はそのまま混乱と困惑の日々.他人の行動を読むことにかけてはかなりの自信があった鏡夜であっても,アホの考えることにはついていけない.いつの間にやらクラスにも彼以上になじんでしまう人当たりの良さ,ナマハゲとシーサーを間違えるやっぱりのアホさ.その他様々な環の特質が鏡夜の日常を変えていきます…乱れる感情のように散らかっている部屋の中,テーブルの上には観光ガイド雑誌がてんこ盛り.アホの相手に鏡夜自らツアーガイドの支度に余念なし.なんせ環は本当に筋金入りで,鏡夜が本気でかかってもなお予測を越える,本当に困った奴なのです(笑).
春なのに大文字の送り火が見たい,沖縄ソバと信州ソバの食べ比べしたい,シーサーとナマハゲの夢の競演が見たい.環の要求はいつだって予測の外にあり,しかもそれが難しいとわかったら体育座りで,「…すまない.君の能力を…過大評価しすぎていた」と喧嘩を売りやがる(笑).感情を押さえ切れない鏡夜は負けん気剥き出しで完璧な準備を整えるものの!…勇んで北海道に誘ったら,試験勉強を理由に断りやがったよあのバカ!
「試験が終わったら遊んでやるから」と言われ,鏡夜はぐちゃぐちゃの部屋で大暴れ! 「あの野郎!」とらしくもない叫びを上げる鏡夜は,本当に余裕のある現在の彼に比べるとまだまだガキなんですね(笑).ツッコミ属性を持つ者にとって,ボケにバカにされることほど辛いことはないわけで,約束を忘れてしれっとしている大馬鹿野郎に腹を立てる.…嫌々つきあっているんなら,行くのが中止はうれしいことのはずなんだけどなぁ(苦笑).
「これほどまでに誰かを殴りたいと思ったことはあるか? 否,断じて否だ!」…もちろん立派すぎる自制心を持つ鏡夜が環を殴ることなんかありえない.三男としての立場を考えてしまうと,まだまだ部屋の外では自由にふるまう覚悟はない.あれでも須王の後継者と暴れる心を必死でなだめ,父から試されているのは俺の対応能力なのだと自分自身に言い訳し,それでも「誰がコタツなど用意してやるものか!」と,約束を破ったバカへの怒りは収まらない.
普段はあまりに大人びて子どもらしくなくて,姉的にはそんな鏡夜の窮屈さが気になっていたところ.もちろん嫌な相手なら無理につきあう必要はないわけですが…「こんなに楽しそうな鏡夜さん,はじめて見たわ!」と微笑ましく放置.…当の鏡夜はんーんー言いながら長椅子にパンチを繰り出しているので,これを「たのしそう」と形容するあたりがさすがは姉.現在のところ彼の本心を正確に把握しているのは彼女くらいでしょう.
アホに翻弄される日々の中,久々にやってきた静かな日曜日.穏やかに終わるはずのその日,鏡夜はとうとう限界を壊すことになります.唐突に自宅にやってきた「お友達」.聞いて呆然とするくらいに鏡夜には心当たりがなかったものの,バカは伊達にモナミを連呼していたわけではありません.
先に通され,ピアノを弾いていた環と,それを聞いている兄たち.あのバカとは思えないほど美しい少年が奏でる,涙が出るほど美しい音色.思うまま,計算抜きで彼が誰かのために奏でる音色は,兄たちだけでなく,鏡夜の涙腺までも直撃します.…なぜその音色に至ったのか,人を深く見抜く目が鋭く反応してしまったんだろうか.
てなわけで唐突にやってきた招かれざる客は,鏡夜の本性に限りなく近い彼の部屋の中へ.試験勉強など無視し,この家の広さをフランスの家と比べてみたり…もちろん彼には鏡夜に嫌味を言ったりする頭も意図もない.確かに須王邸の方が大きいけれど,環は本邸に入ったことがなく第二邸暮らし.運のいいアホの御曹司のはずが,彼は幸福の中にいるわけではなかったのです.
そのあたりは横に置き,鳳家は鏡夜が継ぐのか?とデリカシーなく踏み込む環.それは鏡夜にとっては逆鱗に等しい話題なんですが,それでもぐっと踏みとどまって,継ぐはずないだろと返してみたら…「あれ,それは意外!」と本当に不思議そう.「君はもっと,貪欲な人間かと思ってた! だって,現状に全然満足してないって目だろ? それ」…どう頑張っても見透かせない男は,自分の内側をまじまじと覗き込んでいたのです.
意外と諦めいいんだなと不思議がるバカを前にして,ついに押し込めてきたものが噴き上りはじめます.自分の未来は諦めるより前から決まっている.当たり前のように家を継ぐ人間にはわからないのかなと憎憎しげに嫌味を言ったら,「俺は須王を継ぐとは決まってないぞ?」とまたも環は不思議そう.妾の子ゆえに祖母に嫌われ,今のままでは全然跡継ぎじゃないと,彼は自身の苦しい立場をあっさりと吐露するのです.
実は鏡夜といい勝負であった環.しかし良く似た彼の現状に対するスタンスが,鏡夜の頑なな我慢をついに壊します.父の仕事に興味がないわけじゃないけれど,美貌や優秀な頭脳を生かせば別の選択肢だってありえるはずだし,北の大地に動物王国を作る夢もあるし…と後継の道すらも1つの選択肢扱いする環.それは欲しくてたまらない選択肢すら選ばせてもらえない鏡夜にとっては贅沢で…鏡夜の表情がその内面と一致していきます.
「ふざけるな!」とテーブルをひっくり返す鏡夜.「なぜそんな簡単に諦めたようなことが言える!」と環の胸倉を掴んで怒る.いくらでも上にいけるチャンスがあるのになぜもっと努力をしない,なぜ恵まれた立場を利用しないのかと感情をぶつける.「お前は一体何なんだ!」…お前は馬鹿なのに,何故俺を見抜く!! 黒バックに書かれた乱暴な手書き文字こそ,決して他人に見せたくなかった本心!
本当に欲しいものが目の前にある.自分にはそれを掴む能力もある.だけど三男という額縁に縛られ,無力感ばかりが募ったがゆえのこの凶行.けれど環はまったく慌てることがなく,鏡のように言葉を返します.「何もしてないのに諦めてるのは,お前の方だ!」…同じように額の前に座らせられていた環.しかし彼は自分の絵を描くことよりも先に,横で絵を描いている自分とよく似た奴の手を引っ張って,額の外に筆を落とさせようとしていたのでした.
そして,さっきのシリアスを忘れたかのように,そろそろ用意してくれたんじゃないかとこたつを求める環.自分の鬱屈を解消する方法にようやく気づいた鏡夜は,爽やかな悪い顔で腹を抱えて大爆笑した上にバカの頭に拳を落とす(笑).三男への期待も打算も放り投げ,己が思っていたとおりに,筆をごつんと落とすのです.
コタツは冬,入りたければ冬まで待てと睥睨するその悪い笑顔に「ほんとはそういう顔なのか」と環.…美しいけれど華奢な三男の額縁.一度そこから溢れた色はもう止まらない.自負するほどの才能と強い欲望を広げられる場所は壁一面.抑圧の青ではなく情熱の赤と虹に輝く大輪の花を咲かせます.…しかも,絵を描くことすら自由.壁の前から離れたって構わないのです.

枠を壊して4ヶ月.冬になり,鏡夜の家で約束のコタツに入った環が思いついたのが「部を立ち上げよう!」.我々の美貌を生かしたその名もホスト部! 突拍子もないたわごとに鏡夜は環を足蹴にし,無邪気な環の計画は止まらない.2人と同じように暗黙の額の前に立たされている連中を連れてきて,6人で新しい絵を描いたなら,どんな絵に,どんな風景になるのだろう! …すっかりなじんできた悪い笑顔と,茶柱.
このような成り行きで鏡夜がアホと一緒に進ことになった高等部には,皆様既にご存知のとおり,様々なものが待っていたのでありました.もちろんその中心には環がいて毎度無茶を要求し,鏡夜がそれを実現するという関係にも変化なし.こんな有能な奴を初対面でモナミと見込んでしまった環はアホだけどやっぱり凄いや! …そして,その中心が揺らぐ次回に続きます.

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桜蘭高校ホスト部#23

「世界はそれを愛と呼ぶんですがの巻」

偶然ハルヒの秘密を知ってしまった笠野田は,強烈な口止め以前にハルヒのことにすっかり惚れてしまい,その秘密を守りきる覚悟を決めた.恋した相手と話したい笠野田は今度は客としてホスト部を来訪.男が男を指名するその姿は部にたむろするお嬢さん方には格好のネタで,萌えの炎が笠野田を襲うのだった.
ハルヒの秘密がバレてしまった上に彼はハルヒに惚れている.その事実だけで真っ白に燃え尽きていた環.このままではハルヒが姐さんになってしまうと双子に焚き付けられてようやく意識を取り戻すのだが….

硬軟混ざった青春の魔法の世界を楽しく描く「ホスト部」.秀作で普通という恐ろしい状況でここまで走ってきてますが,今回は凄い! 内容的にここ数話分の総決算となる回であることを割り引いたとしても,間違いなく傑作回です! 原作に比べると大幅に表現が誇張され極端な描写になっているところが多いんですが,元々の物語のテンションがとんでもなく高いのでここまでやっても大丈夫.…本来,ハルヒさんと笠野田くんの普通の会話はさすがに必要なはずなのに(笑)極めきったテンションを維持するためにがっつり落として萌える婦女子の皆様方に入れ替えるという豪腕ぶりも眩しすぎ.この手のアクションには定評のある松尾慎氏のベタベタな描写も素晴らしく,見所は多々ありますが…やはり本当にアホであった殿とそれに完敗する馨かな(苦笑).

前半.前回ラストより第3音楽室の準備室の中には!女の子であるハルヒさんの着替えシーンが! ハルヒのことを可愛いけど男と思っていた笠野田君には濃すぎる刺激で「ま゛!」とか言いたくなる気持ちはよくわかる.これまでかろうじて守ってきた秘密が外部に漏洩したことにホスト部は動揺.完全に怒った双子なんかまだ可愛いものですよ.
ハルヒの秘密に比べたら笠野田君の怖さなんか正直どうってこともなく,双子には責められラブリーアイテムには「はっきりしない男って,僕,クズだと思う」と毒を吐かれ(笑)若の膝は笑いっぱなし.…今回はあちこちで膝が笑ってて,静止しそうな物語のスピード感を維持するいいアクセントになってるんだよな.
ハルヒが女性であることに最後まで気づかず,気づいてからはハルヒの秘密を誰よりも大事にしていた環に至っては,あまりのショックで真っ白に.バレた事実に恐竜が吼え,下着姿を見られて宇宙で火山が大噴火! 太陽フレアが激突で閃光に全てが包まれるほど,殿の心はかつてないほど壮大に揺さぶられているのであります.
なんとしてもこの事態を亡きものにしたい(笑)双子としては,ボサノバっちをぶん殴って記憶を飛ばすのもやむなし.しかし犯罪はもみ消すのが面倒と鏡夜が2人を止めました.…もちろん鏡夜は複雑なようで単純な双子なんかよりずっと恐ろしい.にこやかな言葉の針で笠野田の口を縫い付けていくのです.
ある事情こと借金のために女性であることを隠しているハルヒさんの秘密を口止めする権利はないけれど,その時には日本政財界の黒タマネギ部隊と呼ばれる鳳プライベートポリスが動き出してしまう.そんな事態は「もちろん避けたいよね?」…随分と楽しそうに脅迫してるなぁ(苦笑).
けれど単純あるいは暗に脅迫しまくる連中よりも,本人が意図しないままに穏やかにそっと濡れたタオルで口と鼻を塞ぐハルヒさんが一番厄介なのは間違いない.見られてしまった被害者なのに,全然平気だから!とけなげにかばってくれる「彼女」に笠野田君はすっかり惹かれてしまう.で,そんな胸キュンぶりになぜか反応している殿の脳裏には太陽に惑星が激突して大崩壊! …笠野田君の恋の軌跡は,殿のものと相当よく似ているからなぁ….
てなわけで! 缶蹴りは解決したものの新たな悩みを抱えることになった笠野田君と笠野田組.新たな悩みによって若はハンスト.折角缶蹴り用の空き缶をがぶ飲みで準備したってのに,若は人一人殺めてきたかのような雰囲気で.…缶が無駄によく描けているな(笑).テツは新たな悩みができただけだと舎弟どもに説明するわけですが,好きと大好きの2択しかない恋の相手が可愛らしい男子って…その一言に「ええええええええええええ…!」と配下は総崩れ! ハルヒさんの性別を知らないとそりゃそうなるな!
横から見れば禁断の,しかし実態はノーマルな恋に悶々とする笠野田君.思い出すたび記憶はコケティッシュな方向に補正され,その悩ましさに何もできなくなっているその様はまさにアホ.強いツッコミ属性を持っていても恋は人をボケに変えるわけです.あんなに健気なハルヒさんには余程の事情があるに違いない!と思い込んだ笠野田君はマジックで「我命有限藤岡秘密守」と腕に大書.…順序が激しく間違っている気がするけども,ヤンキー漢文ならOKなのか.
かくして缶蹴り相手ではなくハルヒさんが必要になった笠野田君は,ホスト部に客として訪問した上に「ふ,藤岡を指名したい」…とか直球で言い出すもんだから,それ見た女子どもが「ええええええええええええ…!」と黄色く沸き立つ! 本当はストレートなのにそう見えないカップリングの発生に強力モーター発動! 「ついに現れたの,本物が!」とれんげさんは目を光らせちゃって興味津々だ!
恐らくはれんげさんの布教と薫陶によってかなり腐っているはずのホスト部常連の皆様方.笠野田君の怖さなんかよりホンモノに対する興味の方が先に立ち,爛々と見つめる女子どもは異様.これまで笠野田君を囲んでいた凍てつくような状況はオーブンの中のようにホットに変わり,萌え萌えな生暖かい視線の熱が集中して発火してしまいそう.視線をここまで集める熱い体験,一生に一度あるかないかですよ(笑)!
けれどこの状況にハルヒはちっとも気づかない.そして気づかないから動じずに,ごくごく自然に接客しちゃう.女の子と気づけば彼女はなお可愛いくて,あまりの緊張に膝が笑ってしまう情けなさ(苦笑).「お客様,こういうお店ははじめてですか」なーんちゃってな台詞すら蟲惑.笠野田君的には恋の動悸で下手すれば死にそうな勢い.店の片隅は二人っきりのパラダイス!
そんなパラダイスを双子はもちろん気に食わなくて,ぜひとも今すぐ追い出したい.しかし鏡夜にとっては金さえ払えば客,さらに錯覚である薔薇の香りにお客さんが萌え燃えで客が客呼ぶお祭り状況となっているので静観を決め込むつもり.…普段だって環が惜しげもなくハルヒ愛をホスト部内で披露してそうな気がしますが,父設定がくっついているのとあまりに日常であるため(笑)ここまで祭りにできないんだろうなぁ….
借金返しそうな勢いの天然コマシ娘の間接的な大活躍.でも軽井沢での失敗がある光は特に,ハルヒさんを直接止めにいくことができない.こんなときくらいしか猪突猛進の殿は役に立たないはずなのに,今回はあまりの展開にすっかり抜け殻.「行ってこーい!」とパラダイスへとぶん投げられたら,なんとか歩きはするものの心ここにあらずで「ま゛」と鳴くメカに.
すっかり意識の飛んでるメカ環.それでも本能的にハルヒと笠野田の間に座ろうとするも!ハルヒさんの大雑把な席変更が行われて失敗.さらにおまけの知恵の輪を与えられ,妨害にすらなってない(苦笑).その様は父というよりは幼児そのもので,ハルヒさんと笠野田君のいい雰囲気は壊れるどころか揺るぎもしない….
苛立つ双子は殿に電話! 上級生の現実逃避を電話口で叱ります.彼がロボットになっているうちに事態がどんどん深刻化! このままボサノバっちにかっ攫われたらハルヒは姐さんになっちゃうと,極端な表現をすることによってついに環が覚醒! …そのまな板姐さんは大変かっこいいけども(笑)「だ…だめだ…」と環は膝を笑わせます!

後半! 「お父さんは反対だー!」と絶叫しながらついに覚醒した環! ボサノバ君に「君はこんなところで何をしているのかね!」と頭から威嚇して完全復調! 舎弟は?缶蹴りは?さあ行けすぐ行け青春しろと全力で退場を要求し,それでもハルヒとお近づきになりたいというならー!とぶんぶかヤクザな下級生を振り回す(笑).このあたり作画が遊んでるなぁ…そしてラストはびしいっと! 「父であるこの俺を,倒してからにしてもらおうか!」
この展開に呆然とした笠野田君.恋する彼はボケ補正を喰らっていますが,元々は才能溢れるツッコミなので「…父って…お父さんなんですか?」「藤岡のお父さん,その若さで?」と直球を返す! 折角の決め球をピッチャー返しされ,しかも喰らった球が急所に当たって動けない.笠野田君のツッコミはガチンコなので,むしろ自称お父さんの方が追い詰められていく….最終的にはハルヒとは「父親じゃないんじゃないすか?」と,現実を言われて顔面蒼白.二の句が告げられずそのまま破裂し飛んでいく.
20話も越えて本当に今更なんだけど,「厳密に言えば俺はハルヒのお父さんじゃないんだった」と呆然とする環.…厳密に言わなくても環がハルヒの父のわけがないってのに,今になってそんなことに宇宙レベルのショックに動転し,「整理が…必要だ」.それが必要なのはあなただけとは思いますが!
仮に環がお父さんでないと仮定するならっていうかお父さんじゃないんだけど!「ハルヒのことをこんなにも可愛くいとおしいと思うのはなんなのだろう!」…凄い直球,でも投げてる先が観客席(苦笑).お父さんでもない癖に,他の奴と一緒にいるのが心配でたまらないのはなぜ? …そりゃ好きだからに決まってんだろと内心で視聴者全員がツッコんでいるはず.
凄いところで迷子になっていたこの男に導かれていると思い込んでいた馨はショック(笑).いくらなんでももっと賢いはずだと思っていたら,判明した実情は衝撃です.お嫁さん妄想については「お父さんなら普通,他の奴の嫁にやるよりは!と思うんじゃないのか?」キスを阻止するのは「娘の可愛い唇を守ってはいかんのか」…あー,えーっと.
本作らしくもないリリカルぶりで馨が想定していたホスト部の夜を走るかぼちゃの馬車.ところがこの馬車,御者がいなくてむしろ一緒に乗っていて,そんじゃ今手綱さばいてんのは誰だよ(苦笑).家族設定は今の関係を続けるための意図された予防線なんて「…意味がわからん」(笑)!
環は伊達にバカ殿じゃない.そのレベルは馨の想像の遥かに下を行き,「アホだ!」と断定されて当然.ハルヒさんに対する気持ち,特に庇護欲や独占欲にいきなりラベルをつけ間違えて,今に至っても間違ってるとわかってない.まさに無自覚の大バカ者!
この超思考を「やはりな」と納得できるのは一番理解している鏡夜くらいのもの.これまでの妄想にリアリティがないのは奴が凄いバカであるため.自分のことにうといとかそんなレベルを遥かに越えたアホぶりに,尊敬まじりのリリカル仮説をぶっ崩されてしまう馨もまた,まるでバカみたいじゃないですか(苦笑).…そりゃ本人が恋を完全に自覚していないなら,れんげさんの萌えセンサーも反応しなくなるよなぁ.
さて,本当に今更ながらも壮絶な事実が判明して混乱するホスト部を他所に,ハルヒさんはマイペース接客を続行中.当然お父さんではないけれど,先輩ってなんかうちのお父さんみたいなとこあるんだよね!とノンキなコメント.これが命の水となり己を失っていた殿があっさり復活だ! …もちろんお父さんじゃないけれど,「みたい」という言葉に必死でしがみついて離さない.…こうなるといっそ好きだと認めてしまう方がむしろ楽な気がするんですが(苦笑).
環のおかげで焦点が逸れたのを取り戻すかのように,好きか大好きの2択である笠野田君は最後のアピールにかかります.たまには秘密を知る奴の方が気が楽とか必死で自分を売り込めば,「うれしいよ! カサノバ君と仲良くなれて」とハルヒさんの笑顔が美しい.萌え焼け死にそうな凄くいい雰囲気の中でお父さんみたいはどうすりゃいい? 自分と同じ経緯を辿って,自分より先に進んで行こうとするこの男を….
カサノバ君はついに気持ちが抑えられず!「俺!藤岡のことが! 藤岡のことが…」と素敵な均衡を壊す告白に挑もうとします.それは男の全てを賭けた本気であり,同じ男には決して邪魔なんかできない神聖なものだけれど….ハルヒさんの鈍さはそんな神聖さすら無視! 1年前,中学時代の惨事をなぞるかのように大事な言葉も聞かないで!「やっぱり,価値観の合う友達っていいよね!」
こういう話できる人いなかったからいいよね!と,笠野田君にはご満悦のハルヒさん.ただしその良さはあくまで友達としてのもの.本人からナチュラルに駄目押しまでされてかたまったところにれんげさんが!「ま,フラれちゃいましたわっ!」「…ええっ?」フラれ男のレッテルをでかでかと貼られた笠野田君には,観客の皆様方から失恋に対する同情の言葉が雨あられ(苦笑).下手に注目を集めていたため,悲惨ぶりも半端ではない!
ありがた迷惑な同情の渦の中,それでもハルヒさんのことが好きな笠野田君は彼女の立場を考えます.…男としての生活に男からの恋愛感情なんて迷惑…なんてことは実際はないという事実が切ないけれど(苦笑)天然のハルヒさんのためにしてやれることとして!「ずっと友達だ! 俺たちは! な!」と心で血の涙を流しつつ宣言し!ここにハルヒさんに撃墜マークがまた1つ刻まれたのでありました….
御者のいないカボチャの馬車は,ハルヒの天然コーティングによって何より硬くて壊れない.不安定に安定した夢の世界を支えるために笠野田君は押し潰されて…「感動をありがとう!」と関係者全員が笠野田君の献身ぶりに涙を流します(苦笑).横で見ていた事情を知らないお客たちにはこの光景がどんな風に見えていたのか,萌え萌え桜蘭日記11号の特集をぜひ読んでみたいなぁ….
一人の男がかぼちゃに挑んで見事に返り討ち.その様子をへたりこんで見ているしかなかった環は,彼の気持ちを考えて,ちょっと胸がいためておりました.本当の過保護な父親ならば同情なんかしないはず.なのに感じる胸の痛みは,彼が父親よりも笠野田君にずっと似ていることを静かに告げているのです.

大勝負が終わった後は皆で楽しく缶蹴り.笠野田君はかなり大きなものを失いましたが,それでも得たものはちゃんとあるので我慢してください(苦笑).逃げ出した環とハルヒがあのバラの東屋に隠れたら,そこには鏡夜や双子まで.お父さんみたいはお父さんではないのでハルヒと一緒でいなきゃいけないわけじゃない.お父さんみたいはお父さんじゃないから,ハルヒの隣に座る権利を賭けて,この馬車の中で候補たちと競う義務があるのです.
そんな椅子取りゲームを達観した上級生二人は上から見守っております.発展途上の光に,自分のことがわかってない超鈍感の環,そしてその他2名には環と同じ無自覚さんが隠れてる…? 御者なしに疾走する丈夫なかぼちゃの馬車の中,一体誰がハルヒを手に入れるのか? …本人が「誰のものでもありません!」と言い切っているからなぁ(苦笑).ところでハルヒ本人は,まったく恋愛感情がないのと恋愛感情は多少なりあるものの無自覚のどちらなんだろう? 恋の行方をちょいと横に置いて過去へと戻る,次回に続きます.

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桜蘭高校ホスト部#22

「真実はなんて悩ましいの巻」

笠野田組の跡取り息子,1年D組の笠野田律.彼は生来の目つきがあまりにも怖すぎて,学校どころか組ですら浮いていた.本当は他人と仲良くしたい彼は同じように目つきが悪くて無口で無愛想の癖に皆から好かれるモリ先輩に弟子入りを志願するのだが,とても手に負えないモリ先輩は仲間に助けを求める.
カサノバとかボサノバとか適当に呼ばれ,モリ先輩との相違点はラブリーアイテムの有無であると主張され,ヤンキーファッションを双子主導で改善された結果もっと大変なことにされてしまう笠野田君.すっかり殿や双子のいいおもちゃになってしまった彼に向かい,悪意の篭った視線を送る者たちがいた.

たまには普通の奴もいるけれど,基本的にはホスト部抜きでも相当現実離れした桜蘭学院を舞台としている「ホスト部」.この学校は基本的には金持ちであれば入学を許されるらしいですが,内部の割り振りで家柄が効いてくるという方式.庶民特待生のハルヒは別枠扱いなんですが,家柄がいい順にA,B,Cとランク分けされ,Dともなればそれなりの人たちが集っているという寸法.この組分けだとあからさまにD組が学級崩壊に陥りそうなんですが,ピンクで清潔な校舎と圧倒的多数を占める善良な人たちのおかげでなんとかなっているのかな.
今回と次回のゲストはそんなD組の笠野田君.現在同じ日テレの土曜9時に放映されているドラマの主役の彼になんだか似てますが,強面だけど仲良くしたいというキャラはたぶん「泣いた赤鬼」の方に似ています(笑).…皆と仲良くしたいと赤鬼が相談を持ちかけた先は,まさに魔窟! 絵コンテ・演出の安斎氏の原作の整理ぶりが光ります.

前半.かなり大きな笠野田組の朝.バリバリのヤクザさんたちが勢揃いで若のお勤めをお見送りしようとするけれど,学校を「お勤め」扱いしたのが若の気に障っちゃっておっかない.…原作は少女マンガゆえに怖い顔にも限界がありましたが,アニメの笠野田君は声もひっくるめて本当に怖いなあ(笑).そんな彼の部下でありながらあんまりビビってないのが舎弟のテツ君.こっちは可愛い系ですが極道は極道.
いつものような午後3時.今日のホスト部は新選組で池田屋です.環だけは坂本竜馬に扮してノリノリ.…微妙な土佐弁以前に,新選組を従えるハーフの竜馬がおかしい(笑).普通人であったハルヒは知らなかったようですが,幕末は視聴率的には微妙なもののジャンルとしては手堅いもの.桜蘭にも大好きな女子は多くて大盛況.このジャンルの魅力について,スペシャリストのれんげさんが頼まれなくても語ります.
国のために散った気高さや,武士道を貫くストイックさを表看板として,ギムナジウム的な男子集団の禁断の香りでもって婦女子の皆様方を魅了する由緒正しいこのジャンル.池田屋もいいが五稜郭もいいってあたりはまではわかるんだけど,なんでそれでご飯3杯いけるのかはわからないままでいたいです(笑).
この手のジャンルには滅法強いれんげさんがスーパーバイズしているので,客のツボを押しまくることにも抜かりなし.わざとキャスティングしないことで妄想心を強める仕掛けにお客は見事にひっかかっております.沖田はやはりハルヒさん? その繊細ではかなげな風情は乙女の心を揺さぶるわけですが,その薄い笑いの向こうにはスーパーの豚肉が…(苦笑).
ホスト部では一番ガタイのいいモリ先輩に似合うのは,島田? 山崎? それとも相馬? …本当に武芸に長ける彼ならどの役でもしっかりハマりそうなんですが,そんな彼が見事に,しかし突然に槍術を披露したもんだからびっくり! もちろん目立たないからでも台詞がないからでもなく(苦笑)不法侵入者に反応しただけ.ここで冒頭の笠野田君が再登場.彼はモリ先輩の名を叫び,すわ討ち入り!かと思ったらなぜか弟子入り.
土下座してモリ先輩に弟子入りを志願した笠野田君.その特異性は学内でも相当有名のようで,あまりの怖さに未だ友人なし.ヤクザの息子でなくてもあの怖さでは誰も声なんかかけないだろうし,むしろクラスメイトには人間ブリザード扱いで,人間扱いしてもらってないのが気の毒かも….
けれどもこの人間凶器は,自分は生まれつき目つきが凶悪なだけだと主張.カサノバとかボサノバとかちゃかされるのは許せないけれど(笑)あくまで生まれつき悪いのは目付きだけで,その他は片寄った教育によって歪んだだけと主張するのです.
幼いころから今世紀最大の極道になる器クラスの目付きの悪さを発揮してしまった笠野田君.父直伝の極道帝王学でもってその怖さはさらに強化され,現状の兵器ぶりが完成したわけなんだけど…父の教える濁点つきの「あ゛あ゛」はともかく,濁点付きの「ま゛」に対してそれはロボだそんな言葉どこで使うんだと見事なツッコミを見せてます.幼い頃からツッコミ資質も高かったんだなぁこの人.ちなみに使いどころは今回のラストです!
抜群の素質はアレな英才教育によって磨かれて,今や誰もでも恐れられる立派なヤクザの跡取り息子が完成.けれども当の本人は周囲と仲良くしたくて仕方がないからややこしい.慕ってくれる舎弟と缶蹴りとかしたいという些細な夢など抱えていて,意外と子どもっぽいというか環みたいだからバカっぽいというか(笑).笠野田君が見込んだのは他の誰でもなくモリ先輩,どうしてそれほど好かれるのか教えて欲しいと願うのです.
モリ先輩に弟子入り志願などしているのは,きっと自分とモリ先輩が似ているのに違うと思うから.目つきが悪くて無表情で無口で無愛想で地獄の番犬なのになぜ周囲に慕われているのか! 「どうかその秘訣を,俺に!」…目前で土下座している下級生から,過分なまでの侮辱のお言葉を戴いたモリ先輩は「少し,眩暈が」(苦笑).モリ先輩はそんなに目つき悪くないよなぁ.他は…まあ置いておくとしても(笑).
笠野田君マターはモリ先輩の管轄と環は部としての不干渉を宣言.他人が口を挟んでいいことじゃない…と大人っぽく一歩退いて見せたものの,置き去りにされたモリ先輩が「タスケテ。」という相当深刻な目でこっちを見るので(笑)「いいでしょう!」と環はきれいに掌返し.きっと笠野田君に構いたくて仕方がなかったおバカさんは,バトンタッチで仲間とともに若のイメチェンに挑みます.
モリ先輩とボサノバ君の決定的な相違点について,自称キングは語ります.あってないのはラブリーアイテムのミツクニ君! そのままでは目つきが悪く冷たい印象もアイテムのおかげで一気に改善.包容力のある寡黙な好青年というイメージに見えてしまうという巧妙な戦法! …実際にはピンでも冷たい印象はそれほど漂っていないと思うんですが,ハニー先輩と一緒にいることでその魅力がより際立つのは間違いない.
殿の主張するセット売り最強説にハルヒと双子もなんだか納得.…そして言われ放題のモリ先輩は,ラブリーアイテムに僕のこと利用してたのと泣かれてしまっててんやわんや.しかも長期契約話でまたハニー先輩が泣いちゃってるよ…(苦笑).サブタイトルに名前は入っているものの,今日のモリ先輩はいつもよりも不幸だ.
何はともあれ笠野田君にはラブリーアイテムが必要で,さらにヤンキーファッションも改善しなきゃいけなくて.ホスト部プレゼンツで笠野田君を誤った方向に改造した結果が,夕方の笠野田組を襲います….魔窟から帰ってきた若は大変悲惨な状況に.赤いドレッドに緑のスカーフ,そして怖い顔.ヤンキー通り越してもっとおっかない方向にレベルアップしてるのに,腕には環のくまちゃんが(苦笑)! ぬいぐるみの可愛らしさは本体の恐怖をより際立たせる方向にしか働かず,もちろんやってる本人としてもものすごく恥ずかしい…(笑).
あまりの恥ずかしさに周囲を威嚇したまま部屋に戻って,もう全然ダメだと怒る笠野田君.…きっと早いうちに自分の現状のヤバさには気づいていたものの,バカたちの勢いはどうにも止められなかったんだろうなぁ.で,そんな威圧感レベルアップの笠野田君を監視して敵視する2人.彼らはある理由があって恨んでいるのです.

後半! あれだけおもちゃにされたのに,翌日も笠野田君のモリ先輩への弟子入りは続行.極道流で無闇にドスが効いている元気なご挨拶だけで周囲を凍りつかせたりしております.ところがここに不穏な事件.大き目の観葉植物の鉢が二人の上から落ちてきた! これをモリ先輩の手刀が実にかっこよく退けて,モリ先輩の周囲だけには心配する沢山の人たちが群がってくる.…それは今の笠野田君にとって憧れの光景.自分のことをいたわってくれる人たちに周囲を取り囲まれる機会は…笠野田君には次回訪れます.ただし相当不本意な形で(笑).
観葉植物はモリ先輩を狙ったものだと考える笠野田君ですが,とりあえずモリ先輩に限って誰かの恨みを買うようなことはありえない.他の部員のような際立った特徴もなく常識的で人間が出来ていて部内では背景並の彼を(笑)わざわざ恨むような物好きはいないでしょう.…では誰が狙われた?という件はまず放置.まずは改造計画が先!
ボサノバ天使化計画は本日より始動! 昨日のことはなかったことにして今日始動(笑)! あの屈辱をノーカウントはないだろとボサノバ君は荒れ,環はあの双子の勇み足だ…と他人に責任をなすりつけます(苦笑).…この計画を割と傍観気味なのがハルヒと鏡夜.細かいですが鏡夜はずーっと何かメモしてますね.
かくして笠野田君をどういじるかについて楽しい会議に興じるホスト部連中.それを傍観するしかない笠野田君に,あの人たちのことを信じすぎない方がいいよ,と善意でチクるハルヒさん.真面目な若はまだあのバカたちを信頼しているわけですが,その信頼がきっと無駄に終わるってことを,ハルヒさんはこれまでのいろいろと壮絶な経験からやたらとよく知っているのです….
紅茶など入れて,笠野田君と2人で話すハルヒさん.高等部から入学という立場も似通い,缶蹴りの趣味はないけれど「たまにはいいかもね!」とごく普通に接してくれること自体が孤独な笠野田君にはたまらない(笑).相手が男子学生だってことすらも忘れそうなハルヒさんの天然の魅力は凄まじい.元々素材が良かったところに,日々のホスト部活動で磨かれた結果なんだろうけど,いくら可愛くても己の性別まで忘れちゃだめだボサノバ君(苦笑).
邪なことを考えたバチが当たったのか,ホスト部会議の結果,ボサノバ君の次のラブリーイメージ戦略はネコミミモードに決定.…おっかない顔に猫耳カチューシャ.「化け猫」とハニー先輩がずんばらりと斬り捨てております(笑).どうやら本気でネコミミがいいと思ったらしいアホの環はおかしいなと戸惑い,あれじゃ足りないツメが甘いと双子が楽しく燃料をくべるもんだから戦略大炎上.本人不在の会議の末,思い切ってネコミミメイドさんにされちゃったところに手下のテツ君が(苦笑)!
あれに萌えるのはいくら中身がツンデレでも無理という若の姿に動揺するテツと,そんな舎弟以上に動揺している若.決して密やかなご趣味なんかじゃねえとちゃんと着替えてから逃げ出していきます.客でない奴にはホスト部こと魔窟の濃さはあまりにも毒.いくら極道でも耐えられるようなもんじゃないさ(苦笑).…自分の怖さに本気で苦悩して,仲間と缶蹴りしたがって,外見はともかく中身は十分可愛いカサノバ君について「イメチェンなんで必要なのかな?」とハルヒ.ハニー先輩も同意見で「はやく気付くといいね」と化け猫を気遣ってあげたり.
逃げ出した笠野田君が向かったのは庭のバラの下に隠した籠.その中には怪我をした雀が入っておりました.池の傍で雀に餌をやってると,ハルヒさんが見つけて隣に座ります.…傷ついた雀をかくまって世話してるあたり,やっぱり笠野田君の中身は十分可愛らしい.見た目はともかく(苦笑).
見た目の怖い笠野田君をちっとも恐れない,見た目も可愛いハルヒさん.すぐ傍に座って自分をちっとも怖がらないこの可愛い生き物に笠野田君はもう夢中.その女みたいな容貌に全力で心惑わされておりましたら(笑)ペンキの缶が飛んできた! ハニー先輩が間一髪で助けてくれたものの中身の赤い色がハルヒさんの制服にべったり.怪我していた雀は騒ぎの中で空へ.「飛んだ」と見上げる笠野田君の笑顔は…見た目だって怖くない.
ペンキ缶なんか投げやがった犯人たちをモリ先輩が捕まえてきたなら,頭のぼっちゃんをさらったとか誘拐魔とかぼっちゃんを返せとか聞きなれない話を語ります.実はこの二人に狙われていたのはボサノバ君.ホスト部は騒動にならないように皆で見守ってくれていました.「どちらが悪人かは,見ればわかる」とモリ先輩.凄くいいとこ見せてるんですが,ここで着替えに行ったハルヒさんに結局全部持っていかれるんだよなぁ(苦笑).
そして本当の原因は若の舎弟のテツ君.可愛い顔に似合わず実にガラ悪く犯人たちを制裁している彼の正体は,千堂組組長の息子の千堂鉄也.…実は笠野田君と同じ立場であった彼は,組をひとりで飛び出した雨の中で,おっかない顔だけれどとても優しい人に助けられて惚れこんでしまったのでありました.
自分が濡れるのも構わずに傘をくれたあのときの笠野田君は,今と同じに人一倍照れ屋で不器用で人一倍暖かい.そんな若の魅力はテツだけでなく組の皆だって知っていて,「恥ずかしがるから言えないだけなんです!」…真実ってなんてうれしいんだろう.心底惚れこんだ人のところにいたいテツ君が差し出す傘に,「つ,使わせてもらう」と礼を言う笠野田君はやっぱり怖いけど,中身はとてもいい人,そしていい話….

さて,この分なら缶蹴りもできそうな笠野田君は自分の件で迷惑をかけたハルヒさんに早速謝りにいくわけですが,一件落着と考えるのはまだ早い.なんせあの子は着替えに行ったわけで! …笠野田君が開いた第三音楽室の準備室の中には,着替え中で白いブラのハルヒさんがいてさあどうしよう! とりあえず「ま゛!」ってこんなときに使います(笑).最終的にはこれまで数話の総決算となる,男の客は来なくていい!アホ全開の次回に続きます(笑).

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桜蘭高校ホスト部#21

「静止した夜の中での巻」

高等部1年A組の今年のハロウィン企画は,相変わらず暴走しているれんげの提案で肝試し大会に決定.面白いのが好きな常陸院ブラザーズをはじめ,クラスのほぼ全員が大乗り気で,顔を青くしてるのは委員長の相賀だけだ.怖がりの相賀が冷静なハルヒに必死に助けを求めているのを見つけた双子は,面白がって2人と同じチームに加わってしまう.

この分なら一切息切れなしでラストまで走っていくことが確実な「ホスト部」.あらゆる面,特に演出・絵コンテで贅を尽くしまくる本作もそろそろクライマックスの準備をはじめています.スポットライトの中にいるのは主役のハルヒと環と常陸院の双子.ただし馨は光を置いて,ライトの中から外れようとしていますが….今回は面白おかしいだけの話にできるはずですが,割とシリアス担当で常識的な馨の目から見るとどこか寂しい雰囲気が漂ってみたり.ただ…もし原作と同じなら,正直買いかぶり過ぎなんだよなぁ(苦笑).

前半.今日の表の主役は委員長の相賀君.いかにも育ちが良くて真面目そうでごく普通の少年ってのは本作ではかなり珍しい.レギュラーが全員いろいろ突き抜けちゃってるから….金持ち学校は悠長で,模試の採点とかぶる10月末まで授業が休み.仮装パーティができたり親睦目的で1日使えたりと,別にホスト部でなくても相当夢のような学校ぶりです.
通常ならお茶会や映画上映でお茶を濁すような1日.けれどこのクラスはホスト部員を4人も擁する濃いクラス.普通の企画で済むわけがない(笑).早速暴走するれんげさんは凄まじい動きっぷりでコビまくりつつ提案.…どうでもいいシーンに凄い技術力が投入されているなぁ(苦笑)! ちなみに今日のれんげさんのコスプレは,発売前ゲームの女子制服.濃い人の側には自然と情報が集まるものですが,未発表情報なんてどこから仕入れたのやら.…スポンサー?
コスプレ茶会程度はホスト部では普通.曲がりなりにも日常に近いクラス行事と非日常の濃縮エキスみたいなホスト部の活動を同列に扱い,さらなる刺激を求めようとするれんげさんは滅茶苦茶.「何がハロウィンでしょう!」とか言われてもなぁ(苦笑).
れんげさんが提案するのは「ハロウィンスペシャル!肝試し大会」.夜の学校で生徒同士で脅かしあいの脅かされあいは立派に非日常なので双子ですらも大乗り気.…前回の孤独っぷりと比べてみると,2人が部活によって改善されたことがよくわかる.副委員長の倉賀野嬢はうーんと怖い奴を希望.途中で逃げたら臆病大臣として校内新聞の1面を飾る!と罰ゲームまで決定し,転がるように企画が実体化していくわけですが….
この状況に異様に脅えているのが委員長.なんとか3,4人ずつのチーム制は提案したものの,企画の実体化に伴い顔色は悪化,これだけやる方向で盛り上がってしまうと止められそうにもないってのに,必死で異論や反対を求めております…特にハルヒを見つめて.しかし結局誰も異議を唱えることはなく,なしくずしに企画が通ってしまったのでありました.
学校全体が非日常に染まる秋の頃.ホスト部でも当然ハロウィン仕様のバンパイアのコスプレがお目見え.鮒ちゃんに血という名のおやつを求める環は特に絶好調で,いかにも背徳的なのに能天気という凄い状態(笑).けれど双子とハルヒはクラス行事を優先するので部活を休む.…さっきの双子のコスプレはイメージ映像? しかしハロウィン当日までは手の届かぬところにハルヒを連れていってしまうと聞いて,絶好調のはずの殿も一気に陶酔が覚めます.
間抜けなドラキュラより狡猾な悪魔の双子は,夜の学校でスペシャル肝試し大会やるんだもん!と環に自慢.クラスイベントの内容を聞いて環のあんまり良くない頭はくらくら.ミッドナイト脳内劇場では双子に脅えたハルヒが抱きつく様が予想され…って,沖縄のときにハルヒがそういうのには反応しないことはもうわかっているんだけどさ(苦笑).
環の過度の心配を他所に,クラスの親睦も大事とあっさりいかがわしいイベントに参加するというハルヒ.環はこれに「ふしだらな…」とか「お父さんは絶対に許しませんよ!」ともう必死.今日も彼の脳内家族劇場は絶好調なわけですが…これを魔法の呪文と考えているのが馨.ハルヒは娘で自分たちは家族.そんな設定が彼らを包み,夜の中を駈けていくのです.
クラス行事の名目で双子にハルヒを取られてしまった環をさらに襲う恐怖! いきなり猫沢先輩が変なところから登場するんですが,環の「にゃ!」って悲鳴が可愛すぎて怖いのが吹っ飛ぶなぁ…(笑).ホラーイベントは黒魔術部のお家芸.横で聞いてて勝手に乗り気となり,底無しの恐怖を無理やり1年生どもに押しつけるつもりです.こりゃ本当に呪われたようなもんだなぁ….
実行に先立ち企画の細かいところまで積められていく中,今回の主役はハルヒに必死で助けを求めます.委員長はあの顔色の通り暗所恐怖症でホラー映画も怪談もダメでいきなり脅かされるのもダメな筋金入りのチキン.肝試しの実施が決まってしまった今誰よりも脅え,膝を抱えて錯乱.シンプルなハルヒからすれば嫌なら反対すれば良さそうなものなんですが…それは委員長の権限を振りかざすみたいで嫌だから「助けてもらおうと思ったのに! フジオカにー!」
己の立場を考慮してきちんと一歩退いた相賀君は大変いい人なんですが,あのハルヒに気を利かせてもらおうとしたのが大間違い.甘いのを食いたい先輩に向かって都こんぶを差し出すような,テレパシー能力ゼロの奴に気遣いを期待するほうが無茶なんだ(苦笑).
それでもハルヒの冷静ぶりに期待して,同じ班になってくれと懇願する相賀君.ついでに双子には内密に…と願おうとするのもまた大間違い.どう考えても双子はハルヒと組みたがるんだから,ハルヒに近づいた段階でおもちゃにされるに決まっているのだ.倉賀野さんに4人で班をつくると双子が先に宣言しちゃったもんだから.もはや戻れず,委員長はとってもお気の毒…(笑).

後半.あっさりやってきたハロウィン当日の夜.静かな夜の学校はかぼちゃの明かりで飾りつけられ,うきうきでどきどきな一夜のはずが委員長だけはすっかりどんより.なんせ同じチームの2人が率先して怖がらせようとするからなぁ(苦笑).ハロウィンに時計塔の魔女の姿を見たら呪われる!などとおっかない話を吹き込んで楽しむ双子を叱り,怖さに幽体離脱する委員長を引き戻すハルヒさん.4人の中では一番男前です.
冷静で男前で頼りになって,けれど肝心のところで何かが致命的に欠けているハルヒさん.借りてきた本「怖い状況を切り抜ける108の方法」.その1の段階で「耐えていればいつかは終わる」ってことは,中身を吟味しないで借りてきてますね(苦笑).双子には脅かされハルヒさんにはボケられ,幽体離脱でいいから現実から逃げ出したい委員長をなんとか現実に縛り付けている存在こそ,倉賀野さんです.
幼馴染の倉賀野さんのことが好きな相賀君.自分が心底嫌な企画でも,彼女が大変楽しみにしていたのを台無しにしたくなくって我慢.己の気持ちと身の程をしっかりわきまえて,控えめにできることをやろうとした委員長の純情キャラに双子は愕然.彼はホスト部にはいないタイプのまともな感性の持ち主で,常識のタガがないようなおかしな人たちがいじめてはいけない国の人.「ああ己の穢れが浮き彫りに!」と悶えます.…同じ純情でも,己の気持ちとか身の程をあんまりわきまえてない上に親切をごり押しするピュアさんはいじめてもいいんだな(笑).
だったらなおさら協力しないと,と双子はおもちゃを手放す気は毛頭なく,ここから双子プロデュースの後押し大作戦が始まる…はずが,先に動いていた別の作戦に巻き込まれていきます.窓の外には白いのが走り,謎の足音響く階段からはドクロがころころ落ちてくる! すわAチームの騙し討ちか?と警戒する双子だけれど…「いたい…いたい…」と出てきた女は予算300円のレベルじゃない! 「ドクロを蹴ったのはお前らかー!」と威嚇する怖い顔にさすがにビビったBチームは耐え切れずに逃走! 全員揃ってチキンの仲間入りでございます(笑).
闇雲に逃げる4人は2人ずつ別の方向に.ハルヒと光は仲良く廊下の罠にかかり,委員長と馨は部屋で待機中のすげえ微妙な怪物に脅かされた末に理科室に閉じ込められます.今日のモリ先輩の仕事は「ふんがー,ふらんけーん」だけか(苦笑).「おおかみおとこー!」と叫ぶジャックオーランタンはシュールだなぁ.ホスト部先輩連中-鏡夜+猫澤先輩の,後輩ビビらせ大作戦は一応大成功.
でかい網の中に捕まってしまった光とハルヒ.早速光が馨がいないことに動揺して暴れているのが恥ずかしいブラコンぶり.たまたまハルヒさんが持ち合わせていたソーイングセットのハサミで網を切ることになったわけですが…折角二人で超密着だってのに,普通に口喧嘩しているのが勿体無い(苦笑).光と馨の性格の違いを語ってくれるなんてのはきっと光にとっては大変貴重な体験のはずなのに,一人でもうるさいし非常識!と悪口大会になっちゃってる.ただし魅惑の密着状況は変わらないどころか,ハルヒのまな板が目前に(笑)!
野郎の目の前に自分の胸があってもちっとも動揺しないどころか気付いてもいなさそうなハルヒと,さすがにこの状況下では兄弟のいない不安を忘れるほどに動揺してしまう光.いろいろ思うところはあるだろうけど,ここはしっかり我慢しなさい(笑).そして陰で見ていて動揺する自称父も我慢.作戦の都合上,階段の怖い女に扮装していた殿は目前のストロベリーを止めることが出来なくて一番お気の毒….
さて,理科室に閉じ込められられた委員長と馨の動向ですが,委員長は余りの怖さに突き抜けてしまいました.突然の闇討ちによって倉賀野姫と委員長をいい感じにするための心温まる双子のシナリオも台無し.けれど委員長は倉賀野さんへのアプローチを遠慮.ハルヒのファンである彼女の幸せのためならば,積極的に身を引く所存なのです…まあ,その幸せは神に誓って来ないんだけどね(笑).
相賀君は倉賀野嬢とともにいられる今が楽しくて壊したくない.告白なんかしようものなら,どっちに転んだとしても今のままではいられないとわかっているから一歩退き,穏やかで楽しい場所に留まり続ける….真実から逃げて刹那の喜びの中に埋もれて,魔法の馬車で夢の境界線をどこまでも走っていく.そんな魔法の呪文を唱えたのは誰かと言えば….
委員長の乗る魔法の馬車.そしてホスト部が乗っている魔法の馬車.今の関係を壊したくないという気持ちが魔法に変わるのだと馨は考えています.御者である殿が作り出した凍った時間の中でホスト部は今まで味わったことのない喜びを存分に味わって,けれどいつかは魔法は解けて泥沼のかぼちゃになってしまうに違いない.見ているうちに倉賀野嬢には別の彼ができてしまうかもしれない.微妙な均衡も誰かが壊してしまうかもしれない.
予測される憂鬱な未来の夢想に浸る馨…のところに必死で飛び込んできた光! それぞれ別の個人ではあるけれどやっぱり二人で一人.引き離されれば寂しいのは昔から変わりなく,客もいないのにひしっと抱き合っております.…ついでに光ってばハルヒを置き去りに.網を抜けた途端にストロベリーを置き去りにして兄弟のところに走るだなんて,ブラコンもここに極まれり(笑).
ようやく罠から逃げ出したBチームはクラスの仲間と合流.これまでのアクシデントが誰の仕業なのかを未だにわかっていないハルヒたち.どうやらクラスメイトの仕業ではないと判明したところで…窓の外には不気味な?巨大な影が!

翌日.校内新聞「桜スポ」の1面を飾ったのは1-Aの全員.冷静に見ればあれはどう見たってベルゼネフ.猫澤先輩が関与していたことはすっかり明らかなのでした.ちなみに相賀君の我慢は結局倉賀野さんにバレ,しかし「偉いです!」と思った以上に好印象.…とりあえず彼の魔法は続いているのかな?
魔法なんて長く続くわけがないと馨は考えています.今はハルヒより馨を優先する光は魔法の中にいるけれど,いつかその優先順位が狂う日がきたら,その瞬間にホスト部は崩れ,一緒に双子の関係も崩れて魔法が解ける.そこに待つのは泥だらけのかぼちゃ.御者と客とが醜い取り合いを演じるような近未来,一人置き去りにされる予定の馨は一体どうすればいいのやら.…とはいえ! 原作どおりなら馨は本当に買いかぶりすぎ.実はアホの子は魔法とかどうでもいいくらいにアホなのです.次回に続きます!

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桜蘭高校ホスト部#20

「結局ふたりで寂しいだけでの巻」

中等部時代の光と馨は現在よりもずっと性質が悪くて,2人きりの世界に閉じこもったまま,人の心をおもちゃにして遊ぶような悪魔たちだった.彼らが幼い頃からこだわってきたのは「どっちが光くんでしょうかゲーム」.もちろんあまりに似すぎた双子を見分けることが出来る者は,今まで一人もいなかった.
そんな2人きりの世界に踏み込んできたのが,中等部時代の環.能天気な笑顔で双子をホスト部へと勧誘する彼に,双子はいつものゲームを仕掛ける.なんとか見分けようとつきまとう環は二人にとっては目新しいおかしなおもちゃ.けれどそれにも,飽きがくる.

一応少女マンガ原作なのに明後日の方向へはっちゃけることが圧倒的に多い「ホスト部」だけど,今回はきちんとシリアス! 双子のうちでもまともな馨を語り手として,これまでに彼らが越えて来た高いハードルについて描きます.ハニー先輩の勧誘話で一応描かれていた通り,環は現状を認めることに大変に肯定的.無理や背伸びをしない自然体をそのまま受け入れるべきという信条が,双子たちが堂々巡りの矛盾の中から救われることへと繋がっていきます.
時折面白を挟みながらも回想交じりに描かれる世界は実に叙情的で美しく…さすが絵コンテに京田監督が入っているだけのことはあるなぁ(笑)! 作画監督の本橋氏の美麗な仕事や演出の中村氏の女性らしい繊細な雰囲気と相まって,素材である原作が緊密に再構成され,凄まじい昇華を遂げてます.原作にあった笑いはほとんど削り取られていますが,削って磨いた末に完成したのがこんな美しいものでは文句も言えない(苦笑)情感描写に関してはこれまで放映されてきた中でも屈指の回です!

前半.常陸院の双子は幼い頃からまるでそっくり.誰も彼らを見分けることができないまま中等部の2年まで来てしまいました.その世界は自分たちとそれ以外の全てに分かれていて,しかも一緒にいる相手は自身の影のようにそっくりで…2人ではあるけれど実質ひとりぼっちみたいな閉じた世界です.
この双子,顔もいいし頭もいいし普通なら絶対人気者になったに違いないんですが,生来の性格としてわがままで移り気で底意地が悪い.どれくらい悪いかというと自分にラブレターをくれた女の子を罠にかけて泣かせるほどの悪魔ぶり.光なのに「馨の方」と嘘をつき,馨として彼女を誘惑した上,彼女が乗り換えた瞬間に真相を暴露して切り捨てる.他人の恋心なんか区別されない自分たちの苦しみに比べれば軽いものだと自分たち勝手にも程がある.…しかも一緒にされた瞬間に一瞬失望を見せるだなんて,彼ら自身も自分たちが一体何をしたいのかよくわかってないんじゃあるまいか.
女の子の心を踏みにじり,髪型も似合わないセンスを磨けと難癖つけて追い討ちをかけ,「次はもっと面白い告白してね!」とラブレターを破り捨てる性悪の双子.そしてあまりにもひどい仕打ちに泣き崩れる女の子に優しくハンカチを差し出すのが,まだ中等部であった頃の環.もちろんまだホスト部は誕生していませんが,この頃からすっかり王子キャラは板についていたようです.
自習の教室の黒板には白チョークで「自分の未来の役割を考えよ」とか書いてありますが,つまらないことはさっさと消去という方針のみでやりたいこともやるべきことも見つかっていない双子はダレてます.刺々しくて怖い彼らの周囲には陰口と打算しかなく,好きで欲しいものなんか影も形もないのです.
そんな二人にも,自分たち以外のものを欲しくなった経験はありました.でも唯一好きになったのが金庫目当てで潜入して来たお姉さんってのが,これまた歪んでいるよなぁ…(苦笑).10年前からそっくりで毒舌でいたずら好きで残酷だった2人を無理に可愛がることも愛想笑いすることもなく,恐らくはごく普通に接してくれたお姉さんが2人はすっかりお気に入り.…愛想笑いが日常となる環境は,恵まれているゆえの不幸って奴か.
双子に気に入られることではなく,家の金庫を狙ってたお姉さん.犯行現場を見つけた双子は暗証番号と引き換えに彼女にゲームを仕掛けます.「どっちが光くんでしょうかゲーム!」…見分けられるまでは彼女を自分たちに縛り付けることができるはずのこのゲームだけれど…2人はまだ幼くて浅墓で.大人であり犯罪者であったお姉さんは,ゲームから逃げて貯金箱を割りました.
双子にとってお姉さんは特別.けれどお姉さんにとっては双子なんかどうでもよかった.双子がどうでもいい相手を傷つけてきたように,お姉さんもゲームを放棄しあっさり白旗振るだけでなく,去り際に呪いをかけていきます.「もしかしたらあんたらを本当に見分ける奴なんて,一生現れないかもね」…はじめて好きになった人に未来を絶望させる言葉を植えつけられた上で,双子はねじれて成長していきました.…この部分は原作ではもっと軽いエピソードだけれど,よりシリアス目に描かれてますね.
2人きりで伸び伸びとひねて育った10年後.呪いのようなトラウマのおかげで他人不信バリアを張りまくって荒れる双子に鈍い奴…というか無謀なバカが近づいてきました.暇そうだねとやってきた,後のホスト部部長で愛すべきバカの須王環.「一緒に部を立ち上げよう!」と爽やかに本題を切り出します.話題になる自分にうっとりし,白昼堂々もだえて夢想するナルバカは当時から相当うざく,しかも「俺には及ばんが見所があるぞ!」と話を聞かずに話を進めるという芸風も2年前には完成してたのか….4月から楽しい部活動をやろうと全力で勧誘する環に対し,双子は「うるさいな,どっか行ってよ!」
仲間面して自分たちに近づく奴は大嫌いな双子.そもそもつまらない他人には興味もないし,環のナルっぷりときたらもう迷惑以外の何者でもなく,彼が自分たちを誘う理由も家柄強化の打算にしか思えず.そこで双子が提案するのがおなじみの「どっちが光くんでしょうかゲーム!」1ヶ月以内に理由つきで2人を見分ければ勝ち,できなければ負け.超高難度かつ無敗のゲームなら負けるか諦めるかの選択肢しかないだろうと双子はせせら笑うけど,この程度の障害でくじけるような奴のことをバカとは呼びません(笑).バカはゲームに乗った上でなおかつ「だが俺は予言するぞ! 4月にお前たちは,高等部第3音楽室の扉を…きっと開く!」
ひねくれた双子と純真バカな環のゲーム.環にとっては期間内に見分けるゲームなんだけど,それは同時に双子にとっては,バカなナルにつきまとわれる我慢勝負となりました.下級生のクラスにずけずけと踏み込んで思いっきり間違えた上に,「俺は発見したぞ!」と本当にどうでもいいことをうれしそうに発見する上級生はうざい.…低音パートを担当しているのは光だよな(笑).さらには勝手に双子の予定まで決めやがるもんだから,ついには環を置き去りにしてしまう双子.
…ここで双子抜きの環と鏡夜だけのシーンが挟み込まれます.馨のモノローグが外れて話中の統一感が一瞬失われますが,描かれるものが今回だけでなく面白楽しい本作全体からしても外れていて,しかも大変重要なシーンなので大正解.これがあるからこそラストとか次回以降に効いてくる面もあるので,大変に上手いです….
置き去りにされた環は3年の教室へと帰還.普通の奴なら当然なんだけど,環が地味にへこんでるのがとても珍しい.いつもはもっと思いっきりべっこりいってるもんな.鏡夜は別に双子にこだわりはないけれど,環は「あの2人に興味があるんだ!」とひどく御執心.常陸院の双子は環が言うところの「俺たちの仲間」らしくて…どうやら環は彼なりの考え方があった上でホスト部員を選んでいたようです.彼は同時期に無理をしていたハニー先輩を勧誘しているはずですが,見分けて欲しくない癖に見分けるゲームを仕掛けてくる双子についてもやっぱり無理を感じているのか.…傍らで,環の言葉を完全に受け流す人間失格の鏡夜がいいなぁ(笑).
環は絶対くじけない.勝手に帰られる前に自ら常陸院家に押しかけ,やっぱり間違った上に間違ったアドバイスをぶつけ失礼な提案をするこの上級生は,朝から地獄のようにうざい.「兄弟愛を売りにしたらどうだろう!」とか「ちょっと危ないシンメトリー兄弟愛,常陸院ブラザーズ!」とか「これでどうだ!」とか言われても(苦笑)! …そして,イカれた提案を嬉々として押し付ける当時の環もおかしいですが,それを結局は受け入れちゃった後の双子もどうかと思うのです(笑).
やることなすことバカ満開,置き去りにすれば「待てい!」とか言い出す環はこれまで双子の傍にいた人間と質が違いすぎ.面白いものが好きだから,そのダメ方向の魅力には心惹かれる.王子顔の癖に殿様喋りでそのうちござるとか言い出しそうな「バカ殿だ!」.…空想の中のバカ殿環が異様に似合っていて素晴らしいなぁ(苦笑).…けれど双子は矛盾していて,近寄られるほど惹かれるほど離れたくなって…「でもさ,そろそろ,飽きたよね」

後半.双子はいきなり環を切り捨てにかかります.向こうが諦める前にこちらから一方的に終わりを通知して,「理事長の本妻の子じゃないんだってね!」とさらに痛そうな追い討ちをかける.近寄るなという意志を弱みを突いた脅迫へと変化させる2人は悪魔.…母が行方不明という似合わない重い背景を背負っていた環を「結局ひとりで寂しいだけなんだろう?」といたぶって,一人よりも二人のほうがマシと止めを刺す.…無神経すぎる双子の言葉に何も言い返さない環.でもその表情は,打ちひしがれた風ではありません.
これだけやれば終わりだと思っている双子.環の面白さには未練もあるようですが,がっかりさせられるのはゴメンなのでこれでいい.…一緒にいれば自分たちが環に期待してしまうこと,そしてそれが失望に終わることも知っているから,臆病者たちは自分たちで切ることを決めてしまったわけです.お姉さんが残した未来予測は絶対なので,どれほど見分けて欲しくても無理ならば,もういっそ見分けさせたくない.
ふたりなのにひとりの矛盾を抱える光と馨が本当に必要としているのは,2人をそれぞれ別の人間として自然に受け入れてくれる存在のはず.けれど意地っ張りでひねた光にもつい引きずられる馨にもそれを見つける術がなく…だから仕方なくどこまでも2人きり.「傷つかないですむように,とてもとても頑丈な鍵をかけている」.
見分けて欲しくて見分けて欲しくない双子は,今日も好意に罠をかけます.自分たちの苦しみを女の子の心を踏みにじることで軽くしようとしているんだろうけれど,罵倒する言葉に自分たちの苦しみが増幅されるばかり.どっちでもいいのはどっちもいらないってことだとか,言えば言うほど苦しいばかりで….どうすればいいかわからない双子の自家中毒.本当にひどいのは誰でもなくきっと彼ら自身.そして! 「今手紙を破こうとしているのが光!」
自分たちを守るために切り捨てたはずの環がなぜか傍にいて,間違いなく光の方をかっこよく指さす! ただし理由は「勘だ!」なのでダメなんだけど(笑).「今んとこ俺には無理だ!」と負けた環はちっとも悪びれることはなく白旗を挙げますが,そっくりすぎるのはもはや才能なんだから二人で一人な常陸院ブラザーズを極めていけと道を示し,けれど別個の存在だから俺も頑張って二人を見分けられるように努力するからと自分の道も宣言します.…2人を置き去りにはしないのです.
2人で1人でありかつそれぞれ別個の存在.環の言葉が矛盾してるのは間違いないけれど,それでも環は悪びれない.それは普通とは明らかに違うし矛盾しているけれど,それが光と馨なんだから仕方がない.生まれながらに普通でないのが普通になるためにあがくのは空しい努力.だからそのまま全てを飲み込む.「個性って言うんだよ,そういうのは!」
あまりにもそっくりで見分けてもらえないのは不幸ではなく個性.そう考えると双子は「不幸」ではなくなるけれど…生まれてこのかた甘い不幸に慣れてきた二人には,それを失うことは恐ろしい.そっくりな兄弟がいるせいで誰も見分けることができない.自分たちと同じ目でこの世界を見てくれる人などいない.そんなの最初からわかってると諦めを叫ぶ馨に.そして光に.
「…だったら外したとき,なんでいっつも,さみしそうな顔をする?」
思い出すのは幼い頃.例のゲームを仕掛けて勝ったはずなのに,彼女は「泣かないでね」と言いました.泣きそうな2人は勝てば勝つほど悲しくなるばかりの矛盾した不幸の内側にいたから,環は二人の腕を引きます.不幸な勝利を覚悟の上で二人だけの世界を飛び出せば,幸せな敗北を手に入れる万に一つの可能性があるかもしれない.けれど勝負から逃げていては永遠に出会えないから…「一緒にホスト部の扉を開こうじゃないか!」
意外と不幸な王子様は晴れ晴れと「一緒に世界を広げてみよう!」と誘います.勝ち続けるほどに悲しく,2人なのに1人より寂しく,自分たちを守るために自分たちを傷つける矛盾した2人だからこそ,今の自分には無理だけれど一緒に探してみようという環の誤りは大正解.個性としての矛盾を上手に汲み取った,青空みたいに気持ちがよくて感動的な,そんな敗北宣言だったのです.

1ヵ月後の始業式の放課後.勝った双子は罰ゲームへと赴いていました.例のゲームではこの先も勝利を収めまくるに決まってるけれど,そんな不幸な個性を越えてくる奇跡があるかもしれない.…不幸を個性とすりかえる詭弁の世界に,呪いを打ち砕く可能性が眠る扉の向こうに,自ら足を踏み入れます.
そして彼らに1年後何が起きたのかについては皆様もご承知のとおり.バカ殿と怖い眼鏡と甘いもの魔人と極度の無口という,個性的で滅茶苦茶な仲間たちと一緒に夢あるいは悪夢みたいな日々を繰り広げた末,ついには奇跡に出会うことになるわけですが…わがままで移り気で底意地が悪くて矛盾している二人だからこそ,救ってくれた大恩人は全力で虐げてしまうんだろうなぁ(笑).さらに双子を掘り下げる次回に続きます.

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桜蘭高校ホスト部#19

「やたらに主役は足の下の巻」

休日に藤岡家に押しかけたホスト部一同.しかしハルヒはすでにヅカ部にさらわれていて,環たちとハルヒ父こと蘭花さんは大事な娘を救うために出発.例の3人によってロベリアへと運ばれたハルヒはヅカ部の発表会で代役を務めてくれないかと頼まれ,「母」という言葉に負けたハルヒはヒロインを引き受けてしまう.
ロベリア女学院までやってきた環たちだが,男子禁制の女学院には女性でなければ入れない.もちろん本職以外の女装など却下して,主役の環を足蹴にしつつ,蘭花さんは潜入のための秘策を披露するのだった.

後半戦も半分を回り,そろそろラストスパートをかけはじめてもいいはず…なのにまだ遊んでる「ホスト部」.今回は久々にハルヒ父とロベリアの3変態を引っ張り出して,2話の回想など交えつつ遊びます.ともかく楽しければいい今回は演出・絵コンテの金子信吾氏の遊び心が炸裂! いい話にする努力を完全放棄して,爆走したままエンディングまでなだれ込む勢いはとても少女マンガとは思えません.キャラがかぶった環が非力な道化となり,子安氏の足の下で右往左往しているのが可哀想.そして凄い大根の中の人が大変に楽しそう(笑).

前半.休日の藤岡家をいきなり「ハールヒちゃん,あっそびましょ!」と襲撃する環たちは相変わらず稚気溢れておりますが,中から出てきたのは寝起きのオカマ(笑).あまりに怖いので逃げ出そうとしても,鏡夜やモリ先輩を含めて全員ごろごろと戻されてるのがおかしい.鏡夜は何考えながら転がされてるんだろうなぁ.
前の時蘭花さんに目をつけられてしまった環.今回は蘭花さんに手土産持参で穏便に行きたいはずなのに,むしろウェルカムアッパーを食らってしまって可哀想(笑),今回,蘭花さんとキャラの被る環は完全な踏み台と化していくのです….
今日はハルヒは友達と出かけたのでお留守.確かにハルヒにもホスト部以外の交遊関係はあるかと納得しそうになるけれど,それがロベリア女学院の生徒となれば放っておけない! 以前ホスト部からハルヒさんを奪おうと暴れたあの3変態をそのままにしておくわけにはいきません!って言うか蘭花さんノンキすぎ(苦笑)!
ハルヒを狙うあのクレイジーロベリア,ヅカ部に咲き誇るのは紅薔薇と鈴蘭と雛菊の変態トリオ.くるくる回って無駄に歌い…こうでないと「ウテナ」じゃねえなあとしみじみ感じます(笑).紫の薔薇を散らす女子高には倒錯の愛がてんこもり.女の子が女の子をどうやって喰うのかは知りませんが,食われたいタコさんが大量発生して大変なことに.…ホスト部も相当病んでるけど,ヅカ部はその斜め上を行くなぁ.
で,そんなスターの3人がさらってきたのが,可憐な乙女であるハルヒさん.今回はロベリアの制服などを召しており,3人がかりでひたすらに可憐だと可愛がられるのは…ホスト部とあまり変わらねえ(苦笑).その似合いっぷりは「まだくちづけの味も知らない無垢な君にこそ相応しい」…ロベリアさんたちは知らないだろうけど,ハルヒさんは無垢じゃなくね?
さてその頃,藤岡家では父が苦悩中.可愛い娘をヅカ部にさらわれ,どんないかがわしいことをされているかわからない! 例えば無理やりチューとかされちゃってたらどうしよう! …そんな様子を妄想すれば,「父」ならば狼狽して当然です(笑).でもハルヒは確かダンスパーティで…と口を滑らせる双子を即座に縛るホスト部部長.実は部活動の最中にハルヒはファーストキスを失っていたりするのですが(笑)そんな不祥事を蘭花さんに知られたら,部長が父にどんな目に遇わされるかわかったもんじゃない(苦笑).
「うちの娘にいかがわしいことなど!」と疑う蘭花さんを必死の気合でごまかし,さあハルヒを助けに行こうと無理やりかわす環.今回ずーっと蘭花さんにやられまくる環が唯一勝ったのがこの瞬間.…さすがの鏡夜も,絶対に怒られる2話のあの件については報告してなかったんですね.
ロベリアのハルヒさんはここにいることを嫌がっております.普段着でスーパーに行こうとしたところを無理やり連行されたわけだから,いくらホスト部で慣れているとはいえ気分を悪くしないわけがない.自分たちの都合で人をさらったり,休日を目茶苦茶にしたり,普段着を寝間着扱いしたり(笑),やってることが同レベルだから,あいつらと一緒にされても仕方ないですよ紅薔薇様.…ハルヒの体型,本当に男の子だなぁ….
ここに連れてきたヅカ部のお願いは,大事な特別公演に事故入院したヒロインの代役を!「ぜひとも乙女にヒロイン役を演じてもらいたい!」「無理です!」ハルヒさん即決(笑).お断りしますすみませんとともかくお断り.いくら立ってるだけでいいし台詞も少ないと言われても帰る気満々.花瓶を壊して借金があるならともかく,他人のバカ騒ぎに付き合う気なんかないのです.
しかしハルヒさんを引っ張り出したい紅薔薇は,「僕はあなたのようにはなれない.許してくださいお母様!」とかいきなり妙なことを言い出します.ロベリア卒業生の伝説の母に近づくという夢を叶えるには,母も大成功させたという特別公演を行いたいのに…という見なくてもわかるほどに臭い小芝居.けれどハルヒは,「母」という言葉に弱かった….
さてその頃,大事な娘を仲間をもって行かれた蘭花さん&ホスト部は男子禁制のロベリアへ.ヅカ部は魔性の花の蜜と父は異様に警戒しております.なんせ亡きハルヒ母の琴子さんすらハマったのがヅカ部.メザシが普通に食卓に並ぶ庶民的な貧乏ライフの中ですら,ヅカ部コレクションはちゃんと蓄積されていた…って,普通はあのくらいで大量のコレクション? 大量ってのは収納には収まらないレベルじゃないのか(笑)?
メザシって何?なんて疑問はどうでもよく,ハルヒによく似ていらっしゃった母上様がヅカ部にハマっていたという事実に狼狽する環たち.もし同じようにハルヒがハマってしまったら…可愛いという財産しか持ち合わせていない貧乏な彼女が,そのなけなしの財産をヅカ部に注いでしまったらどうしよう! …ここの「まな板ですが,こんな自分でよろしければ…」の妄想がおかしい.皆やっぱりまな板だと思ってるんだ….
下手に財産あるよりまずいので,一刻も早くハルヒを助けにいきたい環はロベリアの制服を取り寄せるように鏡夜に命令するものの,その直後に蘭花さんが蹴りで却下(笑).以前お姉様になるべく思いっきしやらかして面白かったように,その道を追求していない男の女装は気持ち悪いだけ.…素材はいいんだから本職が化粧してくれれば相当のレベルには達するだろうけど,女装が見た目だけの問題ではないからこそ「本職をバカにしてんのか? ええ?」なんて凄まれるんだろうな.
ハルヒさんを救うには男子禁制の禁断の園に踏み込まねばならない.しかし女装は却下され,となると他に打てる手は…ここで自信たっぷりに「秘策があるわ!」と提案するのが蘭花さん.まるで主役のような目立ちっぷりで,なんだかハルヒよりも環の立場が大ピンチ(苦笑).

後半は大根.「母」という言葉に負けたハルヒは,代役として舞台「追憶のセニョリータ」のヒロイン・マリアンヌ役を担当.早速稽古がはじまっているわけですが…ハルヒの大根が凄すぎる(笑).たった1つの台詞な「ふれでりっくさまー」の棒読みレベルは御柱並み.しかもそれを連呼するもんだから目も当てられない.さらに心のツッコミセンサーも生きたままで劇の内容に冷静にツッコんでいる(苦笑).そもそも怪我であんだけ喋る余裕があれば,結局死なない可能性が高そうだもんなぁ.
で,そんなハルヒの大根ぶりを見て愕然とするホスト部&父.…モリ先輩が寝ているのに目が行きがちですが,この時点でもう足りないな.ハルヒの大根は父にも仲間にもフォローのしようがないほどに悲劇的なのが喜劇的.ポンコツロボット並みにダメってことは,普段のホスト部の接客は本当に素でやっているのか….
お願いだから誰かツッコんでやれと思わせるほどの大惨事にさらに加わるのが歌.ヅカと来ればお芝居と歌は切り離せないものですが,ハルヒさんはこちらも大の苦手.音楽の成績だけは昔から滅茶苦茶ひどくて!と父は恐れるものの,その歌声は…ちゃんとまとも.中の人のことを考えると歌が下手なわけがないわけですが(笑)実際はただの口パクで,コンセントが抜けると無音になるのでありました.…映像としては歌にタイミング合わせて口を動かすのは普通の歌のシーンと変わらないわけだから,無駄に手間かかってんなぁ(苦笑).
このようにハルヒさんの大根ぶりが拝めるのも,蘭花さんの機転があればこそ.前半ラストの秘策こそヅカ部ファンクラブ「紅薔薇の会」への入会.体育会系の厳しい規律やお揃いのTシャツも恥ずかしいですが,ここに潜り込むのがハルヒさんに近づく一番の近道.「薔薇様,今日も1日頑張って!」ってなご挨拶の練習も気合を込めて.女の園に近づくならば,その周囲にいるファンを味方につけねば命すら危ういのです.
さらにファンは同じファンには寛容.山ほどのファンの中にうまく潜り込めれば最高の隠れ場所ができるので,ぜひとも仲間になるべく,他の乙女たちと対等にヅカ部の魅力を語りまくる本職の蘭花さん.見た目以上に内面も女性だからこそのノー違和感ですな(笑).…ただしファンの目は外部に対してはやっぱり厳しいので,代役が舞台を台無しにしようものなら,たとえ役者だろうと武闘派の開催する体育館裏乙女集会にご招待する所存.その気合にホスト部はすっかり追い込まれてしまいます(苦笑).
あの凄い大根は絶対に台無しにしてぼこぼこにされる.そうなる前に「なんとしても…ハルヒをここから救い出さねば」となぜか劇画調の変な顔で気合を入れる殿ですが,実際は思っているだけで開演目前に(苦笑).すっかり主役の地位を追われてしまった今日の殿.でもあんな気持ち悪い顔で目立つくらいなら大人しくしてろ(笑).ちなみにヅカ部は当然ホスト部の侵入を察知.またさっきから姿を消していた鏡夜は家の力で舞台の放送室に潜り込んでおります.この設備がかなり良いものであったため,終盤の大暴露が可能となったのです.
正気を失っているファンのお嬢さん方が見守る中で,紅天女のオーディションレベルの気合の篭めた舞台がついにスタート.ホスト部は幕が開き次第ハルヒを連れ出そうと思っていたんだけれど…スポットライトの中のハルヒがあんまりにも凄いことになっていたために狼狽.舞台メイクはあまりに塗りすぎで痛すぎ.メイク濃いよハルヒ(笑)!
けれどスポットライトの中のハルヒは,なんだか生き生きしているように見える.もしハルヒさんが自身の意思で頑張っているなら,父にも仲間にもそれを止める権利はないのではないか,ということで静観してしまったのがまずかった.もちろん生き生きは考えすぎで明らかにメイクと照明の熱のせいなんだから,問答無用で奪いにいけばよかったのに….
なぜかハルヒさんの大根は劇からもファンからも許容され,ついに物語はクライマックスへ.「追憶のセニョリータ」はフレデリックの復讐劇で,貴族の父に復讐するため,フレデリックが空砲と偽りその目前で父の愛人のマリアンヌを撃つ.クライマックスにはキスシーンもあるらしく…フレデリックは紅薔薇.マリアンヌはハルヒ.そして父がホスト部ならば…空砲のはずの銃弾はキス? 「君への思いとあの男への復讐だけは,どうしても消し去ることができない」と明らかに観客席に向かって言う紅薔薇.これは,ヅカ部のホスト部に対する復讐だ!
ホスト部の目前でハルヒを奪うことこそヅカ部の狙い.舞台の上でハルヒさんを抱き寄せ,ファーストキスを奪うことこそ復讐だ! …環は真っ先に舞台に突っ走るものの,なぜかバナナの皮が落ちている(笑)! すっ転んだ環の目前で紅薔薇とハルヒは遥か上へとせり上がり…ハルヒさんの唇は,絶体絶命逃げ場なし!
けれどそもそも奪いたいものにそれだけの価値があるのかどうか,ヅカ部は勝手に思い込まずにもうちょっとよく調べるべきだったわけで.放映室では鏡夜が見事な手さばきで必要な映像を転送し,高いところでハルヒさんにキスを迫る変態の背後に巨大スクリーンを落とし…上映するのはもちろん,2話のハルヒさんのキスシーン!

バナナのいたずらで随分と前にファーストキスをお客様に捧げていたハルヒさん.ホスト部の連中と視聴者には周知の事実であるわけですが,ヅカ部と蘭花さんには初耳.しかも「女の子同士でなんてふしだらな!」…迫る蘭花さんの横にくっついてツッコミ入れてる双子が面白い(笑).でもって舞台に上がった3人は,またもバナナの登場で殿の上へと転びます.
高いところから逃げたいハルヒに下から叫ぶ環.両手を広げて…「来い!」と構えたのでハルヒは華麗に宙に舞い…見事なフットスタンプをお見舞い(笑).もちろん痛くて青い顔でひとりで倒れる殿,その目前で蘭花やらヅカ部やらがハルヒを追いかけ,当のハルヒさんは環のことなんか既に忘れて「ああ,家で静かに勉強したい!」と思った途端,なぜか全員の足の下にバナナの皮が(苦笑)!
感動も感心も共感もなくてただひたすらに愉快なだけ.ナンセンスギャグとしてのレベルも相当高いんですが,本作は一応少女マンガなので,そろそろ真面目にやる練習をしておかないと,クライマックスで困りやしませんか(笑)? …てなわけで,今度はかなり真面目な次回に続きます.

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桜蘭高校ホスト部#18

「最終兵器ロリショタの巻」

ホスト部では比類なきロリショタぶりを発揮するハニー先輩.彼には中等部在籍中の弟がいて,顔を合わせれば弟が仕掛けてくるそんな殺伐とした兄弟仲.以前は家の跡取りとして無理に男らしくふるまっていたハニー先輩だが,ホスト部に入りケーキと可愛いものの誘惑に屈した今となっては禁欲も自制も見る影もない.ただしこのロリショタはべらぼうに強く,そのことが格闘家としての兄を尊敬する弟には我慢できない.

2クール目を快調に,部員たちの内面をさらに掘り下げていく「ホスト部」.普通はどんな明るい顔でも内面を掘り下げると底暗いものがどろりと出て来たりするわけですが,ごく稀にそういうのとは全然違うものが出て来るという,今回はそういう話(笑).最上級生にはとても見えないハニー先輩の過去と現在は壮絶にシュールで,どこをどう頑張ってもまったく共感できない展開が映像のキレも相俟って面白い! 今回は脇に徹する双子のシンメトリーぶりも大変に楽しい.すっ飛んだ展開なので当然感情に来るものはないわけですが(苦笑)そのトビっぷりににやにやしちゃいましょう.ちなみに原作からは大幅な改変がなされてるんですが,1話でまとめるには削るのもやむを得ないですね.

前半.庶民の世界から見れば異世界である桜蘭のさらに異世界である第3音楽室にやってきたのは,中等部の眼鏡の少年.しかめっ面な彼とそのハニー先輩が顔を合わせたならば…「光邦,覚悟!」といきなりバトルの開始.大抵の超展開には慣れたはずのハルヒさんでも,いきなりのバトルは追従しにくく,しかし他の連中は特に動揺することもなく,むしろ実況とかはじまって異様にノリノリ.
手広くやってるれんげさんは突然の戦いすらも見事に実況.今様牛若丸であるハニー先輩に挑むのはチカ君.2人の縦横無尽なバトルっぷりは達人の域なんですが,ハニー先輩のあの力みもなく平静な表情は…ちっとも本気じゃないんだろうなぁ(苦笑).対してチカ君はあっという間に息が上がっております.
ハイレベルな2人の喧嘩.この学校的にはいつものことのようでギャラリーの皆さんも実にのん気.はらはらしてるのは慣れてないハルヒだけ.チカ君はどこからか取り出した金属の棍を構え,ハニー先輩を吹っ飛ばした…と思ったら,この勝負はハニー先輩の勝ち! チカの足元にはハニー先輩のクナイがっつり刺さって「影縫いだ」.どうやら格闘スタイルだけでなく,武器も暗器もOKなルール無用のバトルなんですね.銃火器とかミサイルは…流派的にはOKでも日本国内じゃ法に触れるからダメか(笑).
無傷のハニー先輩はやはり最強であることが実証されたので実況のれんげさんは退場.かなり痛んだモノクロフィルムを使ってたあたりも絶好調でマニアだなぁ….で,あまりに敷居の高い今回はハルヒさんはすっかり置き去り.そもそもチカ君がわからないんだけど…よくよく見ればあっさりわかる,「ハニー先輩の弟さんだよ」
古来より武芸で名を成し,しかしそれに留まることなくあらゆる武術を取り入れてきたという埴之塚流.これを極めんとする者は,顔を合わせたら即座に切り結ばねばならないために冒頭のようなことに.ホスト部の皆にもそれぞれ家庭の事情があるのだと今のハルヒは知っていますが…ハニー先輩の事情は珍妙すぎてやっぱり敷居が高すぎです.
埴之塚流の基本は自身を戒め無我を目指す.…それは中学生がテニスで出すアレのことかい(笑)? 自律自戒が重要で,快楽に流されることは禁止なのでケーキもだめ.けれど次期当主の呼び声高きハニー先輩はケーキ好きで甘えたロリショタ.まさに砂糖菓子の煩悩の塊のような彼は流派的にはもちろん例外で,ゆえにチカ君は兄のことを呼び捨てにする程度に大嫌い.今の堕落したハニー先輩には,当主の資格はないとまで言うのです.
ホスト部へと移籍して以来,武道の道よりショタの道を極めてしまったハニー先輩.そんな兄貴を弟が尊敬するのはさすがに相当難しいようで,負けたくせに「学校では俺に近づくなよ」とか捨て台詞まで残していく始末.…刺々しい言葉を実の弟から一方的にぶつけられるばかりの先輩はさすがにうさちゃんを抱えてちょっぴりヘコみ気味.でも「余ったケーキ,どうします?」と環がケーキを差し出したなら,満面の笑みで食いました(苦笑).家庭の悩みは人並み以上に抱えているものの,ケーキやうさちゃんには絶対勝てないあたりが実に彼らしい.
なぜにハニー先輩はまともな空手部からうさん臭いホスト部「なんか」に移籍したのか? ハルヒは不思議がり殿はプライドを砕かれてます(笑).知らないハルヒに双子が教えてくれるのは,ホスト部ができる前,今より2年前のハニー先輩空手部時代の物語.
ハニー先輩の空手部鬼主将伝説! 2年前のあのころの先輩は,当主として相応しくなろうと一生懸命.1年生で空手部の主将を務める実力は本物なんですが,あまりにロリショタな外見にはさすがに周囲の目も厳しかった.それをなんとかするためには,己を律し弱さと甘さを切り捨てて真の強さを掴むしかなく,傍で見てると切なくなるほどの努力を「そりゃもう頑張られた!」 …ただし武道の修行ではなく,見た目を鬼主将にする方向の努力なんですが(苦笑).
実力的には十分なハニー先輩は,それ以外を次期当主らしくするために努力.可愛いものを封印し,勇ましい仕草や勇ましいメニューを選ぶハニー先輩.…それはどうにも似合ってないし,必死の努力や我慢がむしろいじらしくて萌え(笑).この頃のハニー先輩にとっては,何をやってもファンクラブが結成されてしまうほどの自身の愛らしさこそが最大の敵であったわけです.
ちなみに「鬼主将伝説」なのは,当時あまりの不憫さに同情した部員たちが「鬼主将」と社交辞令を連発し,それにハニー先輩がほんわり喜んでいたため.どう見ても鬼じゃない相手を必死で鬼と呼ばねばならない!そんな周囲の必死の努力が泣けます(笑)!
世の中にはどれだけ頑張っても無理なことがあるわけですが,それを必死にやっていたハニー先輩の目を奪った,ピンクうさぎの手踊り人形.ハンドパペットのかわいらしさに見事に誘い出された鬼主将が見たのは…薔薇を撒き散らすまだ若い金髪の王子様とうさぎ.彼は「僕と一緒に部を立ち上げてみませんか?」とハニー先輩を誘惑します.
スカウトっていうか部長の一本釣りに挑戦してきた中学時代の環.これからホスト部を作ろうと考えている彼は,思いつく限りのメリットを餌にして大魚釣り.格闘家としてはネガティブな意味しか持たない容姿を生かすことが可能.さらに可愛い小物や甘いケーキも存分に! 「僕らと楽しく過ごしてはみませんか?」
可愛いものと甘い物の誘惑から必死で逃れようとしていたハニー先輩にとって,その中心から来た環の言葉はまさに悪魔の誘い.必死で関心のないふりしても,うさちゃんからは目が離れない(笑).見事に獲物は針にかかっているので,後は魚に諦めさせればいいだけです!
環が抵抗する魚に問うのは「真の強さとは一体何なのですか?」本当の自分を隠して見栄を張ることは逃げであり,本当に好きなものを知って認めることではないのかと.「楽しもうとする前向きな力,それこそが本当の強さではないんですか?」…凄まじい揺さぶりの上にうさぎを残して,環は一旦退場.引くだけ引っ張っていきなりふっと緩めたわけですね.
ただでも無理していたところに,環の言葉に揺るがされたハニー先輩.己の中に無理と迷いがあることを自覚した彼は,ここまでの彼をデザインしてきた父に向かって,真の強さとは何かを尋ねます.…ここで適当論理で口頭で説明していたら,きっとハニー先輩はホスト部には入らなかったんだろうけど…おもいっきし実戦でもって語ろうとしたのが運の尽き.天才武道家の父は病院送りにされました!
恐ろしいまでに完成していたハニー先輩の格闘能力.その発露は審判を完璧にビビらせ,内々に大量破壊兵器認定までされてしまうほどの無茶苦茶ぶり(笑).なんだこの最終兵器ロリショタ.寝起きの悪さで特殊部隊をやっちゃったのもやっぱり本当なのかなぁ.
こうしてハニー先輩は釣り上げられてホスト部へと移籍し,大変に共感しにくいキャラの大変に共感しにくい過去話はようやく終了.ハニー先輩は型破りすぎて埴之塚にも収まらないというか人類の範疇に収まっておらず(笑)それに比べるとチカ君は家風でがちがちっていうかまともゆえに反りが合わない.…でも,弟と喧嘩するのは辛そうなので,「埴之塚ブラザーズ仲直り大作戦を開始する!」と環は宣言するのでありました.

後半.チカ君は空手部主将として掛値なしの鬼主将ぶりを発揮しておりますが,あまりにも兄が凄すぎるのでその頑張りが薄れてしまうのがやるせない.でも,即座に正拳突きを鼻先にくれたり休憩をやめさせたりするのは鬼主将だけど大変に情けないぞ.チカ君の歪みっぷりはお約束どおりのものであったため…双子は揃って別の遊びを探しに行こうとする薄情ぶり(笑).面白いことだけを求める双子にとっては,ハニー先輩の気持ちなんかどうでもいいんだな.
今日も他人のことに一生懸命な環に向かって,ハニー先輩は「僕いいんだ」と遠い目.ロリショタだけど兄だから,弟が元気にすくすく育つのを祈るばかり…と考えてることは妙に老けてるんだけど,見た目はアレで弟の方がでかいし,ついにはあまりに皆がうるさいので,あっさりチカ君に発見される始末.
出会ったらそのバトルというのが埴之塚流.その相手がたとえ兄でも宇宙人でもルールは絶対…って,宇宙人? チカ君はハニー先輩を宇宙人呼ばわり.確かに人類離れはしてますが,強すぎて甘いのと可愛いのが大好きなロリショタに対する呼称としてはいささか不適当にも思えるわけですが…「あの人毎晩夕食を食べた後にホールケーキ3個とか,平気で食べるんです!」…わあ.
チカ君が兄が嫌いなのは強いからとか甘いのと可愛いのが好きだからではなく,兄が人間離れしているから(笑).食後にホールケーキ3個を瞬時に消し,夜中にはうさちゃんと一緒にケーキ祭り.小粋なウエディングケーキレベルのブツに取り囲まれた週に1度のスペシャルケーキナイトは,チカ君のトラウマになるくらいに怖かった….ケーキバイキングで大活躍する人を見たときの数万倍の衝撃を喰らったわけだから,そりゃ嫌になるさ.
「はっきりいって怖くないすか?怖くないすか?」と必死で己の味わった恐怖を伝えようとするチカ君(笑).常識の枠内で考えれば,うさちゃん電波で一晩中ケーキ食べてるような奴は宇宙人扱いされても仕方がない.…それでも昔はまだちょっと過剰なくらいだったから仲良くできたけれど,ホスト部に移籍するときにタガが外れてしまった(苦笑).好きなものを認めるのが真の強さとか吹き込まれたのを真に受けて,強い兄は宇宙人へと変貌! あの説得がなければ今の不仲もなかったのか….
仲直り大作戦の企画者が不仲の原因であったことが判明しては,さすがに仲直り仲介は難しい.しかし兄はしっかり誤解しながらも,甘いものが嫌いな弟と向き合うことを決めました.すっかりホスト部に染まった彼は今の自分に恥じるものなし.ゆえに!「男らしく,埴之塚流でケリをつけよう,靖睦」と言い切る様が実に凛々しい.
本日締めの大一番.どこだかわからん草原ではじまった勝負には,「夜中にケーキを食べるのはやめる」という懸賞がついております.…この程度の条件ですらチカ君があっさり飲むくらい,ハニー先輩の病は重いのか….前回とは逆に今回はハニー先輩が攻撃側.どこからともなく棍を出して攻め,チカ君が影縫いを狙ってきたところを綺麗に棍で跳ねてしまう.
いつもいつでもハニー先輩を見守り続ける,モリ先輩が珍しく長台詞するところによれば,チカ君はハニー先輩の動きを常に取り入れ,ハニー先輩は常にその技を出すきっかけをつくってやっている.武道家としてはチカ君はハニー先輩を未だに尊敬し,近づきたいと思っている.…そこにはちゃんと絆があるから,モリ先輩的にはこのままでいい.兄弟の繋がりは完全に切れているわけではないのです.
それにこの勝負に関しては,ハニー先輩はわざと負けて勝ちを譲るつもりだとモリ先輩は真剣に見立てます.どんなときでもずっと一緒だったから…「あいつのことなら,なんでもわかるさ」なはずなのに! その目前で兄は弟を手加減抜きで吹っ飛ばし,最悪のダメージを食らったモリ先輩(笑)!「…あ」

宇宙人の考えていることは人類にはわからない.その人類が弟でも筋金入りの臣下でも,全然別の生物の頭の中なんかわかるわけがない(笑).本気で甘いものが好きなハニー先輩はスペシャルケーキナイトを止めることなどできず,むしろ勝利したからと週3回にグレードアップ! …そんな食生活は絶対体を壊すと思うけど,宇宙人だったら壊れないのかもしれないなぁ…(苦笑).
あっさりやられちゃったチカ君と,自分のこれまでをぶっ壊されて真っ白になったモリ先輩はご愁傷様.そしてケーキのためなら武道だろうと弟だろうと犠牲にできるハニー先輩はケーキの鬼だ! 自制自律もあくまで人間の枠内で推奨されることであり,人間離れしたハニー先輩には似合わないし,らしくないし,楽しくないから…ここは素直に,正直に!「うさちゃん,だーい好き!」…これほど悲壮感とかしっとり感のない過去話は珍しいよなぁと笑いつつ,次回に続きます.

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桜蘭高校ホスト部#17

「違うと言い張ることほど本当の巻」

将来を嘱望される鳳家3兄弟の末弟である鳳鏡夜.夏休みの最終日,彼は庶民デパートの中で目覚めた.環たちが寝ている鏡夜をここに運んで置き去りにしやがったのだ.携帯電話も財布も持たない状態で,このままでは家にも帰れない.…そんな彼を救ったのは,ホスト部唯一の庶民であるハルヒの財布だった.
財布なハルヒを従えて,ファーストフードを無造作に食らい物産展を眺める鏡夜.ハルヒや庶民の前では利益がないから愛想もなく,計算以外でも動く環とは1ミリも同じところはないはず.けれどハルヒは彼の行動の中に,打算では説明できないものを見つけるのだった.

高い完成度で見るもの全てを幸せにしてくれる素敵な「ホスト部」.タイトルと設定の敷居だけはそれなりに高いですが,そこさえ越えてしまえば大抵の人間が楽しめてしまう,かなり普遍的に愉快な出来が素晴らしい.全体的なバランスが絶妙で,根底から世界観も健全.割とどこでも褒められるわけですが(笑)鏡夜が主役ゆえにいつもより動きが小さな今回の場合は,印象的な音を誉めてみたい.時には心象,時には状況を示す愉快な音効が静かな物語に見事な色をつけてくれます.マンガであれば書き文字で示されるものだけでなく,端書きや空白すらも音によって描いているのが興味深い.原作と見比べるとアニメなりの解釈の面白さがはっきり見えて,福田道生氏の演出も冴え渡っています.

前半.今回の主役は鳳鏡夜.由緒ある公爵家の末裔で現在はヘルスビジネス界の雄である鳳家の3男である彼は,普段から出来のいい兄2人と後継者レースを競っております.主席キープは当然でそれ以上を常に求められる3男へのプレッシャーはでかく,本人は断固として否定するでしょうが夢にまで見てしまう程度には辛いはず.
で,そんな嫌な夢の最後には「凄いこと考えついたぞ!」と能天気なバカの笑顔.ふと気づいたときにはなぜか鏡夜は庶民の雑踏の中.普段着で長椅子の上でひとりきり座り,なんとなく寝乱れた頭.少なくとも自宅のベッドの中ではない「…ここは…どこだ?」
沢山の庶民の店と買い物に興じる庶民たち.フロアガイドが示唆するようにここはデパート.どうやら寝起きデパートをお見舞いされたらしい鏡夜の頭はなかなか動かないけれど,次第に「環がなんか叫んでいたような…」と思い出してきます.本人も完璧うろ覚えなんですが,1時間前,既に鏡夜は寝起きホスト部を食らっていたのです.
今朝.ホスト部一同は鏡夜の寝室にいきなり訪問し,デパートのふるさと地方物産展を見に行こうと誘いに来やがりました.庶民文化を学びまくってハルヒをより理解するのだ!と無駄な向上心を発揮する環は「さあ行こう!すぐ行こう!」とハイテンション.しかし寝起きが凄まじく悪い鏡夜は,ベッドの中,舌打ちしながら凄い目で睨む(苦笑).
とんでもなくおっかない鏡夜の寝起き.これまでも殿はときどきその怖さに負けてきましたが,今回はテンション高いのと味方が多いのであんまりおびえていませんね.…鏡夜が今朝寝たのは明け方5時.一体そんな遅くまで何をしていたのかも気になりますが,できれば昼過ぎまでゆっくり寝かせてあげたいんだけど….
低血圧魔王はホスト部を仲間扱いも客扱いもせずに静かに荒れ狂い,そこに「すごく寝起きがわるいんだねぇ」と寝起きの怖さは兵器並のハニー先輩に言われ,鏡夜のかわりに「お前が言うな」と突っ込むモリ先輩.今回の彼の仕事はここくらいですか(笑)?
「何が庶民文化だ,庶民ネタはいいかげん飽きがきてるんだよ」と眠い魔王は暴言というか本音を吐いて(笑)マンネリ人間に「行きたきゃ勝手にしろ」と捨て台詞を残し再び就寝.しかしこのマンネリ人間はテンションが異常に上がっていて,本当に勝手にしやがりました.拒絶の台詞をお許しと解釈し,再び寝た魔王様を勝手に着替えさせて勝手に同行させちゃう.冷静沈着でやや距離を置きがちな彼をおもちゃにできるなんて希少な機会だ(笑)!
てなわけで寝ている鏡夜まで引き連れて庶民スーパーへと乗り込んだホスト部のぼんぼんたち.金持ちだけど建物を借り切ったりしないところがいいよなぁ.そこに広がるのはハルヒがいなければきっと一生目にすることもなかったはずの光景で…大量生産にエキサイトしてみたりペットショップに気もそぞろになったりアイス食べたかったり屋上のイベント見たかったりともう夢中.デパートの魔力によって鏡夜はひとり置き去りにされて…気付けばひとりぼっちでした(笑).
「なるほど…そういうわけか」と自身がバカどもに置き去りにされたことを認識した鏡夜.現在位置を確認し歩いては帰れないから電話して車を呼ぼうとしたら,ポケットの中には携帯どころか財布すらない.さらに寝起きのために腹も減っていて….
ツッコミ属性を持つ者にとって,ボケにコケにされることほど耐え難いことはありません.鏡夜にぶつかった不注意な少年が見たのは,なまはげよりも怖い顔の魔王様(笑).「環の奴め,絶対に殺す」と本気で怒った顔は凄まじく険しくて,描いてる奴絶対楽しんでる.…そんな怒れる無力な魔王様を救ったのは偶然.「なんでこんなところに!」と運悪く登場してしまったハルヒに向かい,「ハルヒ,所持金はいくらだ」「は?」
普段なら金を貸すことはあっても借りることはありえない鏡夜ですが,今日ばかりは特別.手持ちが少ないハルヒにファーストフードをおごってもらって腹ごしらえ.ちなみに経費に関してはあとで環に十倍返しさせると本気です(笑).…鏡夜にとっては救いの女神ですが,せっかくの庶民ライフを満喫していたハルヒにとってはいい迷惑.しかもこの機嫌の悪い迷惑ときたら,いつもとかなり違うのです.
ファーストフード店内,ホスト部ゆえに当然目を引く美形である鏡夜に向かって店員はご一緒にいろいろお勧めしようとするも,「いらないと言っている」と不機嫌魔王は恐ろしく(苦笑)「もうちょっと言い方があるでしょう」とハルヒに嗜められる始末.店で品物すら頼めないような未開の地にほうり出されたことが,相当頭に来ているんだろうなぁ.
過剰なサービスは断固拒否,ハンバーガーも手づかみでがぶり,そしておごってもらった癖に口に合わないとはっきり証言(笑).彼がおごってもらって文句を言いそうな奴であることは間違いないですが,いつもの上品な彼とは思えないほどのこのワイルドぶりをれんげさんが見たら,やっぱり裏人格萌えとか言い出すんだろうか….
庶民たちとハルヒさんしかいないここでは,人の目など気にしない鏡夜.「こんなところで上品ぶっても,何のメリットもないって意味だぞ」とわざわざかぶせて否定するところが微妙におかしい.別に金持ちってマナーとかいろいろ大変なんだとハルヒさんに思われていたって構わないだろうに,それを無理に否定して何のメリットがあるって言うんだ(苦笑).
利益がないと本人が判断した場所では鏡夜はどこまでもぶっきらぼう.利益があるときの優しい笑顔は見る影もなく,どんなときでもたぶん天然ホストな環とは大違い.…「なぜ環なんかと仲がいいかと聞かれれば」とハルヒの心を勝手に読んで回答する魔王様が挑むような目で言うところによれば,「利益があるからだよ.俺はそれ以外の理由じゃ動かない.エゴイストだからな」
さらりと冷たいことを言う鏡夜.しかもそれは環だけでなく,ホスト部の全員が最初から利益があることを知っていて手を組んだのだと衝撃の告白.それは未だハルヒの知らない,各自の家の事情も絡んだ話.ただしその利益が具体的に何を指すのかについてはきちんと説明していません.それと環の馬鹿に関しては,利益がなくても行動しているのは否定しようもなく,彼と自分には「1ミリも同じところがないな」…とわざわざ否定するのが逆に怪しい.
腹も落ち着いたし財布も見つかったので,帰らずに物産展をひやかしていくことにした鏡夜と,財布のハルヒ.良家の子弟である鏡夜は真珠の良し悪しまで見分けてみせて,庶民の中だからこそ能力が際立ってます.ハルヒと他のホスト部の連中の間にはドでかい壁があるのだとハルヒは最近自覚しつつあり,特に鏡夜に関しては,自分の事情が筒抜けであるがゆえに情報格差を不公平と感じています.一方的に知っていてずるいという意見に対しては「それなりに興味深い感想だ」と答えるに留まる鏡夜.…情報は力.今のように不公平な方が鏡夜には有利なのです.
例えば兄弟については,パーティで3人並んだなら末席にいるのが鏡夜.跡継ぎ候補としては最後尾を歩み,折角の優秀さも2人の兄ゆえに霞んでしまう…なんてことは自身の弱みなんだからハルヒになんか言うべきじゃないはずなのに,緩やかにはぐらかしながらも語っているのが面白い.3男には父の期待を無難にこなす以上のものが期待されていて,しかしそれすらも「これ以上面白いゲームはないと思っているが?」なんて言葉は本音? それとも強がり? …どっちにしても庶民デパートの物産展で語るのはあまりにも不似合いな話なんだけど(苦笑).
鏡夜の言葉をまとめると,彼は利益最優先で環には欠片も似ていず後継者レースすらゲームとして楽しむようなエゴイスト…であるはずですが,ハルヒはこれから起こる出来事を目にして,それが真実かどうか疑問を感じることになります.物産展の片隅に,なぜか正義の味方が降臨してしまうのです….

後半.鏡夜が見つけたのは物産展の片隅で焼きものを買おうとする奥様.店主は有名作家の作だと和装の奥さんに茶碗を売りつけようとセールストーク中.ただし本当の門外不出クラスなら,10万台では絶対に出ないよな(苦笑).そこに「偽者ですよ,奥様」と華麗な音楽をひきつれて颯爽と登場する鏡夜.…いや,きっとあからさまに偽物なんだろうけれど,それでもお茶碗はもうちょっと丁寧に扱ってやってくれ…(苦笑). 本物の色合いや刻印すらも熟知して,しかも作家本人と交流まである鏡夜は業者に鬼の笑顔を浮かべ,見事老婦人を救います.
自称エゴイストの癖になせか他人を助けてしまった鏡夜.明らかに利益のない行動をなぜ取ったのかと思ったら,実はあのご夫人は大手電機メーカーの会長夫人.はじめて逢うけど指輪でわかった,と,凄いところで個人を特定しやがった鏡夜の眼力が恐ろしい(笑).和洋を問わずこういうのには滅法強いタイプみたいですね.ただしハルヒはさっきの光景を正確に覚えていたため,ラストでは鏡夜よりもさらに鋭い眼力を示すことになります.
さらに自称エゴイストである鏡夜が会場で感じた疑問ときたら,メロンはそんなにお菓子メーカーに人気なのか?という大変に彼らしくないもの.意訳するならコーンなのにメロン味とか意味わかんねみたいな素朴な感想に,「それなりに興味深い感想です」とハルヒは笑います.それじゃまるで環みたいだ! …そんな指摘に驚いて,笑う鏡夜.確かにこういうのは環や双子の領域で,一ミリも似ていないと言った癖にしっかり似ている.
さてその頃! 屋上では今回唯一のアクションシーンが展開されておりました.環は犬を満喫,ハニー先輩もアイスを満喫,そしてなぜか双子はメリーゴーランドを満喫.さらにイベントステージではちょっとしたヒーローショーまで見られるんだけど…そこに聞きなれた高笑いが(苦笑)! 強力モーターで出てきたお姉さんことれんげさん.このあたりのれんげさんのメリハリの素敵な動きっぷりが映像として大変に面白いぞ!
れんげお姉さんに襲いかかるナマハゲさん.宿題をしない悪い子を襲う悪から「助けてー!オウラン戦隊ホストレンジャー!」…いろんな意味でれんげさん,本当にやりたい放題だ(苦笑)! 無駄に金持ちの娘なもんだから,同人誌の出版に留まらず,その溢れる資金力で自分の妄想世界を一般に広げようとしているのか.で,ここで出てきた影のリーダーの黒いホストレンジャーを見て,ホスト部全員,大変なものを忘れていたことに気付きます.
物産展を見終わった後,目覚めた地点に戻ってきた鏡夜とハルヒ.いくら環が筋金入りのバカだとしても,いい加減気付いて迎えに来るだろうと考えたのかな.…例えば環ならさっきのご婦人もきっと彼なりの利益を得るために助けたはず.そんな環は自分と違うと語る鏡夜と,そこからやや離れて座って鏡夜を見ているハルヒ.ハルヒには鏡夜の言う「利益」がわからない.
利益とは一般的には金や名声や実益.それは好んで人助けをする環の感じる「利益」とは明らかに別物.まあ彼らの場合,金や名声や実益なんかむしろ余ってる状況なのですが.環はいつだって他人のためにバカみたいに動き,特に困った人を救うために素晴らしい行動力を示してきたのは皆様もご存知のとおり.…だからこそハルヒは,鏡夜は環に似ていると思うのです.
ここで衝撃的な迷子のお呼び出し.「東京都よりお越しの鳳鏡夜君.保護者の須王様がお待ちです」….具体的な特徴までアナウンスされて,しかも衆目を惹きやすい特徴的で優れたルックスではもはや隠しようもなく(笑)いきなり晒しものにされた鏡夜は「あの馬鹿…殺す!」と本気で憤る.環,後でどうなっちまうんだろうなぁ….

例のアナウンスで鏡夜とハルヒがホスト部ご一行様に合流.環たちは鏡夜だけでなくハルヒまでついてきたので大喜び! さっき途切れた話の続きで,鏡夜は馬鹿と自分のどこが似ているのかとハルヒに聞くわけですが,ハルヒの人間に対する眼力は並のものではありません.さっき鏡夜が利益のためにご夫人を救ったというのは…「あれ,嘘ですよねぇ?」.あの時指輪は見えなかったから,鏡夜は救う相手が誰かもわからない状況で正義の味方をやったはずなのです.
エゴイストと言い張る癖に,やってることは利益度外視の正義の味方な環と大差なし.「先輩がわざとエゴイストとして振舞うのは,実際エゴイストでない以上,違和感を感じます」と鏡夜のような口ぶりで偽者を見破られてしまったら,「それなりに興味深い感想だ」と応えるしかない(笑).…そもそも本当のエゴイストなら,こんなぬるい部活とバカ部長を護るために新聞部を追い詰めたりはしないもんなと思いつつ,次回に続きます.

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