機動警察パトレイバー#47
「いつか別れの時が来るまでの巻」
特車二課の新たな顔として活動を開始したAV-ゼロ.真面目で有能な第1小隊が運用する新型機の評価は日々高まるばかり.そんな複雑な日々の中,突然野明が東京から姿を消してしまった.ゼロの台頭に大好きなアルフォンスとの将来の別れを感じた野明は耐え切れず,無断で北海道の実家に戻ってしまう.
仕事は最高と言いながらも,いきなり家に戻ってきた理由については親にも話さない野明.彼女は自転車で思い出の場所へと一人出かけた.幼い頃夕焼けの中で大好きな犬との別れに泣いた初代アルフォンスの墓.あの時の悲しみと今自分が感じているものが同じだと気づいた野明は,3代目も初代と同じように最後まで愛することを心に決める.苫小牧まで迎えに来た遊馬とともに東京に戻った野明を待っていたのは,大切な愛機とテロ事件だった.
終わり別れることは悲しいし寂しいけれど,別れを迎える前に得たり与えたりしたものは確かに残ると静かに語る「パトレイバー」.とうとうテレビシリーズの最終回! とりあえずの別れを迎える2話連続の後半は,消え行くものに対する愛情について語ります.別れる寂しさをついに克服する野明や,そんな野明を支える遊馬や仲間たち,そして常に見守ってくれた後藤隊長ともこれでお別れと思うと寂しいけれど,全話全力で見直した今ならばもう悔いはない!
メディアミックスの初期の大成功例として取り上げられる本シリーズですが,その中ではテレビシリーズはあまり良いものとしては扱われていません.精緻で作家性の爆発する初期ビデオや映画,健全な近未来SFとして独自の悪役像を描ききったコミックに比べると,テレビアニメは粗は目立つしテーマもネタも薄いし…けれど子どもから大人までの広い支持を得たのは,間違いなく適度な薄さでバラエティに富んだこのシリーズ.間口の広い素敵な娯楽作品の最後を飾るスタッフは,脚本伊藤和典,演出青木康直,絵コンテ吉永尚之と全力の布陣!
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