BURN-UP SCRAMBLE#12
「一緒だからさびしくてうれしくての巻」
テレビの公開捜査番組に出演し,その能力で行方不明者を探すリリカ.そして連日の「警視庁ふれあいDay」とやらに引きずり回されるリオ.ウォーリアーズ事件のために一般市民が持った不信感を軽減するために警察がとったポーズなのだが今ひとつ空回り.退屈な仕事にへこむリオをミニパトで迎えに来たマヤ.2人が車内でじゃれあっていると誤ってウエディングカーに追突してしまう.その車に乗っていた新婦のキャリア女のお相手はユージではなかった.だって彼女がどんなに尽くしても,ユージはリオが大好きだから.
珍しくマヤの誘いで元ウォーリアーズ3人は居酒屋に飲みに行くことに.しかしこれは実はリリカのお別れ会だった.元いた施設に戻らないといけないことを知ったリリカは飲酒.一瞬で酔っ払ってリオにキスするなど立派な酒乱ぶり.そのリリカの大声で彼女たちがウォーリアーズだと知った店の他の客ともめてしまう3人.
店から逃げ出し,夜のベンチで眠るリリカ.リオとマヤはおでん屋の屋台でまったり.ウォーリアーズについて好意的な店主は元同業.彼の「現場は不正なんか知らず一生懸命やっていたんだろうな」という言葉を聞き,急に去ろうとするマヤ.それを追って止めるリオ.マヤは,自分も旅に出るということをリオに伝える.
ローカル局で12話,しかもオリジナル.他のアニメに比べたらきっとものすごく予算も時間もなかったんだろうなとむしろ気の毒だったこの番組.その希少なリソースを精一杯生かしてつくったのがあのバーンナップ界だったとは…気の毒撤回です.さわやかなやっつけ仕事ぶりがなんとも言えません(笑).もちろん,稀にお金をかけないかっこよさげなアクションなんかも見せてくれたのでそこは評価したいんですけど.間違いなくふつーの人にはお勧めできませんが,コントのような舞台の中で嫌味なく3人娘を描ききったところは褒めたいですね.新人アイドル3人が即興トリオを組まされてお笑い番組で一生懸命役を演じているようないじらしさを感じていたのは自分だけでしょうか?
今週はとうとう最終回.元のバーンナップ界を取り戻したように思えた先週ですが,ウォーリアーズ自体が明るみになることで世間の不信を買ってプロジェクトは凍結されることに.一般の目によってやっぱり壊れていくバーンナップ界の姿を描きます.3人とも,ウォーリアーズという特殊な場ではじめて輝く人材で,逆に言えばウォーリアーズでなければただの3人の問題児.そしてここが見せ場とばかりに前半はリオもリリカもお色気大サービスですが,一人様子がおかしかったマヤさんの真意が切ない.一人きりで生きてきたから,誰かに同情されたり頼ったり心配されたりするなんてことは嫌いなマヤ.けれど本当にそれが嫌なら,きっとリオもリリカも飲みには誘わなかったはず.3人でトリオを組んだことで,彼女の中にあった壁も壊れたようです.
後半は次の朝.順調にばらばらになっていく3人ですが,事件の発生によって再び集結する様子が小気味いい.互いをパートナーとして認め合うリオとマヤ,そしてそんな先輩たちの役に立ちたいリリカ.例のスーツも銃もありませんが,彼女たちが暴れているのは夜ではなく昼.人質にとられた子どもを助けるために,自分の判断で姿を隠さず戦う3人.たとえそれが上層部の画策だったとしても,新発足した組織の名称とか上司がどうにもアレだったとしても(笑),3人一緒なら,たとえ戦略ミサイルの誤射だろうとなんとかなります.そしてとんでもないアホ連中ではありますが,あのリリカがいる限りそう遠からず黒幕の存在を知ることができるはずで,そうなった日が黒幕の最後の時でありウォーリアーズの真の発足日となるのでしょう.きっとあの3人さえ一緒なら,世界全てだって間抜けで優しいバーンナップ界に変えられるに違いありません.
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