美鳥の日々#13

「忘れられない言葉を本当の体での巻」

正治に好きだと告白した綾瀬.夕焼けの中,抱きつかれる正治は呆然とするもののその答えは「ごめんな」.今はそういうことを考えられないと言う正治に,綾瀬は好きな人がいるのかと尋ねる.正治が気にしているのは,いつも一緒にいるのが当たり前で,離れると頭に浮かんで離れない彼女のこと.綾瀬はそれが「好き」だと言う.はっきり言ってくれてよかったと言う綾瀬.辛そうな正治を励ましてくれるものの,正治は「ごめんな」としか言えない.
春日野邸には耕太が見舞いに.目覚めた美鳥は本体が眠っていた間のことを何も覚えていない.しかし美鳥の胸には,とても楽しかった満たされていた感じが残っている.今美鳥に本当のことを話したら,また正治の右手に戻ってしまうのではないかと恐れる耕太.そして「もう忘れましょう」と娘を抱く美鳥の母.
夜.正治は自宅に帰宅.すっかり左利きの癖がついている.洗面所には小さな美鳥の痕跡.そして暗い部屋の中には…! 姉の顔に本気でびびる正治.温泉饅頭を土産に持ってきた姉だが,美鳥がいなくなったことを知って不機嫌に.「本体は?」という姉の問いに答えられない正治は,仕送りと饅頭を取り上げられる.そして正治は一人きり.ベッドの上に美鳥の日記があるのを見つける.
次の日.春日野邸の前にいる正治を耕太が見つける.美鳥が元の体に戻ったことを聞いた正治は,耕太に右手の美鳥の日記を渡してもらおうとする.しかし耕太は,美鳥が右手の記憶を失っていることを告げた.

右手の彼女という一発芸以外はほぼ王道を歩んだ本作も最終回.一発芸のインパクトが強すぎて見失いやすいものの,物語の基本構造は正治から見れば羽衣伝説と非常にオーソドックス.そしてこの原型に従えば,己の本来の場所を離れ異郷に出た人間は何らかの悲劇とともに元の世界に戻ることになります.現代の作品では同構造で悲劇に落ちずに終わるものも多いのですが,本来は悲劇をはらんで当然の構造であり,ゆえに最後まで目が離せません.実際に「右手時の記憶を失う」という悲劇は確かに発生.しかしその悲劇の向こうを貪欲に求めるのがいかにも現代っぽいわけです.とまあてきとーに思いついた話はここまでにして本編について.

前半は,というかOPなしで冒頭から綾瀬さん特攻.美鳥さんのいない喪失感にやられている正治には本当に魅力的なはずの綾瀬さん.しかし彼女では今の正治から失われたものは埋まることはなく.その失われた感覚こそ恋慕なのだと気がつかない阿呆にも呆れつつ,綾瀬さんは役割を終えて一時退場.にしても当て馬役,しかも13話しかないのに告白から玉砕まで漕ぎつけた綾瀬さんは偉い! もう一人のヒロインとしての役割は十二分に果たしたのではないかと.マフラーは無駄になってしまいましたけども,一度根性がつけばきっとまた別の誰かを見つけたときには走っていけるはずです!
そして残るは主役の2人のみ.本当の体に戻ったかわり,右手のときの記憶を失ってしまった美鳥.天女は異郷で手にしたものは全て置いて帰るもんですからね.ただし美鳥はたった1つ,胸に想いを持ち帰ってきていました.この想いの重力が彼女を再び地上に引き寄せることになります.このあたりで美鳥が「お母さん,ごめんね」と謝っているのがよかった.これを言いたいがために元の体に戻ったって部分も多いでしょうから.戻ってきた美鳥だから素直に言えてますが,以前の美鳥には言えなかったかも.
さて筋金入りの朴念仁・正治といえば,美鳥さんを失ったことを数少ない理解者である姉に叱責され制裁を受けます.失ったことはともかく,その先どうなったのか確認してないってのはどういうことだという姉の怒りポイントは妥当.言葉にされて叱られて,美鳥さんがもはやいないことを痛感する正治.美鳥さんがいない.そんなうつろな気持ちで見つけたのは,彼女が書き残した日記でした.それは美鳥が持って帰れなかった右手の『美鳥の日々』そのものです.

そして後半.この期に及んでまだ本物に会う根性が決まらない正治は本当に困った奴なのですが(苦笑),単に勇気がないわけではなく,今の美鳥の暮らしを乱したくないからこそ積極的になれません.「忘れたほうがいいんだよ.美鳥のためにも」なんて台詞は恐らく以前の正治では出なかったはずで,美鳥の幸せを願えばこそのコメント.ただし正治の今の態度では物語は定型通り離別に終ります.
その定石を打ち壊すべく立ち上がったのは耕太と美鳥.正治を見つけた美鳥は動揺.目覚めたときに失った何かを求めようとする美鳥を,母は必死で留めます.「そこは現実じゃない! あなたが変わらなきゃ!」 右手は夢で現実ではなく,本当に正治をつかまえるためには同じ人の姿にならなければなりません.だからこそ美鳥は,己の足で正治の元へと走り出します.随分長い間眠っていた割に足がしっかりしているところは気にするな(笑)! そもそもずっと眠っていたわりに点滴されてないあたりでもうおかしかったわけですし!
右手の姿で見慣れていた街を迷わず走り,正治の姿を必死で探してたどり着いたのはやはりあの公園.日記のおかげでさらに強烈な喪失感に襲われている正治の前に現れたのは大きな美鳥.たった一つ持ち帰った想いのままに告白するその言葉に,「知ってるよ」と答え始める正治はとても優しい.

突飛な物語にはらはらするのは当たり前.しかし「美鳥の日々」が凄かったのは,たった13話,しかもごくありがちな物語なのに脚本と演出の力ではらはらさせることに成功したところ.この短さでここまで持ってきた制作者の実力は相当のものです.中途半端な突飛さではなく典型を選んだことで特に終盤は格調まで高くなってましたし.見始めた当初期待していたものとはちょいと違ってしまいましたが,右手以外は正統派のラブコメディとして十二分に楽しめるシリーズだったと思います.面白かったです!

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美鳥の日々#12

「魔法は解け失われた何かの巻」

正治によって救われたものの混乱している耕太.それでも美鳥がそこにいることを春日野家に知らせてあげるべきだと主張する.しかし正治は「しばらく黙っていてくれないか」と口止めを依頼.今一番戸惑っているのは美鳥だからと.
沢村宅に戻った正治と美鳥.マフラーを編みながらも悩んでいる美鳥.美鳥の編んでいるマフラーに対し,「手編みは男の夢だ!」と熱く主張する正治. 彼女と寄り添って2人でマフラーをぐるぐると!と夢を語る正治に美鳥はアピールするものの,正治に「右手ではぐるぐるはできない」と言われてしまう.今の美鳥はただの右手だ.だから…「このままってわけにはいかねえんじゃねえか」
真夜中にマフラーを編み上げた美鳥.正治はもう眠っている.月の光の下でこれまであったことを思い出す美鳥.右手になってから知った,正治の優しさ,照れ屋なところ,そして意外にもてること.右手になったから一緒にいろんなところにも出かけた,けれど自分の楽しみの影で,周囲に迷惑をかけ,悲しませていることも知っている.「一番戸惑っているのは美鳥だ」と正治は言ったが,今こうなっているのは自分のせいではないのか.ずっとこのままでいたいけれど「…私にとってもこのままでいいのかな…」.
月が消え.美鳥が消える.

平均すれば非常に高い水準の絵と短期シリーズを前提として原作のエッセンスを大胆に抽出しアレンジしたシナリオ.今期のアニメの中でも見て楽しいシリーズの1つだった「美鳥の日々」もいよいよあと2回.今回は最終回前編というわけで,これまで長らく引っ張ってきた美鳥さんの帰宅問題が決着.耕太だけでなく正治も背中を押していましたが,彼女を本来の体に戻したのはやはり自身の「気づき」でした.不自然ゆえに面白かった右手の美鳥さんの存在.しかし不自然なものはやがて自然に戻るもの.そして後半,一人取り残された正治は空白に苦しみます.

前半は前回の続き.正治の頬はしっかり腫れ上がってますが美鳥さんには怪我がないようで何より.春日野家の追い詰められっぷりは相当のものでしたが,最後の呪術師は本物のようで,「彼女が気づくまで待つしかないのです」という言葉の通りに展開します.ここに至るまでずいぶん時間はかかりましたが,現状は他人に迷惑をかけているだけでなく自分自身をも傷つけているのだと,美鳥さんはやっと気がつきます.これは8話で無意識のうちに気がついていた内容なのですが,それがはっきりとした言葉になった瞬間,美鳥さんの存在は正治の右手から切り離されます.誰かに無理に追い出されたり,逆に右手にいられないようなことをやらかして逃げたわけでもなく,美鳥さんはごく自然に,あっけなく,自分のために元の体に戻っていきます.
そしてもう一人のヒロインである綾瀬さん.いい友達に恵まれて,不器用な恋にアドバイスをもらえるのも普通の体あってのこと.強くて意地っ張りで素直に好きと言えないあたりは,実際は美鳥よりむしろ正治に似ている気が.しかし友人の後押しを受けた綾瀬,大勝負に挑むことを決意! …正治にもまともな友達がいれば,あのとき美鳥さんに好きと言えたんでしょうか.

今回の主役は正治.美鳥さんと一緒にいることに完全になじんでしまい,けれど美鳥さんを元の体に戻さなければならないこともわかっていた正治.ゆえに随分と美鳥さんを邪険に扱っていたのは,彼なりの美鳥さんへの気遣いというか無駄な努力だったんではないかと.お前がその姿のままじゃ俺は嫌なんだと言い切ればいいのに,元々照れ屋の上に今の美鳥さんがいなくなることも無意識のうちでは嫌で,あんな緩くて中途半端な拒否になってしまったんではないかと.
そして消えた美鳥さんに正治は静かに静かに大パニック.糸の切れた凧のように正治は再び迷走を開始.綾瀬が声をかけても答えもせず,恐らく理由もわからずにひたすらに苛立つ正治.以前はずっと一人だったから平気でしたが,2人だった長い時間のあとでいきなり切り離されたがゆえの望まぬ孤独を満喫状態.寂しさを埋めるために子分を叱りエロ本AVを手に入れてるあたりはダメ人間ですが,ここまでの禁欲生活のことを思うと後半は仕方ないだろうな(苦笑).つうかこれまでよく耐えてきたなぁ….
人形を見て美鳥を思い出し,そして自分の手にいない苛立ちをぶつけるため,迫る大量の敵をこの悪魔の右手で誰にも頼らず叩きのめそうとする正治.感情のぶつけどころがわからずその身を自分で傷つけているとしか思えない所業に,さすがの綾瀬さんも正治を叱責.そしてその勢いを殺さず告白に持っていきます! 小さな体で常に言い続けていた美鳥さんの言葉とは,サイズと回数ゆえに心への響きっぷりが桁違い.その上美鳥さんがいないという途方もない喪失感に襲われている正治は,綾瀬さんの魅力的な言葉にどう答えるのか!そして今はまだうつろな美鳥さんに,記憶はともかく勇気は宿っているのか! ついでに正治も言えていない好きという言葉を誰かに言えるのか! 2話でのあの約束なども気にしつつ,次回最終回に続きます!

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美鳥の日々#11

「二人の冬のはじまりの巻」

試験勉強がわからなくてもだえる正治.美鳥にかわりに試験を受けさせようと正治は「ゲームでもやらないか?」と提案.負けたら願いことをなんでも聞くことにして「あっちむいてほい」対決.そして完敗の正治.美鳥の願いは嘘でもいいから正治に好きだと言ってもらうこと.嘘でも言えばいいんだと正治は気合を入れるものの,結局言えないまま.だから美鳥は自分から正治のことが好きだと言う.結果,微分積分を頑張るしかない正治.
次の日.綾瀬は合コンで正治が興味を持ったのは変装した自分だから.ありのままの自分を正治に好きになってもらいたいと考える.今朝は試験範囲をまとめたノートで頑張るのだが貸す事には成功するものの恋には繋がらずむしろ余程の暇人扱いに.そんな綾瀬の様子に,綾瀬のほうが以前の自分よりも素直で勇気があると思う美鳥.
その一方,悪霊払いなどまで呼んで美鳥を目覚めさせようとする春日野家を見て,耕太は美鳥を救うためにもう一度正治のところに向かう.しかし校門では不良がたむろ.間違って声をかけてしまった耕太は彼らに連れ去られる.

華やかに広がった右手の美鳥さんの世界.しかしそれは右手という立場に頼った仮初めの花で,美鳥自身が自分の力で花開かせた本物の恋ではありません.季節のように冷えていく物語は,とうとう幻の花を散らせにかかります.先に待つ別離を前にして美鳥さんと正治の思いも乖離を開始.そんな冬の風景に彩を添えるのが…美少年のヌードってのが致命的に間違っているんですけど(苦笑).コミカルかつシリアスに物語は展開し,終盤は次回以降へと突っ走りはじめます.
まだまだ緩いテンポの前半は美鳥さんの回想からスタート.大きい昔の美鳥は正治には何も言えなかったのに対し,小さな今の美鳥さんは正治にどんな思いも伝えることができます.ただし今回で小さな美鳥さんのままではできないことがはっきりと浮き上がるわけですが.あっちむいてほいには完敗の正治,勝利した美鳥のお願いは,正治に好きだと言ってもらうこと.嘘でもいいけど言って欲しい女心と,…恐らくは嘘でないから言えない正治の男心はお約束ですれ違い.自分から好きだと言ってくねくねする美鳥さんが愛らしい.一方春日野家では相当に怪しい手段に頼るしか手がなくなり,綾瀬は「ありのままの私で勝負するの!」と今の美鳥さんにはできないアプローチを必死で正治に放ちます.自分の家族を泣かせないため,そして綾瀬が目指すように正治に「本当の自分」を好きになってもらうには元の姿に戻らなければならないのですが,元の姿に戻ったときに今と同じように正治に積極的に接する自信のない美鳥さんは,そうすることができないようです.

後半は,まずはこれまでの物語の経過による正治の変化.美鳥さんが右手にいるゆえに試験勉強をする程度にはマシになった正治.今回,正治の行動は少し冷たく見えますが,いくら可愛いとはいえ自分の手についている女の子に対して何の抵抗もなく本気で「好き」とは言えるほどの常識なしではなく,またそのまともさが正治のいいところでもあるので仕方がありません.そんな常識がある割りに嘘でも「好き」と言えないあたりがまた彼らしい.
「お前とこうなるまで」という正治の言葉にまたも照れる美鳥.公園の噴水の前で「ずっと噴水を見ていたい」と言う美鳥と「またいつでも来れんだろ」と軽く言う正治.前半の好きと言えない正治もそうなのですが,このあたりは2人が分かれたときに回想に使用されそうです.ファミレスで恋人ごっこをしてみたい美鳥さんに対し,「誰か俺を好きになってくれないかなぁ」と美鳥さんをないがしろにする正治の発言もまた回想用かも.美鳥さんは必死でアピールするものの指先程度の突起ではやはり不発(苦笑).こんな他愛もないやりとりを後で思い出して悲しみに暮れるのはどちらなんでしょうか.
そして終盤.敵の不良に誰かが捕まったことを報告してかかと落としされる不幸な子分宮原.美鳥さんが右手にいるゆえに,足癖は悪くなっているようです.宮原の言う後輩が耕太だと気づいた美鳥の言葉によって,正治は助けに向かいます.さらわれた耕太は実に見事な姫っぷりなわけですが…なんで脱がせたんだろう(苦笑).そして王子こと狂犬沢村参上して早速喧嘩開始.このあたりの喧嘩絵は久しぶりで素晴らしく,蹴り中心の戦いが小気味良く展開.ただし右手なしではダメージが入りきらず…ついに美鳥は右手として武器をつかみ,不良3人を2人がかりで撃退.そんなはじめての協働作業を耕太が目撃してしまいます.

美鳥さんが正治の右手という居心地のいい場所から離れるときがついに開始.ただし今の美鳥さんはまだ自信が持てず,周囲に迷惑をかけていることもあって元の体にも戻りにくい状況です.そして美鳥のおかげで一人きりの寂しさから救われてきた正治は,彼女が去ったあと気づいて打ちのめされるのでしょうか.2人の冬がはじまります.

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美鳥の日々#10

「幸せなのは彼女だけの巻」

夢の中.コウタを待っていたのは小さな美鳥.彼女が読んでいたのは白雪姫の絵本.そして白雪姫のように目覚めない今の美鳥.彼女にかかった悪い魔法を解くには王子様のキスが必要で,やってきた王子は正治…夢から目覚めた耕太の頭には,白雪姫の物語が残る.
今日は合コンを満喫する正治.もちろん右手の美鳥は不満.不本意ながら連れてこられた綾瀬も正治を監視するために帽子と眼鏡で参加しているが,その姿はもろに正治の好みだった.正治のために子分宮原がはじめた王様ゲーム.チョコを両側から食べるゲームに挑む正治と変装綾瀬.美鳥はそれを必死で止めるものの,実際はがっつきすぎの正治をついぶんなぐってKOしてしまう綾瀬のおかげで失敗に終る.
次の日.キスを妨害できたことに大喜びの美鳥に対し残念不満の正治は俺の青春を返せと不機嫌.そんな正治に刺さる視線は,あの夢を見た耕太のものだった.美鳥を目覚めさせるために正治に協力してもらいたいのだが怖くて近づけない.学校では昨日のチャンスをふいにした自分に憂鬱な綾瀬と,その不機嫌の理由がわからない正治.
学校からの帰り道,耕太は精一杯の勇気を出して正治に声をかける.

いよいよ佳境に近づく物語.今回以降は一連の続き物として見たほうが良さそうです.というわけで次回以降へのネタふり開始.右手以前の美鳥を知るキャラクターを追加することで,物語は美鳥を元の場所に戻すための圧力を彼女にかけ始めます.話そのものの対比としては2話.良い面を見せ美鳥をなんとしても元に戻したかった2話の正治と,悪い面を見せ美鳥を無理に戻したくはなくなった今回の正治を見比べるのも面白そうです.
前半は乙女でポエムな夢を見る耕太と合コンでものすごく即物的な欲望を抱く正治の対比.心優しい幼馴染の耕太と粗暴(になってしまった)正治は対称的ですが,正治のあんな様子を見てもなお彼を守ることに全力投球の美鳥さん.正治への心酔っぷりは余程のもののようです.現在のところ正治さえいれば何もいらない美鳥さんですが,耕太が運んできたのは美鳥の本体が長い間眠ったままであるという重い事実.これを解決しようとすると2人が離れることを考えなければならないゆえに,無意識のうちに無視されてきた大問題なわけです.で,そんな3人の脇で不器用な綾瀬は悔恨しきり.綾瀬がこれまで見ているのは正治の割と良い面ばかりなので,ダメな面を見ればああなるのも本当は仕方がないところです.

後半は以前の美鳥と今の美鳥の対比.耕太は,美鳥のことをとても内気で見ているしかできなかったと語り,美鳥を目覚めさせられるには正治の力が必要だと助力を願います.しかし前回の訪問で大変なことをやらかしてしまった正治は行きにくく,しかも美鳥さんも行きたくないというわけで断るしかありません.耕太はがっかりするものの,正治の言葉に「みんなの噂してるような人じゃなくてよかった」と素直すぎるコメント.実は正治の評判からとんでもない妄想が炸裂していたことが判明.一体どんな噂が一人歩きしているのか気になるところです…きっと独り言がらみの噂も立っていそうな気が.
内気だった以前の美鳥はクラスにすらなじめず.憧れたのは思っていることをさばさばと話すクラスメイトの岩崎さんで,好きだったのは強さの塊のように見えた正治.美鳥の心には正治を「好き」という気持ちが積もり,それを伝えたいために恐らくは正治の右手に宿ってしまったのでしょう.…ただしこれを単純な「好き」と考えていいのかどうか.例えば自分が弱く,自分が強くなりたかったから,強い正治を好きになり「勝手に」右手に宿ったのかもしれません.正治が好きという気持ちよりも,気持ちを伝えられるようになりたいという願いが強いのだとしたら,それは正治のことすら考えていない,本当に自分勝手な願いに違いありません.
自分の気持ちをそのまま伝えられる今の美鳥さんは幸せ.自分が心配されているのを知っても,このままでいたいほどに幸せ.この自分勝手な幸せを守るため,美鳥は目覚めません…たとえ周囲を困らせても,泣かせても.しかし身勝手な行動のツケが回ってくる日はそう遠くないはずで.次回に続きます.

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美鳥の日々#9

「オタクの道は獣道の巻」

暗い部屋,光る画面の前の高見沢.頭にひっかかるのは「みどり」という名前.その響きのときめきに部屋で暴れていたときに出てきたメモリーカードのおかげで,忘れていた美鳥の思い出が蘇ってしまう.
金のない正治は今日も倹約生活.夕食の材料を買った帰り道,嫌な視線に気がつくと相手は高見沢.記憶が戻った彼は盗撮を再開していた.記憶が戻り友達になったことまで思い出してどうして盗撮するんだと怒る正治に,高見沢は自分のサイトを見せる.「美鳥の小部屋」という名のこのサイト,美鳥の盗撮画像だらけでしかも大人気.怒った正治はこのサイトを今すぐ閉鎖しろと命令し,高見沢はだったらお願いが,と交換条件を申し出る.
高見沢が正治に頼んだのはコミケの売り子.その異様そのものの空間に圧倒される正治と美鳥.高見沢が売りたいのも美鳥の人形で,もちろん正治は怒るのだが収益の半分を提供するという申し出に折れる.
売り子だがやる気のない正治にかわり,美鳥が人形のふりで売り子をやることに.その可愛らしさに瞬く間に客が集まり,売り切れてしまう美鳥人形.しかしまだ欲しがる客は山ほどいて,彼らは正治の右手の(本物の)美鳥に目をつける.いつのまにかオークションとなり50万という値段のついてしまう美鳥.しかし正治はきっぱりと,大切だから売れないと言い切る.その啖呵が集まった人形好きの魂を揺さぶってしまい,正治は人形の神として祭り上げられる.

シリアスだった先回の揺れ戻しか今回の主役は高見沢.社会的に見れば少数派である彼のオタク趣味を2部構成で笑いとともにご提供.前回に比べれば…正直とても楽な1話です(笑).美鳥さんが基本的に傍観者として描かれるので大きな物語のうねりはありませんが,前半は正治が瞬く間に神へと上り詰めるあたりがやっぱり愉快で,後半はちょっとしたおまけって感じですね.特に高見沢のくねくね具合が尋常じゃありませんので,そのうねる様をじっくりと堪能するのもいいかもしれません.
カウンタが50万突破の「美鳥の小部屋」.可愛い表情の秘密は盗撮!ってそれが通る世の中と正治ではありません.しかし美鳥さんはまんざらでもなく.そりゃここしばらくの間正治と正治姉と高見沢にしか顔を見せてないわけですから,たとえ盗撮画像だろうと自分に人気があればうれしいってのが女心.マリンちゃんが出てきては正治に吹かれて消えていく,ってとこが妙に可愛い.
金に釣られた正治が引き込まれたのは,一般人にとっての異世界ことコミケ.やたらこの会場の描写に気合が入っているように見えるのは,やはり取材の賜物なのでしょうか(笑).己の最も輝く場所でくねくねとくねる高見沢と,真っ白にならざるを得ない正治が本当に好対照.恐らくここが一番目立たない場所に違いないということもあり,美鳥さんは呼び込みのお手伝いを実行.不特定多数に呼びかけるなんて普段では絶対考えられないことですからね.そして京本.アニメではまだまだ愛らしいレベルですが,実在は相当強引な手を使ってでも集めているという噂なので,とりあえず神と神の人形はよく気をつけて帰るほうが良いと思われます(苦笑).

後半はマニア高見沢恋に落ちる.でも理由が「人形に似てるから」ってのはどうなのか.美鳥と正治の考える高見沢の日々3は監禁モノで,それはやっぱり犯罪なのでなんとか阻止せねばなりません.ただでも今回は高見沢の動きが本当にオタクらしいくねくねっぷりなわけですが,そんなくねり高見沢に正治は漢コスプレを施し,わざとふられるように仕組みます.
いよいよ訪れる(ふられるための)告白の時.しかし少女は一枚上手でむしろいい雰囲気に! マリンちゃんに似て可愛くてどじっ子で審美眼に問題があって…とここまではパーフェクトな萌えキャラっぷり.あまりのいい雰囲気に正治は最後の手段ことヤクザコスプレを実行.事前に保険として準備してきたものなのでしょうが,高見沢は思った以上に漢であり,しかしそれ以上に少女はバイオレンスだったのでした(笑).高見沢には不評でしたが,自分はパーフェクトな萌えだからこそ暴力というスパイスが加わればさらに萌えると思います.少女に殴られて豪快に吹っ飛ぶ狂犬沢村.彼女のキレっぷりは女沢村という表現が非常に適切.恐らくは正治と同じようにその乱暴ゆえに彼氏ができず,ある日目覚めると右手に男の子がくっついているに違いありません.
今回はちょっぴりのんびり.けれど基本的にごく少数の人間としか話すことができない美鳥さんにとって,たとえ高見沢でも事情を知っている人間が増えたのは良いことなのかもしれません.できれば美鳥さんの今の暮らしを「不自然だ」と教える役目も担ってほしいところですが,必要以上の期待はしないことにして(苦笑)次回に続きます.

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美鳥の日々#8

「2人の夢の奥にあるものの巻」

ある朝.目覚めると,なんと正治が美鳥の右手になってしまっていた.そもそも不思議なのが逆になっただけなのでたいした違いはないという美鳥だが,そんなわけがない.とりあえず服がないと寒いので,正治に包帯を巻きつけて,美鳥は服を買いに出かける.道すがら正治に右手として生活するためのコツを伝授し,自分の足で歩けることや目線の高さ,どんぐりの小ささや焼き芋の買い食いを楽しむ美鳥.朝食代わりに2人で食べたあと,回り道しても構わないと言う正治だがくしゃみが出て,やはり服を買いに行くことに.
ある朝.目覚めると,なんと正治が美鳥の右手になってしまっていた.とりあえず服がないと寒いので,正治は美鳥のシャツを着ることになる.右手が使えない美鳥のかわりに正治が朝食をつくると激しく乱暴.美鳥はふらふら.美鳥は正治とともに服を買いに出かける.
向かったのはあのフィギュアショップ.美鳥にいいように着せ替えを楽しまれてしまう正治だが.美鳥が他の客に盗撮されているのを見つけてしまう.

今回は構成が抜群! あたかも繊細なガラス細工のように,恐らくこれまでの回の中ではというか他のアニメと比較してもぶっちぎりの秀逸さ.ただしあまりに見事すぎ・前衛的すぎて難易度が高くなりすぎ,沢山の人間が訳わからなくなっているみたいですが(苦笑),視聴中正治の服装が違ったあたりで構造に気がつき,思わず引き込まれて妄想祭りを開催してしまいました.ぶっちゃけ夢オチなんですけど,夢オチというネタそのものよりはその内容の方が重要.夢は人の無意識を映すもの.夢の中の2人の世界にはありありと不安と劣等感と欲望が描かれていました.夢から覚め,自分が求めているものになんとなく気がついた2人のぎくしゃくしたやりとりは夢あってのこと.正治の言葉では美鳥の不安が消えないのは,正治の言葉では彼女の望みが叶わないからです.以下,今回に限り曲解を恐れず思い切り解釈というか妄想していきますので,間違ってたらごめんなさい.
※前半,入れ替わりを1回見失ってまして(笑)正治と美鳥が入れ違っていました.そのため前半部分の感想を修正してあります(後半はそのまま).「相手が自分の思った通りに動かない」という夢を互いに見ていると考えると,前半が入れ違いなのは間違いないようです.

先にはじまるのが正治の夢.そして後ではじまるのが美鳥の夢.と仮定しなおし(笑).包帯とシャツを目印にすると完全にハマってしまうことが判明したので,出だしは目覚めた側の夢,残りはキーになるシーンが出てきたら切り替わる,と考えたほうが良さそうです.シャツについては…一緒に寝ているので夢が混じり,前の夢の設定をわずかに引継いでいるのではないかと.
自分が小さくなったらきっと可愛いとか言われるんだと比較的のんきな正治に対し,正治がもし右手についたら絶対に大変なことになると予測している美鳥さん.そしてもし自分が右手になったら行動の主導権は美鳥さんに取られるだろうと考えている正治と,たとえ右手でも正治に主導権をとられるだろうと考える美鳥さん.穏やかな動きの正治の夢に対し,デンジャラス台所とか正治大回転&タンコブとかコスプレとかアクティブな美鳥の夢.…ああ,こっちのほうが当人たちの本性を考えるとしっくりくるなぁ(笑).
そしてショップの前で再び入れ替わり,右手になってしまったら美鳥さんを不逞の輩から守ることができなくなると考える正治.

後半では2つの夢は核心へ.まずは正治の夢.右手ゆえに守れない正治のかわりに美鳥さんを助けてくれたのは妙にかっこいい,しかし緊張の糸が切れるとへなへなと崩れ落ちる高見沢.これが現実なら高見沢に追跡されてもおかしくないのですが正治の夢なので,美鳥さんはそのまま立ち去ってしまいます.しかし美鳥さんの身を守ることができない正治は高見沢以下であり,かつ美鳥さんが大きくなったら自分以外の人間が彼女を守るかもしれないという不安は残ります.これは今の自分は美鳥さんを守るためにあるのだという正治の考えを示しているのでしょう.だからこそ高見沢のおかげでへっちゃらな美鳥さんを見て,右手は不便だ…美鳥さんを自分が守れないのは嫌だと痛感するのです.

そして美鳥の夢はより深刻.結局手芸屋さんに出かける2人ですが,途中で美鳥の友人である岩崎が登場.病気で倒れていたと聞いていた岩崎は美鳥を心配し,美鳥はあわてて病気のふり.美鳥の夢ですから「みんな心配していた」という言葉は彼女の願望でしょう.岩崎にお茶に誘われて,コーヒー牛乳が好きという子どもっぽい一面を知るあたりはごく普通の生活への美鳥の憧れ.そして吉阪先輩が告白したあたりからは,現実が美鳥を置いて動いているという恐怖感がじわじわと.自分の進路のために動く岩崎は美鳥にとっての「現在」そのもの.現実の美鳥は右手だからお屋敷で眠る本体の時間は刻一刻と「現在」に置いていかれ,だからこそそれが悲しくて美鳥は泣き,夢の中の正治…たぶん美鳥の冷静な心は本体から過ぎ去ろうとしている「現在」を追いかけろ,つまり元の体に戻れと叫ぶのです.

目覚めた正治と美鳥は,夢なのでいつもの2人に戻っています.しかし夢の中で暗に示されていた事実がひっかかり,どこか憂鬱.その夜,「私が右手で迷惑じゃありませんか」と美鳥さんは正治に聞きます.自分が正治の立場になった夢で今まで気づかなかったことに気がついた,というのはあくまで美鳥さんの表層の感想.そして正治の「迷惑なんて言うな.それこそ迷惑だ」という言葉もまた表層の感想.心の奥では正治は自分が美鳥さんを守ることに自身の価値を見出していますから迷惑なわけがなく,そして美鳥さんは元の体に戻りたくなっているので,正治の右手の自分を必要としてくれる言葉を,いつものように心から喜ぶことができません.夢の中で自分がしたかったことの意味をまだ理解できない美鳥さん.そして右手に美鳥さんがいてほしい正治.2人の心の奥のひずみは少しづつ大きくなり,この先どのように表に出てくるのかが見ものではないかと.奥深い憂いのおかげでEDへのつながりが最も美しい,叙情的な一編となりました.そして今回の話は壮絶にシリアスだったので,来週は楽しくハジケていただければいいかなーと思いましたとさ.
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(21:53)
そんなわけで修正させていただきました!コメントありがとうございました!
 EVERGREEN: ◆こんらんちゅう
…あ,混乱していらっしゃる(苦笑).
どうせ大人しか見やしない深夜帯にやるのだから,「視聴者側に高い読解力と推察力を要求する物語」をやるってのは,いかにも「大人向け」でエロとか暴力よりも好きかもしれません.もちろん全部の深夜アニメでやられた日にはたまったもんじゃないですが(笑),たまには.

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美鳥の日々#7

「朴念仁にはやさしく言葉での巻」

念願のデートの権利をようやく手にした綾瀬.前日の夜は机に向かい,沢村ゲット大作戦を気合十分でフルカラーで作成.
次の日,綾瀬が来るのを駅で待つ正治.右手の美鳥も同行しているがばれるわけにはいかないし,しかし綾瀬が正治を狙っていることもわかっているがゆえに困る美鳥.やってきた綾瀬は普段ではありえないほどにお洒落を決めてくるのだが,正治の反応は「大げさだなぁ」.いきなり最初の作戦が失敗するものの,ドンマイ!と自分に言い聞かせる綾瀬.今日のための作戦はこれからなのだ.
映画館に行くにはこっちのほうが近いわよ,と密着作戦を実行する綾瀬.しかし転んだふりで抱きついたのは人形で失敗.映画館ではホラー『死霊のだんじり』を鑑賞.ここなら映画を見るしかないからと安心した美鳥だが,綾瀬は女の子が怖がるべきタイミングまで把握した上で抱きつこうと計画していた.だがそのタイミングで抱きつこうと思ったら,美鳥が叫んだり正治が避けてしまったりで全て失敗.さらに綾瀬は正治の右手を握ろうとして,かわりに美鳥が触れられてしまう.正治は自分の隣の席の男の手を引っ張って代用し.結果映画は無事に終了.
映画が終わってほっとする美鳥だが,綾瀬の攻撃は止まらない.綾瀬は料理が余っていると誘い,美鳥はもちろん止めるものの正治は無防備についていく.

前回の予告から楽しみだった通り,今回は委員長綾瀬の猛攻.しかし正治はやはり天然で朴念仁のようで,次から次へと繰り出される攻撃を見事にかわしていくところもまた見所.ファンシー少女漫画からはじまり映画へ,そして少年漫画へと流れていく綾瀬の心象風景も愉快.美鳥さんがいないとしても単体で非常にスタンダードな恋愛コメディとして成立するほどの組み立てになっています.そしてこの不愉快極まりない状況で,美鳥さんが基本的にはじっと見守ることしかしないあたりがとてもいじらしい.
あの「死霊のだんじり」ってどんな映画なのかが気になりました.ゾンビがだんじり担いでましたし,巨大トマトが襲ってくる奴みたいな映画なんだろうか.そして食事に釣られて女の子の家にあっさり上がることにする正治のバカっぷりを見ると,美鳥さんがどうにも気の毒で仕方がありません.

後半はまずデパートで水着.グラビアを研究しボディラインもつくりこみ,とくとご覧あれ!と直球勝負をしかける綾瀬さん.しかし正治の朴念仁は壮絶なもので,色気よりはやはり食い気が先に立って失敗.綾瀬もこのあたりで「こいつにはお色気は通用しない!」とか判断して食べ物で釣ったりしに行けばいいものを,路線をそのまま維持してしまうのは,恐らくは優等生ゆえに自分が最初に立てた計画に縛られてしまっているのではないかと.
さらに続く照明利用の大技は蜘蛛がついていて失敗し,とうとう美鳥さんにまで気の毒がられる始末.美鳥さんも気の毒なのですが綾瀬もまた気の毒.そして先週は栞さんも気の毒で,それでも3人とも正治が好きなのだから不思議なもので.
しかし自分のホームグラウンドこと自宅に獲物沢村を引きずり込んだ綾瀬は最後の猛攻を開始.でもお色気は通じないんだから「今日は旅行でいません」って言葉は効かないと思うしやっぱり効かないし(苦笑).部屋の写真ではうまくいってもおかしくなかったのですが,余計な意地をはってしまって千載一隅のチャンスをロスト.最後には覗かれるために風呂に入る綾瀬は鬼ですね.覗け!覗け!と叫ぶがばかりのアピールがやっぱり効果的でなく.そして正治が来てくれたと思ったら…「さっきから焦げくせえんだけど」…鍋がこげるわ見られてひっくり倒れるわと散々の綾瀬さん.
結局正治は帰宅.しかも美鳥さんとの夜のデートを楽しむわけで.デート中には美鳥さんの直球の言葉に照れるしかない正治.やっぱりこれぐらいわかりやすくやらないと,バカには通じないということで終了.

「これからもずっと一緒に」と願う美鳥さんの心が右手に彼女を縛っているのだと考えて間違いなさそうですが,わざわざ右手にいなければならないのは,正治から離れたくないというよりは他の女の子よりも近くにいたいという気持ちからかも.元に戻れば他の女の子と同じ距離になってしまうから.そうなったらきっと自分は勝てないと無意識に感じているのかもしれません.奥深い嫉妬心と独占欲,それに劣等感が彼女を右手に縛り付けていて,しかも本人がそれに気がついていないなら,美鳥さんが右手から離れるには相当の自己分析と努力が必要になりそうです.そして次回は正治が美鳥で美鳥が正治…これは独占欲の賜物ですか(笑)? とりあえず大きい美鳥さんがじっくり見られそうで楽しみです.

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美鳥の日々#6

「小学生コスプレ祭りの巻」

今日はいい天気だからと正治と美鳥は外出の予定.しかし近所の小学生の栞が駆け込んできた.家族で出かけるはずだったのだが,栞は新婚の自分の両親に遠慮してというよりは新しい母親との折り合いが悪いようで家族での外出を拒否.そこで正治が栞を1日預かることになる.
栞は正治のことが好きなのだが,正治は相手にしない.栞は新しい母親の頑張りが気に入らず逆に重荷のようだ.正治の腕に抱きついて街を歩き,デート気分を満喫する栞.ゲームセンターで対戦格闘ゲームを楽しもうとするが,正治の右手は美鳥なのでうまく操作ができず勝てない.そこで美鳥がボタンを指示通りに押すことで再度挑戦.しかしまた負けたので再度挑戦・挑戦…ようやく勝利,と思ったら正治が倒されていて,勝利したのは正治の姉だった.喫茶店で正治が席を外した隙に,姉は栞に正治を落とすためのスペシャルコーチを申し出る.

「右手が恋人」という一発ネタだけで戦う脅威の番組「美鳥の日々」.今週は年下の少女によるアタックと,その少女の抱える家庭の問題についてがテーマ.両方ともこの手の物語では非常にスタンダードなもので,その普通さがヒロインたる美鳥さんが右手にいるといるという異様な状況を否応なしに引き立たせるわけですね.物語そのものでキャラ,というよりはネタを引き立たせようとする大技です(笑).
前半から小学生栞がフル回転,己の年上好みをぶつけまくりなわけですが,正治はそれを相手にせず,しかし美鳥さんは相手が幼いとはいえ気が気ではありません.なんせサイズ的には美鳥さんのほうがずいぶんとハンディがありますし.戯れる正治と栞の様子をたまたま見つけた綾瀬は,気合の入った不純な妄想っぷり.なんか毎週のように病が重くなっている気がするのですが気のせいじゃないよなぁ? そして次から次へと出てくる女性陣の中でも一番愛らしかったのは,すっかり別種のゲームになってしまった美鳥さんがゲームで頑張る姿でありました.

後半ではトラブルの塊こと正治の姉,栞をたきつけてコスプレ祭り.弟をおもちゃ程度にしか考えていない姉は,表面は極端ですが,心情としてはやっぱり他の番組の姉よりも随分とリアルな気が(笑).
帰宅すると栞が若妻姿でお出迎え.眼鏡っ子,セーラー服,体操服と攻撃を続けますが反応なし.ネコ,チャイナ,女王様とどれも反応せず.というかむしろ勉強を教わる気がないなら帰れ!と正治を怒らせる始末.ここまで見事に突っぱねる正治の朴念仁ぶり,あるいは朴念仁のふりは素晴らしい.そしてそれに落ち込んで帰ったふりをして風呂で待っている栞の根性もダメですが素晴らしい(苦笑).どさくさにまぎれて姉が栞に美鳥さんを見せ,驚いて栞が倒れコスプレ大会終了.
新しい母である「あの人」になじめず,迎えが来ても帰らない栞.「無理に母親ぶらないで!」と反抗する栞を叩く母.頼れる味方?である正治が側にいて,相手の側には父がいない.そんな状況で栞ははじめて面と向かって反抗し,その反抗に対し母は平手で答えることができたのでしょう.家族として一歩踏み出すには,どんな形であれコミュニケーションは必要ということで.意地張ってないで帰れと背中を押す正治は優しく,無事に帰る2人を見送る美鳥さん.
というわけで問題が片付いたと思ったら今度は綾瀬が猛攻を開始.獲物を狙う目でじっと待っていた綾瀬,とうとう機会を掴んで次回でのデートが成立です!さて,正治は本気で朴念仁なのか,それとも美鳥さんが思わず元の体に戻りたくなるくらいの大事が発生するのか.お約束を楽しみつつ,次回に続きます.

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美鳥の日々#5

「あれやって次の日左手が使える正治はすごいの巻」

美鳥特製の朝食を食って学校に出かける正治.しかし既に遅刻寸前で閉まる校門.だが正治は無理やり体育教師ゴリ西の顔を踏みつけて突破する.授業中,美鳥のために廊下に立たされる正治.美鳥が右手なのでトイレも不便.個室にいると後から来たゴリ西がそこをむりやり占拠し,正治がやつ当たりするとトイレのドアが外れてゴリ西の頭を直撃する.正治に恨みを抱いたゴリ西,右手が使えないので体育の授業を休むしかない正治に,左手だけで腕立て伏せをさせる.
帰宅した正治は,誤って姉のテキーラを飲んで倒れてしまう.正治の意識がないうちに,と美鳥は普段できない家事をこなすが,電話に出てしまったり,頼んだピザが来てしまったりと大ピンチの連続に.足りない代金を家中から探したり,英会話教材を断ったりと今日に限った大活躍.その疲れで美鳥は布団もなしにそのまま寝てしまう.おかげで次の日,美鳥は熱を出してしまう.

異常な状況の割にはどうにもほのぼのとしたノリが楽しい本作.今週はこの手のアニメの定番展開の1つ,おしかけ側が病に倒れるというエピソードも含まれてはいますが,メインは「正治の不便な生活」.美鳥さんをかばって暮らす男沢村の苦闘ぶりです.右手が使えない正治は,ごく当たり前の学校生活すらうまくこなすことができません.それを補おうと頑張る美鳥さんもどうにも空回りで,熱を出したりなどむしろ正治の苦労を増やす始末…文面だけだと典型的すぎて面白みのない展開なのですが,なんせ「右手に少女」というあまりに強すぎる一発ネタがあるために映像がどうしても愉快でずるい(苦笑).特に正治を引きずる美鳥さんの大活躍によってピザ配達や訪問販売が逃げていく様子が抜群です.美鳥さんも正治の体がある程度コントロールできるようですが,自分のいる右手以外は筋肉を大きく動かすことはできないのでしょう.無意識の正治の体を引きずって自走しているように見えるのは,正治の体全体を細かく振るわせることで這いながら前進したりさせているのではないかと.あ,もちろんアニメなので表現は誇張されてます(笑).

後半はまずは熱を出した美鳥さんの看病.病院行きを断固拒否する美鳥さんは,正治の迷惑になることよりも,自分の現状が他人にばれることを恐れているような気がしますね.美鳥さんの服を脱がせて汗を拭き,卵酒をつくって飲ませ,布団で安静に休ませる正治.その上自分がうるさいことに慣れたことを笑って美鳥の回復を願ったり,今週も見事ないい奴っぷりを披露.そりゃ美鳥さんも泣くってもんですよ! そして今週は綾瀬だけでなく栞も哀れな状況に.そりゃ家に病人抱えていて小学生の面倒まで見られないですからね.
次の日.美鳥さんも元気になって登校する正治.しかしそこに待っていたのはこれまた典型的な学園モノの敵教師像であるゴリ西.左手で片手懸垂100回できなければ体育の単位はやらないというとんでもない指示に従って,わが身を省みずやりきろうとする正治.そしてあと1回というところで滑ってしまい,それを必死で止める美鳥.右手を使ったので勝負はなし.単位は失わずにすみました.つうか不良の癖に授業という場面ではゴリ西の言葉に従ってなおかつ勝とうとする沢村正治は本当にいい奴です!
そして正治は次の日もまた遅刻.しかしこんな不幸な状況でも,美鳥は幸せ.どうもこの幸せの実感こそが彼女を正治の右手に縛り付けている一番の原因のような気がしますがどうなんでしょうか.終盤で原作を凌駕する展開に持っていくなら,美鳥のこの戻りたくない気持ちが鍵になるような気がしますね.
さて,接触がおかしくなっていた高見沢,ボールの衝撃によって案の定記憶回復中(笑).今後のポイントとなってきそうです.

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美鳥の日々#4

「根元は,根元はどうなっているのですか!の巻」

今日は公園.アイスクリームを食す美鳥は巨大サイズに大喜び.しかし正治のくしゃみでアイスに襲われてしまう.一張羅のTシャツが汚れてしまったので,美鳥用の洋服を買いに行くことに.
そこで正治が潜入したのがオタク向けのドールショップ.狂犬沢村ともあろうものがオタク集団に気おされかける始末.一方可愛らしいドール用の洋服を眼にした美鳥はコスプレを開始する.そんな正治を発見したのはクラスメイトのオタク高見沢.しかも正治は高見沢に人形好きの仲間扱いされてしまう.高見沢にとって今の美鳥は理想のタイプではと気づいた正治,見せてくれとねだる高見沢にチョップをぶっかまして服も買わずに逃げる.
結局美鳥は正治の家で新作の服をつくることに.お屋敷でマキエさんに教わっていたのでお嬢様の割になんでもこなす.しかも恥ずかしい刺繍もパワーアップ.
次の日,憂鬱な表情で学校に向かう正治.恐れていた高見沢はなぜか正治を無視.しかし机の中にはオタク雑誌と手紙が.高見沢のたくらみが気になる正治,呼び出しに答えて屋上へ.

エキセントリックですが純真で愛らしく,脱ぎっぷりも素晴らしい美鳥さん.そんな彼女の一番の魅力は乱暴者だが根はいい奴の正治が大好きだというところ.美鳥さんの魅力を味わい尽くすためには,視聴者も正治のことを好きにならねばならないという美少女アニメとしては斬新すぎてわけのわからない構造でおなじみの本作,とりあえず今週も正治はとてもいい奴です.ギャグのキレが1話以来の良さで,無邪気な美鳥さんや気を失う高見沢を見ているだけで楽しい.
前半は普通の不良にとっては悪夢世界であるドールショップに潜入する正治.美鳥さんが無邪気にコスプレ大会を開催してくれるのはいいのですが,着物で「あれー」ってやっている様子が・・・あの,美鳥さんの根元はどうなっているのでしょうか…ポリキャップ? そんな魔窟で出会った悪魔高見沢.正治は美鳥さんのことを秘密にしてくれるかもと考え,話を合わせようとするのですが,彼は真性の悪魔であり,正治が話を合わせられるレベルではありませんでした.人形のほうがいいと言い切る高見沢,恐らく割とあっさり犯罪者に転身できるタイプですというか番組後半でストーカーに転身しております(苦笑).「高見沢の日々」という悪夢や美鳥さんの正治激ラヴにはさまれてもはや一杯一杯の正治.横で綾瀬が弁当妄想にもだえていてもそれに気がつく余裕がありません.綾瀬,哀れ.

後半はますます加速していく悪魔高見沢.右手の美鳥さんをパペットと勘違いして見せてくれと懇願.手のまりんちゃんの存在感も相まって痛々しい光景が展開.実写だと下手すると放送できない代物になりかねないので,アニメで本当によかったです.美鳥さんのくしゃみのおかげで最新鋭機とさらに勘違いした高見沢,今度はストーキングを迷わず実行.…迷いのない奴.美鳥さんが正治の手で生きてるという想像になかなか結びつかないのは,高見沢が人形のことしか考えていないというのと,常識的に右手が女の子になるよりは出来のいい人形を手につけているほうがまだ可能性としてありえるからでしょう.正治も視聴者も美鳥さんが右手な状態に慣れちゃだめだ(苦笑).
高見沢は結局美鳥さんを生きてる人形と理解.案の定高見沢の理想のタイプ.ばらすぞと正治を脅迫して美鳥さんを屋外に連れ出し写真撮影会.素敵なお洋服もプレゼント.美鳥さんに喜ばれて有頂天になった高見沢は「俺のものになって!」と真剣に告白.けれどやっぱり美鳥さんの返事は「ごめんなさい」.お人形じゃない美鳥さんは,自分の意思で自分の愛する人を選ぶのです.もちろんこの間,美鳥さんの意思は非常に尊重されてるわけですが,正治の意思は高見沢と美鳥の双方からまったく尊重されていません(笑).ある意味正治のほうが人形扱いだよなぁこの状況.というわけでいろいろあってまたも高見沢バックドロップで倒れました.
次の日,記憶と性格がふっとんでかっこよくなった高見沢.とりあえず秘密は守られたように見えますが,この手の障害は時間の経過と何かのきっかけによって回復する可能性があります.例えば人形を見るとかそういうので.そんなわけでトラブルの種を抱えつつも次週に続きます.

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