GANTZ#11

「ゲームだけは終わり,他は何も終らずの巻」

玄野の前でテレビを見ている巨大な鳥.あれがラスボスだ.絶体絶命の情況で,四方を囲む鈴木星人たちは「ユウゾウクン?」と玄野に呼びかける.玄野は情況が理解できていないながらも,「はい,ユウゾウです…」と答え,その返答に対し口々によくわからないことを玄野に言いはじめる鈴木星人たち.そんな情況で玄野の首に上がってきた小さな鳥に首を噛まれた玄野.殺さずに床には降ろしたものの,それでも星人は怒りはじめる.しかしまだラスボスが動いていないうちならと倒しに行こうとする玄野,ところがまたも鳥を踏み潰しかけ,ラスボスはこちらを向いた.
立ち上がり,向かってくるラスボスの巨体に死を覚える玄野.しかし「死んでたまるか!」という思いもこみ上げる.腹の銃を取り出しボスの喉元に突きつけ,引き金を引く.ボスは絶叫.玄野は銃を撃ちまくるものの,敵の攻撃はさらに凄まじく.その威力によって崩れ始める建物から逃げ出す生身の玄野は,なんとか倒壊前に脱出に成功する.

今期アニメの比較的問題児「GANTZ」も今回でひとまず閉幕.過激すぎて放映できる部分がなくなって番組に穴を開けるような事態にだけはならなかったことはよかったのですが(ひやひやしてました),やはりこういう作品こそ,ベテランが手練手管を使いに使って例えてぼかして韜晦して,しかし重要な要素はきっちり出すという手を使ってもらいたかった.それと,もし放映できなかった部分を足してDVDを作ったとしてもこのままではちょっと難が多すぎるかなと思ってます.詳しくは感想のあとで.
前半はくろのくんはじめてのおつかい.中を偵察して来いという不良の言葉を受けて恐々出かけたくろのくん.建物の中では鈴木星人たちに囲まれるわ鳥を粗末にするわと失態ばかり.そしていろいろあって最終的にはおつかいに出かけた建物を壊して帰ってくるという(笑).生身で,しかも敵に取り囲まれるという危機一髪のお使いからもとりあえず生きて帰ってこられるほど,玄野の生に対する欲求は強いようです.
その一方,祖母と孫を殺したガレージの鈴木星人たちを必死で倒す岸本.もはや撃てない加藤は彼女たちの足手まといでしかなく.しかし岸本の好きという気持ちは別物だったようで.…いやむしろ増したのか?そしてようやく玄野たちに合流したと思ったら,玄野がやたらハイになっているというとんでもない情況に.

そして後半.ボスを倒して終ったと思った玄野ですが,しかし時間はまだ残っていて.復活したボスにまずさらわれたのは,玄野をお使いにやった不良,上空で死亡.次にターゲットとなったのはイケメンではなく,もちろん主人公玄野.しかしハイテンションなままの玄野,「逃げろ!」という仲間の声に従わず,腹の中で反論するわけでもなく,己の口で「逃げねえよ!」と宣言.やっと主人公らしくなったのはいいのですが,頭に血が上っているために鳥にさらわれたあとは,肩をつかまれしばし苦戦.しかし生身でも,絶対的に不利でも,それでも戦う気は失せていません! 銃を必死で撃つも当たらず,しかし鳥の口元の金属を引っ張ると鳥は落下.玄野は上空から落とされて…空中にあってもさらに銃を撃ち,そのまま民家の屋根に落下.…スーツなしの癖に本当に大活躍しやがりましたよ! その上落ちてもなんとか生きているというとんでもない丈夫さです.ようやくゲームは終了.ここでエンディングになだれ込んでもらって,採点はエンディング中・声なしでもよかったんだけどな(苦笑).
アパートに戻ると残るは採点.犬0,岸本10,加藤,ストーカー0,イケメン10,リーダー0,…パシリ38点.点数はすごいですが立場的にはパシリで間違いないかと.解放される即席メンバーたちはそのまま解散・帰宅.岸本の恋も玄野の恋もまったく何も解決されていませんが,それは仮初めとはいえ命があるから次の機会までになんとかすればいいことで.しかし所詮借り物だってことを忘れんな,というわけで次回には続かず今シリーズは終了.

今後出されるDVDが不安なのは,既に日常部分の描写のテンポがかなり間延びしていること.ゲーム部分はともかく日常部分はあのままではあまりにもテンポが悪すぎるんですよね.そんなわけで素材としてはものすごくいいんですが作り手側の経験値不足が目立ちすぎ,全体的には非常にもったいない作品となってしまいました.ただし,原作の質と映像的・素材的には本当にいいものなのは間違いなく,今回の放映分と未収録分を素材と考えて,贅沢にカッティング&編集をすると相当面白いものになるはずです.あとは編集次第のはずなので,ぜひ徹底した再編集を入れていただきたいと思います.1シリーズ終了したのに作品づくり自体が全然終ってないって情況がいかにも「GANTZ」でおかしいんですけども(苦笑),製作者の皆様方,まだ何も終っていませんので…頑張ってくだちい.

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GANTZ#10

「今再びの死の巻」

西の死を前にしても慣れによって怖くなくなってきている自分を恐れる玄野.しかしまだ鈴木星人は残っているはずで戦いは終わっていない.このゲームでは時間内に一定の領域から参加者が出ると即殺されるらしく,祖母と孫がいないのに気がついた加藤はイケメンたちと岸本とともに2人を探しに,また残った鈴木星人を倒しに行く.残されたスーツのない玄野はヤンキーに銃を突きつけられてリーダーとともに別行動をすることに.しかし同行を強制される直前に,玄野は銃を拾い服の下に隠す.
ガンツのゲームが終るまでは参加者の姿は街の誰にも見えない.泣く孫を背負って歩く祖母.ヤンキーに銃で殴られて泣く玄野.そして加藤は敵を倒しに向かうのに,撃たないとだめだと知っているが銃が撃てない.加藤たちは祖母と孫に合流するものの鈴木星人にも遭遇.弱い2人を逃がすものの鈴木星人は次々と沸いて出て,加藤は1体を捕まえるが他の鈴木星人たちの集中攻撃を受ける.

短期シリーズでも特に短い今作は次回が最終回.評判が良ければ続編もあるのでしょうが,とりあえず今シリーズでは最終回まで放映できる部分が残っていそうでよかったです(苦笑).ゲームの終結に向かって物語は大転回.強くて情報を持つ西が死んだあと,残った面子でどうやってゲームを続けるのかという問題にぶちあたる参加者たち.今回は加藤とヤンキーはどうしてもそりが合わず別のチームとなり,それと勝手な行動をとる祖母と孫の3元中継が展開.これまで参加者の経歴が真面目に描かれてきたゆえに,ガンツの無情さを最初の戦い以上に感じる結果となります.
まずは前半.知識とコミュニケーションが重要なこのゲームで,状況がここに至っても理解できていないという点で祖母と孫にはこのゲームに生き残る資格はないと西なら言いそうなところなのですが彼は既に死亡.そんな西の死を前にして,それにすら衝撃を受けなくなっている自分の順応性の高さに苦しむ玄野.死のような非常に大きなストレスすら切り離せる.もしそうであればこれこそが玄野の持つ主人公としての素晴らしい才能ではないかと.もちろんあの状況でストレスを受けないわけはないのですが,玄野の場合は頭の中で冷静な突っ込みを入れることで,異常な状況から受けるストレスと自分自身を一時的に切り離すことに成功しているようです.また状況と自分を切り離せるからこそ銃を撃って敵を殺すこともできるわけで,これはまったく表裏のない加藤にはできない芸当です.ヤンキーに盾として連れ出されるときに銃を拾っておくという芸当も,彼我の切り離しの良さゆえのことでしょう.
一定領域から出ると頭の中に仕掛けられた爆弾で殺されるガンツのゲーム.前回は1時間で2匹殺したところで終了したので今回も同様かと思ったら大変なことに.そんな過酷な状況に至ってもイケメンを追っているストーカーの根性はなかなかですが,この期に及んでもまだ「手で捕まえる!」とか言ってる加藤もなかなかのダメ根性ぶりです.

後半はまずは岸本大活躍.玄野とともに銃を撃った経験があり,かつ玄野に「加藤は撃てねえよ」と吹き込まれていた岸本.ここは自分が撃つしかないのですが初回は覚悟が足りず敵の反撃に突き飛ばされます.しかし一体を行動不能にするのと引き換えにスーツをお釈迦にしてしまう加藤を前にすれば「加藤くんのためなら」と撃つこともできるわけで,女性はこういう場合強いです.イケメンも必死で戦い鳥が逃げ出したところであと23分.ただし,鈴木星人の逃げ出した先が問題でした.
鈴木星人が追ったのは逃げた祖母と孫.星人にも弱い相手から殺す程度の知能はあるようで.車庫の影に隠れている祖母と孫を鳥が見つけ,さっき逃げた2体がほどなく到着.孫を守るために体を張る祖母.通りがかる警察は自分たちの姿が見えないので役に立たず.…本当の彼らは恐らく事故で死んでいて,コピーの彼らの仮初めの命にどれほどの価値があるかはわかりません.いきなり事故で死ぬのに比べ,祖母が孫を精一杯守ったこの結末のほうが意味があるのかもしれません.ただし結果は祖母は孫を守ってともに死に,加藤たちは間に合いませんでした.
そして3元中継の残り1箇所には主役が到着.寮のような建物の中にはたくさん何かがいるはずで,安全な場所にいたいヤンキーは玄野を先行させます.2階に上がった玄野の四方からは鈴木星人が迫り,そして部屋の中の大きな影.あの影は何なのか.そしてスーツなしの玄野は主人公として活躍ができるのか.おいしいところを全部加藤に持って行かれると…まあ,この作品らしいですが.次回に続きます.

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GANTZ#9

「あと10点が遠すぎての巻」

迫る鈴木星人の前で立ち尽くす玄野だが,最初は何もしてこない.しかし玄野が鳥を払い落としたのをきっかけに敵となる.追いかける鈴木星人から逃げる玄野は加藤たちと合流.敵と戦いはじめたのは西だった.
鈴木星人は西の攻撃をことごとくかわし戦いは川の中へ.その中,何かが壊れ西の姿が消えなくなった.攻撃された西は傍観している玄野たちに向かい,「手伝え!」と叫ぶ.しかしこれまでのこともあり即席チームの助力が得られないどころか「死ね」と言われる始末.ヤンキーのリーダーは西が仲間を殺したことを責め,わびるなら助けてやると言うが西は謝らない.今度は西のスーツが壊れ,鈴木星人は近づき,それでも西は謝らない.逃げる西を助けるために立ち上がったのは加藤.「あいつが死んだら何もわからなくなる」と川の中へ.

ようやくはじまった2度目の戦い.緻密で過激な原作をアニメにするためには,技術の壁と倫理規制の壁の両方をクリアしなければならないわけですが…展開,早(苦笑).原作をそのままつくると通らないとしても,回避する手段はこれまでのアニメの歴史の中でいくつも開発されてきたはずで,この削りっぷりはそのノウハウをもってしてもなんともならないんでしょうか.とりあえず作る側の要領が悪すぎるということで(苦笑).
速度全開で展開される前半では,鈴木星人と西の死闘.あと10点で自由になれるはずの西ですが,あまりにも生意気であったために他の助力を得られず大変なことに.ガンツのゲームで生き延びるために重要なのはまずは知識.しかし知識だけでは通用しない場合があり,そのときはコミュニケーション能力が生き延びるための鍵となる.さらに個人の知識が足りない場合も,他者と協力することでそれを補える…状況は突飛なのですが根底にある理論は現実の世界と何も変わりません.装置が壊れ消えなくなって愕然となり,その上スーツまで壊される西.今は万能のように見えますが,スーツも使ううちにだめになっていくんだろうか.冷笑が消え狼狽し,死ぬしかない西を救おうとしたのは,コミュニケーション能力しかない加藤でした.彼は自分に何が足りないのかをよくわかっています.

後半も展開はめまぐるしく.そして前半から引き続いてペットこと岸本,ある意味大活躍(苦笑).欲望一杯だが表に出さない玄野に比べ,岸本は己のエゴを周囲にそのままぶつけ,そのことで周囲が動くと考えている節もあって狡猾.もし天然だとしても同性には嫌われそうですが異性には非常にもてるタイプだなきっと.
川の中では西・加藤と鈴木星人の戦い.スーツがない玄野が傍観しているうちに.西は鈴木星人の攻撃をまともに食らいはじめ,早く敵を殺してくれと叫ぶものの肝心の加藤は暴力を振るう自分に対する恐怖があるのか鈴木星人を殺すことができず.そして加藤の死に直面し恐慌する岸本が自分が助けに行くと言い出してはじめて動き始める玄野.岸本もどうかと思いますが玄野もどうかと(苦笑).もちろんこの典型にはまらない具合が作品をリアルに見せているのですが.玄野は銃を撃つがはずれ,しかし加藤が鈴木星人を捕まえることに成功.締め付けると中からはでかい鳥.あの小さな鳥はこの鳥の子なのだろうか.自分の子を殺されれば怒り狂っても仕方はなさそうですが…ネギ星人もそうでしたね.玄野が銃で撃つと鳥が送られて,一応戦いは終わります.これで玄野に点が入ったのかな.
そして終る西の時間.彼の転落死は…自殺.俺だけはちゃんとしないとと呟く西は,最後まで自分のことしか考えることができず,ゆえにあと10点を残してご臨終.ガンツの音がふざけすぎ.さて,一応戦いは終結したものの生きて帰れるかどうかはまた別の話.次回に続きます.

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GANTZ#8

「西くんぶっちゃけるの巻」

主を失い,テレビの音が無意味に響く玄野の部屋.命を失いガンツに送られ彼らが姿を消したその後に朧に残るのは,玄野に道を聞いた老女の姿.
例のマンション.玄野には命綱のスーツがない.即席チームの面子にスーツを着てもらいたい加藤に反発するヤンキーたち.その傍らの玄野にはスーツがない.妻帯者であるヤンキーのリーダーは加藤に反発するが,加藤は暴力を避けて着るように願うだけだ.岸本が玄関に着替えに行くと,それを覗きにいくヤンキー3人.岸本は彼らに取り囲まれるが,それを止めたのはヤンキーのリーダーだった.この行動がリーダーと3人の間の溝を深め,そんな連中の後ろの玄野にはスーツがない.
加藤の努力が実り玄野とヤンキー3人以外はスーツを着用し,ここにきて玄野がスーツを忘れたことが発覚.ださすぎと西に笑われる玄野.

新しい宇宙人狩りが今回より開始…と思ったらはじまりませんでした.前半は致命的な忘れ物にうろたえまくる玄野の右往左往っぷり,後半は西のぶっちゃけぶりが見ものってのはこういう作品としては明らかに間違っているんですけども.でも,こんな状況なら当然ありえるぐだぐだを省略しないからこそ,この先の展開がより豊かに見られるならありでしょう.というかこういう部分省略しちゃうと地上波で流せる映像がなくなってしまう可能性があるので!(笑) OPがちゃんと星人に合わせて変わっているあたりは偉い.
前半はおろおろとうろたえる玄野.なんせ命の危機なので必死.しかし頼りの加藤は新人にスーツを着せようと一生懸命.反発を受けながらも努力がそれなりに報われていくあたり,やはり彼こそヒーローに相応しく,それゆえに自分のことだけで必死の上に報われない玄野の情けなさがより際立ちます.岸本は今回は人間だけでなく犬にまで襲われる始末で,人垣で見えませんでしたが一体どんなことになっていたのやら.そして妻帯者のヤンキーのリーダー.彼は他のバカと違って本気で帰らねばなりません.面子を気にするもののスーツを受け入れるのは,牛乳を買って帰らなければならないためでしょう.そんな面々を見る西の目は冷たく,冷たく.

後半はコンビニの隅からスタート.カプセルだけがまるごとなくなり,何もないのに開く扉,残される金.それこそが見えない客こと新たなる敵宇宙人の行いでした.これでガンツに送られる戦場となる世界と玄野たちの暮らす通常の世界が限定的ながらも同じ世界であることが判明.戦場には宇宙人以外には誰も(恐らく動物は全て)いなかったことと,現実のコンビニでは宇宙人の姿は見えなかったが菓子は棚から消えたことから,戦場と現実では動物や他の意思が関与しないと動かない自動車のようなもの以外の全ての要素が共通で,しかも2つの世界は互いに影響を及ぼす可能性があること.また時間の流れが同一であることなどが示唆されます.恐らくはあのマンションを経由することで,現実の存在は戦場へと転送されるのでしょう.もちろん現実と戦場ではカプセルの中身が(たぶん)違うように,2つの世界の共通点はそう多くはないのかもしれませんが.ただし,戦場が現実に深刻な影響を及ぼす可能性があるのなら,戦場の宇宙人を倒さなくてはならないと考えてもおかしくはないですね.
スーツのない玄野は情けなく泣き,盗む根性もなく,世話焼き加藤がヤンキーに貸してくれと提案.…なんだかとっても小学校で忘れ物したへたれを助ける友達の図なわけですが,ヤンキーは貸さず,しかも他人のスーツじゃただの服だという西のコメントで絶望的.生き残る方法.他のスーツを着た人間に守ってもらう以外にあるのだろうか?
そして 「お前らみんな死んでんだよぉ!」 からはじまる西君のぶっちゃけ.ここにいる面子は死んだって構わない.ああいうのを暴力衝動って言うんだよ.頼るばかりで何もできないくせに.泣いてる馬鹿.お前が一番先に死ね.誰かに頼らなきゃ絶対死ぬ.甘やかすのは自己満足なんだよ.ゴミにリーダーもへったくれもないだろう.お前は新聞読むだけましかもな…彼の言葉は痛いほど暴力的な真実.でも,だったらお前はなんなんだと,登場人物だけでなく視聴者まで敵に回した上に,己に歯向かうヤンキーを射殺.…あれだけ銃を向けられるのを嫌うということは,たとえスーツでも銃が効いてしまう場合があるということなのでしょうか.
そして転送開始.玄野の前にはいきなり迫る鈴木星人.絶体絶命で次回に続きます.

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GANTZ#7

「繰り返しではなく続きだからの巻」

母に高く期待され,それに答えられなかった岸本.自分が出来ないから,家の中で差別されることに耐えられなかったから.だから死んだ.そしてガンツに呼ばれ今は別の存在に.自宅を見に行って現実を知った岸本は玄野の買ってきた夕食を元気に食べ,でもなんか楽になったと言う.母のために生きるのはうまくいかなかったけれど,今の私は生きてみると.「私は,好きな人のために生きる!」 その言葉にとても期待するのだが「私,加藤君が好きだ! だーいすき!」 お約束どおりだが一番期待しない展開にがっくりの玄野.
己の暴力の感触を忘れられない加藤.しかし弟に,自分が強いからって他人を殴るのはだめだよねと言われて身を震わす.弟は言う.「死なないでね兄ちゃん.」けれど加藤はもう死んでいる.
人通りのない道に集まる女待ちのヤンキーたちだが,それは敵の罠だった.車で高速に乗る祖母と孫,その近くにはバイクの上のイケメンとストーカー.スーツを着てずっと待っていた西のもとに訪れる気配.手を洗う加藤もスキンシップを楽しんでいた玄野も楽しまれていた岸本も,例のマンションに送られる.さっそく玄野を放り出し加藤に走り寄る無情な岸本.

とうとうはじまる2度目の召還.前半では旧メンバー4人が召還されます.玄野の気持ちを無視する岸本.気がつかないのではないでしょうね.なんせ前回玄野は重要なフラグを立て損なっていますから.しかし相手にされなくても素晴らしい胸は見たいエロ玄野.「肩凝ってない?」とか言い出してペットの肩をもんでやる始末.後手に抱えて岸本の胸が強調されるようにしてみたりとエロスキンシップを楽しむ玄野だったのですが,ガンツの召還で野望は費えます.その上エロに夢中で大切なものを忘れてしまうことに.
加藤は弟に「暴力はだめだよね」と言われて動揺.さらに「死なないでね」とまで言われてさらに動揺.加藤が学校で暴れたことは知らないわけですが,加藤の叔母への態度と電車事故での傘,それに加藤の態度からきな臭いものを感じているのでしょう.けれど,弟のために新しい命を維持するためには弟の嫌いな暴力が不可欠なわけで.
ヤンキー4人組は罠にハマッてさあ大変.てっきり牛乳の奴だけが大変なことになるのかと思ったら全員でした.暗い駐車場での戦いの末,視野は揺れ空に,暗転.

後半に入ると新メンバーが続々参入.渋滞の高速で並ぶストーカーとイケメンのバイクと祖母と孫の車.後から来たのは居眠り運転の大型トラック.そして駐車場でまとめて倒れるヤンキーたち.というわけでヤンキー4人,イケメンとストーカー,祖母と孫が揃って到着.ガンツとしてはある一定の領域内で沢山の人間がほぼ同時に死ぬタイミングでコピーと転送を行うのが効率がいいんだろうか.そんなわけで今回の宇宙人倒し即席ユニットが完成.
新入りは前回の自分たちと同じ行動を開始し,それを「はじまった」と見ている玄野.経験者であるゆえの初心者に対する理解と,恐らくは優越感から説明を無駄だと思う玄野ですが,新入りに対する優越感のない加藤は彼らへの説明を開始.完全な悪意から説明をしない西に止められながら次第を話すものの,やはり「宇宙人」がどうにもうさんくさくてやっぱり信じてもらえません.にしても泣くしかできない孫の姿に発奮する加藤はやっぱりいい奴.そしてまたもヤンキーに目をつけられるナイスバディ岸本.…あんな格好だしなぁ.この状況でもストーキングを開始しているストーカーが,やられているほうにはたまったもんじゃないと思いますがおかしい.
そして再びの新しい朝.黒い球に浮かぶ例の文句と,今回のターゲット・鈴木星人の特徴は「つよい.さわやか.とり」…鳥? 予告でもそれらしき不気味なものが出てましたし.さらに球から飛び出す銃とスーツを前に,加藤はスーツを着ることを指示. 「なんでネタばらしすんだよ!」と憤る西に「生きて皆で帰るためだ」と答えるあたり,やっぱりかっこいい.岸本の見る目に間違いはありません.それに比べて黒い球の影で愕然とする玄野.前回持ち出したがゆえに自分の分のスーツがないわけで.やっぱり岸本の見る目に間違いはありません(苦笑).いきなり大ピンチに陥った玄野が生き延びられるかどうか,そしてバイオレンス表現をどこまで地上波で流すのか.編集頑張れ! 微妙に期待しつつ次回に続きます.

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GANTZ#6

「静かに,しかし着実にの巻」

朝.虐げられる暮らしの中でその身に怒りを溜め込む加藤.玄野と岸本はコンビニで朝食を買うが,レジには駅のホームで玄野に話しかけてきたあの老女がいた.「ホームを教えてくださいな」 岸本を引っ張りコンビニから逃げ出す玄野.家に戻ってあの黒いスーツを引っ張り出して準備をはじめる.玄野はあの老女こそ玄野にとっての予兆だと気がついている.通勤ラッシュの迷惑になっているあの祖母と孫.建築現場ではサボるヤンキーたち.岸本が玄野のスーツを必死で着てみると体の線が丸見えに.「着ると生き残る確率が上がるから」と主張する玄野だが,「どうやって使うの?」という岸本の問いには答えることができない.仕方なく「着て,気合を入れればいいんだ」とおざなりな説明をすると.「だったら着る必要ないじゃない」ともっともな岸本の主張.ペットに「変態入ってる」と言われる玄野.
玄野は今日も学校に.部屋に置いていかれる岸本は行き先のある玄野がうらやましい.そして岸本が玄野を誘ったのは自分の家.一瞬期待したが夢破れる玄野.加藤の通う学校では,加藤の友達が上級生にからまれていた.

失うはずの命を無理やり繋がれて,この世に留まり続けるGANTZに呼ばれた者たち.そしてこれからもうすぐ命を失うはずで,しかしそれを知らない者たち.とりあえず今回は画面と台詞の端々に乗り物が出てくるたびに嫌な予感で一杯です.朝から家の中で追い詰められる生き残り組の加藤.しかも力があるのに無力な弟がいるために激しい抵抗もできないわけで.一方玄野と岸本はどうにもよそよそしい同居生活.しかしあのババアが再び登場して事態は緊迫の度を増します.恐らくガンツが現実世界に,あるいは玄野の脳に介入し,あのババアを玄野の前に登場させているのだとは思いますが,あんな予兆嫌だ.そして他の面子にはそれぞれに別の予兆が存在するんでしょうか.
黒いスーツを岸本に着せてご満悦のエロ玄野.次にあのスーツを着るのが楽しみで仕方ないのではないかと.そりゃもうスーツのパワーだって全開となるに違いありません.というわけで今回もエロが空回りしている玄野なのですが,その空回りが致命的だったのが岸本が家に行きたいと言い出した際の対応.心の弱みを見せているということはそれなりに玄野を受け入れはじめている証拠なのですが玄野はこれを冷遇というどあほうぶり.ここは思っていなくても岸本のことを全力で気遣ってやらなきゃだめですよ!目先のエロに目がくらんで折角のチャンスを失っております.

後半は街のスケッチにはさまる加藤の暴力.強い後輩である加藤をシメようと計画する先輩方ですが,なんせ加藤は相手に暴力を振るうことを既に覚えています.上級生の不意打ちの相談をチクってもらった加藤,普通ならこの段階で逃げるべきなんでしょうが,スーツもなしにトイレに殴りこみ完膚なきまでの不意打ちを遂行.玄野がスーツの力を借りなければできなかったことを生身で実行できる加藤.彼もまた既に死んでいます.だから本当は将来を考えて我慢する必要はありません.もう死んでいて未来はないわけですから,この先何がどうなったって構わないわけで.加藤が「自分が我慢する必要がない」という事実にはっきりと気づいたとき,加藤の居心地の悪い家はどんな風に変わるのでしょうか.街の風景は本屋の中.イケメン,玄野,強気と弱気の女,ストーカー,女子高生,万引き犯.どこまでが次回の登場人物になるのかはわかりませんが,とりあえず乗り物はとても不吉です(苦笑).
そして圧巻は最後の部分.岸本の家でもう一人の岸本を見て,ヤンキーはまた煙草を買いに行き,加藤は眠る弟の横で拳を握り締め,祖母は孫を車で連れて走り.岸本は泣き,駅は終わり,西が待つ.この一連の流れが心地いい分だけ,この先の展開が否応なしに不安.いよいよ動き始める新しいゲームを待ちつつ,次回に続きます.

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GANTZ#5

「夜は甘く長く苦くの巻」

自宅に帰ってきた玄野だが,その扉の前には岸本が座って眠っていた.つい胸を眺めていると岸本が目覚める.彼女は学生証を届けにここに来たのだ.一度は立ち去ろうとするも,「お水もらえるかな?」と玄野のアパートに上がり,さらにお腹が空いていたので玄野の夕食のコンビニ弁当ももらう.そして岸本はもう一度帰ろうとするのだが戻ってきて,そして玄野に上目遣いの潤んだ瞳で「飼って…くれないかな? ダメ?」ととんでもない提案.玄野にそれを拒否する理性などなく,岸本は玄野の家で飼われることになる.
玄野のアパートで2人きりになった玄野と岸本.岸本が風呂に入っている間に玄野はコンビニへ買い物に.風呂の岸本.昨日の夜からこれまでの自分に起きたことを思う.岸本のオリジナルは生きていて,なのにコピーの自分も生きている.だからコピーの自分には,居場所がない.
                       

性と死の交錯するいろんな意味での冒険アニメ「GANTZ」.今回はこれからの展開のための前提条件の描写のはじまり.ちなみにOPで使用している材料を先回までで使いきったことから,今回から先は本編の放映と前後して作っている部分ではないかと.そのため過激な内容をどう再構築するかという「内容の壁」だけでなく,映像そのものの「品質の壁」との戦いも本格化.これもまた1つの見所ですので,変な楽しみ方ですけども見守りたいところです.実は前々回あたりまでの本当に原作に忠実な絵よりは,今回のようなアニメで動かしやすいように簡略化した絵のほうが好きかも.さらに全体通して愉快すぎるのが音楽!その選曲とタイミングがツボを見事に押さえています!

前半はエロ玄野のもとにセクシー岸本参上.参上されただけでも一杯一杯の玄野ですが,その彼女に「飼って」なんて言われて普通でいられるはずがありません.「ダメじゃない!ダメじゃない!」と頑張る玄野がとてもダメ(笑).こんなむっつりエロスの元に転がりこむなど,事情があるとはいえ岸本も随分と大胆な行動に出たもの.玄野は風呂を覗いてみたりコンビニでの買い物で笑われたりと一人盛り上がり,しかし岸本は己の居場所を確保するために必死.このあたりの意識の違いが後半の一番いいところで炸裂します.
そんなお祭り状態の玄野の描写の間には,ヤンキー夫婦やおばあちゃんと孫,おばさんに虐待された加藤の弟,ヤンキーに向かっていく父親と子どもなどが描かれています.この番組の登場人物になるということは,とんでもない状況に巻き込まれるに違いないということ(加藤は既に巻き込まれていますが).他の面子に比べると,おばあちゃんの戦闘能力がまったく読めません.岸本以下? テーマとしては「守るべき者のいる面子での戦い」になりそうです.

後半は玄野のエロ祭りが加速.その加速ぶりを微妙に外しているようで外していない音楽が愉快です.コンビニから戻った玄野は岸本が服を着ていてがっくり.なんで岸本がここにいるのか,そして自分はどうすればいいのかわからなくなって大混乱の玄野.しかし神は玄野を見放していませんでした.この家には布団は1組しかありません.「一緒のベッドで寝ていい?」と岸本.玄野の心中での祭りはどれほど大規模なことでしょうか.そして岸本はシャツ1枚で布団に.玄野も一緒に寝て,おやすみなさい.…あの,この状況で何もしないの? とさすがの玄野も突っ込みます.しかし岸本の必死の一撃,「あたしは,玄野くんのペットだから.ペットとはHしないじゃん」がヒット! 恐らく水を飲みながら必死で考えた詭弁です.だがしかし玄野もこのまま引き下がれません.「抱きしめたりチューしたりはしてた」と食い下がり,岸本もそのレベルまでは妥協.おかげで玄野は岸本を抱きしめてそれが気持ちがよくてファンファーレ.これでなしくずしに先に進むかと思ったら…
「あたしね」.油断した玄野に岸本第2撃.これも自らを守るための言葉に違いありません.家に帰ったら自分がもう1人いたことを玄野に告白する狡猾な岸本.こんな深刻な状況ではさすがの玄野も手が出せずに生殺し.そして次の,新しい朝がはじまったところで次回に続きます.

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GANTZ#4

「兎角この世も生きにくいの巻」

テレビでは例の写真集が消えた学生の遺留品として報道されていながら,しかし自分はここにいるという不思議を味わう玄野.西の説ならばオリジナルの玄野たちは死に,今の自分たちはFAXから出てきたコピーなのかもしれないが.今自分は確かにここにいる.あの夜,「誰にも話さないほうがいいぜ」と西に命令されたあと,あの不思議なマンションからは出られるようになり,そのままタクシーを拾って帰宅した玄野・加藤・岸本の3人.加藤と岸本がすっかりいい雰囲気になっているのが玄野には面白くなかったが.
次の日の学校,平穏な日常に戻ってきたはずの玄野だったが,自称友人の松村が2年からカツアゲされているのに巻き込まれてしまう.帰宅したはずの岸本は,自殺した岸本本体が意識を取り戻してしまい,帰る場所がなくなって公園のベンチで目覚める.そして加藤は辛い居候生活に戻るが,テレビには加藤が持って電車にアタックした弟の傘が映っていた.

きっとつい最近のおはなし,死にかかった3人の若者は,黒くて大きな魔法の球の出した大変な試練を乗り越えて,新しい命をもらって生き返ることができました.そのうち一人はすごい武器と防具までもらって帰ることができました.けれど魔法の球はいいかげんだったので,若者の一人の生きる場所がなくなってしまい,そのうえ折角生き返っても,やっぱり世の中は冷たかったのです.というわけで今回は玄野たちが現実世界に帰還してからが描かれます.
斬新なのはGANTZの世界と玄野たちの世界が地続きであるということ.あのマンションがそのまま現実空間に繋がっているところはやはり斬新で,そして気持ちが悪い.あの部屋が現実と異世界を結ぶ通路になっているのか,それとも全て現実世界で起きていることなのか.スーツの力が現実世界でも同じように使えるということは,ネギ星人を殺した世界もこの現実世界と同じなのかもしれませんが….まあ,そんな難しいことはともかく,目の前の問題をどうするかで玄野たちは精一杯なわけですが.今回は,異世界で戸惑いっぱなしだった先回までとは違い,日常に戻ったので素の年齢相応の表情もところどころで見られます.

来る前と帰ってきた後で最も状況が大きく変わったのは岸本.GANTZがいい加減なおかげで帰る場所がなくなってしまいました.公園で眠り駅のホームの椅子に座っているくらいしかできず,せっかく助かった命を自分から絶つこともできず…その結果がラストシーンに.
加藤は元々居心地のひどく悪い居候生活ですが,自分だけでなく大切な弟を守らなければなりません.その純真な弟に傘のことを聞かれますがさすがに答えにくく.
そして玄野は,序盤より繰り返し描かれたクライマックスに向かって日常の中で大転落.はさみこまれるシーンは使いまわしではありますが,使い方としては適切です.あの繰り返しなしでは序盤淡々と話が進んでしまいますし,放映できる部分は限られていますからね.自称友人の松村に金を払う義務を押し付けられた玄野ですが,学校に持ってきていたスーツを着込んで準備完了.とはいえテストなしの一発本番,失敗すれば歯が数本なくなる状況で「ぜ,ぜってぇはらわ,ねえ」と言い切ってしまうあたりアホのような度胸.そして岸本の記憶によってスーツまで怒張させて不良の親玉を粉砕です.カウンターで何かが不良の顔に入っているのがちゃんと描かれてますね.あの状況で岸本を思い出せる玄野はやはり筋金入りのエロでした.「そこにいるヤンキーじゃない奴帰っていいぜ」と見栄をきった割には手はふるえ,そして帰ってきた家の前にはなぜか岸本が.このままではスーツの力発揮し放題!というわけで次回に続きます.

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GANTZ#3

「エロは死の欲望を越えての巻」

電車に轢かれてから激変した玄野の運命.今目の前には縛られたネギ星人.西はそれを撃てと指示する.死人を見たいという好奇心や殺してみたいという奥深い欲望をそそのかす西の言葉,しかしどうしても岸本の目が気になる玄野.結局は銃を収める.お前も偽善者かと失望する西.なおも死体を見ること…つくることをそそのかす西.目の前に死にそうな奴がいれば,死体が見られるかもしれないって思うだろ? しかし玄野には西の言葉以上に岸本が気になる.結局玄野は撃てず,西は送る用の銃でネギ星人をどこかへと送った.ネギ星人も消え,再び最初のマンションへ転送される玄野たち.マンションには生きている者しか帰れず,部屋に戻れば今受けている傷は元に戻るという.しかし,玄野と岸が必死で呼びかけても,加藤は倒れたまま,来ない.

このシリーズが開始してからたった10分程度で死に,そこから1.5回かけて今度は別の生命の生殺与奪の権利を握った玄野.今週は握ったその命を潰してしまえと年下の西に誘惑されるという壮絶な展開を丁寧に描いています.この不条理な状況の中で,命などより岸本が気になって仕方のない玄野の卑小さが本当に笑えます.玄野はどうやら筋金入りのエロのようで,写真集を買い,キスをするという複線が生かされた絶妙な展開なのは間違いないのですが,人として本当にそれでいいのかどうかは微妙なところです.西は玄野を自らの仲間にしようと頑張りますが玄野が死の誘惑なんかよりも岸本ことエロに夢中だったおかげで失敗.岸本のおかげでネギ星人の命は奪わず終わりましたが,失われつつある加藤の命は呼び戻せないように見えて前半終了.

後半では,マンションにさらに犬と加藤が戻ってきて採点開始.採点も面白いのですが岸本に惚れられている加藤が うらやましくて仕方ないエロ玄野が愉快.採点では犬0点.岸本0点,加藤0点,西3点,玄野0点.基本的に敵を送ると点が得られるようですが,殺したときにどれくらいの点が得られるのかは不明のまま.生き残ったそれぞれへの実も蓋もないコメントとともに採点終了.そして彼らにはもれなく生きる権利が与えられます.冷笑する普通の中学生こと西がここに来たのは1年前.しかしそれより前からこの部屋では同じことが繰り返されていたらしく.今回補充されたのが西と犬以外全員だったということは,前回は西と犬以外全員が死んでいるってことですね.死に魅入られた西が玄野を自分の仲間に引き込もうとするのは恐らくはその孤独ゆえ.そして仲間にならない玄野を偽善者呼ばわりするのですが,玄野はそんな立派なものではなくただただエロなだけと思われます(苦笑).
己の部屋に帰ってきた玄野は,自分が元のままなのか,それとも今の自分は違う存在なのかを悩みます.テレビではあの政治家や先生の死が伝えられ,自分たちの死は「消えてしまった高校生」としてニュースのネタに.その上あの素敵なスーツと銃は部屋に残っています.夢じゃない.夢じゃなかったんだ!どうしよう!というわけで次週に続きます.

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GANTZ#2

「戦え玄野,適切に削れGANTZ!の巻」

不思議マンションに響く「新しい朝がきた」.黒い球には「ネギ星人をやっつけに行け」という指示が出て,内部に格納されていた銃と,名前つきの黒い服が出てくる.全員がそれを受け取りきらないうちに,来たときと逆に頭から消えてしまう部屋の人々.服と銃をなんとか持って外に送られた玄野は,コスプレのようなその黒い服を着る.送られた外の街を歩くマンションの面々.若い不気味な男・西は,「自分たちはスカウトされ,宇宙人をやっつけにいくのだ.一匹退治すれは一千万だ」と訳知りに言う.「スカウトなんかされてねえ」と反論する玄野たちだが.「ここに来る前に話しかけられなかったか?」という彼の言葉には全員覚えがある.ナビゲータを頼りにネギ星人を探しに行くマンションの連中.教師がアパートの一室で小さなネギ星人を発見し,マンションの連中はそれを銃で殺した.
程なく小さなネギ星人を殺した彼らのもとにやって来たのは,血の涙を流すネギ星人の親.マンションの連中は次々にネギ星人に殺される.

これを読んでるような人間に今更書くこともないとは思いますが,どのメディアにも表現に対する一定の線引きがあります.物理的なものから人間の決める倫理的なものまで様々ですが,テレビ局ってのはその倫理的な規制がちょいときつめです.「GANTZ」原作はバイオレンス満載なのでそれを地上波のアニメにするにはそのまま作れるわけがありません.これは当たり前の話です.しかしそれでも「GANTZ」がやりたいと作る側が思うのなら,規制を如何にして回避し乗り越え置き換えるかを考えるべき.そんなわけでこの番組も,「ケロロ」や「ボーボボ」と同じく,どんな風に規制を乗り越えるのかが1つの見所になっていますよ自分の中では.
今回は規制に触れる部分を削って,長さが中途半端になったから1話に入るようにさらに削ったみたいですね.これじゃ途中削りすぎだ(苦笑).首領パッチソードを御持参&御食用のネギ星人子どもが無残にやられる様を見せておかないと,親の怒りと加藤の涙がよくわからなくなってしまいますよ.親に頭を握られたヤクザと教師のやりとりとか,「生き残る」と宣言しながら殺されるヤクザとかはその恐慌状態がよく出ていて好きなんですけどね.そしてめまぐるしいやり取りの中で地味に政治家のおっさんが一人ではみ出して死んでおります.この調子で削るとフジに切られる前に放映できるフィルムがなくなると思われるので別の意味でどきどきです(笑).

後半は,加藤がネギ星人(親)を泣きながら説得しようとする馬鹿っぷり.殺し合いは嫌だが自分も死にたくない.相手は撃ちたくないが生き残るためには撃つしかなく.けれど撃てない加藤は転落.人間としては正しすぎる行動,しかも命がけだから非の打ち所もないんですが,それでも加藤の行動を見ている凡人はどうしようもなくやるせない気分になってしまいますよ.残った玄野と女の子の逃避行ですが,女の子岸本が玄野が撃たないことを責めるのは納得がいきません(苦笑).あんな状況じゃしょうがねえ!
2人の逃げた先は行き止まりの路地.追い詰められた玄野は,加藤が夢見た過去のガキ大将だった自分を呼び起こします.ぎりぎりの行動をヒーローになるために選択する玄野,スーツの力で華麗なる大ジャンプ.このあたりの浮遊感とスピードは映像として素晴らしい.どっこい生きてた加藤の助け(しかし役立たず)のおかげで,ネギ星人をスーツで強化された筋力でぶん殴る玄野.しかし加藤は許しを請うネギ星人を助けるよう求め,一方やってきた西は逆に銃でこいつを撃てと促します.
さて,玄野は彼を撃つのかどうか.撃ったあとにわかることとは.そして1時間経つと何がどうなるのか.さらに来週はどこまで削るのか,あんまり削るとなくなるぞ! とんでもなく歪んだ楽しみを見つけているような気がしつつも次週に続きます.

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