Kawaii! JeNny#13

男としてもゴミモンスター

シスターBの乗るイタズランIIを唆し,仲間割れさせることでダイカイテンを倒したゴミモンスター.しかし敗北の許されないISPは最後の希望,超天使ロボカシマCを準備していた.ダイカイテンを倒したことで思い切り浮かれ,ついでに恋に落ちそうになるゴミモンスターとイタズランIIの仲は愛らしいカシマCの登場によりあっさり破局.ゴミモンスターは邪魔なイタズランIIを攻撃し破壊してしまう.
己の恋路を邪魔するものを消したゴミモンスターはカシマCへの求愛を開始.けれどカシマCはゴミモンスターがゴミで臭いために彼のキスから逃げ回っていた.失礼なことを言われたゴミモンスターだが,正直は貧乏人の財産ということでカシマCを許し,かわりに消臭剤を自分にふりかけて臭いを消した上でさらに迫る.もちろんカシマCも,中に乗っているジェニーたちもゴミモンスターにキスされる趣味はない.かくなる上は戦ってゴミモンスターを消滅させるしかない…という物語がなぜかミュージカルで展開する.

映像的にも内容的にも斬新すぎる「かわいいジェニー」もついに最終回! やりたい放題を最初から最後まで貫き通して描いた軌跡は…これは本当に誰にも真似できないというか,真似しようと思う奴がいないというか…(苦笑).とはいえこんなNHK教育みたいな映像を30分1クール作り上げられた意義は大きい.造形の質も映像の質も悪くない,問題は脚本と悪乗りだけである作品をコンスタントに出せたこと自体が凄い.それはNHK教育にも「マイキー」にもできなかったことで…「モノノ怪」総評と同じようなことを書いている自分にびっくりです(笑).
崩れた効果をわざと狙っている場合以外は,基本的にギャグはシリアスより作画・演出の質は良くなければ面白くなりません.これは,たまには素人の苦し紛れの崩れっぷりが面白いこともあるけれど,繰り返し見続けていくならば事前に練られきっちりと作り上げられたプロの芸の方が面白いのと同じこと.そういう意味で本作は徹頭徹尾見事なプロの仕事,プロの芸でありました!

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Kawaii! JeNny#12

うかつなバカしかここにはいません

(A)ダイカイテンによって宇宙に返されたはずのゴミモンスターだが,すぐに宇宙のゴミを吸収してパワーアップし地球に戻ってきた.パワーはともかく乗り心地の悪すぎるダイカイテンだけではこれ以上の戦いは無理かと思われたそのとき,修理の完了したイタズランIIが戦線に復帰する.ISPの正義の力とエイブランの悪の力が合わさることで,地球の敵であるゴミモンスターをもう少しで仕留めるところまで来たのだが.
(B)古城からの無料招待状をもらったエイブランの1人と3匹は,早速社員旅行がわりに揃って古城へと出掛けた.不気味な雰囲気の城には魔女や幽霊のような老婆が待っており,城に入ったシスターBたちにお前たちを食ってやると宣言.恐怖でパニックを起こしたシスターBたちを次々に襲う西洋甲冑に城のお姫様,実はこれら全てジェニーたちが仕掛けた罠だったのだ.

最終回目前だろうとバカはバカでやることは変わらない「かわいいジェニー」.日本の誇る技術の粋を無駄遣いしまくって作られた本作は,たぶん作っている人たちが一番幸せな部類の作品で…金をもらってこんなもの作らせてもらえるなんて,本当にうらやましすぎるなぁ(苦笑).でも,こういう尖った作品で技術を上げた後で作られる大衆向け作品は大当たりすることも多いので,川北監督の今後の展開は注目していきたい.でも「ジェニー2」だったらどうしよう(笑).
今回の脚本は前半が御大で後半が川端信也氏.御大のは次回最終回に向けての積み上げ回なので爆発は緩め.それでも何の迷いもなく裏切るシスターBは素晴らしいですが(笑).後半の川端氏はまだまだ他の超脚本家の皆様に比べると堅い! 主に「シンデレラ」の再利用で一本という趣旨なんだけど,他の脚本家ならもっともっとバカでダメな方向へ突っ走ることができるのが見えてしまい…こんなどうしようもない方向に目が肥えていく自分がちょっぴり悲しくなってきたなぁ(苦笑).

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Kawaii! JeNny#11

強き者,汝の名は女

(A)街にゴミモンスターがまた出現した.ジェニーたちスイーツエンジェルスはISPの特殊メカ3機で戦ってみるがまったく歯が立たず,蠅たたきで落とされるようなふがいないスイーツエンジェルスに市民たちは落胆し罵倒する.続いて出てきたのはシスターBが操縦するイタズランII.人気取りにやってきたシスターBの善戦を見たジェニーたちは馬鹿馬鹿しくなり,うどん食って寝るためにバスバスへと戻った.
(B)荒れ狂うシスターBの下から樹海へと逃亡したエイブランのクマたち.自立を目指す3匹はそれぞれに森の中で家を建てるのだが,森の中で迷子になり水と食料を求めるジェニーたちが次々に家を襲って破壊していく.クマちゃんの藁の家はなでしこの合気道で吹っ飛び,クマくんの木の家はアキラの空手で粉砕された.残るはクマさんの建てた鉄の要塞のみ.果たしてクマ達は恐ろしい山賊どもの攻撃を退け自立することはできるのか.

巷を席巻する「スイーツ(笑)」ブームの斜め上を行く「かわいいジェニー」.今回の脚本は御大&千葉克彦氏.御大はいつものアレな調子でうどん食って寝るの大好きだよなー.冒頭の菓子をがつがつ食うところとか,新マシンにミスターを無視して勝手に乗り込んだときとか,御大脚本ならではの独特の間が映像として見事に再現されていることが凄い.最初は完全に御大に振り回されていたけれど,今は余裕を持って演出できている映像側の成長ぶりが大変に微笑ましい.
後半は女たちの悪っぷりが十二分に発揮されている怪作.もちろん面白い,凄く面白いんだ!…でもなぁ.確かに野放図な話は掛値なしに面白いんだけれど,元々伏線を駆使しながらの愉快で小気味よくて緻密でシリアスなドラマ作りに十二分な適性のある人なんだから,無理にここで頑張らなくてもいい気がしてならない.ここでしか生きられない御大とか,様々な試行錯誤の末に一番の強みがここにあると自ら見出した大和屋氏に比べると,シリアスドラマで一流な千葉さんの場合は,本作では明らかに才能の無駄遣いに見えてしまうんだ(苦笑).

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Kawaii! JeNny#10

投げっぱなしが気持チイイ…

(A)宇宙人ピーちゃんが地球に戻ってきて,宇宙のゴミが気持ち良く合体して生まれたゴミモンスターが宇宙で暴れていると言う.一体誰が宇宙にゴミを捨てたのか.Mr.クラウンに確認すると人間ではないと言う.悪の秘密結社エイブランにはそれがやれる資金力がない.ゴミモンスターは宇宙を汚す奴は人間しかいないと断言するし,ゴミを捨てたのは結局誰なのか.
(B)お腹の空いたなでしこは仲間を誘ってラーメンを食べようとするがすげなく断られてしまう.もしも自分がお姫様ならジェニーたちも自分をないがしろにしたりしないだろうに….なでしこはあっという間に自分の妄想の中に没頭していく.自分が姫でジェニーとアキラが家来でMr.クラウンがじいやで,仲間たちは自分を守るために一所懸命.そしてもちろん,なでしこ姫を狙う悪の組織もなでしこ姫を狙っているのだ.

素晴らしいイカれっぷりも見せたこのシリーズも終盤目前.回を重ねるごとにどんどん投げやりの目茶苦茶になっていく「かわいいジェニー」! 普通の人間の許容範囲を遥かに超えるふざけっぷりは,例の「カブトボーグ」と並び今年のバカ作品の双璧を為すんじゃないかと思います.今回前半からはじまるゴミモンスターシリーズは一応連続モノのはずなんだけど…いつもながら,あんなぶん投げかたを連続モノでやっちゃダメだろ御大(苦笑)!
脚本は前半が浦沢御大で後半が下山氏.人類とか女性に対して非常にシビアな目を向けつつも流行のネタは迷わず拾い食いする御大の間違った貪欲さはなかなかですが,ひたすら妄想世界を突っ走ったあげくにあの一言で強引に落とす下山氏の悪乗りっぷりも気持ちいい! この作品でなければ当然許されない反則技を嬉々として実践する脚本家たちの何かに憑依されたかのような笑顔を妄想すると,視聴者の頬もやっぱし緩んでしまうなぁ….全てが許される自由って素晴らしい.そしてこの自由をそのまま飲み込める視聴者はきっともっと素晴らしい(笑)!

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Kawaii! JeNny#9

師匠は夕食,弟子はぶん投げ

(A)給料が安くて血圧の高いMr.クラウンに依頼というか脅迫をされて性能強化されたISPマシンを試すことになったジェニーたち.それぞれの機体に乗り込んで早速テストしてみるのだが,3機とも大暴れで使い物になる操作性ではない.こんな危ないものに自分たちを乗せようとしたことに怒ったジェニーたちはISPの経費でスイーツを食べに行き,残された機体にエイブランたちが近づいた.
(B)アキラとなでしこが頭をぶつけて人格が入れ替わってしまったものの,2人とも案外落ち着いている.男女の入れ替わりと違って問題も少ないので,記憶が戻るまで気長に待つことを決めたからだ.エイブラン退治も3人がかりなのでスイーツエンジェルスとしての活動にはまったく支障なし.ハリー先輩へのアピールでも先輩が戸惑うくらいの問題しか起きない.けれどエイブランの追加により人格入れ替わりの規模が一気に広がったところから現場は混沌の渦と化す.

回を重ねるごとに混沌の度が増して飽和点に達しつつある「かわいいジェニー」.後先を一切考えない自由すぎる物語はまるで真夜中の白昼夢.意味や教訓やメッセージなどというお高い物は一切含まれていない,純度100%のジャンクフードです(笑).本来典型的なスロースターターの浦沢御大作品が,この短期間がここまでぶっ壊れるのは本当に珍しくて素晴らしい.比べてみると「PPGZ」も「パンシャーヌ」も相当まともな作品だったんだなぁ…(苦笑).
今回は前半が御大で後半が大和屋氏.相変わらず御大はやりたい放題の斜め上に展開.とりあえず夕食のメニューが決まれば十分だろと言わんばかりの御大イズムが溢れまくり.そして後半では現状復帰糞食らえという家風も堂々,大和屋氏のぶん投げ発動(笑)! カオスと化す終盤から気持ち良くぶん投げへと繋がっていくためにその飛距離は相当のもんです! …こうやって毎週バカ話を見ていると,段々無表情なはずの人形の顔に様々な表情が見えてきちゃうなぁ.

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Kawaii! JeNny#8

基本に戻るとなんか地味

(A)ジェニーの宝くじが1億円当たった! アキラとなでしこはこれまでのバスバスでのお菓子と紅茶費用を盾にして分け前を要求するが,ジェニーはシスターBからもらったくじだからと拒否する.1億円を全部ハリーに貢いでお嫁さんにしてもらうことしか考えていないジェニーは,明らかにシスターBに騙されているに決まっているのにスイーツエンジェルスを脱退する.
(B)スイーツの食べ過ぎで肥えてきたジェニー.このまま太ればハリー先輩の記憶から消え去る日もそう遠くはないかた,1カ月間アキラとなでしこの監督の下でダイエットに励むことを決める.案外ダイエットマニアだった仲間たちの指示を受けて順調に体重を落としていくジェニー.しかし目標達成直前に,どうしても空腹を我慢できなくなったジェニーは盗み食いでリバウンドしてしまう.

浦沢御大の敷いた,いい大人の悪ふざけ道を堂々と歩む「かわいいジェニー」.予想通りに順調に,映像的にも内容的にも他では絶対に見られないような壮絶な作品と化しております(笑).今回のゲスト脚本は川端信也.他の超脚本家たちに比べると新人と言って良さげなキャリアで…これまでの参加作品はガチでまともなわけだから,よりによってこんな人外魔境で仕事しなくてもいいのに…(苦笑).
今回は基本に忠実.エイブランは悪役でジェニーたちも比較的仲良し.しかしここまで毎回のようにみっともない内輪もめに次ぐ内輪もめを見てきていると,基本に忠実なことに退屈さを覚えてしまう,そんな現状が怖い(苦笑).掴みは結構いいんだけれど,特に後半はオチを映像的に把握しにくいのも難点.ハリー先輩のバイト一直線な姿勢は凄くよかったんだけどなぁ(笑).ちなみにこの回よりオープニング変更.なんかでっかい人が増えた….撮影協力の大佛次郎記念館は「おさらぎじろう」って読むんだぜ!

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Kawaii! JeNny#7

こいつらどいつもこいつも最低だ

(A)ジェニーたちの出す大量の請求書にMr.クラウンはキレ,自分たちのコスチュームとMr.クラウンのパンツが一緒に洗われたことでジェニーたちはぶちギレた.シスターBたちがISPに真正面から乗り込んできても内輪もめはまったく収まらない.自分の文句を聞いてもらうためにはまず仲間割れを終わらせる必要があると考えたシスターBは,仲直りのための計略を立てる.
(B)楽器不問の四重奏コンテストで優勝すればヨーロッパ音楽の旅が楽しめると聞き付けたジェニーたちは,早速Mr.クラウンを誘って即席のカルテットを組み出場することにした.なでしこは琴,アキラはドラム,Mr.クラウンはエレキギターを演奏できるが,ジェニーの楽器はトライアングルだ.そんな4人で迎えたコンクールの当日.会場でジェニーたちは宿敵エイブランの1人と3匹に遭遇する.

毎度毎度滅茶苦茶な「かわいいジェニー」…ここまで凄いならDVDは買うよ!なんか再版とかされる予感がまったくしないし(苦笑)! ゲスト脚本家ロードは続き,今回は「ケロロ」でもおなじみの下山健人回! くだらない台詞回しを得意とする氏の強みが実に良く出ており,特に前半はこれまでのゲスト回で一番出来がいいかもしれない.出てくる奴が全員ダメというお約束もきっちり守った良エピソード.凄いなぁ!
ここのところ毎週のようにジェニーたちの前に立ちはだかる,エイブラン以上の強敵ことミスター.不毛な内輪もめはコメディの常道ではありますが…この調子だと最終回までミスターとのバトルは続きそう.金払いの悪い経営者とわがままな雇用者の姿は,本作の脚本家たちが日常的に見聞きしたり体験したりする各種番組の制作現場を反映し茶化しているような気がしなくもないですが,考え過ぎ…じゃなさそうな気もする(笑).

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Kawaii! JeNny#6

奪う奴も出さない奴も敵!

(A)新兵器を投入しお洒落とスイーツを街中から吸い取りまくる悪のエイブラン.しかし正義のスイーツエンジェルズは,待遇改善を求め無期限ストライキに突入していた.小娘たちの反逆に怒るMr.クラウンは自らエイブランのところに出向き,実は最初から性格悪いので気に食わなかったジェニーたちをやっつけてくれとシスターBに依頼する.
(B)なでしこに誘われバレエ教室に行ってみたジェニーたちが見たのは,教室から逃げ出すクマさんたちとそれを追って出てきた血染めのトゥシューズの怨霊だった.恐怖からジェニーたちも逃げ出すけれど,結局怨霊に先回りされてしまう.怨霊はある性格の悪い女性に買われ,意地悪の仕返しのために血に染まって捨てられてしまった.舞台も経験できずに捨てられた恨みによって,靴は怨霊に変わってしまったのだ.

今期のどの作品よりも覚悟を決めて振り切れているに違いない「かわいいジェニー」.前回から御大脚本を離れて物語が展開しており,今回は当然のように大和屋回.「カブトボーグ」とは逆に師匠の作品に参加する弟子の生み出す物語は…アキラに恨みでもあるんですか? それとも逆に可愛くて仕方ないんですか(笑)?
キッズ・ティーン向けのコメディを最も得意とする大和屋氏ですが,後先考えず本気でギャグを書いてきたときには結論をぶん投げるという親譲りの凄まじい技を持っており,Bパートのオチがその凄いぶん投げが炸裂.それでいいの? 本当に(笑)? でも師匠のデザイナーの回なんか最初から最後まで異次元のままで終わっていったので,最後だけ投げる弟子はまだまだマシなのかもしれません.

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Kawaii! JeNny#5

余程の腕でも手に負えない!

(A)最近疲れが抜けない上に,小遣いの減り方も激しいジェニーたち.ただ働きどころか交通費すら自腹なスイーツエンジェルスとしての活動が原因だ.待遇の悪さに我慢しきれず労働争議をはじめたジェニーたちだが,スーパーヒロインはお金のために戦うわけではないし,衣食住は自宅住まいの学生なんだから不自由ないだろうとMr.クラウンにボランティアを強制されてしまう.けれどISP全てがボランティアではないことに気づいたジェニーたちは,即座に戦闘を放棄した.
(B)突然ISP飛行基地へと呼び出されたジェニーたちを待っていたのは,MR.クラウンの用意した専用飛行機とハリー先輩そっくりのバリー教官だった.大人の魅力にやられたジェニーたちは,教官の指示に従って格好も気にせずで体力作りに勤しむ.それを監視していたクマさんの報告にエイブラン基地は激震する.ジェニーたちが自分たちの領域であるミリタリールックに踏み込んできたのだ!

いい大人の酷すぎる悪ふざけこと「かわいいジェニー」.ここまでに浦沢御大が見事作り上げた世界はあまりにも壮絶な出来栄えとなっており,さすがの千葉克彦でもいきなりこの異様な世界での本領発揮は無理.むしろちゃんと2話作っただけで偉いので褒めたい…つうか千葉さんはノーマルな脚本でも抜群に熱くてバランスのいいものが書けるわけだから,もうちっと仕事を選んだっていいのに,なんだってこんな滅茶苦茶なところに喜んで飛び込んで行くかなぁ…やっぱし大和屋氏と「カブトボーグ」のせいなんだろうなぁ…(苦笑).
てなわけで基本的なコンセプトは当然イカれているものの,さすがに御大の高みにまでは達せずに終わっていく今回.それでもいろいろと必殺技が炸裂するあたりはさすがキッズ作品の名手!…これキッズ向けの作品じゃないけど(笑).ラストでは好き勝手に思い込むけれどちゃんとオチがついて納得できずに着地する真面目なところが実に千葉氏らしくて,御大脚本に比べるとざらつきの残る視聴後の後味もなんだか魅力的.

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Kawaii! JeNny#4

前提や結末はどうでもよくて重要なのは過程!

(A)大好きなハリー先輩を映画に誘ったジェニー.しかし今時珍しい苦学生のハリーはバイトで忙しいとそれを断る.どんなバイトをしているのかを知りたいジェニーがなでしこたちとともに後をつけると,ハリーは工事現場で,あのエイブランたちと一緒に働いていた.シスターBがハリーに接近していることに嫉妬したジェニーは,仲間を引き連れて同じ現場でアルバイトを開始する.
(B)何の前置きも脈絡もなく,唐突に売れっ子ファッションデザイナーになっているジェニー.部下のなでしことマネージャーのアキラに支えながらも大忙しの日々を送るジェニー先生の店には,お洒落とスイーツの消滅を狙うはずのエイブランたちまでやってきて大量購入していく.最高の材料と技術で作り上げた服を着こなしてもらう己のポリシーのためならば,ジェニー先生は大統領夫人の太り過ぎを諌めることすらできるのだ.

深夜にリアルタイムで視聴していると,こんな時間にこんなものを見ている自分のダメ加減が身に滲みてきて痛い作品ナンバー1の「かわいいジェニー」.前回の活躍を示すアバンで堂々と内輪もめを流すのはどうだろうジェニー! 4回目なのでジェニー人形が不格好に動き珍妙なドラマを演じるのを見ることにはさすがに慣れてきましたが,浦沢御大の自由奔放な脚本は,ここまでどんだけ沢山見てきてもやはり慣れることができません….
人形にドラマを演じさせる近年の傑作としてはマネキンドラマの「オーマイキー」が浮かびますが,シュールを極めお洒落な雰囲気を漂わせていた「マイキー」に対し,本作に漂うのはそれとは明らかに違うもの.工事現場とか特撮部分は金もかかっているはずなのに,シュールと情けないの両方を極めちゃってるのでお洒落が感じられない…このへなへなとした感じが最高(笑)! でもいきなりパラレル設定を繰り出して一切そのフォローをしないという後半の暴挙は,マニアでもさすがにどうかと思いました(苦笑).

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