クラッシュギアNitro#50

「火を得たサルのおとぎ話の巻」

決勝第3戦は阿久沢VSマサル.阿久沢が勝てば巴戦の勝者は決まる.実力では阿久沢の圧倒的有利は疑いもないが,マサルにはマサルの世界がある.ヒデに勝利を「ばきゅーん!」と誓うマサル.金一郎ははじめて阿久沢に,同格か格上の相手と対するときのようなアドバイスをする.
第3戦開始.序盤,拮抗するように見えた2機だが,マッハヴィクトリーが氷づけに.阿久沢は前の試合からNitro状態を維持し続けていたのだ.しかし,車体が凍った状態でもそれをコントロールするマサルは,ジャマーを利用して氷を砕く.ついにマサルがNitroを発動.2機の必殺技,光の翼とファイナルグレイシャーが激突する.Nitro状態での激突により両ギアは停止.マサルは立ったまま気を失った,

最終回です.OPで普段のEDテロップをかなり流しておき,EDはエピローグつきの特別版になっています.
この1年で,最も面白い展開を惜しげもなく見せてくれたNitroもこれで見納め.というか最終回をいいことにやりたい放題(笑)! 銀次郎がマサルの身を案じて棄権を申し出るのを止めたヒデの言葉,「小5のチャンピオンシップは一生に一度しかねぇ!」 そう,ここでこれまでのやりたい放題を止めて,ごく普通の最終回をやるという選択肢もあったはずで,しかもそのほうが番組全体としては収まりがよかった可能性すら十分にある.けれど,この番組はこれで終わってしまう.次はない.だからこそ「大丈夫だ!」とばかりにやりたい放題を続行というかむしろ強化! Nitroです! 確かにスタンダードな最終回は見ていて感動しやすいんですが,それはここまで積み上げてきた面白展開を脇役の位置に押しやってしまう行為に違いないですからね.そのいさぎいい選択,確かに受け取りました!

この作品,主人公は言うに及ばず,本来なら最終回で救われるはずの阿久沢やら金一郎までが先週までにすでに救われてしまっていました(笑).一人取り残されていたのは銀次郎だけで,彼がやっと中盤に救われる…というか悩みを手放したあとは,純粋な,涙などかけらもない楽しい戦いだけが残ります.それはマサルがずっと住んでいた,このままずっと続けばいい夢の世界.金一郎や阿久沢が目指していた「Nitroの大海原」なのでしょう.ここにマサルがいち早く到達していたのは,彼の才能と,いいかげんな性格と,それからギアを初めて1年しか経っておらず,得られる何もかもを新鮮に感じることができていたからに違いありません.
星空の美しさを素直に見つめ,同じ瞳でギアの戦いを見つめる.勝ち負けはそれなりに重要だけれど,それよりも誰かと一緒に遊べることの喜びを強く感じるマサル.阿久沢の心に吹いた風は,そんなマサルのNitroに答えた,阿久沢の中にもあったけれど忘れてしまっていた同質の心.しかもそれは阿久沢だけでなく,ギアに夢中になれる少年少女全員の心に含まれている…って解釈でいいのかな?

最後の戦いは,本当にすばらしいスピード感で,しかも番組至上まれに見るほどまともなギアファイトでした(笑).バイザー外したあとのフォルムがマッハジャスティスに似ているところが妙にうれしかったなぁ.
オチは,「やりたい放題,本当にありがとう!」と.そして国府田,最後まで愛されててこの幸せものめ(笑)!
元々この番組は,リアルな人間模様なんてありきたりのものを描こうとしていたわけではなく,ギアの出てくるイカれたおとぎ話だったので,当然の幕引き.最高です.そのおとぎ話ってーのも,Nitroという新しい感覚能力を取得することで次の段階に踏み出す人類の,その進化の最先端部で起きた物語なわけですから!

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クラッシュギアNitro#49

「歌え国府田,指ならせ国府田!の巻」

クラッシュギア第48回世界大会の優勝者を決めるべく,最終戦,真羽,国府田,阿久沢の巴戦がはじまる.緒戦はマサルと国府田戦.しかしマサルのギア・マッハヴィクトリーはさっきのバトルロイヤルでのダメージを受けたままだった.それを助けようと,仲間は自分のギアのパーツを差し出す.しかしマサルは申し出を断り,自分たちだけの力で最後まで戦い抜こうとするのだった.この1年,銀次郎の言うことをまともに聞いたことがなかったマサル.今日も彼の助言をいつものように聞き逃し,決勝会場へ.
会場にはたくさんの人々が,そして会場に来れなくてもテレビを通じ,世界中の人たちがこれからはじまる戦いを待っている.マサル陣営は先生やこだまギアクラブ部員が華やかに応援.それを見て己の孤独を感じ,つい心の歌など絶唱してしまう国府田.しかし彼にも,彼を応援するために集まった人々と動物たちがいる.
この1年に決着をつけるための最後の戦いがはじまる.

脚本:山口亮太,演出・絵コンテ:ワタナベシンイチ.この番組での最強の布陣がラスト1話前を飾ります.ギアをこよなく愛し,それゆえにギアとNitroに愛された主人公マサル.類稀な才能を金一郎に見出され育てられた,天に愛されたライバル阿久沢.そして自分のギア以外仲間がいないという特異なキャラクター性により,制作スタッフに愛されたみんなの一匹狼国府田! つうか国府田溺愛されすぎです(苦笑).
今回の見所はまさにそれ.ナベシンだからこそやってほしかった妙なキャラクターソングが爆裂! ナベシンの歌は今にはじまった話ではなく,「はれぶた」では要所で登場し番組全体のリズムを整えるという役割を果たしていたのですが,まさか,まさかそれがここで再び見られようとは(笑).はじめて聞いた歌ですが,曲はさんざん聴いているので一緒に歌える自分が情けないったら! 「国府田ーのこの字は孤独のこー」って歌詞もだめだし! ものすごく! CD出してください(笑)!
レオンの翻訳ができるようになっちまったヒデさんは,やっぱりマサル戦での後遺症が出ていると考えるべきなんでしょうか.フィールド屋さんがなぜか審判やってるのもうれしかった.国府田弁当もここでまた出るとは….

この回だけではないですが,ナベシンと亮太さんが揃うと番組がNitro状態に入ります.ファイトのほうも,一旦負けかける国府田がJCの喝で,爆裂指パッチンとともに素材的に考えられないギアの動きで復活しちまうという素敵ぶり.こういうところを見ると,Gガンダムの面白話は亮太さん脚本が多かったですし,国府田ってのはキャラとして(面白い)ドモン・カッシュなんだなぁとつくづく感じたり.そんなわけで,たとえ主人公でも制作側には勝てず(笑)マサルは負けてしまうのでした! しかし制作側も天には勝てません.さくっとやられて氷漬けの国府田.とうとう次回はギア馬鹿マサルとキング阿久沢の決戦となるのでした! 
…ってことは,次の勝者がマサルである場合,最終戦はもう一度国府田ってことになりますが,さすがにそれはありえなさそうで.ってことは勝負としては阿久沢勝利&優勝か国府田が試合続行不可能でマサル優勝? それとも最終決戦の最中に何かが起きてそれどころではなくなる? ギアファイトの最中に決戦会場の建物が変な光り方をしていたのもちょっと不安.そしてサンライズ最終回のお家芸「金色化」はやってくれますか?

人間同士,ギア同士,そしてギアと人間が互いに高めあい,こんなとんでもないところにまで来たNitroの世界.とうとうマサルがたどり着くNitroの彼方とは,どんな姿をしているのか.その姿を確かめるべく,次週最終回に挑みます!

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クラッシュギアNitro#48

「ZETの皆さんおひさしぶりの巻」

Nitroに溶け,消えてしまった阿久沢.残った2試合が不戦敗となり,阿久沢・国府田・真羽が96勝3敗で並ぶことになる.そこで巴戦を開催し1位を決定することに.しかし,阿久沢が戻ってこないがゆえに気合の入らないマサル.そこに伝わるNitroは,阿久沢の残したキングカイザーのもとにいざなうマッハヴィクトリーの鼓動だった.かつて戦った実力者,ZET学園のQT・MU・JCやフィールドカーも阿久沢の家に集結し,「ギアとフィールドが揃ったらやることは1つだろ!」とバトルロイヤルがはじまる.

高められたギアは,人間や他の機械にまでNitroすることができるってのが前半の見所.人間から機械の側に一方的に干渉するのではなく,機械からも人間に干渉できるのがNitroの境地なわけですが,今回描かれたのは,キングカイザーを始点とし,他のギアを介して人間を強制的にNitroさせるというカスケード現象.これはNitro対象を無尽蔵に増やす可能性がある点で,「メダロット」の共鳴現象と似ているかも.Nitroの大海原はこれに関係あるのだろうか?

中盤の,とんでもなく高レベルなのだがはたで聞いていると馬鹿な戦い(主な原因はマサル)とか,この番組中唯一の大人美形・学園長こと金一郎兄さんの燃える手袋とか,祭り(キングカイザー主催,ZET・真羽勝協賛)によってやっぱり帰ってきた阿久沢とか,展開についても作画についても今日は安心して見られてよかったです.というかこういうイってる展開が一番安心できるって現状についての疑問は残るんですが! 面白いからよし!

来週は巴戦.これまでの公式戦戦績では真羽○-×国府田・国府田○-×阿久沢・阿久沢○-×真羽となっていて,均等に見えます.ただし阿久沢VS真羽戦で阿久沢が大幅にレベルアップしているのは間違いないので,実際には残り2人は1段落ちる実力.特に国府田は最近マサルに負けているので不利かと.
最初の組み合わせは国府田VS真羽.連続2勝が巴戦の勝利条件.国府田が阿久沢に勝てる可能性は低そうなので,マサルが優勝するには最初の2戦を絶対に勝ち抜くしかなさそうです.

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クラッシュギアNitro#47

「中学生が小学生と本気で雪合戦はどうかとの巻」

北の果て町に来たマサルと阿久沢.今回はマサルと阿久沢の対戦だ.ニトロの大海原を探す阿久沢に半そで半ズボンのままでついていくマサル.一緒に吹雪の冬山へ.ニトロの大海原を探すも見つからない阿久沢.しかし,マサルはそんなことをまったく気にしていない.「一緒に戦うのが楽しい」と無邪気.その言葉に呆れた阿久沢とマサルが見たのは,海に浮かぶ巨大な氷塊の群れだった.

あれ,まったくそういう風には見えないんですけど,やっぱり流氷のつもりなんでしょうか?・・・とか書いておいたら案の定流氷でした(苦笑).だから!流氷の浮かぶ海ってのはもっと空はクリームっぽくって海の色も暗くて氷の割合はもっと多めで水平線に近いほうが氷が多いのでより白くなっていて! つうかあの山周辺が道東なら吹雪はもっともっと目が細かくてかわりに背景は白くかすんで見えなくてよくて!で!本当に本当に道東ならバスに乗って山まで来るのはいいけど次のバスはちゃんと今日中に来るかどうかわかんないんだ(笑)! 待ち時間2時間とか普通にありえるぞ! 気をつけろ!>マサル
話のほうはとうとうラストに向けてのターニングポイントなわけですが,作画がへたれてくれてもうどうしたらいいんでしょう(大苦笑)先週分で力尽きましたか? 筋としては,いつかはやってくると思っていたことが現実に起きてしまうわけです.阿久沢の場合元々修行して十分な実力がついていたところでとうとう今回開眼したわけで,溶けてしまっても仕方はないのですが,もっと低いレベルで溶けてしまったマサルとは違い,晩御飯や愛機程度の煩悩ではちょっと戻って来れそうにありません.そこで,神レベルまで高揚してしまったシャーマンを地上に戻すために,残ったシャーマンたちで彼を降ろすための儀式を行う,ってのが次回になるわけで.土俗宗教的には非常に納得のいく筋立てです(爆).

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クラッシュギアNitro#46

「マサルとヒデ,最高の一戦の巻」

今回のマサルの対戦相手はこれまで一緒にやってきた仲間,ヒデ.夜の対決に備えて昼間からテンション上がりまくりのヒデとマサル.しかし,マサルが優勝するにはヒデの敗北が必要だった.それを聞いたヒデはファイトをさぼってしまう.夜になるも来ないヒデ.サナマさんはいい奴なので会場の時計を戻したりして時間を稼ごうとするも,審判の時計は戻っていなかった! 結局失格になってしまうヒデだが,彼はこれを待っていたのだ.

来ましたよ! 楽しみだったこの1戦,ニトロ使いの馬鹿ファイター同士の1戦です! 前半のヒデさん待ちの部分はナベシンらしく軽快ですがあくまで前座.真骨頂はファイトが始まってからの,ギャギャーンでギュギューンな風使い同士の戦いです! 5分程度戦いが続くのですが,1秒たりとも目を離せません.序盤の競り合い,中盤での浮遊,終盤でのニトロ爆発と見所だらけ.ナベシン流ギアファイトの真髄を見た思いです.
考えてみれば,マサルがはじめて空を飛んだときも確かナベシンで,「ああ,このどこか神聖にすら見える浮遊感がたまんないなぁ」とか思ったわけですが,今回は同類のヒデと一緒だったおかげでとんでもないスピード感が加わりやがりました! すげぇ,すげえよナベシンサイコー! それにCGもものすごくてスタッフサイコー!

ギアに対し極度に集中することによって一体化し,そのスペック以上にコントロールする技,Nitro.なのですが実際にはニトロ状態だと自分の体は飛ぶわ自然現象が操れるわな状態なので,ニトロのできるファイターはギアを媒介として物理空間に超常現象を引き起こせるシャーマンとなっていると考えるべきでしょう.それがゆえに,マサルやらヒデやら国府田やらレオンやらの本能で生きているタイプにはほんとによく精霊が降りてくるんではないかと.(余談ですがNitroに関しては「おもちゃによる代理戦争」アニメという定義はあてはまらないと思われます)
そうなってくると,あくまで理性で精霊を降ろしてる阿久沢君の場合,その理性ゆえにどっかに限界が出てきそうな気がしますが,それは次回のどこかで何か描かれるんでしょうか.

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クラッシュギアNitro#45

「TBの黒っぽいクリスマスの巻」

 次は勝とZDの対戦.こだま小ギアクラブはTBと勝のどっちを応援するかを議論中.自分と勝の勝利について悩ませず,みんなに楽しいクリスマスを送ってほしいTBは古い書物を出してきて,「この通りやれば世界が幸せに」・・・って,そんなもの大丈夫なわけがない.しかし書物の内容に習い,近藤と斎藤を間違えながらも儀式を行うTB,案の定その書物は「ギア・イズ・ビューティフル」の秘伝書(黒).マコトや斎藤たちは儀式の影響で倒れてしまう.
 TBを探してやってきた勝一行.待っていたのは子どもたちの待っているフィールド.どうみても何かに取り付かれてしまったTBは,「ビューティフル」サンダーブレイカーで勝に挑む.しかし,勝は馬鹿なので細かいことには気づかず強いTBと戦えて幸せ,さくっとTBに勝ち,魔界の穴?は閉じていく.
 敗北の代償として消えてしまうTB.しかし安生さんが探し出してめでたしめでたし.

 クラッシュギア48回世界大会も終盤.勝VSレギュラーの一戦.TBは番組中盤でとても苦労をした子なので,こういう,クラッシュギアNitroの主流と言える「どうしようもないけど幸せな物語」で(実質の)最終戦を終えられて本望でしょう.自分がなんとかしたい,となんでも抱え込んでしまう子ですが,勝たちが一緒にいれば,きっとこれからは(ときどきボケて暴走するかもしれませんが)なんとかなっていくはずです.
 そんなわけで,ちょっと早いですがメリークリスマス! 

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